ロタウイルス感染症:乳幼児に多い胃腸炎

小児科

ロタウイルス感染症:乳幼児に多い胃腸炎

病院での用語を教えて

先生、「ロタウイルス」ってよく聞くんですけど、どんな病気なんですか?

体の健康研究家

そうだね。「ロタウイルス」は、主に赤ちゃんや小さい子どもが、おう吐や下痢などの症状を引き起こす病気の原因になるんだよ。

病院での用語を教えて

そうなんですね。大人でもかかることはあるんですか?

体の健康研究家

大人もかかることはあるけど、子どもに比べて症状が軽いことが多いんだ。特に、小さいうちにかかって免疫ができていると、症状が出にくくなるんだよ。

ロタウイルスとは。

「ロタウイルス」は、主に赤ちゃんや幼児の胃腸炎を引き起こす、とても感染力の強いウイルスです。このウイルスは、遺伝情報を持つ物質としてRNAという物質を持っています。ほとんどの子どもは2歳から3歳になるまでに、このウイルスに対する抵抗力(抗体)を獲得します。しかし、生後6か月から2歳くらいまでの赤ちゃんは、まだ抵抗力が十分でないため、重症化しやすく、特に発展途上国では命を落とすケースも少なくありません。日本の厚生労働省の調べによると、毎年およそ8万人がロタウイルスにかかり、そのうち15人から43人に1人の割合で入院し、年間2人から18人が亡くなっていると報告されています。

ロタウイルスとは

ロタウイルスとは

– ロタウイルスとはロタウイルスは、乳幼児によく見られる胃腸炎を引き起こすウイルスです。特に、生後6か月から2歳頃までのお子さんは注意が必要です。感染すると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れ、脱水症状に陥りやすいため、注意深いケアが欠かせません。ロタウイルスは、感染した人の便の中に存在し、その便に直接触れたり、便で汚染された物に触れることで感染します。例えば、オムツ交換の際に手にウイルスが付着したり、おもちゃやドアノブなどを介して口に入ったりすることで感染が広がります。また、十分に洗浄されていない食品を食べることでも感染する可能性があります。ロタウイルスの感染力は非常に強く、ごくわずかな量のウイルスでも感染を引き起こす可能性があります。そのため、感染予防には、手洗いの徹底が何よりも重要です。石鹸を使って丁寧に手を洗い、流水で十分にすすぎましょう。また、おもちゃや身の周りの物の消毒もこまめに行うことが大切です。ロタウイルス胃腸炎はワクチンで予防できる病気です。ワクチンを接種することで、重症化を防ぐ効果が期待できます。かかりつけ医に相談し、ワクチンの接種を検討しましょう。

項目 内容
原因 ロタウイルス
症状 嘔吐、下痢、発熱など
好発年齢 生後6か月から2歳頃
感染経路 接触感染(便の中に存在するウイルスが、口に入ることで感染)
感染力 非常に強い
予防 手洗いの徹底、おもちゃや身の周りの物の消毒、ワクチン接種

症状

症状

– 症状

ロタウイルスに感染すると、体の中にウイルスが増殖し、嘔吐や下痢、発熱といった症状が現れます。

まず、吐き気をもよおし、何度も吐いてしまうことがあります。さらに、水のような便が1日に何度も出る激しい下痢に見舞われることもあります。

嘔吐と下痢が続くと、体から水分が失われ、脱水症状に陥ることがあります。

また、これらの症状に加えて、発熱や腹痛、食欲不振といった症状が現れることもあります。

これらの症状は、ロタウイルスに感染してから数日後に現れ始め、数日間続くのが一般的です。

症状 詳細
嘔吐 吐き気をもよおし、何度も吐いてしまう。
下痢 水のような便が1日に何度も出る。
脱水症状 嘔吐と下痢により、体から水分が失われる。
発熱 症状に加えて発熱することもある。
その他 腹痛、食欲不振なども見られることがある。

重症化のリスク

重症化のリスク

ロタウイルスに感染すると、多くの子供たちは自身の免疫力によって自然に回復に向かいます。しかし、乳幼児や生まれつき免疫力が弱い子供たちの場合、注意が必要です。これらの子供たちは、ロタウイルス感染症が重症化するリスクが高いと言えるでしょう。

重症化すると、体内から水分が失われる脱水症状がひどくなり、入院が必要になるケースもあります。点滴によって水分や電解質を補給するなど、入院して適切な治療を受けなければ、命に関わる可能性も出てきます。

特に衛生環境が整っていない発展途上国では、ロタウイルス感染症は深刻な問題となっています。安全な水や衛生設備が不足しているため、感染が広がりやすく、重症化する子供たちも少なくありません。発展途上国では、ロタウイルス感染症が原因で、幼い命が失われるケースも少なくないのです。

ロタウイルス感染症 症状とリスク 治療法
軽症(多くの子供) 自身の免疫力により自然回復
重症(乳幼児、免疫力の弱い子供) 脱水症状
入院が必要
命に関わる可能性
点滴による水分・電解質補給
入院による適切な治療
発展途上国での現状 衛生環境の悪さ
安全な水不足
感染拡大、重症化リスク高
死亡例も

予防

予防

– 予防ロタウイルス感染症は、乳幼児を中心に流行しやすい感染力の強い病気です。しかし、効果的な予防策を講じることで、感染のリスクを大幅に減らすことができます。最も有効な予防法はワクチン接種です。日本では、2011年からロタウイルスワクチンが定期接種に組み込まれています。接種は飲み薬で、計2回または3回受ける必要があります。ワクチンの効果は高く、重症化を防ぐ効果も期待できます。接種スケジュールなどは、かかりつけの医師に相談してください。ワクチン接種に加えて、こまめな手洗いも感染予防に非常に効果的です。ロタウイルスは、感染者の便に含まれており、手などを介して口から入ることによって感染します。特に、乳幼児のおむつ交換の後やトイレの後、食事の前には必ず石鹸と流水で手を洗いましょう。また、おもちゃや身の回りの物の消毒も効果的です。ロタウイルスは、アルコール消毒では効果が薄いため、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液を用いて消毒しましょう。ロタウイルス感染症は、予防することができる病気です。ワクチン接種と手洗 hygiene を徹底し、お子様を感染から守りましょう。

予防策 詳細
ワクチン接種 – 2011年から定期接種
– 飲み薬で計2回または3回接種
– 重症化を防ぐ効果あり
こまめな手洗い – 石鹸と流水で洗う
– おむつ交換後、トイレ後、食事前に実施
おもちゃや身の回りの物の消毒 – アルコール消毒ではなく、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液を使用

治療

治療

ロタウイルス感染症にかかってしまった場合、残念ながら、このウイルスを直接退治する特別な治療法はまだありません。
しかし、だからといって何もしないでいるわけではありません。ロタウイルス感染症において最も重要なのは、脱水症状を防ぐことです。
ロタウイルスは、激しい下痢や嘔吐を引き起こすため、体から水分と電解質が失われてしまいます。
特に、小さな子どもは体が小さく、抵抗力も弱いので、脱水症状に陥りやすいのです。
そこで、家庭では、経口補水液やスポーツドリンクなどを利用して、こまめに水分を補給することが大切です。
経口補水液は、薬局などで購入できますし、水に塩と砂糖を適切な割合で溶かして作ることもできます。
しかし、脱水症状がひどく、水分を口から摂取することが難しい場合には、入院して点滴によって水分と電解質を補給する必要があることもあります。
また、医師の判断によって、下痢や嘔吐を抑える薬が処方されることもありますが、これらの薬は、あくまで症状を和らげるためのものです。
ウイルスを直接攻撃する効果はありませんので、その点は注意が必要です。

ロタウイルス感染症 詳細
治療法の有無 直接ウイルスを退治する治療法はなし
重要な対策 脱水症状の予防
具体的な対策
  • 経口補水液、スポーツドリンクなどでこまめな水分補給
  • 症状がひどい場合は入院して点滴
薬の使用
  • 下痢や嘔吐を抑える薬が処方されることも有り
  • ウイルスを攻撃する効果はなく、症状を和らげるためのもの

まとめ

まとめ

乳幼児に多く見られる感染症の一つに、ロタウイルス感染症があります。この病気は、ロタウイルスというウイルスが体内に入ることで引き起こされ、主な感染経路は、ウイルスを含む便や吐瀉物からの接触感染です。感染すると、嘔吐や下痢、発熱、腹痛などの症状が現れ、脱水症状を引き起こすこともあります。特に、抵抗力の弱い乳幼児は重症化しやすく、注意が必要です。

しかし、ロタウイルス感染症は予防することができる病気でもあります。有効な手段として、ロタウイルスワクチンの接種があります。ワクチンを接種することで、体内へのウイルスの侵入を防ぎ、発症のリスクを大幅に減らすことができます。また、こまめな手洗いも感染予防に効果的です。石鹸を使って丁寧に手を洗い、流水で十分に洗い流すことで、ウイルスを洗い流すことができます。さらに、おもちゃやドアノブなど、多くの人が触れる場所を消毒することも有効な手段です。

もし、お子様がお腹の調子が悪い場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診しましょう。医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。

項目 内容
病気の名前 ロタウイルス感染症
原因 ロタウイルスへの感染
感染経路 便や吐瀉物からの接触感染
症状 嘔吐、下痢、発熱、腹痛など
重症化リスク 乳幼児は重症化しやすい
予防方法 ロタウイルスワクチンの接種、こまめな手洗い、おもちゃやドアノブなどの消毒

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