医療体制

救急

医療の要となる「二次救急」

「救急医療」と聞いて、皆さんはどのような状況を思い浮かべるでしょうか?交通事故や心筋梗塞といった、一刻を争う重篤な状態を想像する方が多いかもしれません。確かに、このような状況は救急医療が必要となる場合の一例です。しかし、救急医療は症状の緊急度や重症度に応じて、いくつかの段階に分かれています。大きく分けると、初期、二次、三次という段階に分けられ、それぞれの段階に対応した医療機関が地域で役割を分担しています。 まず、初期救急医療は、比較的軽症な患者さんを対象としています。風邪やインフルエンザ、軽い怪我などの場合が該当します。このような場合は、まず地域の診療所を受診し、初期診療を受けることが重要です。診療所では、医師が症状を診察し、必要な検査や治療を行います。そして、症状に応じて、自宅療養や経過観察、あるいは二次救急医療機関への紹介などが行われます。 次に、二次救急医療は、初期救急医療では対応が難しい、より緊急性の高い状態の患者さんを対象としています。骨折、喘息発作、急性腹症などが該当します。このような場合は、二次救急医療機関を受診する必要があります。二次救急医療機関は、初期救急医療機関よりも専門的な医療を提供できる体制が整っており、入院が必要な患者さんにも対応しています。 最後に、三次救急医療は、生命の危機に瀕している重篤な患者さんを対象としています。心肺停止、多発外傷、脳卒中などが該当します。このような場合は、高度な医療を提供できる三次救急医療機関へ、救急車などで搬送されることになります。三次救急医療機関では、集中治療室(ICU)や手術室など、高度な医療設備と専門的な医療スタッフを備えており、24時間体制で重篤な患者さんの救命救急にあたっています。
産婦人科

周産期医療:母子のための総合的な医療体制

- 周産期医療とは妊娠は女性にとって人生の一大イベントであり、新しい命の誕生は喜びに満ち溢れています。しかしそれと同時に、妊娠・出産は母体と胎児にとって様々なリスクを伴うものでもあります。周産期医療は、このような大切な時期を安心して過ごせるよう、母親と赤ちゃんを支える医療体制です。具体的には、妊娠22週(妊娠中期後半)から生後1週間未満までの期間を指し、この期間における母親と胎児、そして生まれたばかりの新生児に対して、医師や看護師、助産師などの専門家が連携して、総合的な医療を提供します。周産期医療の主な目的は、妊娠中の健康管理を通して合併症や早産などを予防し、安全なお出産を実現することです。そして、生まれたばかりの赤ちゃんが健やかに成長できるように、その後の健康管理までをサポートします。近年、医療技術の進歩や周産期医療体制の充実により、母子の死亡率は著しく低下しました。しかし、早産や低出生体重児の割合は依然として高く、周産期医療の重要性はますます高まっています。妊娠・出産は、母親と赤ちゃんの未来を左右する重要な節目です。安心して出産を迎え、新しい命との未来を笑顔で歩んでいけるよう、周産期医療は、これからも進化し続けます。
その他

進化する医療現場: ケアミックスのススメ

- ケアミックスとはケアミックスとは、急性期治療を終えた患者や、慢性的な病気を持つ患者など、様々な状態の患者に対応できるよう、急性期病棟と慢性期病棟を同じ施設内に併設した病院のことです。従来の病院では、病気や怪我の治療といった急性期の治療が中心でした。そのため、急性期治療を終えた患者は、リハビリテーションや療養といった次の段階のケアを受けるために、他の病院や施設に移らなければなりませんでした。これは、患者にとって大きな負担となるだけでなく、転院による環境の変化が患者のストレスとなり、回復を遅らせてしまう可能性もありました。そこで、近年注目されているのがケアミックス病院です。ケアミックス病院では、急性期病棟と慢性期病棟が併設されているため、患者は同じ病院内で、急性期治療からリハビリテーション、療養まで、一貫した治療と継続的なケアを受けることができます。これは、患者の身体的・精神的負担を軽減するだけでなく、医師や看護師など、顔なじみのスタッフが継続してケアにあたることで、よりきめ細やかで質の高い医療を提供することにもつながります。さらに、ケアミックス病院では、患者一人ひとりの状態やニーズに合わせた医療・介護サービスを提供することを目的としています。そのため、病院内には、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーション専門職、そして、栄養士やソーシャルワーカーなど、様々な専門家がチームを組んで患者をサポートします。このように、ケアミックス病院は、患者中心の医療を提供することで、地域社会における医療と介護の質の向上に貢献しています。
その他

地域医療の連携強化:オープン病院とは

オープン病院とは、地域医療の充実を目指し、中核病院がその高度な医療資源を地域の診療所に開放することで、病院と診療所が連携して質の高い医療を提供するシステムです。 従来、症状が重い場合は大きな病院へ、軽い場合は近くの診療所へ、と医療機関を使い分けることが一般的でした。しかし、このシステムでは、診療所から大きな病院へ紹介状を書いてもらう必要があり、患者にとって負担が大きい場合や、迅速な検査や治療が難しい場合がありました。 オープン病院では、中核病院が高度な医療設備や病床を診療所の医師に開放します。これにより、診療所の医師は、中核病院の設備を利用して精密検査や入院治療を行うことが可能になります。患者は、かかりつけの診療所の医師に診てもらいながら、必要な場合には、スムーズに中核病院の高度な医療を受けることができるようになります。 このシステムは、病院と診療所がそれぞれの専門性を活かし、互いに協力することで、地域全体の医療レベルの向上を目指せるという点で大きな意義を持ちます。
救急

医療の要!二次救急とは?

皆さんは、「救急車を呼んだ方が良いのかな?でも、そこまで緊急ではないような…」と、判断に迷う時ってありませんか?実は救急医療は、緊急度や重症度に応じて大きく三つの段階に分類されています。適切な医療を迅速に提供するため、そして病院の役割を明確にするための重要な分類です。 まず最初の段階は、命に関わるような緊急性の高い状態です。意識がない、呼吸が止まりそう、心臓がおかしいなど、一刻を争う状況です。このような場合はためらわず、すぐに救急車を呼びましょう。 次の段階は、緊急度は高いものの、今すぐに命に関わるわけではない状態です。骨折や急な腹痛、高熱が続くなど、早急に治療が必要な場合です。このような場合は、可能な限り自分で病院へ行くか、救急相談センターに電話して指示を仰ぎましょう。 最後の段階は、緊急度は高くない状態です。風邪の諸症状や軽いケガ、慢性的な病気の経過観察など、緊急ではありませんが、医師の診察が必要な場合です。このような場合は、診療時間内に病院を受診しましょう。 このように、救急医療は緊急度によって分類されており、それぞれに対応が異なります。迷った場合は、救急相談センターなどを活用し、適切な行動を取りましょう。
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