捻髪音:肺が奏でる小さなサイン

呼吸器

捻髪音:肺が奏でる小さなサイン

病院での用語を教えて

先生、「捻髪音」って、どんな音ですか? 髪の毛をこすり合わせる音に似ているって書いてあるけど、本当にそうなんですか?

体の健康研究家

いい質問だね! 確かに「捻髪音」は、髪の毛をこすり合わせる音に似ていると言われているけど、実際にはもっとかすかな音なんだ。例えるなら、炭酸飲料の泡がはじける音や、塩を焼いた時に聞こえる「パチパチ」という音に近いかな。

病院での用語を教えて

あ~、なんとなくわかった気がします! でも、なんでそんな音が肺から聞こえるんですか?

体の健康研究家

それはね、病気によって肺の中に空気が入りにくくなったり、肺胞という小さな袋が壊れてしまったりすることで、息を吸う時に変な音がするようになるんだ。捻髪音は、主に肺が病気の時に聞かれる音なんだよ。

捻髪音とは。

お医者さんの世界で使う『捻髪音』っていう言葉は、肺の音を聴診器で聞いたときに、いつもと違う呼吸音の中に、高く聞こえる、細かく途切れ途切れに聞こえる音のことを指します。息を吸う後半に聞こえてきて、「パチパチ」とか「バリバリ」「ベリベリ」みたいに表現されることが多いです。肺の病気の方でよく聞かれる音で、気道に何かが溜まって出る音とは違うので、咳をしてもこの音は消えません。髪の毛をこすり合わせたときの音に似ていることから、この名前が付けられました。

聴診器が捉える音の世界

聴診器が捉える音の世界

病院の診察室で医師が聴診器を胸に当てて診察する光景は、テレビドラマなどでもよく見かける馴染み深いものでしょう。聴診器を通して医師の耳に届く音は、心臓の鼓動やお腹の活動音など様々ですが、特に肺から聞こえる音は、患者さんの状態を把握する上で重要な情報源となります。

健康な人の肺からは、「ザーザー」という音が聞こえ、これは空気が肺の中をスムーズに出入りしている状態を表しています。まるで風の木々を渡る音のように、自然で規則的な音が聴診器を通して聞こえてきます。しかし、肺炎などの病気になると、肺の中に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなったり、肺に水が溜まったりするため、呼吸音が変化します。例えば、「ゴロゴロ」という低い音は、気管支という空気の通り道に痰が詰まっていることを示唆しており、「ヒューヒュー」という笛のような高い音は、気管支が狭くなっている可能性を示しています。これらの音の変化を聞き分けることで、医師は病気の診断や治療方針の決定に役立てています。

このように、聴診器は医師にとって、患者さんの体の内側から発せられる声を聴き、健康状態を把握するための重要な道具と言えるでしょう。

肺の呼吸音 状態
ザーザー 健康な状態、空気がスムーズに出入りしている
ゴロゴロ(低音) 気管支に痰が詰まっている可能性
ヒューヒュー(高音) 気管支が狭くなっている可能性

捻髪音:小さくても重要なサイン

捻髪音:小さくても重要なサイン

聴診器を用いた肺の診察において、異常な呼吸音は様々な疾患の重要な手がかりとなります。その中でも、「捻髪音」は小さく聞こえづらい音ですが、その背後にある病態を理解する上で非常に重要なサインとなります。

捻髪音は、「パチパチ」、「バリバリ」、「ベリベリ」といった、まるで髪をこすり合わせるような、もしくは、薄い布を指で弾いた時のような音に例えられます。高音で非常に細かな断続音が特徴であり、聴診器を通して耳を澄まさなければ聞き逃してしまうこともあります。この音は、主に息を吸い込む際の後半に聞こえ、咳をしても消えないという点が特徴です。

捻髪音は、肺胞や細気管支といった、肺の末梢部分が水分で満たされたり、狭窄したりすることで発生すると考えられています。肺の内部は、通常、空気で満たされていますが、肺炎や肺水腫、間質性肺炎、肺線維症といった病気が原因で、肺胞や細気管支に水が溜まったり、炎症が起きたりすることがあります。このような状態になると、呼吸に伴って肺胞や細気管支の壁がくっついたり離れたりするため、特徴的な音が発生するのです。

捻髪音は、その発生機序から、基礎疾患の進行度や治療の効果を判断する上で重要な指標となります。そのため、聴診で捻髪音が確認された場合には、胸部レントゲン検査やCT検査など、より詳細な検査を行い、原因疾患の特定とその治療に迅速に取り組む必要があります。

項目 説明
音の特徴
  • 「パチパチ」「バリバリ」「ベリベリ」といった、髪をこすり合わせるような、薄い布を指で弾いた時のような音
  • 高音で非常に細かな断続音
  • 主に息を吸い込む際の後半に聞こえる
  • 咳をしても消えない
発生機序 肺胞や細気管支といった、肺の末梢部分が水分で満たされたり、狭窄したりすることで発生
原因疾患
  • 肺炎
  • 肺水腫
  • 間質性肺炎
  • 肺線維症
  • など
臨床的意義
  • 基礎疾患の進行度や治療の効果を判断する上で重要な指標
  • 捻髪音聴取時は、胸部レントゲン検査やCT検査など、詳細な検査が必要

捻髪音は何を意味する?

捻髪音は何を意味する?

– 捻髪音は何を意味する?呼吸をする際に、髪の毛をこすり合わせるような「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が聞こえることはありませんか?これは捻髪音と呼ばれ、肺や気管支といった、空気が通る道である気道が狭くなっているサインかもしれません。捻髪音は、肺炎や肺線維症、肺水腫など、様々な肺の病気が原因で起こる可能性があります。これらの病気では、肺に炎症が起こったり、水分が溜まったり、あるいは肺が硬くなってしまうことで、空気が通りにくくなってしまいます。その結果、狭くなった気道を空気が無理やり通ろうとする際に、周りの組織を振動させ、独特の音を発するのです。特に、息を吸う時に聞こえる捻髪音は、気道の入り口付近が狭くなっていることを示唆しており、息を吐く時に聞こえる場合は、より奥にある細い気管支が狭くなっている可能性があります。捻髪音は、肺の病気を早期発見するための重要な手がかりとなります。そのため、もしもご自身や周りの方で、このような音が聞こえる場合は、早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。

症状 説明 原因となる病気 備考
捻髪音
(「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音)
呼吸をする際に、髪の毛をこすり合わせるような音が聞こえる。気道が狭くなっているサイン。 肺炎、肺線維症、肺水腫など – 息を吸う時に聞こえる場合:気道の入り口付近が狭くなっている
– 息を吐く時に聞こえる場合:奥にある細い気管支が狭くなっている

咳との違い

咳との違い

咳が出るとき、痰が絡んで音がする場合がありますが、これは捻髪音とは異なるものです。咳の音は、気道に溜まった分泌物によって一時的に発生する音です。咳をすることで分泌物が排出され、音も変化します。例えば、最初はゴロゴロとした音がしていても、咳を繰り返すうちに音が小さくなったり、消えたりすることがあります。
一方、捻髪音は気道の構造そのものが変化することで生じる音であるため、咳をしても基本的には変化しません。気道が狭くなったり、拡張したりすることで音が発生します。捻髪音は、呼吸とともにゼーゼー、ヒューヒューといった音が持続的に聞こえることが特徴です。
このように、咳の音と捻髪音は発生のメカニズムが異なり、咳をしても音が変化するかどうかで見分けることができます。ただし、咳と捻髪音が同時に起こる場合もあるため注意が必要です。咳が長引いたり、呼吸時にいつもと違う音がする場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

項目 咳の音 捻髪音
発生源 気道に溜まった分泌物 気道の構造変化
持続性 一時的 持続的
咳の影響 変化する (小さくなる、消えるなど) 変化しない
その他 呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューといった音が聞こえる

早期発見・治療のために

早期発見・治療のために

健康診断などで医師に聴診器を当ててもらった際、特に自覚症状がないにも関わらず、心臓から「ザーザー」「ゴロゴロ」といった異常な音が聞こえる場合があります。このような音を捻髪音と呼びます。捻髪音は心臓弁膜症などの心臓疾患の可能性を示唆する重要なサインとなりえます。
自覚症状がなくても捻髪音が聞こえる場合でも、心臓に何らかの問題を抱えている可能性があります。そのため、健康診断などで医師から指摘を受けた場合は、放置せずに、速やかに循環器内科などの専門医療機関を受診することが重要です。
医療機関を受診すると、医師は聴診に加え、心臓超音波検査や胸部レントゲン検査、心電図検査などを行います。これらの検査を通して心臓の状態を詳しく調べ、適切な診断と治療方針を決定します。
特に、息切れや咳などの症状がある場合は、心臓疾患が進行している可能性も考慮し、緊急性を要する場合があります。躊躇せずに、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。

症状 説明 行動
自覚症状がないが、聴診で異常音(捻髪音)が聞こえる 心臓弁膜症などの心臓疾患の可能性を示唆 速やかに循環器内科などの専門医療機関を受診

心臓超音波検査、胸部レントゲン検査、心電図検査などを実施
息切れや咳などの症状がある 心臓疾患が進行している可能性があり、緊急性を要する 躊躇せずに、できるだけ早く医療機関を受診

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