呼吸不全

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在宅酸素療法:自宅で呼吸を支える

- 在宅酸素療法とは 在宅酸素療法とは、慢性的な呼吸器疾患によって息切れなどの症状がある患者さんが、自宅で酸素吸入を行う治療法です。 私たちの体は、呼吸によって肺から酸素を取り込み、血液によって体の隅々まで酸素を運びます。しかし、肺の病気が悪化すると、十分な酸素を取り込むことができなくなり、息切れや動悸、倦怠感といった症状が現れます。 このような状態の患者さんに対して、在宅酸素療法では、自宅で濃縮器という機械を使って酸素を作り出し、鼻に装着したチューブを通して酸素を吸入します。 在宅酸素療法を受けることで、呼吸が楽になり、外出や運動など活動的に過ごすことができるようになります。 また、病院ではなく住み慣れた自宅で治療を受けられるため、患者さんの生活の質(QOL)の向上に繋がると期待されています。
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チアノーゼ:皮膚や粘膜が青紫色になる症状

- チアノーゼとはチアノーゼとは、皮膚や粘膜が青紫色に見える状態のことです。健康な状態では、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素と結びつき、全身に酸素を運んでいます。この酸素と結びついたヘモグロビンは鮮やかな赤色をしているため、皮膚や粘膜は健康的なピンク色に見えます。しかし、何らかの原因で血液中の酸素量が減ってしまうと、酸素と結びついていないヘモグロビン、すなわち還元ヘモグロビンが増加します。この還元ヘモグロビンは暗い赤紫色をしているため、皮膚や粘膜が青紫色に見えるようになるのです。チアノーゼは、特に唇、指先、足先など、身体の末端部分で顕著に現れやすいという特徴があります。これは、末端部分は心臓から遠く、血液循環が悪くなりやすい場所であるためです。チアノーゼは、肺炎や喘息などの呼吸器疾患、先天性心疾患などの循環器疾患、貧血など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。そのため、チアノーゼが見られた場合には、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けることが重要です。
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静かなる脅威:高炭酸ガス血症を知る

私たちは、生きていくために欠かせない酸素を呼吸によって体内に取り込んでいます。そして、体内に取り込んだ酸素を使って栄養分を分解し、エネルギーを作り出す過程で、二酸化炭素が発生します。 通常、体内で発生した二酸化炭素は血液によって肺に運ばれ、呼吸によって体外に排出されます。このように、私たちの体には、体内の二酸化炭素の量を一定に保とうとする働きが備わっています。 しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れてしまうと、血液中の二酸化炭素の濃度が高くなってしまうことがあります。この状態を「高炭酸ガス血症」と呼びます。 高炭酸ガス血症は、呼吸機能の低下や代謝異常、薬剤の影響など、様々な要因によって引き起こされることがあります。例えば、肺炎や気管支喘息などの呼吸器疾患があると、肺でのガス交換がうまくいかなくなり、二酸化炭素が体内に蓄積しやすくなります。また、糖尿病などの代謝性疾患でも、体内の酸塩基平衡が乱れ、高炭酸ガス血症を引き起こすことがあります。 高炭酸ガス血症になると、倦怠感や頭痛、めまい、呼吸困難などの症状が現れることがあります。重症化すると、意識障害や昏睡状態に陥ることもあります。 高炭酸ガス血症の治療法は、その原因や重症度によって異なりますが、基本的には、酸素投与や人工呼吸器による呼吸管理、薬物療法などを行います。
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生命を支える縁の下の力持ち:ベンチレーター

- 呼吸の補助装置とは呼吸の補助装置とは、自力で呼吸をすることが難しい患者さんの呼吸を助けるための医療機器です。人工呼吸器や人工換気装置とも呼ばれています。この装置は、呼吸が弱くなったり、止まってしまったりした場合に、肺に空気を送り込み、体内に溜まった二酸化炭素を外に排出するという、人間にとって必要不可欠な呼吸の役割を代わりに担います。呼吸の補助装置が必要となるケースは、大きく分けて二つあります。一つは、手術中です。手術中は麻酔によって全身の筋肉が弛緩するため、呼吸筋もその影響を受けて自発的な呼吸が難しくなります。そのため、安全に手術を行うために呼吸の補助装置が用いられます。もう一つは、病気によって呼吸が困難になった場合です。肺炎や肺気腫、近年ではCOVID-19などの感染症によって肺に炎症が起こると、肺の機能が低下して十分な酸素を取り込むことができなくなります。このような状況においても、呼吸の補助装置を用いることで、肺の機能を補いながら治療を進めることが可能となります。呼吸の補助装置は、患者さんの命をつなぐ上で非常に重要な役割を担っています。特に近年では、医療技術の進歩により、より小型で高性能な呼吸の補助装置が開発され、在宅医療の現場などでも広く活用されるようになっています。
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命を脅かす血栓の旅: 肺塞栓症

- 肺塞栓症とは肺塞栓症は、血液の流れによって運ばれてきた血の塊が、肺の血管を塞いでしまう病気です。 私たちの体内では、心臓から送り出された血液が、酸素を体の隅々まで運び、再び心臓に戻ってきます。この血液の循環は、生命を維持するために欠かせません。肺は、心臓に戻ってきた血液に、呼吸によって取り込んだ酸素を供給する役割を担っています。肺塞栓症の原因となる血の塊は、ほとんどの場合、足の静脈で発生します。足の静脈にできた血の塊は、血流に乗って心臓に運ばれ、さらに肺に到達します。そして、肺の血管を塞いでしまうと、血液がうまく流れなくなり、肺の機能が低下してしまいます。肺塞栓症になると、息苦しさや胸の痛みといった症状が現れます。これらの症状は、心臓病の症状と似ているため、注意が必要です。 肺塞栓症は、重症化すると命に関わることもある病気です。早期発見・早期治療が重要となるため、少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
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命を脅かす危険な血栓症:肺塞栓

- 肺塞栓とは肺塞栓は、肺の血管が詰まってしまうことで起こる病気です。 私たちの体内では、心臓から送り出された血液が酸素を運んでいます。血液は心臓から肺へと送られ、肺で酸素を取り込んで再び心臓に戻ります。しかし、足の静脈などにできた血のかたまり(血栓)が血流に乗って肺に到達し、肺の血管を塞いでしまうことがあります。これが肺塞栓です。肺の血管が血栓によって塞がれてしまうと、心臓から送られてきた血液が肺で酸素を取り込めなくなってしまいます。すると、息苦しさや胸の痛みなどの症状が現れます。 また、血液の流れが悪くなることで、肺の組織や心臓に負担がかかり、重症化すると命に関わることもあります。肺塞栓は決して珍しい病気ではなく、早期発見と適切な治療が非常に重要です。
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