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医療現場で使われる略語:オルトってなに?

病院で働く医療従事者たちは、患者さんとのやり取りの中で専門的な医療用語を用いる一方で、医師や看護師同士では、より簡潔な言葉を使って情報交換を行う場面が多く見られます。これは、医療現場の慌ただしい環境下において、迅速かつ円滑なコミュニケーションを図るための工夫の一つと言えるでしょう。例えば、内科を指す「内科的疾患」を「ないかの病気」と表現したり、「外科手術」を「げかしゅじゅつ」と略したりすることは、日常的に耳にする会話の一例です。このように、診療科名を短縮して伝えることで、忙しい業務中でもスムーズに情報共有が行われ、患者さんへの対応が遅れることなく、より質の高い医療サービスの提供につながると考えられています。
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失われた歩行を取り戻す義足

- 義足とは義足とは、事故や病気などによって片足または両足の全部または一部を失ってしまった方が、再び歩行できるように、あるいは運動を楽しめるように装着する人工の足のことです。身体の一部を補完するという意味では、眼鏡や入れ歯なども人工装具と言えますが、義足は単なる代替品ではありません。義足は、使用する方の身体機能、生活スタイル、そして目標に合わせてオーダーメイドで作られることがほとんどです。例えば、日常生活で快適に歩きたい、スポーツを楽しみたい、仕事で重い物を持ち上げたいなど、目的や状況は人それぞれです。そのため、義足の素材や形状、関節の仕組みなどは、使用者のニーズに合わせて細かく調整されます。近年では、技術の進歩により、より軽量で耐久性の高い素材が使用されるようになったり、コンピューター制御で動きをサポートする電動義足なども開発されています。これらの技術革新により、義足を使用する方の生活の質は飛躍的に向上しています。義足は、使用する方が再び自分の足で歩ける喜びを感じ、社会に積極的に参加していくための大きな助けとなっています。
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骨折のサイン? 意外な場所に感じる痛み「介達痛」

- 介達痛とは介達痛は、怪我をした場所を直接触れた時に感じる痛みとは異なる、少し変わった痛みのことを指します。骨折を例に考えてみましょう。例えば、足の指の骨が折れたとすると、当然ながら骨折した指を触れば鋭い痛みが走ります。これは誰もが経験する自然な反応です。しかし、介達痛の場合、骨折した指を直接触れなくても、踵や足の甲など、離れた場所を軽く押しただけで骨折部に痛みが生じることがあります。まるで、本来の痛みが別の場所に転移したかのようです。では、なぜこのような不思議な現象が起こるのでしょうか?これは、骨が折れた際に周囲の神経や組織も同時に傷ついてしまうためだと考えられています。骨折という衝撃は、骨だけに留まらず、その周辺にも広がり、神経や血管、筋肉などにダメージを与えます。その結果、本来は痛みを感じないはずの場所でも、神経を介して骨折部分の痛み信号が脳に伝わり、あたかもその場所で痛みが発生しているかのように感じてしまうのです。介達痛の発生メカニズムにはまだ不明な点も多いですが、怪我の程度や個人差など、様々な要因が影響すると考えられています。
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知っていますか? 現代人の多くが抱える「亀背」のリスク

- 姿勢が悪くなる「亀背」とは?「亀背(きはい)」とは、背骨が後ろ側に弯曲し、背中が丸まって猫背になっている状態を指します。その名の通り、まるで亀の甲羅のように背中が丸まっていることから、この名前が付けられました。近年、デスクワークやスマートフォンの普及により、前かがみの姿勢で長時間過ごす人が増えています。その結果、老若男女問わず、亀背の症状に悩む人が増加傾向にあります。亀背は、単に見た目の問題だけではありません。背中が丸まった状態が続くことで、肩や首、腰などに負担がかかり、肩こりや腰痛の原因となります。また、猫背によって胸郭が圧迫されることで、呼吸が浅くなり、呼吸機能の低下にもつながる可能性があります。さらに、内臓が圧迫されることで、消化不良などの内臓への負担も懸念されます。亀背は、放置すると悪化する可能性もあるため、日頃から正しい姿勢を意識することが大切です。具体的には、座っている時は、背筋を伸ばし、顎を引いて、目線は真っ直ぐ前に向けるように心がけましょう。また、適度な運動やストレッチを行い、背骨の柔軟性を保つことも重要です。
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ギプスシーネ:骨折や捻挫の固定に活躍する副木の役割

- ギプスシーネとは 骨折や捻挫といった怪我をしてしまった際に、損傷した部分を固定するために用いる医療用の添え木を、ギプスシーネと呼びます。 これは、ドイツ語で石膏を意味する「ギプス」と、副木を意味する「シーネ」を組み合わせた言葉です。 その名の通り、石膏を染み込ませた包帯を硬化させて作られます。 ギプスシーネは、患部全体を覆ってしまうギプス包帯とは異なり、半分程度だけを覆うように作られます。 そのため、ギプス包帯と比較して通気性が良く、むくみが引いてきた時や入浴時など、必要に応じて取り外しが可能という利点があります。 ただし、医師の指示なく勝手に取り外してしまうと、患部の状態が悪化したり、回復が遅れたりする可能性がありますので、注意が必要です。
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ランナー膝にご用心!鵞足炎を理解する

- 鵞足膝の内側を支える三つの筋肉の交差点 膝の内側やや下方、すねの骨である脛骨の出っ張った部分には、三つの筋肉の腱が合わさって付着する場所があります。この部分を「鵞足」と呼びます。ちょうど鵞鳥の足の形に似ていることから、その名が付けられました。 では、鵞足を形成する三つの筋肉とは、一体どのような筋肉なのでしょうか? 一つ目は「薄筋」です。太ももの内側に位置し、股関節を内側にひねったり、膝を曲げたりする働きがあります。 二つ目は「縫工筋」です。人体の中で最も長い筋肉として知られ、股関節の外側から斜めに走り、膝の内側につながっています。股関節を外側に開いたり、膝を曲げたりする際に活躍します。 三つ目は「半腱様筋」です。太ももの裏側、中央よりやや内側に位置し、股関節を後ろに引いたり、膝を曲げたりする働きを担います。 これらの三つの筋肉は、それぞれ異なる場所から始まりながら、膝の内側の下部で一つに集まり、鵞足を形成しています。そして、膝の動きをスムーズにする、重要な役割を担っています。歩いたり、走ったり、階段を上り下りしたりと、私たちが日常生活で何気なく行っている動作も、鵞足の働きなしには成り立ちません。
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飛び出した臓器:ヘルニアを理解する

- ヘルニアとは? 私たちの体は、骨や筋肉、そして様々な組織によって支えられています。これらの組織は、まるで壁のように臓器を正しい位置に保つ役割を担っています。しかし、様々な要因によって、この「壁」の一部が弱くなってしまったり、隙間ができてしまうことがあります。 ヘルニアとは、このような体の壁にできた異常な開口部から、本来そこにはないはずの臓器の一部が飛び出してしまう状態を指します。 例えるなら、中身がいっぱい詰まった丈夫な袋を想像してみてください。この袋の一部が、何らかの原因で薄くなってしまったり、穴が開いてしまったとします。すると、袋の中身は、その薄くなった部分や穴から外に押し出されてしまいますよね。ヘルニアもこれと同じように、弱くなった体の壁から、臓器の一部が押し出されるようにして飛び出してきてしまうのです。 飛び出した臓器は、触ると柔らかいことが多いですが、常に痛みがあるわけではありません。しかし、飛び出した部分が大きくなったり、周囲の組織を圧迫したりすると、痛みや違和感を感じることがあります。また、場合によっては、飛び出した臓器への血流が悪くなり、緊急を要するケースも考えられます。
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よくある鼠径ヘルニア:外鼠径ヘルニアを理解する

- 外鼠径ヘルニアとは私たちのお腹の中には、胃や腸などの臓器が収まっています。これらの臓器は、いくつかの筋肉の層で覆われており、正常な状態ではその位置がずれることはありません。しかし、何らかの原因でこの筋肉の層に隙間や弱くなった部分が生じると、臓器の一部がその隙間から飛び出してしまうことがあります。これが「ヘルニア」と呼ばれる状態です。ヘルニアは、発生した場所によって様々な種類に分けられます。その中でも、お腹の一部が鼠径部(脚の付け根)の皮膚の下に突き出すものを「鼠径ヘルニア」と呼びます。そして、鼠径ヘルニアの中でも特に多いのが「外鼠径ヘルニア」です。外鼠径ヘルニアは、お腹の中の臓器が「鼠径管」という管を通って、鼠径部の皮膚の下にまで達してしまうことで起こります。鼠径管は、男性では精索(精管や血管などが通る管)、女性では子宮を支える靭帯が通る管で、生まれつきこの部分が大きい場合や、加齢によって鼠径管周辺の筋肉が衰えることで、ヘルニアが起こりやすくなると考えられています。外鼠径ヘルニアは、男性に多くみられるのも特徴です。これは、男性の方が鼠径管が大きく、構造的にヘルニアが起こりやすいという点が関係しています。また、重いものを持つ仕事や、慢性的な咳、便秘など、お腹に負担がかかる状態も、ヘルニアのリスクを高める要因となります。
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内鼠径ヘルニア:その詳細と理解

- 内鼠径ヘルニアとはお腹の中には、胃や腸など、食べ物を消化吸収するための臓器が詰まっています。これらの臓器は、通常、筋肉や筋膜と呼ばれる組織でできた壁に囲まれていて、正しい位置に保たれています。しかし、この壁の一部が弱くなると、お腹の中の臓器がその隙間から皮膚の下に飛び出してしまうことがあります。これが「ヘルニア」と呼ばれる病気です。ヘルニアは体の様々な場所で起こりますが、お腹の下の方、特に太ももの付け根近くにできるものを「鼠径ヘルニア」と呼びます。鼠径ヘルニアは、生まれたときから筋肉や筋膜が弱い場合と、加齢や重いものを持ち上げるなどの負担によって後天的に弱くなる場合があります。鼠径ヘルニアの中でも、「内鼠径ヘルニア」は、お腹の中の臓器が「ヘッセルバッハ三角」と呼ばれる、血管の内側にある、筋膜の特に弱い部分から飛び出すことで起こります。このヘッセルバッハ三角は、生まれつき筋膜が薄くなっていることが多く、内鼠径ヘルニアは男性に多くみられます。内鼠径ヘルニアになると、鼠径部にしこりや膨らみができ、立ったときやお腹に力を入れたときに目立つようになります。痛みを感じることもありますが、痛みがなく、膨らみだけが症状として現れることもあります。
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ポリープ切除術:早期発見・治療の重要性

- ポリープとはポリープとは、体内の粘膜から盛り上がってできる、いぼ状の突起物のことです。粘膜とは、口の中や胃、腸など、体の外側と内側の境目となる部分に存在し、潤いを保つ役割を担っています。この粘膜に異常が生じて細胞が増殖し、ポリープが形成されます。ポリープは体の様々な場所にできますが、特に胃や腸などの消化管にできることが多く、中でも大腸にできるポリープは一般的です。大腸ポリープは、健康診断や人間ドックなどで見つかることも多く、比較的発見しやすいポリープと言えます。ポリープ自体は、多くの場合、自覚症状がなく、健康に影響を与えないことが多いです。しかし、一部のポリープは、将来的にがん化する可能性も指摘されています。特に大腸ポリープは、大腸がんとの関連性が深く、注意が必要です。大腸ポリープの大きさや種類によっては、定期的な検査や切除などの治療が必要になる場合があります。そのため、健康診断などでポリープを指摘された場合は、医師の指示に従い、適切な対応をすることが大切です。また、日頃からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、健康的な生活習慣を維持することで、ポリープの発生リスクを下げることが期待できます。
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脊椎麻酔:その仕組みと効果

- 脊椎麻酔とは脊椎麻酔は、手術や処置の際に体の特定の部分の感覚を一時的に麻痺させる方法で、局所麻酔の一種です。正式には「脊髄くも膜下麻酔」と呼ばれ、その仕組みは、背中の腰の部分に針を刺し、脊髄を包む膜の一つであるくも膜下腔という場所に麻酔薬を直接注入することによって行われます。脊椎麻酔の最大の利点は、手術部位だけにピンポイントで効果があることです。そのため、全身麻酔と比べて体への負担が少なく、術後の回復も早い傾向があります。また、意識がはっきりしているため、医師と会話しながら手術を受けることも可能です。この麻酔法は、主に下半身の手術に用いられます。例えば、帝王切開、股関節や膝関節の人工関節置換術、前立腺や子宮などの骨盤内手術などが挙げられます。また、下肢の骨折や手術後、あるいは慢性疼痛の治療にも用いられることがあります。しかし、脊椎麻酔は全ての患者さんに行えるわけではありません。出血傾向がある方や、特定の薬を服用している方、あるいは感染症がある方などは、この麻酔法が適さない場合があります。医師は、患者さんの状態を総合的に判断し、最適な麻酔方法を選択します。
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医療におけるクランプ:その役割と種類

「クランプ」とは、医療現場で頻繁に耳にする言葉ですが、その意味するところは「遮断する」ということです。元々はドイツ語に由来し、医療用の鉗子や留め具、クリップといった器具を指します。 手術の際、出血を伴う場面は少なくありません。そこで活躍するのが、このクランプです。クランプを用いることで、血管を一時的に閉鎖し、出血を最小限に抑えながら手術を進めることが可能となります。また、血管だけでなく、臓器の一部を固定する目的でも使用されます。 医療ドラマの手術シーンを思い浮かべてみてください。医師が「クランプ!」と指示を出す場面を見たことはありませんか? あの緊迫した状況下で、クランプはまさに「命の綱」とも言える重要な役割を担っています。適切なタイミングで、適切な場所にクランプをかけることで、患者の安全を確保し、手術の成功へと導くことができるのです。 このように、クランプは医療現場において欠かせない道具の一つであり、日々進化を続けています。さまざまな形状や大きさのクランプが開発され、それぞれの場面に応じて使い分けられています。まさに、医療現場を支える「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。
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生命を支えるパイプライン:シャント機能不全とその対処

私たちの体は、血管やリンパ管など、体液を循環させるための重要な管が隅々まで張り巡らされています。これらの管は、まるで体中に張り巡らされた水道管のように、血液やリンパ液といった体液を必要な場所に送り届ける役割を担っています。しかし、病気や怪我によって、これらの重要な管が詰まったり、機能しなくなったりすることがあります。水道管が壊れて水が流れなくなってしまうように、体液を運ぶ管が正常に機能しなくなると、私たちの体は栄養や酸素を十分に受け取ることができなくなり、生命維持に支障をきたす可能性も出てきます。 このような事態に対処するために開発されたのが「シャント」です。シャントとは、人工的に作ったバイパスルート、つまり体液の流れ道のことを指します。体内に細い管を通したり、血管同士をつなぎ合わせたりすることで、本来のルートが機能しなくても体液をスムーズに流すことができるようになります。これは、まるで壊れた水道管を迂回して新しい水道管を敷設するようなものです。シャントによって体液の流れを確保することで、栄養や酸素を体の各部に届け、正常な生命活動を維持することが可能になります。シャントは、心臓外科手術や透析治療など、様々な医療分野で重要な役割を果たしています。
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医療現場の用語:ナートって?

病院で診察や治療を受ける際、医師や看護師が使う言葉が独特だと感じたことはありませんか?医療現場では、日常会話では耳慣れない専門用語が多く飛び交っています。これは、医療従事者同士が正確かつ迅速に情報を共有し、円滑な治療を進めるために欠かせないものです。 例えば、注射を意味する「エンチ」や点滴を意味する「ドリップ」などは、一般の方にも比較的馴染みのある医療用語と言えるでしょう。しかし、これらの言葉は、正式な医学用語を簡略化した医療現場特有の略語です。他にも、「バイタル」は「生命兆候」を、「「ルート確保」は「点滴の準備」を意味するなど、多くの略語が日常的に使われています。 このような医療現場特有の用語は、医師や看護師が限られた時間の中で効率的にコミュニケーションを取るために重要な役割を果たしています。しかし、患者さんにとっては、これらの専門用語が理解の妨げになることもあります。医療従事者は、患者さんに分かりやすく説明するよう心がけるとともに、患者さんも、分からない言葉があれば遠慮なく質問することが大切です。お互いに歩み寄ることで、よりスムーズな診療と安心できる医療の実現に繋がると言えるでしょう。
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意外と知らない?医療用語「オルト」の意味

病院で働いていると、医師や看護師が専門用語を話すのを耳にすることがあるでしょう。医療現場では、正確に情報を伝えるために、そして迅速に動くために、様々な略語が使われています。これらの略語は、医療従事者にとっては日常的なものですが、患者さんやそのご家族にとっては分かりにくいものもあるかもしれません。 例えば、よく耳にする「オペ」という言葉は、「手術(operation)」を短くしたものです。手術室に入ることを「オペに入る」、手術後であることを「オペ後」のように使われます。また、「バイタル」は「生命兆候(vital signs)」を意味し、脈拍、体温、血圧、呼吸など、生命の維持に不可欠な体の状態を表しています。「バイタルが安定している」といえば、これらの数値に大きな変動がなく、容体が安定していることを示します。 医療現場で使われる略語は、医療従事者間のコミュニケーションを円滑にするために重要な役割を果たしています。しかし、患者さんにとっては、それが何を意味するのか理解できないこともあるでしょう。もし、医師や看護師が使う言葉で分からないことがあれば、遠慮なく尋ねてみてください。医療従事者は、患者さんが安心して治療を受けられるよう、分かりやすい言葉で説明する義務があります。
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医療行為における「観血的」とは?

医学の分野において、「観血的」という言葉は、文字通り「血を見る」処置、つまり出血を伴う医療行為を指します。患者さんの体内に直接アプローチするため、出血は避けられない側面と言えます。 観血的な医療行為の代表例としては、外科手術が挙げられます。外科手術では、メスを用いて皮膚や組織を切開し、病変部を切除したり、臓器を修復したりします。例えば、虫垂炎の手術では、炎症を起こした虫垂を切除するために腹部を切開します。また、骨折した骨を固定するために、金属プレートやネジを埋め込む手術なども、観血的な医療行為に分類されます。 心臓カテーテル検査も、観血的な医療行為の一つです。この検査では、足の付け根や腕の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓まで進めます。そして、造影剤を注入しながらレントゲン撮影を行うことで、心臓の血管の状態を詳細に調べます。 観血的な医療行為は、出血や感染症などのリスクを伴いますが、直接患部にアプローチできるため、より確実な診断や治療効果が期待できます。例えば、外科手術では、病変部を直接見て確認しながら切除できるため、取り残しを少なくすることができます。また、心臓カテーテル検査では、心臓の血管の状態を詳細に把握することで、適切な治療方針を立てることができます。
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医療における「観血的」とは?

- 観血的な治療とは医療において、患者さんの身体に直接介入して治療を行う方法を、大きく分けて「観血的治療」と「非観血的治療」の二つに分類することがあります。 「観血的治療」とは、文字通り、血液を見る可能性を伴う治療法を指します。具体的には、メスを用いて皮膚や組織を切開する外科手術や、カテーテルを血管や体腔に挿入する検査などが、観血的な治療に該当します。観血的な治療は、体内を直接見たり、触ったりすることができるため、病気の原因を特定し、より確実な治療を行う上で非常に有効な手段となります。例えば、外科手術では、病気の原因となっている臓器や組織を直接切除したり、修復したりすることができます。また、カテーテルを用いた検査や治療では、心臓や血管など、体の深部にある臓器の状態を詳細に把握し、適切な処置を行うことが可能です。しかし、観血的な治療は、皮膚や組織を傷つけるため、出血を伴う可能性があります。また、傷口からの感染症のリスクもゼロではありません。そのため、観血的な治療を行う場合は、出血や感染症などのリスクを十分に考慮した上で、慎重に判断する必要があります。近年では、医療技術の進歩により、内視鏡手術のように、身体への負担が少ない観血的治療も増えています。患者さんの状態や病気の種類、治療の目的などに応じて、最適な治療法を選択することが重要です。
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外科:手術による治療の専門分野

外科とは、病気や怪我を治療する医学の一分野ですが、他の分野とは異なり、手術という方法を用いる点が特徴です。手術とは、メスを用いて患部を切り開いたり、体の一部を切除したり、あるいは人工物や他の部位から採取した組織を用いて修復したりするなど、直接的な方法で病気を治療することを指します。 外科医は、体の構造や機能について深く理解しているだけでなく、高度な手術の技術と知識を習得しています。彼らは、患者さんの身体的な苦痛を取り除き、健康な状態へと導くために、日々研鑽を積んでいます。外科が扱う範囲は広く、心臓や肺などの循環器、胃や腸などの消化器、脳や神経など、体のあらゆる部位が対象となります。また、近年では、内視鏡を用いた手術など、患者さんの負担を軽減するための低侵襲な治療法も進歩しています。 外科治療は、患者さんの人生に大きな影響を与える可能性があるため、医師と患者さんの間で十分なコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが非常に重要です。
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創部の観察:アイテル様とは?

医療現場では、患者の状態を正確に把握し記録することが非常に重要です。特に、傷口の状態は、その後の治療方針や回復具合を左右する重要な要素となります。傷口の状態を表す表現は様々ありますが、その中でも「アイテル様」という表現は、特定の状態を示す専門用語として用いられます。 「アイテル様」とは、傷口から膿が排出されている状態を指します。膿は、細菌や白血球、組織の壊死物などが混ざり合った、黄色や緑がかった粘り気のある液体です。このような膿が傷口から出ている状態は、細菌感染が起きていることを示唆しており、注意深く観察する必要があります。「アイテル様」の表現は、この膿の性状を端的に表す言葉と言えるでしょう。 ただし、「アイテル様」という表現だけでは、膿の量や色、臭い、傷口周辺の皮膚の状態など、重要な情報が不足している可能性があります。そのため、医療従事者は「アイテル様」といった言葉だけでなく、具体的な観察結果を記録し、患者さんの状態をより詳細に記録するよう努める必要があります。
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手術:病気治療の選択肢とその詳細

私たちは日常生活の中で、怪我をしたり病気になったりすることがあります。多くの場合、薬を飲んだり安静にしたりすることで、症状は改善していきます。しかし、薬物療法や保存療法では効果が期待できない場合、手術が必要となることがあります。 では、手術とは一体どのような医療行為なのでしょうか。 手術とは、病気や怪我を治療するために、メスを用いて皮膚や粘膜を切開し、患部に対して直接治療を行う医療行為のことを指します。 例えば、骨折した骨を元の位置に戻して固定する手術や、体の中にできた腫瘍を取り除く手術など、様々な種類の手術があります。 手術は、私たちが健康な生活を送るために欠かせない医療技術の一つと言えるでしょう。
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開腹手術:お腹を開いて治療する方法

- 開腹手術とは開腹手術とは、お腹を切開して、お腹の中の臓器を直接見て、治療する手術のことです。「お腹を開く手術」というと、体への負担が大きく、複雑な手術というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし実際には、様々な病気に対して行われている手術です。例えば、虫垂炎や腸閉塞、消化管穿孔など、緊急を要する病気に対して行われる場合もあれば、腫瘍の切除など、計画的に行われる場合もあります。開腹手術は、お腹の中を直接見ることができるため、病変部を確実に確認し、治療できるという利点があります。また、内視鏡手術に比べて、複雑な手術や大規模な手術にも対応しやすいという利点もあります。かつては、お腹の手術のほとんどが開腹手術で行われていました。しかし近年では、傷口が小さく体への負担が少ない内視鏡手術が普及してきており、開腹手術を行う機会は減ってきているのも事実です。それでも、開腹手術は現在もなお、多くの患者さんの命を救い、健康を守るために重要な役割を果たしている手術です。
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甲状腺がん:知っておきたい基礎知識

- 甲状腺がんとは喉仏の下あたりにある、蝶のような形をした甲状腺という臓器をご存知でしょうか。この甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌するという、とても大切な役割を担っています。 甲状腺がんとは、この甲状腺に発生するがんのことを指します。甲状腺がんは、他の臓器のがんと比較して比較的まれながんですが、近年増加傾向にあります。 特に、20歳代から40歳代の女性に多く見られるのも特徴の一つです。甲状腺がんは、進行が遅く、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒率の高いがんとしても知られています。 しかし、進行すると、声のかすれや呼吸困難などの症状が現れることがあります。 また、まれに、骨や肺などに転移することもあります。甲状腺がんの主な治療法は、手術療法、放射線療法、薬物療法などです。 治療法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なります。甲状腺がんは、早期発見、早期治療が非常に重要です。 定期的な健康診断や、首にしこりなどを感じた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
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ハルトマン手術:人工肛門と腸の切除

- 手術の概要 ハルトマン手術は、大腸の病気や損傷に対して行われる手術です。具体的には、大腸がんや腸閉塞などが、この手術の対象となります。 この手術では、まず、病気や損傷のある大腸の一部を切除します。そして、人工肛門と呼ばれる腹部開口部を造設します。人工肛門は、腸から腹部表面に通じる開口部で、これを通して便を体外に排出します。つまり、本来の肛門の代わりに、人工的に肛門としての役割を果たす開口部を作る手術と言えます。 ハルトマン手術は、緊急を要する場合や、患者の状態が他の手術に耐えられない場合に選択されることが多いです。この手術によって、命に関わる危険な状態から回復できる可能性があります。一方で、人工肛門を造設するため、生活上の変化を受け入れる必要も生じます。 手術を受けるかどうかは、病気の状態や生活への影響などを考慮し、医師とよく相談した上で決断することが大切です。
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ハルトマン手術とは?

- はじめに大腸がんは、日本人の間で罹患率と死亡率が高いがんであり、近年その数は増加傾向にあります。進行した大腸がんに対しては、手術、化学療法、放射線療法などを組み合わせた集中的な治療が行われますが、その中でも手術は根治を目指す上で非常に重要な治療法です。大腸がんの手術は、がんの発生部位や進行度、患者さんの状態などに応じて、様々な方法が選択されます。今回は、大腸がんの手術において、状況に応じて選択されるハルトマン手術について解説します。ハルトマン手術は、直腸がんやS状結腸がんなど、肛門に近い部位に発生したがんに対して行われる手術です。がんの切除と同時に、人工肛門を造設します。人工肛門とは、腹部に人工的に開口部を設け、そこから便を体外に排出するためのものです。ハルトマン手術では、がんが進行している場合や、患者さんの状態が手術に適さない場合などに、一時的に人工肛門を造設し、後日、人工肛門を閉鎖する手術を行うことがあります。ハルトマン手術は、根治性を高めるために重要な手術ですが、人工肛門の造設に伴う生活の質の変化など、患者さんにとって大きな負担となる可能性もあります。そのため、手術前に、医師から手術の内容やリスク、術後の生活について十分な説明を受け、理解しておくことが大切です。
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