赤ちゃんの不思議な動き:非対称性緊張性頸反射
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分の意思で体を動かすことはできません。しかし、周りの環境からの刺激に対して、決まったパターンで反応を示すことがあります。これは「原始反射」と呼ばれるもので、赤ちゃんが生まれながらに持っている、生きていくために必要な体の反応です。
原始反射には、例えば、何かが口に触れると吸い付くような動きをする「吸てつ反射」や、指で赤ちゃんの掌を刺激するとぎゅっと握り返す「把握反射」など、様々な種類があります。これらの反射は、赤ちゃんが外界の刺激に反応し、周囲と関わっていくための第一歩と言えるでしょう。
原始反射は、赤ちゃんの発達段階を知る上で重要な指標となります。医師は、赤ちゃんの月齢に合わせた原始反射が現れているかどうか、また、適切な時期に消失していくかどうかを観察することで、神経系が順調に発達しているかを判断します。そして、もしも反射に異常が見られる場合には、発達の遅れや脳機能の障害などの可能性も考え、より詳しい検査が必要となることもあります。