舌根沈下:睡眠時無呼吸症候群との関係

耳鼻科

舌根沈下:睡眠時無呼吸症候群との関係

病院での用語を教えて

先生、「舌根沈下」って、どういう意味ですか?

体の健康研究家

「舌根沈下」は、舌の奥の方がのどの奥に落ちて、空気が通る道が狭くなったり、塞がったりすることだよ。

病院での用語を教えて

舌がのどに落ちるんですか?どうしてですか?

体の健康研究家

舌根沈下は、生まれつき舌の筋肉が弱かったり、病気などが原因で起こることがあるんだ。重力によって舌が下に落ち込んでしまうんだよ。

舌根沈下とは。

「舌根沈下」とは、医学や健康の分野で使われる言葉です。簡単に言うと、舌の根元が重力によってのどの奥に落ち込んでしまい、空気が通る道が塞がってしまうことを指します。この現象を専門用語では「glossoptosis」と言います。道の狭まり具合によっては、呼吸が少し苦しくなる場合もあれば、完全に塞がってしまって呼吸ができなくなる場合もあります。

舌根沈下とは

舌根沈下とは

– 舌根沈下とは私たちの口の中に存在する舌は、食事をする際に食べ物を喉の奥に送り込んだり、言葉を話す際に複雑な動きをしたりと、重要な役割を担っています。舌の中でも、特に奥まった部分を舌根と呼びますが、この舌根が重力によって喉の奥(医学用語では咽頭と呼びます)に沈み込んでしまう状態を -舌根沈下- と言います。本来、舌は口の中に位置しているものですが、舌根沈下が起こると、気道の一部が塞がれてしまい、スムーズな呼吸を妨げてしまうことがあります。特に、睡眠中は体の筋肉が弛緩してしまい、起きている時に比べて舌を支える力が弱くなるため、舌根沈下が起こりやすくなります。舌根沈下は、睡眠時無呼吸症候群の原因の一つとしても知られています。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう、あるいは呼吸が浅くなってしまう病気です。舌根沈下によって気道が狭くなることで、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる可能性があります。舌根沈下の症状としては、大きないびき、日中の眠気、起床時の頭痛などが挙げられます。これらの症状が見られる場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

項目 説明
舌根沈下とは 舌の奥まった部分(舌根)が重力により喉の奥に沈み込む状態
原因 睡眠中の筋弛緩による舌の支えの低下
影響 – 気道が塞がり、呼吸がスムーズにできなくなる
– 睡眠時無呼吸症候群のリスク増加
症状 – 大きないびき
– 日中の眠気
– 起床時の頭痛
対応 症状が見られる場合は医療機関を受診

原因と症状

原因と症状

– 原因と症状舌の付け根、すなわち舌根が何らかの原因で沈み込み、気道を狭くしてしまう病態を舌根沈下と呼びます。この舌根沈下を引き起こす原因は、先天的なものと後天的なものに大別できます。先天的な要因としては、生まれつき顎の骨が小さい、舌が標準よりも大きい、舌や喉の周りの筋力が弱いなどが挙げられます。これらの要因が重なることで、舌根が気道を圧迫しやすくなるのです。一方、後天的な要因としては、加齢に伴う筋力低下、肥満による首周りの脂肪の蓄積、扁桃腺が腫れて大きくなる扁桃肥大などが挙げられます。特に、加齢や肥満は舌根沈下を悪化させる要因となるため注意が必要です。舌根沈下によって気道が狭くなると、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、いびき、睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸、日中の強い眠気、集中力の低下、頭痛などが挙げられます。さらに、舌根沈下を放置すると、重症化して閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に発展する可能性があります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が完全に止まってしまう病気であり、命に関わる危険性もあるため注意が必要です。

原因 詳細
先天的な要因 – 生まれつき顎の骨が小さい
– 舌が標準よりも大きい
– 舌や喉の周りの筋力が弱い
後天的な要因 – 加齢に伴う筋力低下
– 肥満による首周りの脂肪の蓄積
– 扁桃腺が腫れて大きくなる扁桃肥大
舌根沈下の症状
– いびき
– 睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸
– 日中の強い眠気
– 集中力の低下
– 頭痛
– 重症化すると閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)になる可能性

診断と治療

診断と治療

– 診断と治療舌の付け根が気道に沈み込む「舌根沈下」。その診断には、まず医師による問診が行われます。 患者さんの自覚症状や生活習慣などを詳しく聞き取り、原因を推測していきます。次に、実際に舌や口の中の状態を観察する視診、さらに詳しく観察するために内視鏡を用いた検査を行います。内視鏡検査では、鼻腔から細いカメラを挿入し、鼻腔や咽頭の粘膜の状態、扁桃の大きさなどを確認します。舌根沈下は、睡眠時無呼吸症候群との関連が深いことが知られています。 そこで、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合には、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を実施します。この検査では、一晩入院し、脳波や呼吸状態、血液中の酸素飽和度などを計測します。これらの検査結果に基づいて、舌根沈下の診断が確定されます。治療法は、原因や重症度によって異なります。軽度の舌根沈下の場合は、生活習慣の改善が有効です。 具体的には、肥満と診断されている場合は減量に取り組み、喫煙や過度な飲酒の習慣がある場合は、禁煙やアルコール摂取量の制限を行います。また、睡眠時の体位を横向きにすることで、気道を確保しやすくなることもあります。中等度以上の舌根沈下の場合、または軽度でも生活習慣の改善で効果が見られない場合は、マウスピースやCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)などの治療法が検討されます。 マウスピースは、就寝時に装着することで、下顎を少し前に出すことで気道を広げ、舌の沈下を防ぎます。CPAPは、鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を常に陽圧に保つことで、舌根沈下や閉塞を防ぐ効果があります。さらに、扁桃肥大が原因で舌根沈下が生じている場合には、手術によって扁桃を切除する方法もあります。扁桃の切除により、気道が広がり、舌根沈下が改善されることがあります。

診断 治療
  • 問診:自覚症状、生活習慣などを聞き取り
  • 視診:舌や口の中の状態を観察
  • 内視鏡検査:鼻腔や咽頭の粘膜の状態、扁桃の大きさなどを確認
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査):睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合に実施
  • 軽度の場合:
    • 生活習慣の改善:減量、禁煙、飲酒制限、横向きで睡眠
  • 中等度以上の場合、または軽度でも生活習慣の改善で効果が見られない場合:
    • マウスピース:就寝時に装着し、下顎を前に出すことで気道を広げる
    • CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法):鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を陽圧に保つ
    • 扁桃肥大が原因の場合:手術によって扁桃を切除

日常生活での注意点

日常生活での注意点

– 日常生活での注意点舌の付け根部分が気道側に沈み込んでしまう「舌根沈下」。これは、睡眠中の呼吸を妨げ、睡眠の質を大きく低下させる原因となります。質の良い睡眠が取れないと、日中の集中力や活動意欲が低下するだけでなく、体全体の健康にも悪影響を及ぼします。舌根沈下は、日頃から予防を心がけ、症状に気づいたら早めに医療機関を受診することが大切です。舌の筋肉が衰えると舌根沈下が起こりやすくなるため、舌を動かしたり、舌先を歯の裏に押し付けるなどのトレーニングで、舌の筋肉を鍛えましょう。また、肥満も舌根沈下のリスクを高める要因の一つです。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、肥満の解消に努めましょう。さらに、喫煙は気道の炎症を引き起こし、舌根沈下を悪化させる可能性があります。禁煙も重要な予防策と言えるでしょう。睡眠時の姿勢にも注意が必要です。仰向けで寝るよりも横向きで寝る方が、気道が圧迫されにくく、舌根沈下を防ぐ効果が期待できます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、体全体の血流を悪化させ、舌根沈下を悪化させる可能性があります。これらの病気がある方は、適切な治療を受けることが大切です。舌根沈下は、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。日頃から予防を心がけ、健康的な生活習慣を送りましょう。

項目 詳細
舌根沈下とは 舌の付け根部分が気道側に沈み込むことで、睡眠時の呼吸を妨げ、睡眠の質を低下させる。
影響 日中の集中力や活動意欲の低下、体全体の健康への悪影響。
予防策 舌の筋肉トレーニング(舌を動かしたり、舌先を歯の裏に押し付けるなど)
肥満解消(バランスの取れた食事と適度な運動)
禁煙
横向きで寝る
高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療

まとめ

まとめ

– まとめ

舌根沈下とは、睡眠中に舌の根元部分が気道の方に沈み込んでしまう状態を指します。 この状態は、放置すると睡眠時無呼吸症候群(SAS)の要因の一つとなり、日常生活に様々な支障をきたす可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まってしまう病気です。 舌根沈下によって気道が狭くなる、あるいは閉塞してしまうことで、呼吸が阻害され、十分な酸素を取り込めなくなります。 その結果、日中の強い眠気や倦怠感、集中力・記憶力の低下、頭痛、イライラしやすくなるなどの症状が現れ、仕事や学業への集中力低下や、自動車運転中の事故リスク増加など、生活の質を大きく下げてしまう可能性があります。

舌根沈下の予防には、舌の筋肉を鍛えるトレーニングや、生活習慣の改善が有効とされています。 具体的には、舌を前に突き出したり、上顎に押し付けたりする運動、あいうべ体操などが効果的です。 また、肥満も舌根沈下のリスクを高める要因となるため、バランスの取れた食事や適度な運動を心掛けることが大切です。

舌根沈下の症状に心当たりがある場合や、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、早めに耳鼻咽喉科や呼吸器内科などの医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

項目 説明
定義 睡眠中に舌の根元部分が気道の方に沈み込んでしまう状態
原因 舌の筋力低下、肥満など
リスク 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群の症状 日中の強い眠気や倦怠感、集中力・記憶力の低下、頭痛、イライラしやすくなる
予防 舌の筋肉を鍛えるトレーニング(舌を前に突き出したり、上顎に押し付けたりする運動、あいうべ体操など)、バランスの取れた食事、適度な運動
医療機関受診の目安 舌根沈下の症状に心当たりがある場合、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合
受診科 耳鼻咽喉科、呼吸器内科など

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