全身に影響を及ぼす難病:サルコイドーシス
- サルコイドーシスとはサルコイドーシスは、原因がまだはっきりと分かっていない、全身の様々な臓器に影響を及ぼす病気です。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、国が「指定難病」としている重要な病気の一つです。この病気は、顕微鏡で観察すると「サルコイド肉芽腫」と呼ばれる特徴的な小さな炎症組織が、体の様々な場所に現れることが特徴です。この肉芽腫は、小さな塊のように見えるのですが、これは体の中に侵入してきた異物を排除しようとして、免疫細胞が集まってできるものです。サルコイドーシスは、20歳から40歳代の比較的若い世代に発症することが多く、特に女性に多くみられます。また、日本では特定の遺伝子を持つ人に発症しやすいという報告もあります。症状は、肉芽腫ができる場所や大きさによって様々です。初期には、発熱、咳、倦怠感、体重減少など、風邪に似た症状が現れることがありますが、自覚症状がないまま健康診断で発見されることもあります。進行すると、息切れや胸の痛み、視力障害、皮膚病変など、様々な症状が現れることがあります。サルコイドーシスは、現在のところ完全に治すことができる治療法は見つかっていません。しかし、多くの場合、自然に治癒することもあります。症状が重い場合や、重要な臓器に影響が出ている場合は、ステロイド薬などの薬物療法が行われます。