小児疾患

小児科

よくある病気:水ぼうそう

- 水ぼうそうとは水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスという、とても小さな生き物によって引き起こされる病気です。このウイルスは、くしゃみや咳をすると空気中に漂い、それを吸い込むことで感染します。また、水ぶくれに触れたり、タオルや衣服を共有することでもうつる可能性があります。感染すると、数日のうちに発熱やだるさ、食欲不振などの症状が現れます。そして、赤い小さな発疹が顔や体、頭皮などに次々に現れ、強い痒みを伴います。この発疹は、数日のうちに水ぶくれへと変化し、その後、かさぶたとなって治っていきます。水ぼうそうは、特に水ぶくれができる前の発疹が出始めた頃から、水ぶくれがかさぶたになるまでの期間は、周囲の人に移しやすいため注意が必要です。幼稚園や小学校では、感染が広がりやすいため、水ぼうそうと診断された場合は、医師の指示に従って登園・登校を控えるようにしましょう。水ぼうそうは、一度かかると、通常は再びかかることはありません。しかし、水痘帯状疱疹ウイルスは、体の中に潜伏し続け、免疫力が低下した際に、帯状疱疹という別の病気を引き起こすことがあります。
小児科

子どもの血管に起こる炎症:川崎病について

川崎病は、1967年に日本で初めて報告された、全身の血管に炎症が起こる病気です。年間約1万5千人もの子供が発症しており、乳幼児、特に1歳前後の赤ちゃんに多くみられます。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、細菌やウイルス感染などの後、免疫の異常が関わって発症すると考えられています。 川崎病は、全身の血管に炎症が起こるため、様々な症状が現れます。主な症状としては、高熱が5日以上続くこと、目の充血、唇や口の中の変化、発疹、首のリンパ節の腫れなどがあります。これらの症状は、全ての子に当てはまるわけではなく、症状の出方も様々です。 川崎病は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。早期に治療すれば、ほとんどの場合、後遺症を残さずに治癒します。しかし、治療が遅れると、心臓の冠動脈に瘤(こぶ)ができるなど、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、お子さんに川崎病が疑われる症状がみられる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
耳鼻科

急性中耳炎:痛みの原因と対処法

- 急性中耳炎とは急性中耳炎は、耳の奥にある「鼓膜」とよばれる薄い膜の内側にある「中耳」という空間に、細菌やウイルスが入り込んで炎症を起こしてしまう病気です。子供がかかりやすく、特に空気が乾燥し、風邪やインフルエンザが流行する冬に多く見られます。これは、子供の耳管(中耳と鼻の奥をつなぐ管)が大人に比べて短く、傾斜も緩やかなため、鼻や喉の細菌が中耳へ入り込みやすいことが原因として挙げられます。さらに、免疫機能が未発達であることも、急性中耳炎になりやすい要因の一つと考えられています。急性中耳炎になると、耳の痛みや発熱、耳だれ、難聴などの症状が現れます。乳幼児の場合、言葉で症状を上手く伝えられないため、耳を触ったり、機嫌が悪くなったり、ミルクの飲みが悪くなったりすることがあります。このような症状が見られる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
小児科

知っておきたいくる病:子供の骨の健康

- くる病とは?くる病は、主に歩き始めの時期までの乳幼児に多く見られる骨の病気です。骨は通常、カルシウムとリンという栄養素を吸収して硬くなります。しかし、くる病になるとこれらの栄養素が不足し、骨が十分に硬くならず、軟らかく曲がってしまうのです。健康な骨は、建物に例えると鉄筋コンクリートのように丈夫な構造をしています。しかし、くる病の骨は、鉄筋が不足してコンクリートが固まっていない状態に似ています。そのため、体重を支えたり、体を動かしたりする際に骨が変形しやすく、O脚やX脚などの症状が現れます。また、骨がもろくなってしまうため、骨折しやすくなるのも特徴です。くる病の原因は、日光を浴びることで体内で作られるビタミンDが不足することが最も多く、その他、食事からのカルシウム不足や、遺伝的な要因なども考えられます。
小児科

風疹を知る

- 風疹とは風疹は、風疹ウイルスに感染することで発症する病気です。このウイルスは、感染した人の咳やくしゃみなどのしぶき(飛沫)に含まれており、それを吸い込むことで周りの人にうつります。これを飛沫感染といいます。空気中に漂うウイルスを吸い込むことで感染することもあります。風疹の感染力は、はしかなどと比べると強いとはいえませんが、特に妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群という深刻な病気を引き起こす可能性があります。そのため、風疹は決して軽視できない病気といえます。
小児科

よくある子どもの病気、水痘について

水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスが原因で起こる感染症です。このウイルスは人から人へとうつりやすく、空気感染、接触感染、飛沫感染など、さまざまな感染経路があります。 空気感染は、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散る、ウイルスを含む小さな水滴を吸い込むことで起こります。この水滴は空気中を漂うため、感染者から離れた場所でも感染する可能性があります。 接触感染は、感染者の発疹や水ぶくれに触れることで起こります。水ぶくれの中にはウイルスが多く含まれており、触れることでウイルスが手に付着し、その手で目や口、鼻などを触ると感染する可能性があります。 飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散る、ウイルスを含む比較的大きな水滴が目や鼻、口の粘膜に付着することで起こります。空気感染と比べると、飛沫は重いため遠くまで到達せず、感染者の比較的近くにいる人に感染する可能性が高いです。 水痘は、一度感染すると、体の中に免疫ができますが、ウイルスは神経節に潜伏し続けます。そして、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、再びウイルスが活性化し、帯状疱疹を発症することがあります。
小児科

身近に潜む脅威:エンテロウイルス感染症

- エンテロウイルスとはエンテロウイルスは、私たちの消化器官、特に腸の中で増殖するウイルスの仲間です。その名前は、ギリシャ語で「腸」を意味する「enteron」という言葉に由来しています。エンテロウイルスは、ピコルナウイルス科と呼ばれるウイルスグループに分類され、その遺伝情報はDNAではなくRNAという物質でできています。エンテロウイルスは、非常に多くの種類が存在することで知られています。現在確認されているだけでも、67種類ものエンテロウイルスが見つかっています。これらのウイルスは、私たちにとって身近な存在であり、感染しても多くの場合、軽い風邪のような症状で済みます。しかし、場合によっては、無菌性髄膜炎や心筋炎など、より重い症状を引き起こす可能性もあります。エンテロウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ることによる接触感染によって広がります。また、ウイルスに汚染された水や食べ物を摂取することでも感染する可能性があります。エンテロウイルスに対する有効な特効薬は、まだありません。そのため、感染を防ぐためには、こまめな手洗いとうがいを心がけ、咳エチケットを徹底することが重要です。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠を摂ることで、体の免疫力を高めることも大切です。
小児科

誰もが経験する?水ぼうそうの基礎知識

- 水ぼうそうとは水ぼうそうは、医学的には「水痘」と呼ばれる、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるありふれた感染症です。 主に乳幼児や小学生など、小さな子供が発症することが多く、一度かかると生涯にわたって免疫を獲得します。水ぼうそうの最大の特徴は、全身に赤い発疹や水ぶくれが多数現れることです。これらの発疹は、最初は小さな赤い斑点として現れ、次第に水ぶくれへと変化していきます。水ぶくれは非常に痒みを伴い、かきむしってしまうことで症状が悪化したり、細菌感染を起こしたりする可能性もあります。水痘帯状疱疹ウイルスは、空気感染や接触感染によって非常に容易に感染します。感染経路としては、咳やくしゃみによる飛沫感染や、水ぶくれの内容物に直接触れることによる接触感染が挙げられます。潜伏期間は2週間程度で、感染してから発疹が現れるまでに時間がかかるため、知らないうちに周囲に感染を広げてしまう可能性もあります。水ぼうそうは、一般的には予後が良好な病気ですが、まれに合併症を引き起こすことがあります。合併症としては、肺炎や脳炎などが知られており、特に免疫力が低下している乳幼児や高齢者は注意が必要です。水ぼうそうの予防には、ワクチン接種が有効です。ワクチンは、水ぼうそうの発症リスクを大幅に低下させるだけでなく、合併症のリスクも抑える効果が期待できます。
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