医療計画

救急

医療の要となる「二次救急」

「救急医療」と聞いて、皆さんはどのような状況を思い浮かべるでしょうか?交通事故や心筋梗塞といった、一刻を争う重篤な状態を想像する方が多いかもしれません。確かに、このような状況は救急医療が必要となる場合の一例です。しかし、救急医療は症状の緊急度や重症度に応じて、いくつかの段階に分かれています。大きく分けると、初期、二次、三次という段階に分けられ、それぞれの段階に対応した医療機関が地域で役割を分担しています。 まず、初期救急医療は、比較的軽症な患者さんを対象としています。風邪やインフルエンザ、軽い怪我などの場合が該当します。このような場合は、まず地域の診療所を受診し、初期診療を受けることが重要です。診療所では、医師が症状を診察し、必要な検査や治療を行います。そして、症状に応じて、自宅療養や経過観察、あるいは二次救急医療機関への紹介などが行われます。 次に、二次救急医療は、初期救急医療では対応が難しい、より緊急性の高い状態の患者さんを対象としています。骨折、喘息発作、急性腹症などが該当します。このような場合は、二次救急医療機関を受診する必要があります。二次救急医療機関は、初期救急医療機関よりも専門的な医療を提供できる体制が整っており、入院が必要な患者さんにも対応しています。 最後に、三次救急医療は、生命の危機に瀕している重篤な患者さんを対象としています。心肺停止、多発外傷、脳卒中などが該当します。このような場合は、高度な医療を提供できる三次救急医療機関へ、救急車などで搬送されることになります。三次救急医療機関では、集中治療室(ICU)や手術室など、高度な医療設備と専門的な医療スタッフを備えており、24時間体制で重篤な患者さんの救命救急にあたっています。
その他

医療圏:地域医療の要

- 医療圏とは 医療圏とは、医療法という法律によって定められた、地域における医療提供体制を整えるための地理的な区分けのことです。分かりやすく言うと、どの地域にどれくらいの病院やベッドが必要なのかを計画する際の地区割りのようなものです。 医療は、人々の健康を守る上で欠かせないものです。しかし、地域によって人口や年齢層、病気の種類や数は異なります。また、地理的な条件によって病院へのアクセスしやすさも違います。そこで、質の高い医療を全ての人に平等に提供するために、地域の実情に合わせた医療計画が必要となります。 医療圏はこの医療計画の一部として、都道府県が地域の医療ニーズや地理的な条件などを考慮して定めます。そして、それぞれの医療圏において、病院や診療所の数、医師や看護師の人数、救急医療体制などを計画的に整備していくことになります。 つまり、医療圏は、地域住民が必要な時に適切な医療を受けられるように、医療資源を効率的に配置し、医療体制を構築するための基盤となる重要な概念なのです。
救急

一次救急:地域医療の最前線

- 一次救急とは一次救急とは、緊急性の高い病気や怪我に対し、速やかに診察や治療を行う医療のことです。生命に関わるような重篤な症状ではなく、入院や手術をすぐに必要としない程度の、比較的軽度の症状に対応します。皆さんが日常生活の中で、急な発熱や腹痛、軽い切り傷などを負った場合を想像してみてください。このような場合に、まず最初に受診を検討するのが一次救急です。近所の診療所やクリニックなどが、この一次救急を担う医療機関にあたります。一次救急の大きな特徴は、地域の住民にとって身近な医療機関であることです。風邪やインフルエンザなどの一般的な病気から、捻挫や打撲などの怪我、慢性疾患の管理まで、幅広い症状に対応します。さらに、夜間や休日などの診療時間外でも診察を行う時間外診療や休日診療も一次救急の重要な役割です。このように、一次救急は、私たちが健康に安心して日常生活を送る上で、欠かせない医療を提供してくれる存在と言えるでしょう。
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