医療用語

カルテの記号:s.i.d.って?

病院で診察を受けると、医師が手早くカルテに書き込みをしている姿を見かけることがあります。あの時、カルテに書き込まれているのは一体どんなことなのでしょうか? 時折、アルファベットで書かれた聞き慣れない単語を見かけることがあるかもしれません。これは一体何語だろう? そう思ったことはありませんか? 実は、医師が日常的に使っているこれらの単語は、ラテン語を語源とする医学用語を短く省略したものなのです。 今回は、数ある医学用語の中でも、特に「s.i.d.」について詳しく解説していきましょう。この「s.i.d.」は、ラテン語の “semel in die” を省略した形で、「1日に1回」という意味で使われています。つまり、医師がこの「s.i.d.」をカルテに書き込んだ場合、患者さんはその薬を「1日に1回」服用する必要がある、ということを意味しているのです。 一見難しそうに見える医学用語ですが、このように、一つ一つ紐解いていくと、実は私たちにとって身近な意味を持っていることが分かります。カルテに書かれたラテン語の省略語は、医師と薬剤師の間で、薬の服用方法や回数に関する情報を正確に伝えるために重要な役割を果たしているのです。

t.i.d.ってどんな意味?

- 1日3回服用って? t.i.d. の意味t.i.d.って、なんだか不思議な記号を見たことはありませんか? これは、医療現場で使われているラテン語の略語で、「1日に3回」という意味なんです。 処方箋に「朝昼晩」と書く代わりに、「t.i.d.」と記載されることがあります。これは、忙しい医療現場で、簡潔に指示を出すために使われているんですね。t.i.d.は、朝、昼、晩と時間を決めて服用する薬以外にも、食後に服用する薬にも使われます。例えば、1日3回服用が必要な抗生物質を処方する場合、「抗生物質 t.i.d. 7日間服用」などと書かれていることがあります。これは、「朝昼晩の食後などに、7日間、抗生物質を服用するように」という意味です。処方箋を受け取ったら、服用方法や回数、期間などをきちんと確認することが大切です。もし、わからないことがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に質問しましょう。

お薬手帳の「b.i.d.」って?

病院で処方された薬を、指示された通りに服用することは、治療効果を高め、副作用のリスクを減らすために非常に重要です。薬の袋や薬手帳には、服用方法に関する様々な情報が記載されていますが、その中でも服用回数は特に注意が必要です。 服用回数は、薬の効果が持続する時間や、体への負担などを考慮して決められています。例えば、「b.i.d.」という記号を見たことがあるでしょうか。これは、ラテン語で「1日に2回」を意味する「bis in die」を省略したものです。つまり、「b.i.d.」と書かれている場合は、朝と晩など、1日を2回に分けて服用する必要があることを示しています。 薬によっては、食前、食後、食間など、服用するタイミングが決められている場合もあります。また、自己判断で服用回数を減らしたり、中止したりすると、症状が悪化したり、副作用が出やすくなる可能性があります。 薬を正しく服用するために、薬の袋や薬手帳に記載されている服用回数や服用時間を必ず確認しましょう。 もし、服用方法について不明な点があれば、医師や薬剤師に相談することが大切です。
看護技術

医療現場の隠語:ワッサーってなに?

医療現場では、患者の容態や治療方針など、重要な情報を正確かつ迅速に共有することが求められます。そのため、限られた時間の中ですばやく意思疎通を図るために、様々な略語や専門用語が使われています。これらの言葉は医療従事者にとっては日常的なものですが、患者にとっては聞き慣れない言葉が多く、不安や混乱を招く可能性も孕んでいます。 例えば、「BP」は血圧、「HR」は心拍数、「NS」は生理食塩水を意味します。医療従事者にとっては、これらの略語を使うことで、カルテへの記録や口頭での指示を簡潔に行うことができます。しかし、患者にとっては、これらの言葉は全く意味が分からない場合もあり、自身の健康状態や治療内容について不安を感じてしまう可能性もあります。 医療現場で働く私たちは、患者との信頼関係を築き、安心して治療を受けてもらうために、これらの略語を患者にそのまま伝えることは避け、分かりやすい言葉で説明することが重要です。患者は医療の専門家ではありません。私たちが使う専門用語を理解することは難しいということを常に意識し、丁寧に説明することで、患者が治療内容を正しく理解し、安心して治療に臨める環境を整える必要があります。
消化器

医療現場の専門用語:コートって?

病院や診療所に行った際に、「コート」という言葉を耳にしたことはありますか?日常生活では、主に衣類を指す言葉として使われていますが、医療現場では全く異なる意味を持つ言葉として用いられています。 医療現場における「コート」とは、「便」のことです。より具体的には、患者さんの排泄した便を指します。 では、なぜ医療現場では「便」を直接的に表現せず、「コート」という言葉を用いるのでしょうか?それは、患者さんのプライバシーに配慮するためです。医療従事者にとって、「便」は患者さんの健康状態を把握するための重要な情報源となります。しかし、患者さんにとっては、直接的な表現をされることで羞恥心や不快感を感じてしまう可能性もあります。そこで、患者さんの心理的な負担を軽減するために、医療従事者の間では、「便」を婉曲的に表現する「コート」という言葉が使われるようになったのです。 このように、医療現場では、患者さんの心情に配慮し、より良い医療を提供するために、様々な専門用語や婉曲表現が使われています。「コート」という言葉はその一例であり、医療従事者と患者さんのコミュニケーションを円滑にするための大切な役割を担っていると言えるでしょう。
消化器

医療現場で使われる「マーゲン」って?

「マーゲン」という言葉、どこかで耳にしたことはありませんか? 実は私たちが日常的に使っている「胃」と同じ意味なんです。 「マーゲン」はドイツ語の「Magen」が由来となっています。かつて日本の医学はドイツの影響を強く受けており、その名残として現在でも医療現場ではドイツ語由来の言葉が多く使われています。「マーゲン」もその一つで、医師や看護師は日常的に使っていますし、病院の案内板などで目にすることもあるでしょう。 「胃」は私たちが食べ物を消化・吸収するために欠かせない臓器です。「マーゲン」と聞くと少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、普段使っている「胃」を思い浮かべれば、その働きや重要性をより身近に感じることができるのではないでしょうか? 医学用語には、このようにドイツ語由来のものだけでなく、英語やラテン語由来のものなど、様々な言葉が使われています。これらの言葉を知ることで、病気や体の仕組みについてより深く理解することができます。

処方箋の「do」ってなに?

病院で処方箋を受け取ったり、過去の診療記録を目にしたりする際に、「do」という見慣れない記号に出くわすことがあるかもしれません。 この「do」は、一体何を意味するのでしょうか? 実は、これはラテン語で「同じ」を意味する「ditto」を短縮した形で、医療現場では「同上」と同じ意味合いで使われています。 例えば、処方箋に薬の名前や飲む量などが何行にもわたって書かれているとします。もし、前の行と同じ内容を繰り返す場合、医師は「do」を使って簡潔に表現するのです。これは、医師が処方箋を簡潔にまとめ、かつ、薬剤師が処方内容を正確に理解するための共通認識として、医療現場で広く使われています。 つまり、「do」は単なる記号ではなく、医療従事者間でスムーズな情報伝達を可能にするための重要な役割を担っていると言えるでしょう。
外科

医療行為における「観血的」とは?

医学の分野において、「観血的」という言葉は、文字通り「血を見る」処置、つまり出血を伴う医療行為を指します。患者さんの体内に直接アプローチするため、出血は避けられない側面と言えます。 観血的な医療行為の代表例としては、外科手術が挙げられます。外科手術では、メスを用いて皮膚や組織を切開し、病変部を切除したり、臓器を修復したりします。例えば、虫垂炎の手術では、炎症を起こした虫垂を切除するために腹部を切開します。また、骨折した骨を固定するために、金属プレートやネジを埋め込む手術なども、観血的な医療行為に分類されます。 心臓カテーテル検査も、観血的な医療行為の一つです。この検査では、足の付け根や腕の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓まで進めます。そして、造影剤を注入しながらレントゲン撮影を行うことで、心臓の血管の状態を詳細に調べます。 観血的な医療行為は、出血や感染症などのリスクを伴いますが、直接患部にアプローチできるため、より確実な診断や治療効果が期待できます。例えば、外科手術では、病変部を直接見て確認しながら切除できるため、取り残しを少なくすることができます。また、心臓カテーテル検査では、心臓の血管の状態を詳細に把握することで、適切な治療方針を立てることができます。
外科

医療における「観血的」とは?

- 観血的な治療とは医療において、患者さんの身体に直接介入して治療を行う方法を、大きく分けて「観血的治療」と「非観血的治療」の二つに分類することがあります。 「観血的治療」とは、文字通り、血液を見る可能性を伴う治療法を指します。具体的には、メスを用いて皮膚や組織を切開する外科手術や、カテーテルを血管や体腔に挿入する検査などが、観血的な治療に該当します。観血的な治療は、体内を直接見たり、触ったりすることができるため、病気の原因を特定し、より確実な治療を行う上で非常に有効な手段となります。例えば、外科手術では、病気の原因となっている臓器や組織を直接切除したり、修復したりすることができます。また、カテーテルを用いた検査や治療では、心臓や血管など、体の深部にある臓器の状態を詳細に把握し、適切な処置を行うことが可能です。しかし、観血的な治療は、皮膚や組織を傷つけるため、出血を伴う可能性があります。また、傷口からの感染症のリスクもゼロではありません。そのため、観血的な治療を行う場合は、出血や感染症などのリスクを十分に考慮した上で、慎重に判断する必要があります。近年では、医療技術の進歩により、内視鏡手術のように、身体への負担が少ない観血的治療も増えています。患者さんの状態や病気の種類、治療の目的などに応じて、最適な治療法を選択することが重要です。

カルテの「do」ってなに?

病院で医師が患者を診察した後、その内容を記録した書類を見たことがありますか? この書類はカルテと呼ばれ、患者さんの情報や診察時の様子、そしてどのような治療を行うのかなどが詳しく書かれています。 カルテには、情報を簡潔にまとめるために様々な略語が使われています。その中でも特に多く使われているのが「do」です。これは英語の「ditto」を短くしたもので、「同上」という意味を持っています。 例えば、カルテに「頭痛あり、吐き気あり」と書かれていたとしましょう。そして次の行に「めまいあり、doなし」と書かれていれば、「めまいあり、吐き気なし」という意味になります。このように、「do」は前の文章と同じ単語や内容を繰り返す際に使われます。 カルテは多くの情報を限られたスペースに分かりやすくまとめる必要があるため、このように略語が頻繁に登場します。「do」は医療現場で働く人にとっては、日常的に使われるごく当たり前の言葉と言えるでしょう。
救急

病院内の緊急コール、コードブルーって?

- コードブルーとは病院内で、入院している患者さんの容態が急激に悪化したり、意識を失ったり、心肺停止に至るなど、緊急を要する事態が発生した際に発令されるのが「コードブルー」です。これは、一刻を争う事態において、必要な医療スタッフを迅速に現場に集結させ、救命処置や緊急対応を遅滞なく開始するための、病院内における緊急コールのことです。コードブルーは、病院内の放送設備やPHS、ナースコールなどを用いて、「コードブルー発生、〇〇病棟〇〇号室」のように、発生場所と合わせて伝えられます。この呼びかけを聞いた医療従事者は、それぞれの役割と病院内のルールに従い、速やかに現場へ向かい、救命活動や緊急処置にあたります。コードブルーは、患者さんの命を救うために非常に重要な合言葉であり、医療従事者であれば誰でもその意味を理解し、迅速に行動できるように、日頃から訓練や意識づけが徹底されています。
検査

健康診断でおなじみ?WNLの意味とは

健康診断の結果票などで「WNL」という略語を見かけることがあるかもしれません。これは Within Normal Limits の略で、「正常範囲内」という意味です。 WNLは、血液検査や尿検査などで得られた数値データに対して使われることが多いです。例えば、血糖値やコレステロール値などが、年齢や性別を考慮した標準的な範囲内であれば「WNL」と記載されます。これは、検査結果が異常値を示していないことを意味し、特に心配する必要がないことを示唆しています。 ただし、WNLはあくまでも検査結果が正常範囲内にあることを示すだけであり、健康状態を完全に保証するものではありません。例えば、自覚症状がないにもかかわらず、ある検査項目が正常範囲ギリギリの場合や、経過観察が必要な場合があります。また、検査項目によって正常範囲が異なることや、個人差があることにも注意が必要です。 健康診断の結果は、医師に相談し、自身の健康状態を正しく理解することが重要です。検査結果がWNLであっても、気になる症状や不安があれば、医師に相談するようにしましょう。
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