専門看護師:高度な知識と技術で患者を支える
病院での用語を教えて
専門看護師って、普通の看護師と何が違うんですか?
体の健康研究家
いい質問ですね。専門看護師は、ある特定の分野にとても詳しい看護師のことです。例えば、がんの患者さんだったら、がん看護の専門看護師がいます。
病院での用語を教えて
へえー、専門家なんですね!じゃあ、誰でもなれるんですか?
体の健康研究家
いいえ、誰でもなれるわけではありません。看護師として経験を積んで、大学院でさらに深く勉強して、難しい試験に合格する必要があるんです。
専門看護師とは。
「専門看護師」っていうのは、簡単に言うと、病気やケガで困っている人やその家族を支えるために、高度な知識と技術を身につけて、より質の高い看護を提供できる看護師のことです。
専門分野は、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護、遺伝看護、災害看護の13種類あります。
専門看護師は、患者さんや家族へのより良い看護の実践はもちろんのこと、他の看護師や医療関係者への相談に乗ったり、連携を図ったり、倫理的な問題にも対応します。
さらに、看護師の教育や、専門知識や技術の向上のための研究活動にも携わります。
専門看護師になるためには、看護師免許に加えて、大学院で必要な単位を取得し、5年以上の実務経験を積んだ上で、書類審査と筆記試験に合格する必要があります。
専門看護師の資格は5年ごとに更新が必要です。
更新の際は、5年間の看護の実績や研究、研修の成果を審査されます。
2018年12月現在、全国で2,279人の専門看護師が活躍しています。
専門看護師とは
– 専門看護師とは専門看護師は、特別な知識や技術を身につけることで、複雑な病気や問題を抱える患者さんやその家族に対して、より質の高い看護を提供できる看護師のことを指します。
看護師としての経験を積み重ねた上で、大学院の修士課程や専門看護師養成課程などでさらなる研鑽を積むことで、高度な知識や技術を習得します。
専門看護師には、がん看護や精神看護、地域看護など、13の専門分野があります。それぞれの分野において、深い知識と豊富な経験に基づいた質の高い看護を提供することが求められます。
専門看護師の資格を得るためには、日本看護協会が実施する専門看護師認定審査に合格する必要があります。この資格は、国際的にはCNS(Certified Nurse Specialist)と表記され、世界共通の資格として認められています。
専門看護師は、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、その人らしい生活を送れるように、そして、その家族が安心して生活を続けられるように、きめ細やかな看護を提供していきます。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 複雑な病気や問題を抱える患者や家族への質の高い看護提供を担う看護師 |
専門分野 | がん看護、精神看護、地域看護など13分野 |
資格取得 | 日本看護協会の専門看護師認定審査合格 (国際的にはCNS) |
役割 | – 患者に寄り添い、その人らしい生活を支援 – 家族の安心できる生活を支援 |
専門看護師の役割
専門看護師は、高度な医療技術と豊富な知識を駆使し、特定の診療分野において質の高い看護を提供する役割を担っています。
まず、専門看護師は、患者さん一人ひとりの病状や置かれている状況を的確に把握し、個別性に配慮した最適な看護ケアを提供します。
さらに、専門看護師は、その豊富な経験と知識に基づき、他の看護師に対して指導や助言を行う、指導者としての役割も担っています。具体的には、後進看護師の育成やチーム全体のスキルアップを図るための研修などを行い、質の高い看護の実践を支えています。
また、専門看護師は、病院全体の質向上にも大きく貢献しています。例えば、最新の医療情報や看護技術に関する研修を企画・実施することで、病院全体の医療レベル向上に寄与しています。
さらに、倫理的な問題解決にも積極的に取り組みます。患者さんの権利や意思を尊重しながら、医療チームと連携し、最善の解決策を導き出すのも専門看護師の重要な役割です。
このように専門看護師は、高度な看護実践能力を有するだけでなく、教育者、指導者、そして病院全体の質向上を推進するリーダーとして、多岐にわたる役割を担っています。
役割 | 内容 |
---|---|
質の高い看護の提供 | 患者さんの状況を把握し、個別性に配慮した最適な看護ケアを提供する。 |
指導者 | 豊富な経験と知識に基づき、他の看護師を指導・助言し、後進育成やチーム全体のスキルアップを図る。 |
病院全体の質向上 | 最新の医療情報や看護技術に関する研修を企画・実施し、病院全体の医療レベル向上に寄与する。 |
倫理的な問題解決 | 患者さんの権利や意思を尊重しながら、医療チームと連携し、最善の解決策を導き出す。 |
教育者、指導者、リーダー | 高度な看護実践能力を有するだけでなく、教育、指導、病院全体の質向上を推進するリーダーとしての役割も担う。 |
専門看護師と認定看護師の違い
看護師の世界では、高度な知識と技術を身につけた看護師として、「専門看護師」と「認定看護師」の二つの資格が存在します。どちらも、特定の分野において深い知識と経験を持つ、いわば看護のエキスパートですが、その役割や専門領域には違いがあります。
認定看護師は、特定の看護技術や知識を深め、その分野における実践に特化したスペシャリストです。例えば、手術室で医師の指示のもと手術の補助を行う「手術看護認定看護師」や、緊急を要する患者の診療にあたり、迅速で的確な処置を行う「救急看護認定看護師」などが挙げられます。彼らは、それぞれの専門分野において、質の高い看護を提供することに力を注いでいます。
一方、専門看護師は、特定の分野に限定されることなく、幅広い視野と総合的な判断力を持って看護に取り組みます。複雑な問題を抱える患者やその家族に対して、身体的なケアだけでなく、精神的なケアや社会的なサポートなども含めた、患者さん一人ひとりに寄り添った、より質の高い看護を提供します。さらに、専門看護師は、後進の看護師の指導や教育、看護現場における研究活動にも積極的に取り組み、看護全体の質の向上に貢献することも期待されています。
このように、専門看護師と認定看護師は、どちらも高度な専門性を持ちながらも、役割や専門領域が異なります。それぞれの専門性を生かしながら、患者さんにとってより良い看護を提供できるよう、協力して活躍しています。
項目 | 専門看護師 | 認定看護師 |
---|---|---|
専門領域 | 特定の分野に限定されない | 特定の看護技術や知識の分野 |
役割・活動 | – 幅広い視野と総合的な判断力を持って看護を提供 – 患者や家族への身体的・精神的・社会的なサポート – 後進の指導や教育、看護現場における研究活動 |
– 特定の分野における実践に特化 – 質の高い看護の提供 |
例 | – がん看護専門看護師 – 精神科専門看護師 – 小児看護専門看護師 |
– 手術看護認定看護師 – 救急看護認定看護師 – がん化学療法看護認定看護師 |
専門看護師になるには
看護の仕事の中でも、高度な知識と技術を持つ「専門看護師」。患者さんやその家族にとって、より良い医療を提供するために活躍する専門看護師ですが、その道のりは容易ではありません。
まず、専門看護師になるためには、看護師としての実務経験が5年以上必要とされます。これは、医療現場での経験を通して、基本的な知識や技術をしっかりと身につけていることが求められるためです。さらに、そのうち3年間は、目指す専門分野での実務経験が必須となります。例えば、がん看護の専門看護師を目指すならば、がん患者さんの看護に3年以上携わっている必要があるのです。
豊富な実務経験に加えて、大学院の修士課程を修了し、専門看護師教育課程の所定単位を取得しなければなりません。この課程では、専門分野に関する高度な知識や技術を習得するとともに、倫理観や判断力なども養われます。そして、これらの厳しい条件をクリアした者だけが、受験資格を得ることができるのです。
最終関門となるのが、書類審査と筆記試験です。筆記試験は120分の論述式で行われ、専門知識や問題解決能力を問う内容となっています。これまでの努力が試されるこの試験を突破して、ようやく専門看護師として認定されるのです。
段階 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|
1. 実務経験 | 看護師としての実務経験 | – 5年以上の実務経験 – うち3年以上は専門分野での経験 |
2. 教育課程 | 大学院修士課程修了 & 専門看護師教育課程単位取得 | – 専門分野の高度な知識・技術習得 – 倫理観や判断力養成 |
3. 試験 | 書類審査 & 筆記試験 | – 筆記試験:120分論述式 – 専門知識、問題解決能力評価 |
資格の更新
専門看護師として認められるには、資格を取得した後も、研鑽を積み重ねていく必要があります。なぜなら、医療は日々進歩しており、それに伴い看護の知識や技術も常にアップデートされているからです。そこで、専門看護師には、5年ごとに資格を更新する制度が設けられています。
この更新審査では、過去5年間における看護師としての活動内容が厳しく評価されます。具体的には、患者さんへの看護の実績はもちろんのこと、看護技術の向上を目指した研究や研修への取り組みなども評価対象となります。つまり、専門看護師は、日々の看護業務をこなしながら、同時に自己研鑽にも積極的に励まなければならないのです。
このような厳しい更新制度だからこそ、専門看護師は高い専門性と倫理観を維持し続けることができ、患者さんやその家族から深い信頼を得ていると言えるでしょう。
専門看護師 |
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資格取得後も研鑽が必要 (医療の進歩、看護の知識・技術のアップデート) |
5年ごとの資格更新制度 |
更新審査の評価項目:
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厳しい更新制度 → 高い専門性と倫理観の維持、患者や家族からの信頼 |
専門看護師の現状と将来
2018年12月時点で、全国で2,279人もの専門看護師が活躍しています。専門看護師は、特定の分野において、高度な知識と技術を有し、質の高い看護を提供する役割を担っています。近年、医療の高度化や高齢化の進展に伴い、患者さんの抱える病気や症状はますます複雑化しています。このような状況下において、専門看護師への期待は、これまで以上に高まっています。
専門看護師は、チーム医療において中心的な役割を担い、医師や他の医療従事者と連携しながら、患者さん一人ひとりに最適な看護を提供します。具体的には、患者さんの症状把握、治療方針の決定への参加、医療処置の実施、患者さんや家族へのサポートなど、幅広い業務を行います。
また、専門看護師には、リーダーシップを発揮し、看護チーム全体の質向上を図ることも求められています。後進の育成や、最新の医療知識や技術に関する情報提供などを通して、看護師全体のレベルアップに貢献します。
今後の日本社会において、専門看護師の活躍の場は、病院内にとどまらず、在宅医療や介護施設など、様々な領域に広がっていくと考えられます。超高齢化社会を迎える中で、地域住民の健康を支えるため、専門性を活かした活躍が期待されています。
項目 | 内容 |
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専門看護師とは | 特定の分野において、高度な知識と技術を有し、質の高い看護を提供する看護師 |
役割・業務 |
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期待される役割 |
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