循環

循環器

全身の血管抵抗:全身末梢血管抵抗とは?

- 全身末梢血管抵抗とは心臓から送り出された血液は、全身に張り巡らされた血管という名の通路を通って、酸素や栄養を体の隅々まで届けます。この血液の流れやすさ、つまり血液が血管壁から受ける抵抗のことを、-全身末梢血管抵抗(SVR)-といいます。イメージしやすいように、水道管を例に考えてみましょう。細い水道管に水を流そうとすると、太い水道管に比べて水は流れにくく、水圧も高くなります。これは、水道管の壁が水の流れに抵抗を与えるためです。血管も同様に、その太さによって血液の流れやすさが変化します。血管が収縮して細くなると、血液は流れにくくなり、心臓はより強い力で血液を送り出さなければなりません。その結果、SVRは上昇し、血圧も高くなるのです。反対に、血管が拡張して太くなると、血液は流れやすくなり、心臓への負担は軽減されます。この場合は、SVRは減少し、血圧は低下します。このように、SVRは血圧を調整する上で重要な役割を担っています。SVRは、自律神経やホルモン、薬物など様々な要因によって変化し、私たちの体は状況に合わせてSVRを調整することで、常に適切な血圧を保っているのです。
その他

浮腫:むくみの正体

- 浮腫とは浮腫(ふしゅ)は、体の組織と組織の間に、通常よりも多くの水分が溜まってしまう状態のことです。一般的には「むくみ」として知られており、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。指で押すと皮膚がへこみ、しばらくしてから元に戻るのが特徴です。むくみが生じる原因はさまざまです。長時間立ったままでいたり、同じ姿勢を長時間続けたりすることで、足の静脈に血液が滞り、水分が血管の外にしみ出してしまい、むくみが生じることがあります。これを一過性のむくみといい、多くの場合、危険性はありません。一方、病気のサインとしてむくみが現れることもあります。心臓、腎臓、肝臓などの病気が原因で、体内の水分調節機能がうまく働かなくなることで、むくみが生じやすくなります。このような場合は、むくみ以外にも、息切れやだるさ、尿量の減少などの症状が現れることもあります。また、女性ホルモンの影響で、月経前や妊娠中にむくみやすくなることがあります。むくみが気になる場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。特に、むくみだけでなく、他の症状も伴う場合は注意が必要です。
検査

SpO2:酸素の状態を知る指標

- SpO2とはSpO2(エスピーオーツー)は、正式には「経皮的動脈血酸素飽和度」といい、血液中の酸素の飽和度を表す指標です。一体、この数値が何を意味するのでしょうか? 簡単に言うと、体内の血液中にどれだけの酸素が含まれているかを割合で示したものです。私達の身体は、呼吸によって肺から酸素を取り込みます。 酸素は、血液中の赤血球という細胞に含まれるヘモグロビンと結合し、体の隅々まで運搬されます。 SpO2は、このヘモグロビンが酸素とどれだけ結合しているかをパーセンテージで表しているのです。健康な人の場合、SpO2の値は通常96%以上と considered 高く、ほぼ全てのヘモグロビンが酸素と結合している状態です。 しかし、肺炎や喘息などの呼吸器疾患、心不全などの循環器疾患があると、肺から十分な酸素を取り込めなくなったり、酸素を運ぶ力が弱まったりするため、SpO2の値が低下します。 近年では、指先などに光を当てるだけで簡単に測定できるパルスオキシメーターが普及しており、健康管理や医療現場で広く活用されています。
PAGE TOP