カルテで見るs.c.って？

カルテで見るs.c.って？

カルテの略語

病院で診察を受けると、医師が手早くカルテに書き込んでいる姿を見かけることがありますね。あのカルテには、実は私たち患者には馴染みのない、たくさんの略語が使われています。カルテは患者さんの症状や治療経過を記録するための大切な書類ですが、限られた時間の中で効率的に情報を共有するために、医療現場では独自の略語が使われているのです。

これらの略語は、医学用語を短く表したものや、英語の医学用語を省略したものなど、様々な種類があります。例えば、体温を表す「BT」や脈拍を表す「PS」など、日常的によく使われる単語の頭文字を取ったものもあれば、「Gastrointestinal」を「GI」と短縮するなど、英語表記をそのまま略したものもあります。

一見すると暗号のように思えるこれらの略語ですが、理解することで、自分の体で何が起きているのか、どんな治療を受けているのかをより深く理解することができます。また、医師とのコミュニケーションを円滑にする上でも役立つことがあります。

もちろん、全ての略語を覚える必要はありませんが、興味を持って調べてみることで、医療の世界を少し身近に感じることができるかもしれません。

s.c.の意味

診察記録によく見られる『s.c.』という略語。これは一体何を意味するのでしょうか？ 実は『皮下注射』の略語です。『皮下注射』とは、皮膚の下にある皮下組織と呼ばれる層に薬剤を注入する方法です。
皮膚のすぐ下には、筋肉や骨を覆う脂肪組織などからなる皮下組織という層が広がっており、『s.c.』と記された薬はこの部分に注射針を用いて注入されます。
皮下組織は血管が少なく薬剤の吸収速度が穏やかなため、効果が長く続くように設計された薬剤に適しています。また、筋肉注射に比べて痛みが少ないことも特徴の一つです。
インスリン注射や一部のワクチンなど、様々な薬剤の投与に用いられる一般的な注射方法と言えるでしょう。

皮下注射の特徴

– 皮下注射の特徴

皮下注射は、皮膚のすぐ下にある皮下組織と呼ばれる脂肪層に薬液を注入する方法です。筋肉注射に比べて、薬液の吸収が穏やかで、効果が現れるまでに時間がかかるという特徴があります。これは、皮下組織には血管が少ないため、薬液がゆっくりと吸収されるためです。

皮下注射は、薬の効果を長時間持続させたい場合に適しています。例えば、糖尿病の治療に用いられるインスリン注射は、皮下注射によってゆっくりと吸収されることで、長時間血糖値をコントロールすることができます。

また、皮下注射は、患者さん自身が自宅で行う自己注射にも適しています。注射針が短く、筋肉に刺さるリスクが低いため、比較的安全に実施することができます。糖尿病治療のように、継続的に薬剤を投与する必要がある場合は、皮下注射による自己注射が非常に有効な方法となります。

しかし、皮下注射は、一度に多量の薬液を注入することができません。また、薬液の種類によっては、注射部位に痛みや腫れなどの副作用が現れることがあります。自己注射を行う場合は、医師や看護師から正しい方法を教わり、指示を守って行うことが大切です。

s.c.とscの違い

医療現場では様々な略語が使われており、その中には一見似ていても意味が異なるものも存在します。今回は「s.c.」と「sc」の違いについて解説します。

結論から言うと、「s.c.」と「sc」はどちらも「皮下注射」を意味する医学用語で、本質的な違いはありません。どちらもラテン語の「subcutaneous」を略したものであり、皮膚の下に薬剤などを注入することを指します。

では、なぜ「.」の有無という違いが生じるのでしょうか？これは、主に表記の習慣の違いによるものです。一般的に、「s.c.」のようにピリオドを打つ方がより正式な印象を与えます。これは、それぞれの文字が単語の省略形であることを明確に示すためです。

一方、「sc」という表記は、医療現場での日常的な会話やメモ書きなど、簡略化が求められる場面で用いられる傾向があります。

いずれにしても、カルテや医師との会話の中でこれらの略語を見かけた場合は、「皮下注射」を意味すると理解して問題ありません。ただし、医療従事者を目指す学生の方などは、正式な表記である「s.c.」を用いることを心がけましょう。

自己判断は危険

近年、インターネットで簡単に医療情報を得られるようになりました。しかし、その一方で、自らで病気の診断や治療法を決定してしまう自己判断が危険視されています。

医師が処方する薬は、患者さんの年齢や体重、症状、持病などを考慮した上で、最適な種類や量が決められています。そのため、インターネットで見つけた情報や過去の経験に基づいて、自己判断で服用量を変えたり、他の人と薬を共有したりすることは非常に危険です。

また、自己判断によって適切な治療の開始が遅れてしまう可能性もあります。初期症状だと思って放置していた病気が、実は重篤な病気のサインだったというケースも少なくありません。

健康に関わる情報は、必ず医療機関を受診し、医師や薬剤師など専門家の指示に従ってください。自己判断による医療行為は、健康を害するだけでなく、命に関わる危険性も孕んでいることを理解しましょう。

Follow me!