甲状腺機能低下症:知っておきたい体のサイン

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甲状腺機能低下症:知っておきたい体のサイン

病院での用語を教えて

先生、「甲状腺機能低下症」って、どんな病気のことですか?

体の健康研究家

良い質問ですね。「甲状腺」っていう体の器官を知っていますか?

病院での用語を教えて

えっと、喉ぼとけの下あたりにある器官ですよね?

体の健康研究家

そうです。その甲状腺から出るホルモンが体にとって大切な働きをするのですが、「甲状腺機能低下症」はそのホルモンの量が少なくなる病気です。そのため、体全体の調子が悪くなってしまうんですよ。

甲状腺機能低下症とは。

「甲状腺機能低下症」っていう病気について説明するね。簡単に言うと、甲状腺っていう体の器官があるんだけど、そこから出るホルモンが少ない状態になることを言うんだ。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症とは

– 甲状腺機能低下症とは甲状腺機能低下症は、体の代謝に重要な役割を果たす甲状腺ホルモンの分泌量が低下することで起こる病気です。 甲状腺ホルモンは、体のエネルギーを作り出して消費する働きである代謝に大きく関わっています。このホルモンは、まるで体全体のエンジンオイルのようなもので、円滑な体の機能維持に欠かせません。しかし、何らかの原因で甲状腺ホルモンの分泌量が低下すると、体全体のエンジンがスムーズに動かなくなり、様々な不調が現れます。 具体的には、疲れやすさ、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、むくみ、思考力や集中力の低下など、多岐にわたる症状が現れることがあります。甲状腺機能低下症は、男女問わず、あらゆる年齢層で発症する可能性があります。 特に女性や高齢者に多くみられる傾向があります。 また、自己免疫疾患や甲状腺の手術などが原因で発症することもあります。甲状腺機能低下症は、適切な治療を行えば、症状を改善し、日常生活に支障なく過ごせるようになる場合がほとんどです。 気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。

項目 説明
病気の名前 甲状腺機能低下症
定義 甲状腺ホルモンの分泌量が低下することで起こる病気
甲状腺ホルモンの役割 体のエネルギーを作り出して消費する働きである代謝に大きく関わる。体全体のエンジンオイルのようなもの
症状 疲れやすさ、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、むくみ、思考力や集中力の低下など
発症する可能性のある人 男女問わず、あらゆる年齢層。特に女性や高齢者に多い
発症原因 自己免疫疾患や甲状腺の手術など
治療後の見通し 適切な治療を行えば、症状を改善し、日常生活に支障なく過ごせるようになる場合がほとんど

主な症状:だるさや体重増加

主な症状:だるさや体重増加

– 主な症状だるさや体重増加甲状腺機能低下症になると、体全体で様々な症状が現れますが、特に多くの人が経験するのが慢性的な疲労感や倦怠感です。これは、甲状腺ホルモンが不足することで、体内でエネルギーを作り出す働きが低下するためです。まるで電池切れのようになってしまい、朝から体が重だるく感じたり、気力が湧かなかったりすることが多くなります。また、甲状腺機能低下症の場合、食欲が低下しているにもかかわらず、体重が増加してしまうケースが多く見られます。これは、基礎代謝が低下し、摂取したエネルギーが消費されずに体内に蓄積されてしまうことが原因として考えられます。その他、甲状腺機能低下症によって寒気を感じやすくなったり、便秘の症状が現れたりすることも少なくありません。

症状 説明
慢性的な疲労感や倦怠感 甲状腺ホルモン不足によりエネルギー産生が低下するため
体重増加 基礎代謝低下によりエネルギー消費が減り、摂取エネルギーが蓄積されるため
寒気 甲状腺機能低下による
便秘 甲状腺機能低下による

その他の症状:心と体の変化

その他の症状:心と体の変化

– その他の症状心と体の変化甲状腺機能低下症は、体重増加や倦怠感といった身体的な症状だけでなく、心の状態にも変化をもたらすことがあります。例えば、気分が沈み、何事にも興味や喜びを感じにくくなるなど、いわゆる「うつ病」に似た状態に陥ることがあります。また、思考力や集中力が低下し、仕事や勉強に集中することが難しくなることもあります。さらに、物事を覚えにくくなるなど、記憶に関する問題が生じることもあります。身体的な変化としては、皮膚の乾燥が目立つようになります。肌のつやがなくなり、かさつきや粉吹きを感じやすくなります。また、髪の毛が抜けやすくなるのも特徴の一つです。髪の毛にコシやツヤがなくなり、全体的にボリュームが減ったように感じるかもしれません。これらの症状は、他の病気でも見られることがあります。そのため、自己判断せず、気になる症状がある場合は必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

種類 症状
身体的症状 – 体重増加
– 倦怠感
– 皮膚の乾燥
– 髪の毛が抜けやすくなる
精神的症状 – 気分の落ち込み
– 何事にも興味や喜びを感じにくくなる
– 思考力や集中力の低下
– 物忘れ

原因:自己免疫疾患が多い

原因:自己免疫疾患が多い

甲状腺機能低下症は、様々な要因によって引き起こされますが、中でも最も患者数が多い原因として知られているのが橋本病という病気です。橋本病は、本来身体を守るはずの免疫の働きが、誤って自分の甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。この攻撃によって甲状腺に炎症が起こり、甲状腺ホルモンが正常に作られなくなることで、様々な不調が現れるようになります。甲状腺機能低下症を引き起こす原因は橋本病以外にもいくつかあり、例えば、食事から摂取するヨウ素が不足することでも発症するケースがあります。ヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料となる重要な成分であるため、不足するとホルモンが作られにくくなってしまいます。また、甲状腺がんの手術などによって甲状腺の一部または全部を摘出した場合にも、甲状腺ホルモンが不足し、甲状腺機能低下症を発症することがあります。さらに、一部の薬の副作用として甲状腺機能が低下してしまうケースも報告されています。このように、甲状腺機能低下症は、自己免疫疾患、ヨウ素不足、手術の影響、薬の副作用など、様々な原因によって引き起こされる可能性があります。

原因 詳細
橋本病 自己免疫疾患の一種で、免疫が甲状腺を攻撃することで甲状腺ホルモンが作られなくなる
ヨウ素不足 甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素が不足することでホルモンが作られなくなる
甲状腺手術 甲状腺がんの手術などで甲状腺を摘出すると甲状腺ホルモンが不足する
薬の副作用 一部の薬の副作用として甲状腺機能が低下することがある

診断と治療:血液検査とホルモン補充療法

診断と治療:血液検査とホルモン補充療法

甲状腺機能低下症は、血液検査によって診断されます。具体的には、血液中の甲状腺ホルモンの量を測定します。甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種類がありますが、一般的にはT4の値が重視されます。

甲状腺機能低下症と診断された場合、ホルモン補充療法が第一選択となります。これは、不足している甲状腺ホルモンを薬で補う治療法です。ホルモン補充療法で用いられる薬は、レボチロキシンと呼ばれる人工的に合成された甲状腺ホルモンです。

レボチロキシンを服用することで、多くの場合、倦怠感や体重増加などの症状は改善し、健康な生活を送ることができるようになります。ただし、甲状腺ホルモンの分泌量が回復することはまれであるため、生涯にわたってホルモン補充療法が必要となる場合もあります。

ホルモン補充療法は、医師の指示に従って、毎日決められた量の薬を服用することが重要です。自己判断で服用を中止したり、量を変更したりすることは大変危険です。定期的な血液検査を行いながら、適切な量の薬を服用することで、健康な状態を保つことができます。

項目 内容
診断 血液検査による甲状腺ホルモン(T4、T3)量の測定、特にT4値を重視
治療法 ホルモン補充療法(不足する甲状腺ホルモンを薬で補充)
使用薬剤 レボチロキシン(人工的に合成された甲状腺ホルモン)
治療期間 甲状腺ホルモンの分泌量回復はまれなため、生涯にわたる場合も
注意点 医師の指示に従い、毎日決められた量を服用。自己判断での服用中止や量変更は危険。定期的な血液検査と適切な量の服用が必要。

早期発見と治療が重要

早期発見と治療が重要

甲状腺機能低下症は、初期の段階では自覚症状がほとんど現れないという特徴があります。そのため、病気であることに気づかずに日常生活を送ってしまうケースも少なくありません。 しかし、自覚症状がないまま放置してしまうと、動脈硬化のリスクを高め、将来的に心臓病や脳卒中などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。 また、甲状腺機能低下症は、疲労感や倦怠感、体重増加、寒がり、便秘などの症状が現れることもあります。これらの症状は他の病気でも見られることが多いため、自己判断で片付けずに、少しでも気になることがあれば、早めに医療機関を受診することが大切です。 医療機関では、血液検査によって甲状腺ホルモンの値を測定し、甲状腺機能低下症かどうかを診断します。 甲状腺機能低下症と診断された場合は、甲状腺ホルモンを補う薬を服用することで、症状の改善や合併症の予防が期待できます。 甲状腺機能低下症は、早期発見と適切な治療によって、健康的な生活を取り戻せる病気です。日頃から自身の健康状態に気を配り、気になる症状があれば、ためらわずに医療機関に相談しましょう。

項目 詳細
特徴 初期症状はほとんどない
放置のリスク 動脈硬化、心臓病、脳卒中
症状例 疲労感、倦怠感、体重増加、寒がり、便秘
診断方法 血液検査による甲状腺ホルモン値測定
治療法 甲状腺ホルモン補充薬の服用

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