救命の基礎知識:心肺蘇生法を理解しよう
病院での用語を教えて
心肺蘇生法って、具体的に何をすればいいの?難しそうで…
体の健康研究家
そうだね、いざという時のためにちゃんと知っておきたいよね。心肺蘇生法は、大きく分けて2つのステップがあるんだ。一つは、胸を押して心臓の働きを助ける『胸骨圧迫』。もう一つは、口から息を吹き込んで呼吸を助ける『人工呼吸』だよ。
病院での用語を教えて
胸を押したり、息を吹き込んだりするんですね。でも、どれくらいの強さで押せばいいか、どのくらいの量の息を吹き込めばいいのか分からなくて…
体の健康研究家
心配しなくても大丈夫! 胸骨圧迫は、胸が大体5cmくらい沈むように、1分間に100~120回くらいの速さで押す。人工呼吸は、約1秒かけて、胸が少し上がるくらいの量の息を2回吹き込む。実際には、講習会で人形を使って練習するから、安心してね。
心肺蘇生法とは。
『心肺蘇生法』っていうのは、呼吸したり心臓が動いたりしてない人を助けるための方法のことだよ。
呼吸も心臓も止まっちゃうと、脳に酸素が届かなくなって、脳がダメになっちゃう危険があるんだ。だから、酸素を送り続けるために、この方法が使われるんだよ。
特に、救急車を呼んでから、救急隊員が来るまでの間に行われることが多いんだ。
心肺蘇生法をするかしないかで、その後、助かるかどうかが大きく変わるんだ。
呼吸が止まったり、心臓が止まったりすると、ほんの数分で取り返しがつかない状態になっちゃうから、周りにいる人が救急隊員が来る前にすぐに心肺蘇生法を始めることがとても大切なんだ。
ちなみに、心肺蘇生法には、特別な道具や薬を使わずに周りにいる人が行う『一次救命処置』と、お医者さんや、お医者さんの指示のもとに、みっちり訓練を受けた救急救命士さんや看護師さんが、医療機器を使って行う『二次救命処置』の二つがあるよ。
■心肺蘇生法の手順
(1)周りの状況の確認
周りの安全を確認して、二次災害を防ごうね。
(2)意識の確認
肩を軽く叩きながら、耳元で『大丈夫ですか?』と声をかけて、意識があるかを確認しよう。
(3)119番通報とAEDの手配
反応がない場合は、周りにいる人に大声で助けを求めて、119番通報とAEDを持ってきてもらうように頼もう。
(4)呼吸の確認
胸やお腹が動いているかを10秒以内で確認しよう。
(5)胸骨圧迫
胸の中心に両手を重ねて、手の付け根の部分に力を入れて、胸が5cmくらい沈むように圧迫しよう。
圧迫する回数は、1分間に100~120回くらいの速さだよ。
(6)気道確保・人工呼吸
気道を確保してから、人工呼吸を2回行う。人工呼吸は、約1秒かけて、胸が上がるだけの量を2回吹き込むんだ。
(7)AEDが届くまで、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す
(8)AEDを使って心肺蘇生を行う
心肺蘇生法の方法や手順は、日本では2010年に日本蘇生協議会が国際的なガイドラインに基づいたガイドラインを作って、5年ごとに新しくしているよ。
心肺蘇生法とは
– 心肺蘇生法とは心肺蘇生法(しんぱいそせいほう)は、事故や急病などで突然、心臓と呼吸が止まってしまった人の命を救うための緊急処置です。医療従事者だけでなく、一般の人でも行うことができます。私たちの体は、心臓が血液を送り出し、呼吸によって酸素を取り込むことで、活動するためのエネルギーを生み出しています。心臓が止まると血液の流れが止まり、呼吸が止まると酸素が取り込めなくなります。その結果、全身の臓器、特に脳に酸素が行き渡らなくなり、数分以上続くと命に関わる危険があります。心肺蘇生法はこのような状態になった人を助けるための方法で、人工呼吸と胸骨圧迫の二つの行為で構成されています。人工呼吸は、呼吸が止まってしまった人の肺に、自分の口から息を吹き込むことで、強制的に酸素を送り込む行為です。胸骨圧迫は、心臓の位置を両手で強く圧迫することで、心臓のポンプ機能の代わりを果たし、血液を循環させる行為です。心肺蘇生法を行うことで、心臓と呼吸が完全に止まってしまった場合でも、救急隊が到着するまでの間、脳への酸素供給を維持し、命を救える可能性を高めることができます。いつ、どこで、誰がこのような事態に遭遇するかわかりません。いざという時に備え、正しい知識と技術を身につけておくことが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
心肺蘇生法とは | 事故や急病で心肺停止状態になった人を助けるための緊急処置 |
体の仕組み | 心臓が血液を送り出し、呼吸によって酸素を取り込み、活動エネルギーを生み出す |
心肺停止の危険性 | 心臓停止で血液の流れが、呼吸停止で酸素の取り込みが止まり、脳など臓器に酸素が行き渡らなくなる。数分以上続くと命の危険 |
心肺蘇生法の内容 | 人工呼吸と胸骨圧迫の二つの行為で構成 |
人工呼吸 | 口から息を吹き込み、肺に強制的に酸素を送り込む行為 |
胸骨圧迫 | 心臓を両手で強く圧迫し、心臓のポンプ機能の代わりを果たし、血液を循環させる行為 |
心肺蘇生法の効果 | 救急隊到着までの間、脳への酸素供給を維持し、救命の可能性を高める |
重要性 | いつ、どこで、誰が遭遇するかわからないため、正しい知識と技術を身につけておくことが重要 |
心肺蘇生法の重要性
– 心肺蘇生法の重要性突然、目の前で人が倒れ、呼吸をしていない、脈を触っても反応がない。こんな時、あなたはどのように対応しますか?このような緊急事態において、救急隊員が到着するまでの間に行う応急処置、それが心肺蘇生法です。 心肺蘇生法は、文字通り、心臓と呼吸が停止した状態の人に対して、再びその機能を回復させるための蘇生術です。心臓が停止すると、血液は全身に循環しなくなり、酸素が脳を含む体の各組織に供給されなくなります。そして、わずか数分で脳細胞は不可逆的なダメージを受け始め、救命の可能性は時間とともに急速に低下していきます。心肺蘇生法は、たとえ医療従事者でなくとも、一般の人でも行うことができます。胸の中央を強く圧迫することで、心臓のポンプ機能を人工的に代行し、血液を循環させます。また、人工呼吸を行うことで、肺に酸素を送り込み、血液中に酸素を供給します。心肺蘇生法の実施は、一分一秒を争う状況下で、まさに救命の糸口となります。 救急車を要請してから救急隊員が到着するまでの時間は、状況によって異なりますが、その間にも心肺蘇生法を継続することで、患者の命を繋ぐ可能性を大きく高めることができます。心肺蘇生法は、その後の患者の社会復帰の可能性を高めるためにも非常に重要です。
心肺蘇生法の重要性 | 詳細 |
---|---|
緊急時の対応 | 呼吸停止、脈拍がない場合、救急隊到着までの間に行う応急処置 |
目的 | 心臓と呼吸が停止した状態の人に対して、その機能を回復させるための蘇生術 |
重要性 |
|
方法 |
|
一次救命処置と二次救命処置
– 一次救命処置と二次救命処置突然、目の前で人が倒れて意識がない場合、あなたはどのように対応しますか?一刻を争う状況下では、居合わせた人の迅速な行動が生死を分けることがあります。このような緊急時に行われる救命処置には、大きく分けて一次救命処置と二次救命処置の二つがあります。一次救命処置とは、特別な医療器具や医薬品を用いずに、その場に居合わせた人が行うことができる応急処置です。呼吸が止まっていたり、心臓が動いていないように見える場合でも、誰でもできる胸骨圧迫や人工呼吸などの処置を施すことで、救命の可能性を高めることができます。一次救命処置は、心肺停止直後に開始されるほど救命率が高くなるため、「救命の最初のステップ」として非常に重要です。一方、二次救命処置は、医師や救急救命士、看護師といった医療従事者が行う高度な救命処置です。病院や救急車内など医療現場で行われ、気管挿管や電気ショック、薬剤投与といった医療機器や医薬品を用いた専門的な処置が行われます。二次救命処置は、一次救命処置によって維持された状態からさらに救命率の向上と後遺症の軽減を目指します。一次救命処置と二次救命処置は、それぞれ役割が異なり、一次救命処置から二次救命処置へとスムーズにつなぐことが、救命の成功、そして社会復帰の可能性を高めるために非常に重要です。
項目 | 一次救命処置 | 二次救命処置 |
---|---|---|
内容 | 特別な医療器具や医薬品を用いずに、その場に居合わせた人が行うことができる応急処置 (例: 胸骨圧迫、人工呼吸) | 医師や救急救命士、看護師といった医療従事者が行う高度な救命処置 (例: 気管挿管、電気ショック、薬剤投与) |
場所 | その場 | 病院や救急車内など医療現場 |
目的 | 心肺停止直後に行うことで救命の可能性を高める「救命の最初のステップ」 | 一次救命処置によって維持された状態からさらに救命率の向上と後遺症の軽減を目指す |
心肺蘇生法の手順
心肺蘇生法は、倒れている人を発見した時、一刻も早く救命処置を行うための技術であり、いくつかの手順に従って行われます。まずはじめに、周囲の環境と自身を含む安全を確保することが重要です。これは、二次災害を防ぐためにも必要なことです。次に、意識の有無を確認します。倒れている人の肩を軽く叩き、「大丈夫ですか?」と大きな声で呼びかけ、反応があるかどうかを確認します。もし反応がない場合は、ためらわずに119番通報を行い、救急車を要請しましょう。同時に、自動体外式除細動器(AED)の手配も依頼してください。救急隊員やAEDは、一分一秒でも早く到着することが重要です。呼吸の確認は、患者の胸やお腹が上下しているかどうかを目で見て確認します。10秒以内で確認できない場合は、呼吸なしと判断します。呼吸がないと判断されたら、胸骨圧迫を開始します。胸骨圧迫は、両手を重ねて胸の中央に置き、体重をかけて胸が約5cm沈む程度のリズムで圧迫します。圧迫する速さは1分間に100~120回の速さで行います。胸骨圧迫と並行して、気道確保と人工呼吸を行います。気道確保は、舌などが喉に詰まっていないか確認し、空気が通りやすくする処置です。人工呼吸は、患者の口に息を吹き込み、肺に空気を送り込む処置です。人工呼吸は、約1秒かけて、胸が上がるだけの量を2回吹き込みます。これらの手順である胸骨圧迫30回と人工呼吸2回をAEDが到着するまで、繰り返し行います。AEDが到着したら、ただちに使用を開始します。AEDは、心臓の動きを電気的に監視し、必要があれば電気ショックを与えて正常なリズムに戻す医療機器です。AEDは、音声ガイダンスに従って操作すれば、誰でも安全に使用することができます。
手順 | 詳細 |
---|---|
安全確保 | 周囲の環境と自身の安全を確認する。二次災害の防止。 |
意識の確認 | 肩を軽く叩き、「大丈夫ですか?」と呼びかける。 |
119番通報 & AED要請 | 反応がない場合は、直ちに通報し、AEDの手配も依頼する。 |
呼吸の確認 | 胸やお腹の動きを10秒以内で確認する。 |
胸骨圧迫 | 両手を重ねて胸の中央を体重をかけ、約5cm沈む程度のリズムで1分間に100~120回の速さで圧迫する。 |
気道確保 | 舌根沈下がないか確認し、空気が通る状態を確保する。 |
人工呼吸 | 患者の口に息を吹き込み、約1秒かけて、胸が上がるだけの量を2回吹き込む。 |
AED使用 | AEDが到着したら、音声ガイダンスに従って使用する。 |
日本の心肺蘇生法ガイドライン
心臓や呼吸が突然止まってしまった人の命を救うための技術である心肺蘇生法は、医療の進歩に伴い、その方法も常に新しくなっています。日本では、国際的なガイドラインを参考に、日本蘇生協議会が、2010年に日本で適用される心肺蘇生法のガイドラインを作成し、その後も5年ごとに内容を更新しています。このガイドラインは、最新の医学研究に基づいて作られており、医師や看護師などの医療従事者だけでなく、一般の人々も心肺蘇生法を正しく理解し、実践するための大切な情報源となっています。
心肺蘇生は、事故や病気など、いつ、誰にでも起こる可能性のある緊急事態に適切に対処するために必要な技術です。正しい知識と技術を身につけることで、もしもの時にも落ち着いて行動し、大切な命を救うことができるかもしれません。日本蘇生協議会のウェブサイトでは、一般市民向けの心肺蘇生法講習会情報も掲載されています。関心のある方は、ぜひチェックしてみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
心肺蘇生法の重要性 | 心臓や呼吸が突然停止した人の命を救うために必要不可欠な技術 |
ガイドラインの改訂 | 国際的なガイドラインを参考に、日本蘇生協議会が5年ごとに内容を更新 |
ガイドラインの目的 | 医療従事者だけでなく、一般の人々も心肺蘇生法を正しく理解し、実践できるようにするため |
心肺蘇生法の必要性 | 事故や病気など、いつ、誰にでも起こる可能性のある緊急事態に適切に対処するため |
情報源 | 日本蘇生協議会のウェブサイトで、一般市民向けの心肺蘇生法講習会情報などを掲載 |