全身性強皮症と抗セントロメア抗体
私たちの体は、まるで城のように外敵の侵入から守られています。その防御を担うのが免疫システムです。このシステムは、城の外から侵入してくる敵(細菌やウイルス)を見分けて攻撃し、私たちを守ってくれています。
通常、私たちの免疫システムは、自分自身とそうでないものを見分けることができます。これは、敵と味方を区別する能力を持っているようなものです。しかし、時にはこの見分けがつかなくなり、免疫システムが自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことがあります。
これは、まるで城を守る兵士が、誤って城自身を攻撃してしまうようなもので、自己免疫疾患と呼ばれています。
自己免疫疾患では、本来攻撃されるべきではない自分自身の成分に対して、抗体と呼ばれるタンパク質が作られます。抗体は、敵を攻撃するための武器のようなもので、その種類は敵によって異なります。自己免疫疾患においては、どの抗体が作られるかは病気の種類によって異なり、特定の疾患のマーカーとして診断に役立ちます。つまり、作られた抗体を調べることで、どの自己免疫疾患にかかっているのかを特定することができるのです。