身近に潜む脅威:溶連菌感染症
病院での用語を教えて
先生、「溶連菌感染症」ってよく聞くけど、「溶連菌」って何ですか?
体の健康研究家
良い質問だね。「溶連菌」は、正式には「溶血性レンサ球菌」という細菌の仲間で、喉の痛みや発熱を引き起こす原因になるんだ。
病院での用語を教えて
細菌なんですね! どうして「溶連菌」って呼ばれているんですか?
体の健康研究家
血液を分解する性質があって、その時に溶けた血液が透明に見えることから「溶血性」という言葉がついているんだ。そして、顕微鏡で見た時に丸い形をしていて、それが鎖のようにつながって見えるから「レンサ球菌」って呼ばれているんだよ。
溶連菌とは。
「溶連菌」という言葉は、医学や健康の分野で使われる言葉です。これは、「溶血性レンサ球菌」を短くした言い方で、丸い形をした細菌の一種です。
溶連菌とは
– 溶連菌とは溶連菌は、正式には溶血性レンサ球菌と呼ばれる細菌の一種です。顕微鏡で観察すると、丸い形をした菌が鎖のようにつながって見えることから、この名前が付けられました。この細菌は、私たちの身の回りにも普通に存在しています。空気中に漂っていたり、ドアノブや電気のスイッチなど、いろいろな物に付着していることがあります。そのため、誰でも溶連菌に感染する可能性がありますが、健康な状態であれば、体内に入る菌の数が少なかったり、体の抵抗力で撃退することができるので、必ずしも発症するわけではありません。
しかし、免疫力が低下している時や、疲労が溜まっている時などは、溶連菌に対する抵抗力が弱くなってしまうため、注意が必要です。特に、幼児や小学生など、小さな子供は免疫力が発達段階にあり、溶連菌に感染しやすいため、集団生活の中で流行しやすくなります。溶連菌に感染すると、代表的な症状として、喉の痛みや発熱を伴う咽頭炎や扁桃炎などを引き起こします。その他、発疹や舌の炎症などが現れることもあります。症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 溶血性レンサ球菌 |
特徴 | 顕微鏡で見ると丸い形が鎖状につながっている |
感染経路 | 空気感染、接触感染 (ドアノブ、電気のスイッチなど) |
感染しやすい状況 | 免疫力低下時、疲労時 |
症状 | 咽頭炎、扁桃炎、発疹、舌の炎症など |
溶連菌感染症の症状
溶連菌感染症は、溶血性レンサ球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。感染すると、高熱が出る、喉が痛む、頭痛がするといった症状が現れます。これらの症状は、一般的な風邪と非常によく似ていますが、溶連菌感染症の場合は、喉の扁桃腺が腫れて白く化膿したり、首のリンパ節が腫れるという特徴があります。また、体に赤い発疹が出る場合もあり、これは溶連菌が作り出す毒素に対するアレルギー反応と考えられています。この発疹は、最初は小さな赤い点々として現れ、次第に広がって全身に広がることもあります。これらの症状が現れた場合、特に高熱や喉の強い痛みがある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。自己判断で放置すると、腎臓炎やリウマチ熱といった合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。医療機関では、喉の奥を綿棒でこすって菌を採取し、検査を行います。溶連菌感染症と診断された場合は、抗生物質を内服することで、通常は数日で症状が改善します。
項目 | 詳細 |
---|---|
病原体 | 溶血性レンサ球菌 |
症状 | ・高熱 ・喉の痛み ・頭痛 ・扁桃腺の腫れと白化膿 ・首のリンパ節の腫れ ・赤い発疹(場合によっては全身に広がる) |
診断 | 喉の奥の菌を採取して検査 |
治療 | 抗生物質の内服 |
合併症のリスク | 腎臓炎、リウマチ熱 |
その他 | ・一般的な風邪と症状が似ているため、注意が必要 ・自己判断で放置すると、合併症のリスクがあるため、速やかに医療機関を受診 |
溶連菌感染症の診断
– 溶連菌感染症の診断
溶連菌感染症かどうかを調べるためには、喉の奥を綿棒で優しくこすって、そこに付着した菌を採取します。採取した菌は、その場で簡易的に検査できるキットを使って調べます。この検査方法は一般的に「迅速検査」と呼ばれ、わずか数分という短い時間で結果が分かります。
迅速検査の結果、陽性反応が出た場合は、溶連菌に感染している、つまり溶連菌感染症であると診断されます。ただし、迅速検査はあくまでも簡易的な検査であるため、まれに検査結果が実際とは異なる場合があります。そのため、迅速検査で陰性であっても、医師が症状から溶連菌感染症を疑う場合は、より精度の高い培養検査を行うことがあります。培養検査では、採取した菌を栄養のある培地で数日間培養し、菌が増殖するかどうかを確認します。
溶連菌感染症は、適切な抗生物質を服用することで、通常は数日で症状が改善します。しかし、治療が遅れると、腎炎やリウマチ熱などの合併症を引き起こす可能性もあるため、早期の診断と治療が重要です。
検査方法 | 説明 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
迅速検査 | 喉の奥を綿棒でこすり、採取した菌をキットで検査する。 | わずか数分で結果が分かる。 | まれに検査結果が実際と異なる場合がある。 |
培養検査 | 採取した菌を栄養のある培地で数日間培養し、菌が増殖するかどうかを確認する。 | 精度の高い検査。 | 結果が出るまでに数日かかる。 |
溶連菌感染症の治療
溶連菌感染症と診断された場合、細菌を退治するために抗生物質を使った治療が行われます。
抗生物質は、細菌が増えるのを抑え、のどの痛みや発熱といった症状を和らげる効果があります。服用を開始してから2~3日ほどで、症状は軽快してくることが多いです。
ただし、症状が改善したと感じても、医師から処方された薬は最後まで飲み切ることが非常に重要です。途中で服用をやめてしまうと、体内に細菌が残ってしまい、再び症状が現れることがあります。これを再発と言います。
また、きちんと治療を行わないと、溶連菌感染症が原因で、心臓や関節などに合併症を引き起こす可能性があります。合併症を防ぐためにも、抗生物質は決められた期間、きちんと服用するようにしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
治療法 | 抗生物質による治療 |
効果 | – 細菌の増殖抑制 – のどの痛みや発熱などの症状緩和 |
服用期間と効果 | 2~3日で症状が軽快することが多い |
注意点 | – 医師の指示通りに最後まで服用すること – 服用を途中でやめると再発の可能性がある – きちんと治療しないと合併症のリスクがある |
合併症 | 心臓や関節などの問題 |
溶連菌感染症の予防
– 溶連菌感染症の予防溶連菌感染症は、主に咳やくしゃみによって空気中に飛び散った小さな水滴(飛沫)を介して、あるいは感染者との接触によって広がります。その為、予防には、こまめな手洗いうがいが非常に重要です。外出後や食事前はもちろんのこと、鼻をかんだ後や人混みに行った後などにも、こまめに手を洗い、うがいを心がけましょう。また、人混みを避けることも有効な予防策です。特に、流行期には、できるだけ人混みへの外出を控え、やむを得ず外出する場合はマスクを着用するようにしましょう。さらに、室内の湿度を適切に保つことも大切です。空気が乾燥すると、喉の粘膜が乾燥し、ウイルスへの抵抗力が低下してしまいます。加湿器などを活用して、室内を適切な湿度に保つように心がけましょう。特に、家族など、周囲に感染者がいる場合は、感染拡大を防ぐために、タオルや食器、寝具などを共有しないように注意が必要です。また、感染者が使用したものは、熱湯で消毒するか、漂白剤を使用して洗濯するなど、適切な処理を行いましょう。これらの予防策を心がけることで、溶連菌感染症のリスクを減らすことができます。
予防策 | 具体的な方法 |
---|---|
手洗いうがい | 外出後、食事前、鼻をかんだ後、人混みに行った後など、こまめに行う。 |
人混みを避ける | 流行期には、特に外出を控え、やむを得ず外出する場合はマスクを着用する。 |
湿度を適切に保つ | 加湿器などを活用して、室内を適切な湿度に保つ。 |
タオルや食器、寝具などを共有しない | 感染者がいる場合は、感染拡大を防ぐために、共有しない。 |
感染者が使用したものを消毒する | 熱湯で消毒するか、漂白剤を使用して洗濯する。 |