心電図のV3誘導: 位置と役割
心電図検査は、心臓が規則正しく活動しているかどうかを評価するために医療現場で広く行われている検査です。この検査では、心臓が活動する際に発生する微弱な電気を、体の特定の場所に設置した電極を用いて記録します。 電極の組み合わせによって得られる心臓の電気的な記録を「誘導」と呼びます。それぞれの誘導は、心臓の異なる角度から見た電気的な活動を反映しており、これらを総合的に判断することで、心臓の状態を詳しく把握することができます。
心電図では、複数の誘導を同時に記録します。これは、心臓の複雑な構造と機能を様々な角度から捉えることで、より多くの情報を取得し、正確な診断につなげるためです。 誘導は大きく分けて、標準肢誘導、単極肢誘導、胸部誘導の3つの種類に分類されます。
標準肢誘導は、両腕と左足に装着した電極を用い、心臓の水平面における電気的な活動を記録します。単極肢誘導は、両腕、左足に加えて、右足に設置した電極を基準電位として用いることで、心臓の垂直面における電気的な活動をより詳細に記録します。胸部誘導は、胸部の特定の場所に電極を装着し、心臓の前面、側面からの電気的な活動を記録します。
このように、それぞれの誘導が異なる情報を提供することで、心電図検査では、心臓の活動状態を多角的に評価することができます。医師はこれらの情報を総合的に判断し、心臓のリズムや伝導系の異常、心筋の状態などを評価し、診断を行います。