命を脅かす病気:肺がん
病院での用語を教えて
先生、「肺がん」って、どんな病気なのですか?
体の健康研究家
肺がんは、肺の細胞が悪くなってしまう病気だよ。肺は息をするために大切なところだよね。その肺の細胞ががん細胞に変わってしまい、増え続けてしまうんだ。
病院での用語を教えて
肺の細胞が悪くなるって、どういうことですか?
体の健康研究家
私たちの体を作っている細胞は、いつも新しい細胞に生まれ変わっているんだ。肺がんは、この生まれ変わる時に、細胞が正常に作られなくなり、悪い細胞が増え続けてしまう病気なんだよ。
肺がんとは。
『肺がん』っていう病気について説明するね。肺がんは、空気の通り道である気管支や、空気の袋である肺胞の細胞が、がん細胞に変化してしまう病気なんだ。体の部位別に見てみると、肺がんで亡くなる方が一番多いんだ。肺がんは、ほとんどが上皮という組織からできる腫瘍で、そのほとんどが空気の通り道の粘膜にある細胞から発生するんだよ。
肺がんとは
– 肺がんとは肺がんは、呼吸をするために重要な役割を担う肺に発生するがんです。空気の通り道である気管支や、酸素と二酸化炭素の交換を行う肺胞といった、肺を構成する様々な組織の細胞が、何らかの原因でがん細胞へと変化し、制御できないほどに増殖することで発生します。肺は、心臓や大血管など、生命維持に欠かせない臓器と非常に近い場所に位置しています。そのため、肺がんは進行すると、これらの臓器にも影響を及ぼし、呼吸困難や胸の痛み、血痰、咳、体重減少といった様々な症状を引き起こします。さらに、肺がんは他の臓器にも転移しやすい性質を持っています。骨や肝臓、脳など、体の様々な場所に転移することで、さらに深刻な症状を引き起こす可能性があります。肺がんは、早期発見・早期治療が非常に重要です。初期の段階では自覚症状が出にくいため、定期的な健康診断や、少しでも体に異常を感じたら、医療機関を受診することが大切です。
項目 | 内容 |
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病気 | 肺がん |
定義 | 肺の組織の細胞ががん細胞に変化し、無制限に増殖する病気。 |
発生場所 | 気管支、肺胞など、肺を構成する様々な組織 |
症状 | 呼吸困難、胸の痛み、血痰、咳、体重減少など |
合併症 | 心臓、大血管、骨、肝臓、脳などへの転移 |
重要性 | 早期発見・早期治療が重要 |
肺がんの種類
肺がんは、大きく2つの種類に分けられます。一つは非小細胞肺がんで、もう一つは小細胞肺がんです。
非小細胞肺がんは、肺がん全体の約8割を占める、最も一般的なタイプの肺がんです。この非小細胞肺がんは、さらに3つの種類に分類されます。
まず、腺がんは、非小細胞肺がんの中で最も患者数の多い種類です。次に、扁平上皮がんは、気管支の表面を覆う細胞から発生するがんです。そして、大細胞がんは、他の2つのタイプに比べて、細胞の大きさが大きく、増殖が速いという特徴があります。
一方、小細胞肺がんは、肺がん全体の約2割を占めるがんです。非小細胞肺がんと比べて、増殖するスピードが速く、体の他の部位に転移しやすいという特徴があります。
このように肺がんにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。治療法も種類によって異なるため、自分に合った治療を受けるためには、自分がどの種類の肺がんにかかっているのかを正しく知る必要があります。
肺がんの種類 | 特徴 |
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非小細胞肺がん (約8割) | 肺がんの中で最も一般的なタイプ |
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小細胞肺がん (約2割) | 増殖が速く、転移しやすい |
肺がんの原因
– 肺がんの原因
肺がんは、肺の細胞が何らかの原因でがん化し、増殖を始める病気です。その原因はさまざまであり、複数の要因が重なって発症すると考えられています。
肺がんの最も大きな原因として挙げられるのは喫煙です。タバコの煙には、発がん性物質と呼ばれる、がんを引き起こす有害な物質が多数含まれています。これらの物質を長期間にわたって吸い続けることで、肺の細胞が傷つけられ、がん化しやすくなるのです。
喫煙には、自らタバコを吸う直接喫煙だけでなく、他人の吸うタバコの煙を吸わされる受動喫煙も含まれます。受動喫煙も、肺がんのリスクを高めることが分かっています。
喫煙以外にも、肺がんのリスクを高める要因として、アスベストやラドンなどの有害物質への曝露が挙げられます。アスベストは、かつては建物の断熱材や防火材などに広く使われていた物質で、ラドンは土壌や岩石などに由来する放射性物質です。これらの物質を長期間吸い込むことで、肺がんのリスクが高まります。
また、大気汚染も肺がんのリスクを高める要因の一つです。工場や自動車の排気ガスなどに含まれる微粒子などを吸い込むことで、肺の細胞が傷つけられ、がん化しやすくなると考えられています。
さらに、遺伝的要因も肺がんの発症に影響を与える可能性があります。家族に肺がんの方がいる場合、そうでない方に比べて肺がんになりやすいというデータもあります。
このように、肺がんの原因は多岐にわたります。これらのリスク要因を理解し、可能な限り避けることで、肺がんの予防に繋げることが重要です。
要因 | 詳細 |
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喫煙 |
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有害物質への曝露 |
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大気汚染 |
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遺伝的要因 |
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肺がんの症状
– 肺がんの症状について
肺がんは、初期段階では自覚できる症状がほとんど現れないという厄介な病気です。そのため、早期発見が非常に難しく、症状がはっきりと現れてから診断を受けた時には、病気がかなり進行しているというケースも少なくありません。
肺がんが進行すると、様々な症状が現れ始めます。代表的なものとしては、咳が挙げられます。これは、がんが気管や気管支を刺激することで起こります。咳は、風邪などの場合と異なり、なかなか治まらないという特徴があります。
また、咳と共に痰が出ることもあります。痰は、気道から分泌される粘液状のもので、肺がんの場合は、血が混じって血痰となることもあります。
さらに、肺がんが進行すると、呼吸が苦しくなる呼吸困難も現れます。これは、がんが肺の組織を破壊したり、胸水が溜まったりすることで、肺の機能が低下するために起こります。
胸の痛みも、肺がんの症状の一つです。がんが胸膜に広がると、鋭い痛みを感じることがあります。また、体重減少や食欲不振といった全身症状が現れることもあります。
ただし、これらの症状は、肺がん以外にも、肺炎や気管支炎など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。そのため、これらの症状があるからといって、必ずしも肺がんであると断定することはできません。
もし、これらの症状が長く続く場合には、早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けることが大切です。
症状 | 説明 |
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咳 | がんが気管や気管支を刺激することで起こる。なかなか治まらないのが特徴。 |
痰 | 気道から分泌される粘液状のもの。血が混じって血痰となることも。 |
呼吸困難 | がんが肺の組織を破壊したり、胸水が溜まったりすることで、肺の機能が低下するために起こる。 |
胸の痛み | がんが胸膜に広がると、鋭い痛みを感じることがある。 |
体重減少、食欲不振 | 肺がんが進行すると現れる全身症状。 |
肺がんの治療
– 肺がんの治療肺がんと診断された場合、治療法は患者さん一人ひとりによって異なります。肺がんの種類、病状の進行度、年齢、体力、持病など、様々な要素を考慮した上で、最適な治療計画が立てられます。肺がんの治療法には、大きく分けて手術療法、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法の3つがあります。これらの治療法を単独で行うこともあれば、組み合わせて行うこともあります。手術療法は、がんに侵された肺の一部または全部を切除する方法です。がんが早期で、周囲の組織への転移がない場合に有効な治療法となります。化学療法は、抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃する治療法です。手術が難しい場合や、がんが進行している場合に選択されることがあります。副作用として、吐き気や脱毛、免疫力の低下などがみられることがあります。放射線療法は、放射線を用いてがん細胞を攻撃する治療法です。手術が難しい場合や、がんが周囲の組織に浸潤している場合に選択されます。副作用として、皮膚炎や食欲不振などがみられることがあります。これらの標準的な治療法に加えて、近年では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬といった新しい治療薬も開発されており、治療の選択肢は広がりを見せています。分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わる特定の分子を標的として攻撃する薬です。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫システムから逃れるのを防ぎ、免疫細胞による攻撃を促進する薬です。肺がんの治療は、患者さんにとって大きな負担となることもありますが、医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフとよく相談し、自分に合った治療法を選択していくことが大切です。
治療法 | 説明 | 適応 | 副作用 |
---|---|---|---|
手術療法 | がんに侵された肺の一部または全部を切除する方法 | がんが早期で、周囲の組織への転移がない場合 | – |
化学療法(抗がん剤治療) | 抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃する治療法 | 手術が難しい場合や、がんが進行している場合 | 吐き気、脱毛、免疫力の低下など |
放射線療法 | 放射線を用いてがん細胞を攻撃する治療法 | 手術が難しい場合や、がんが周囲の組織に浸潤している場合 | 皮膚炎、食欲不振など |
分子標的薬 | がん細胞の増殖に関わる特定の分子を標的として攻撃する薬 | – | – |
免疫チェックポイント阻害薬 | がん細胞が免疫システムから逃れるのを防ぎ、免疫細胞による攻撃を促進する薬 | – | – |
肺がんの予防
– 肺がんの予防肺がんは、日本でがんによる死亡原因の第一位となっており、その予防は非常に重要です。肺がんを予防するために最も効果的なことは、喫煙を控えることです。タバコの煙には、発がん物質と呼ばれる、細胞の遺伝子を傷つけ、がんを引き起こす可能性のある物質が多数含まれています。喫煙者は、禁煙することで、肺がんになるリスクを大幅に減らすことができます。禁煙は、いつから始めても遅すぎることはありません。喫煙以外にも、受動喫煙を避けることも大切です。受動喫煙とは、他人の吸うタバコの煙を吸い込むことで、喫煙者と同様に、肺がんを含む様々な健康被害のリスクを高めます。また、バランスの取れた食事を心がけ、野菜や果物を積極的に摂取することも重要です。野菜や果物には、がん予防に効果があるとされるビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。さらに、適度な運動を習慣化することも大切です。運動不足は、肥満や生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、がんのリスクを高めることも知られています。そして、定期的に健康診断を受診し、早期発見、早期治療に努めることも重要です。肺がんは、早期に発見できれば、手術などで治癒が期待できるがんの一つです。肺がんを予防するためには、これらのことに気をつけ、健康的なライフスタイルを維持することが重要です。
項目 | 詳細 |
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喫煙 | 禁煙する。禁煙はいつから始めても遅すぎることはありません。 |
受動喫煙 | 避ける。喫煙者と同様に健康被害のリスクが高まります。 |
食生活 | バランスの取れた食事を心がけ、野菜や果物を積極的に摂取する。 |
運動 | 適度な運動を習慣化する。運動不足は、がんを含む様々な病気のリスクを高めます。 |
健康診断 | 定期的に受診し、早期発見、早期治療に努める。 |