終末期医療:安らかな最期を迎えるための選択
病院での用語を教えて
「終末期医療」って、どんな人が対象になるの?病気の種類とか、症状の程度とか、何か基準はあるのかな?
体の健康研究家
良い質問ですね。終末期医療の対象となるのは、老衰や病気の進行によって、もう助かる見込みがなく、短期間で亡くなることが避けられないと判断された人です。例えば、ガンがかなり進行している人や、アルツハイマー型認知症が進んでしまった人などが考えられます。
病院での用語を教えて
そうなんだ。じゃあ、お医者さんが「この人はもう長く生きられない」と判断したら、自動的に終末期医療になるのかな?
体の健康研究家
いいえ、そうではありません。終末期医療を行うかどうかは、お医者さんの判断だけでなく、患者さん本人の意思が何よりも尊重されます。患者さんが、どんな医療を受けたいか、どんな風に最期を過ごしたいかをしっかり考えて、決めることが大切です。
終末期医療とは。
「終末期医療」とは、老いや病気、怪我などが進んで、もう長く生きられないとわかったときに受ける医療のことです。この医療では、寿命を延ばすための治療はあまりせず、体や心の苦しみをやわらげ、その人らしく過ごせるようにすることを目指します。
具体的には、体が動かなくなる病気や、もの忘れがひどくなる病気、ガンなどが進んでしまった人が対象になることが多いです。一般的には、あと3か月ほどで亡くなってしまうと判断された場合に、寿命を延ばすための治療をやめて、苦しみをやわらげる医療だけを行います。ただし、たとえ余命が短くても、本人もしくは家族が治療を望む場合は、終末期医療は行われません。あくまでも、本人の意思を尊重し、もし本人が意思表示できない場合は、家族の意思を尊重します。
終末期医療は、大きな病院の中にある、苦しみをやわらげることを専門とする病棟や、療養型の病院、お elderly の方の介護施設、体の不自由な方の介護施設、ホスピスなどで行われます。
終末期医療では、体と心の苦痛を取り除くことを目標としています。具体的には、医療用の強い痛み止めを使って、痛みを感じにくくします。また、その人らしく最期を迎えられるように、普段は控えるように言われるお酒やたばこも、認められる場合があります。治療を目的としないため、周りの人に迷惑をかけない限り、本人が望むことは、できる限り叶えられる場合もあります。
終末期医療とは
– 終末期医療とは人は誰しもいつかは死を迎えますが、老衰や病気、怪我などが原因で、近い将来に死が避けられない状態になることがあります。このような時期に行われる医療を、終末期医療と呼びます。終末期医療では、患者さんの残された時間を無理に延ばすための治療は、基本的には行いません。その代わりに、患者さんが身体の痛み、心の苦しみ、そして霊的な不安などから解放され、穏やかに最期の時を迎えられるよう、様々なケアを提供します。具体的には、痛みや苦痛を和らげる薬物療法、心の不安を取り除く精神的なケア、そして患者さんとその家族を支えるためのサポートなどを行います。終末期医療は、患者さんの生活の質(QOL)を維持または向上させることを目的としています。これは、患者さんが残された時間をただ長く生きることよりも、自分らしく、そして穏やかに過ごすことを重視するという考え方によるものです。終末期医療には、ターミナルケア、終末期看護、緩和ケア、緩和医療など、様々な呼び方があります。また、終末期医療を専門的に行う施設として、ホスピスがあります。ホスピスは、患者さんとその家族が穏やかに過ごせるように、住み慣れた環境に近い空間を提供し、きめ細やかなケアを行います。
項目 | 説明 |
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終末期医療とは | 近い将来に死が避けられない状態になったときに行われる医療 |
目的 | 患者さんのQOL(生活の質)を維持・向上させること 残された時間をただ長く生きるのではなく、自分らしく穏やかに過ごすことを重視する |
具体的なケア内容 | – 痛みや苦痛を和らげる薬物療法 – 心の不安を取り除く精神的なケア – 患者と家族へのサポート |
その他の呼び方 | ターミナルケア、終末期看護、緩和ケア、緩和医療 |
専門施設 | ホスピス:患者と家族が穏やかに過ごせるよう、住み慣れた環境に近い空間を提供し、きめ細やかなケアを行う |
終末期医療の対象となる方
終末期医療は、病気が進行し、回復の見込みがないと判断された場合に、患者さんの苦痛を和らげ、安らかに最期を迎えることを目的とした医療です。 身体の機能が徐々に衰えていく病気や、複数の臓器に障害が出ている場合に検討されることが多いでしょう。
具体的には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィー症、アルツハイマー型認知症、がんなどが挙げられます。これらの病気は、現代の医療をもってしても完治が難しく、進行すると身体の自由が奪われたり、認知機能が低下したりするなど、患者さんにとって大きな負担を強いることになります。
一般的には、医師が診察や検査の結果に基づいて、余命が3か月以内と判断した場合に終末期医療が検討されます。この場合、延命を目的とした手術や抗がん剤治療などの積極的な治療は中止し、痛みや苦しみを取り除くための緩和ケアを中心に行います。
ただし、終末期医療は、あくまで患者さんの意思を最優先することが重要です。たとえ余命が短いという診断であっても、患者さん自身が治療を継続することを望む場合や、家族が延命を希望する場合は、その意思を尊重しなければなりません。患者さんが自らの意思を示せない場合は、家族が患者さんの気持ちを尊重し、医師とよく相談した上で最善の選択をすることが大切です。
項目 | 内容 |
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定義 | 回復の見込みがないと判断された場合に、患者の苦痛を和らげ、安らかに最期を迎えることを目的とした医療 |
対象となる病気 | 筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー症、アルツハイマー型認知症、がんなど |
検討時期 | 医師が余命3か月以内と判断した場合 |
治療方針 | 延命治療は中止し、緩和ケアを中心に行う |
重要な点 | あくまで患者さんの意思を最優先する |
終末期医療を行う場所
人生の最期を迎える場所、すなわち終末期医療を受けることができる場所は、実に様々です。大きな病院の中にも、痛みや苦しみを和らげ、穏やかに過ごせるようにサポートする緩和ケア病棟が設置されている場合があります。また、医療と介護を必要とする高齢者のための療養型病院も、終末期医療の場として選ばれることが多いです。
さらに、日常生活の世話や介護が必要な方を支える施設である老人介護施設や障害者介護施設でも、終末期医療を提供しています。これらの施設では、住み慣れた環境で、最後まで安心して生活を送れるよう配慮されています。
一方で、自宅で最期を迎えたいと願う方も少なくありません。そのような場合は、訪問医療や訪問看護のサービスを利用することで、自宅にいながら専門的な医療やケアを受けることができます。医師や看護師が定期的に自宅を訪問し、症状の緩和や必要な医療処置を行います。このように、終末期医療は、病院から自宅まで、様々な場所で提供されており、患者さんやご家族の希望に沿った場所を選ぶことができます。
場所 | 説明 |
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緩和ケア病棟(病院内) | 痛みや苦しみを和らげ、穏やかに過ごせるようにサポートする。 |
療養型病院 | 医療と介護を必要とする高齢者のための病院。 |
老人介護施設/障害者介護施設 | 日常生活の世話や介護が必要な方の施設。住み慣れた環境で最後まで安心して生活できるよう配慮。 |
自宅 | 訪問医療や訪問看護のサービスを利用。医師や看護師が定期的に自宅を訪問し、症状の緩和や必要な医療処置を行う。 |
終末期医療と看護の内容
終末期医療とは、人生の終わりが近いと判断された患者さんに対して行われる医療のことです。この医療の最も大切な目的は、患者さんが残された時間を穏やかに、そして自分らしく過ごせるように精神的・身体的な苦痛を取り除くことです。
身体的な苦痛を取り除くためには、モルヒネなどの医療用麻薬や鎮痛剤を用いて痛みを和らげます。これは、患者さんが苦痛を感じることなく日々を過ごせるようにするための重要な処置です。また、呼吸困難や吐き気など、その他のつらい症状も薬物療法や理学療法などを用いてできる限り和らげていきます。
一方で、精神的なケアも大切です。患者さんは、死に対する不安や恐怖、やり残したことがあるという気持ちなど、様々な感情を抱えています。医師や看護師、そして家族は、患者さんの心に寄り添い、不安や悩みを和らげるように努めなければなりません。
さらに、生活の質を維持・向上させることも重視されます。食事や入浴、排泄などの日常生活を可能な限り自分で行えるように支援するだけでなく、音楽鑑賞や読書、趣味活動など、患者さんが楽しめることを取り入れていきます。中には、患者さんの生活の質を向上させるために、通常は禁止されているアルコールやタバコの摂取を許可している施設もあります。
終末期医療は、病気の治療を目的とするものではありません。そのため、他の患者さんに迷惑をかけない範囲であれば、患者さんが自分らしく最期の時を過ごせるよう、可能な限りの希望が叶えられるよう努力します。例えば、家族と一緒に過ごす時間を作る、思い出の場所を訪れる、好きなものを食べるなど、患者さんの最後を締めくくるための様々な希望を叶えるお手伝いをします。
終末期医療の目的 | 具体的な内容 |
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身体的な苦痛を取り除く |
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精神的なケア |
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生活の質を維持・向上させる |
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患者さんの希望を叶える |
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