腹水について:原因と症状

消化器

腹水について:原因と症状

病院での用語を教えて

先生、腹水って、お腹に水が溜まることですよね? どうして水が溜まってしまうんですか?

体の健康研究家

そうだね、お腹に水が溜まることを腹水と言うよ。 色々な原因で水が溜まるんだけど、例えば、肝臓が病気になってお腹に水が溜まりやすくなることがあるんだ。

病院での用語を教えて

肝臓の病気で、どうして水が溜まるのですか?

体の健康研究家

肝臓は、タンパク質を作る働きもしているんだけど、肝臓が病気になると、そのタンパク質がうまく作れなくなるんだ。すると、体の中の水分を血管の中に留めておくことが難しくなり、お腹に水が溜まりやすくなるんだよ。

腹水とは。

おなかに水がたまることを『腹水』といいます。病気など、いろいろな理由でおなかに通常より多くの水がたまってしまうことを指します。腹水が増えると、お腹がふくれてくるなどの体の変化が現れます。

腹水とは

腹水とは

– 腹水とはお腹の中には、胃や腸などの臓器が収まっています。これら臓器は、お互いにくっついたり、こすれ合ったりしないように、少量の液体で満たされた腹腔と呼ばれる袋の中に入っています。この液体は、臓器が滑らかに動くのを助ける潤滑油のような役割をしています。 「腹水」とは、この腹腔内に通常よりもはるかに多くの液体が溜まってしまった状態のことを指します。お腹に水が溜まる病気というわけではありません。腹水自体は病気ではありませんが、他の病気のサインであることが多いです。例えば、肝臓の病気、心臓の病気、腎臓の病気などが原因で起こることがあります。肝臓が硬くなってしまう病気(肝硬変)になると、血管の圧力が高まり、その結果として腹水が溜まりやすくなります。また、心臓の働きが悪くなると、体内の水分をうまく排出することができなくなり、腹水が溜まることがあります。腹水は、お腹の張りや膨満感、体重増加、息苦しさなどの症状を引き起こします。症状が重い場合には、お腹に針を刺して水を抜く治療(腹水穿刺)や、原因となっている病気を治療する必要があります。

項目 説明
腹水とは 腹腔(胃や腸などがある袋)に、通常よりも多くの液体が溜まった状態
腹水は病気か? 腹水自体は病気ではなく、他の病気のサインであることが多い
原因となる病気 肝臓の病気(肝硬変など)、心臓病、腎臓病など
肝硬変の場合のメカニズム 肝臓が硬くなる → 血管の圧力上昇 → 腹水貯留
心不全の場合のメカニズム 心臓の機能低下 → 体内水分の排出不良 → 腹水貯留
腹水の症状 お腹の張りや膨満感、体重増加、息苦しさなど
腹水の治療 腹水穿刺(お腹に針を刺して水を抜く)、原因となる病気の治療

腹水の原因

腹水の原因

– 腹水とは?
お腹の中に水が溜まってしまう状態を腹水と言います。多くの場合、病気のサインとして現れます。

– 腹水の原因
腹水を引き起こす原因は様々ですが、中でも肝臓の病気、特に肝硬変が最も多くみられます。肝硬変になると、肝臓の組織が硬くなり、血液の流れが悪くなります。その結果、門脈と呼ばれる肝臓への血液の通り道である血管の圧力が高くなってしまうのです。この状態を門脈圧亢進症と言い、腹水の主な原因となります。

肝臓病以外にも、心臓の働きが低下する心不全や、腎臓の働きが低下する腎不全でも腹水が起こることがあります。また、がんが腹部に転移した場合や、結核性腹膜炎や膵炎などの炎症によってお腹に水が溜まることもあります。

腹水は、お腹の張りや膨満感、体重増加、食欲不振、息苦しさなどの症状を引き起こします。症状が軽い場合でも、放置すると病気が進行する可能性がありますので、気になる症状がある場合は、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。

原因 詳細
肝臓の病気
(特に肝硬変)
肝硬変になると肝臓の組織が硬くなり、血液の流れが悪くなる。
→ 門脈圧亢進症を引き起こし腹水となる。
心不全 心臓の働きが低下する事で腹水が起こる。
腎不全 腎臓の働きが低下する事で腹水が起こる。
がんの腹膜転移 がんが腹部に転移する事で腹水が起こる。
結核性腹膜炎、膵炎など 炎症によってお腹に水が溜まる。

腹水の症状

腹水の症状

お腹に水が溜まる腹水は、その水の量や、そもそも腹水がなぜ起きているのかによって、現れる症状が異なります。腹水が溜まり始めの頃は、自覚できる症状がほとんどない場合もあります。しかし、腹水が増えてくると、お腹が張る、体重が増える、食欲がなくなる、吐き気がする、息が苦しいといった症状が現れてきます。
さらに腹水が増え続けると、お腹がパンパンに膨れ上がり、日常生活に大きな支障が出てくることもあります。また、腹水によって肺が圧迫されることで、呼吸が困難になることもあります。
腹水は様々な病気が原因で起こる可能性があり、症状も様々です。そのため、少しでも異常を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。医師は、腹部の診察や、超音波検査、血液検査などの結果を総合的に判断し、適切な治療を行います。

腹水量の増加 症状
初期 自覚症状ほとんどなし
中期 ・お腹の張り
・体重増加
・食欲不振
・吐き気
・息苦しさ
後期 ・お腹の膨満
・日常生活への支障
・呼吸困難

腹水の診断

腹水の診断

– 腹水の診断お腹に水が溜まる状態である腹水。その診断には、医師による診察と様々な検査を組み合わせて、原因を探り適切な治療につなげることが重要となります。まず初めに、医師は患者さんの腹部を直接触診し、腹部の張り具合や圧痛の有無、水の溜まり具合などを確認します。これは、腹水の有無を診察する上で非常に重要なプロセスです。次に、画像検査を用いて、腹部の状態をより詳しく調べます。超音波検査では、体外から超音波を当てることで、腹水の量や分布をリアルタイムに確認することができます。さらに、CT検査やMRI検査では、より詳細な腹部の断層画像を得ることができ、腹水の原因となる肝臓や腎臓などの臓器の異常を特定する手がかりとなります。血液検査では、肝臓や腎臓の機能を評価する検査や、炎症反応、腫瘍マーカーなどを測定することで、腹水の背景にある病気を探ります。例えば、肝臓の機能が低下している場合は、肝硬変などの病気が疑われます。これらの検査結果を総合的に判断することで、腹水の診断を確定し、原因に基づいた適切な治療方針を決定します。

診断方法 目的 詳細
医師による診察 腹水の有無の確認 腹部を触診し、張り具合、圧痛の有無、水の溜まり具合などを確認
超音波検査 腹水の状態確認 体外から超音波を当て、腹水の量や分布をリアルタイムに確認
CT検査、MRI検査 腹部の状態確認、原因臓器特定 詳細な腹部の断層画像を得て、肝臓、腎臓などの臓器異常を確認
血液検査 原因となる病気の特定 肝臓、腎臓の機能評価、炎症反応、腫瘍マーカー測定

腹水の治療

腹水の治療

お腹に水が溜まる腹水は、様々な病気が原因で起こるため、治療には、まずその原因となっている病気への対策が重要となります。

もし腹水が少量で、症状も軽い場合は、食事の内容を見直すことから始めます。特に、塩分の摂取量を控えることが効果的です。 さらに、体内の余分な水分を排出する薬を用いることで、腹水の減少を促します。

しかし、腹水が大量に溜まってしまった場合や、呼吸が苦しいなどの症状が出ている場合は、腹腔穿刺という処置が必要になります。これは、お腹に針を刺して、溜まった水を体外に排出する方法です。

腹水が癌によって引き起こされている場合は、癌の種類や進行度合いによって、抗がん剤治療や放射線治療が行われます。 これらの治療は、癌細胞を攻撃し、腹水の産生を抑えることを目的としています。

腹水量 症状 治療法
少量 軽い – 食事を改善する
– 塩分摂取量を抑える
– 利尿剤の使用
大量または呼吸困難 重い – 腹腔穿刺
癌による腹水 – 抗がん剤治療
– 放射線治療

腹水と生活

腹水と生活

お腹に水が溜まる腹水と診断された場合、生活習慣の見直しが症状の改善に非常に重要となります。

まず、食事において気をつけたいのは塩分です。塩分の過剰摂取は体内の水分量を増やし、腹水を悪化させる可能性があります。そのため、減塩を意識した食事を心がけ、味付けは香辛料やハーブなどを活用し、素材本来の味を楽しむようにしましょう。加工食品やインスタント食品は一般的に塩分が多いため、できるだけ控えるように心がけましょう。

また、アルコールは肝臓に負担をかけ、腹水の原因となる病気の一つである肝硬変を悪化させる可能性があります。そのため、禁酒は必須と言えます。

医師の指示に従いながら、 diuretics(利尿薬)などの薬物療法を受けることも大切です。利尿薬は体内の余分な水分を排出する効果があり、腹水の改善に役立ちます。

腹水は生活の質を大きく低下させる可能性がありますが、生活習慣の改善や医師の指示に従った治療によって、症状の改善や進行の抑制が期待できます。焦らず、医師と相談しながら、自分にあった治療法を見つけていきましょう。

生活習慣の項目 具体的な対策
食事 減塩を意識する。
香辛料やハーブなどを活用する。
加工食品やインスタント食品を控える。
アルコール 禁酒する。
医師の指示に従い、利尿薬などの薬物療法を受ける。

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