耳鼻科

耳鼻科

舌根沈下:睡眠時無呼吸症候群との関係

- 舌根沈下とは私たちの口の中に存在する舌は、食事をする際に食べ物を喉の奥に送り込んだり、言葉を話す際に複雑な動きをしたりと、重要な役割を担っています。舌の中でも、特に奥まった部分を舌根と呼びますが、この舌根が重力によって喉の奥(医学用語では咽頭と呼びます)に沈み込んでしまう状態を -舌根沈下- と言います。本来、舌は口の中に位置しているものですが、舌根沈下が起こると、気道の一部が塞がれてしまい、スムーズな呼吸を妨げてしまうことがあります。特に、睡眠中は体の筋肉が弛緩してしまい、起きている時に比べて舌を支える力が弱くなるため、舌根沈下が起こりやすくなります。舌根沈下は、睡眠時無呼吸症候群の原因の一つとしても知られています。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう、あるいは呼吸が浅くなってしまう病気です。舌根沈下によって気道が狭くなることで、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる可能性があります。舌根沈下の症状としては、大きないびき、日中の眠気、起床時の頭痛などが挙げられます。これらの症状が見られる場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
耳鼻科

音叉:特定の音を奏でる道具

- 音叉とは音叉は、金属でできたU字型の道具で、叩いたり指ではじいたりすることで決まった高さの音を出すことができます。この音は楽器の調律に使ったり、医療現場で聴力を調べるために利用されています。音叉を叩くと、U字型の部分が細かく震えます。この震えは振動と呼ばれ、周りの空気に伝わっていきます。空気の振動が耳に届くと、私たちはそれを音として認識するのです。音叉は単純な形をしていますが、いつも同じ高さの音を出すという特徴があります。これは、音叉の材質や形によって振動の仕方が決まっているためです。そのため、楽器の調律のように正確な音の高さが求められる場面で特に役立ちます。また、音叉は医療現場でも活躍しています。聴診器と組み合わせて使われる音叉は、患者の聴力検査などに用いられています。音叉が出す音が聞こえるかどうか、骨を通して音が伝わるかを調べることで、医師は患者の聴力に関する情報を得ることができるのです。このように、音叉は音楽や医療といった様々な分野で私たちの暮らしを支えています。シンプルながらも正確な音を作り出す音叉は、これからも様々な場面で活躍し続けるでしょう。
耳鼻科

五感を味わう:味覚の世界への招待

私たちが食事をする際、単に栄養を摂取しているだけではありません。そこには大きな喜び、すなわち「味」が存在します。では、この「味覚」とは一体どのような感覚なのでしょうか? 味覚とは、食べ物を口に入れた時に舌で感じる感覚のことを指します。食べ物の成分が、舌の表面にある「味蕾(みらい)」という小さな器官で感知されることで、私たちは様々な味を感じ取ることができます。 味覚には、大きく分けて五つの基本的な種類が存在します。お菓子や果物に含まれる糖分などを感じ取る「甘味」、梅干しやレモンなどに含まれる酸を感じ取る「酸味」、塩辛いものを感じ取る「塩味」、コーヒーやゴーヤなどに含まれるアルカロイドなどを感じ取る「苦味」、そして、昆布や鰹節などに含まれるグルタミン酸などを感じ取る「うま味」です。 これらの基本的な五味は、単独で感じられることもあれば、複雑に混ざり合って、より複雑で豊かな味わいを感じさせてくれることもあります。例えば、イチゴの甘酸っぱさは、甘味と酸味の絶妙なバランスによって生まれますし、レモンの爽やかな酸味は、酸味に加えて香り成分も関係しています。このように、五基本味が織りなす無限ともいえる組み合わせによって、私たちは日々の食事の中で多種多様な味を楽しむことができるのです。
耳鼻科

咽頭:呼吸と消化の交差点

- 咽頭の位置と構造咽頭は、頭蓋骨の底部から、およそ首の骨の6番目にあたる第6頸椎の高さまで続く、長さ約12cmの管状の器官です。その壁は筋肉でできており、食べ物を飲み込むなどの動きに関わっています。形は漏斗を逆さにしたような形で、上の方は広がっていて、下に行くにつれて狭くなっていきます。咽頭は、鼻の奥にあたる鼻腔と、口の奥にあたる口腔の後ろ側に位置しています。そして、下は喉頭と食道につながることで、呼吸と食事という二つの重要な役割を担っています。鼻で吸い込んだ空気は、鼻腔を通って咽頭を通り、喉頭から気管へと送られます。一方、口から入った食べ物は、口腔から咽頭を通り、食道へと送られます。このように、咽頭は空気と食物の共通の通路となっているため、誤って食べ物が気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)が起こることがあります。咽頭は、その上部から上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分けられます。上咽頭は鼻腔の奥に位置し、中咽頭は口腔の奥に位置します。下咽頭は喉頭と食道の入り口に位置し、食物と空気の通り道を分ける重要な役割を担っています。
耳鼻科

身近な病気:扁桃腺炎

- 扁桃腺炎とは扁桃腺炎は、喉の奥の左右にある口蓋扁桃に炎症が起こり、赤く腫れ上がる病気です。扁桃腺は、口や鼻から侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から体を守る、免疫機能の一部を担っています。しかし、風邪やインフルエンザなどによって免疫力が低下すると、扁桃腺にウイルスや細菌が感染し、炎症を起こしてしまうことがあります。これが扁桃腺炎です。扁桃腺炎の主な症状は、喉の痛み、発熱、倦怠感などです。その他、頭痛、咳、鼻水、関節痛、リンパ節の腫れなどを伴うこともあります。特に、喉の痛みが強く、食事や飲み物が飲み込みにくいこともあります。扁桃腺炎の原因の多くはウイルス感染で、特にアデノウイルスやライノウイルスなどが挙げられます。これらのウイルスは、飛沫感染や接触感染によって広がります。また、溶連菌などの細菌感染によって扁桃腺炎が引き起こされることもあります。細菌性の扁桃腺炎の場合、高熱や白い膿が扁桃腺に付着するなどの症状がみられることがあります。扁桃腺炎は、安静と水分補給を心がけることで、多くの場合、数日で症状が改善します。痛みが強い場合は、鎮痛剤を使用することもあります。細菌性の扁桃腺炎と診断された場合には、抗生物質が処方されます。症状が重い場合や、繰り返し扁桃腺炎を起こす場合には、手術によって扁桃腺を摘出することがあります。
耳鼻科

睡眠中の音:いびきの謎

私たちは眠っている間、意識して呼吸をする必要がありません。これは、呼吸に関わる筋肉が休んでいる状態になるからです。この筋肉の弛緩は、気道の周りの組織、特に舌の付け根や軟口蓋と呼ばれる部分が重力によって喉の奥に沈み込みやすくなることを意味します。 その結果、空気の通り道である気道が狭くなってしまいます。そして、狭くなった気道を空気が通過する際に、周りの組織を振動させます。これが、あの独特ないびきの音の原因です。 例えるならば、リコーダーを思い浮かべてみてください。リコーダーは、息を吹き込むことで内部の空気が振動し、音が出ます。いびきも同じように、狭くなった気道を空気が通ることで振動が起こり、音が発生するのです。 ただ、いびきの音が大きいからといって、必ずしも健康に問題があるわけではありません。しかし、過剰な眠気や日中の集中力低下などを伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の可能性も考えられます。心配な方は、医療機関に相談することをお勧めします。
耳鼻科

音声手術:ラリンゴとは?

ラリンゴの概要 ラリンゴとは、「喉頭顕微鏡下手術」を短く言い表した言葉で、耳鼻咽喉科で行われる手術の一つです。手術用の顕微鏡を用いて、喉頭と呼ばれる器官を細かく観察しながら、異常のある部分を治療します。喉頭は、呼吸をするための空気の通り道であると同時に、声を出すために重要な役割を果たす器官です。 ラリンゴは、特に「声帯」と呼ばれる、喉頭の中にある二本のヒダ状の組織に生じた病気を治療する際によく用いられます。声帯は、呼吸時に肺から出てきた空気が当たって振動することで、私たちの声を生み出します。この声帯に、腫瘍やポリープ、結節、嚢胞などの病気が発生すると、声が嗄れたり、かすれたり、出にくくなったりするなどの症状が現れます。 ラリンゴでは、このような声帯の病変を顕微鏡で拡大して見ながら、非常に小さな器具を使って丁寧に切除します。これにより、声帯の機能を可能な限り温存し、嗄れなどの症状を改善することを目指します。ラリンゴは、声に関わる仕事をしている人や、普段からよく声を出す機会が多い人にとって、特に有効な治療法と言えるでしょう。
耳鼻科

犬吠様咳嗽:小児に見られる特徴的な咳

「犬の鳴き声のような咳」と聞いて、一体どんな咳なのか想像できるでしょうか?その名の通り、まるで犬が吠えているかのような、かん高い乾いた咳のことを指します。医学用語では「犬吠様咳嗽」と呼ばれ、主に乳幼児や小さなお子さんに多く見られます。 この咳の特徴は、夜や朝方など、気温が下がる時間帯に悪化しやすいことです。咳き込む時に「ゼーゼー」といった苦しそうな呼吸音を伴うこともあり、保護者の方は不安に思うかもしれません。しかし、犬吠様咳嗽自体は命に関わるような病気ではありませんので、落ち着いて対処しましょう。 犬吠様咳嗽を引き起こす原因は、ほとんどの場合、風邪などのウイルス感染症です。ウイルスが喉や気管支に炎症を起こし、腫れや刺激によって咳が出やすくなります。特に、喉頭蓋炎やクループ症候群といった病気では、声帯の下にある気道が狭くなるため、特徴的な犬の鳴き声のような咳が出現します。 ほとんどの場合、適切な治療によって症状は改善されます。加湿や水分補給などで喉を潤したり、安静にすることで自然と治ることも多いです。ただし、呼吸困難や高熱などの症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
耳鼻科

舌根沈下:睡眠時無呼吸症候群との関係

- 舌根沈下とは舌は食べ物を噛み砕いたり、飲み込んだりする際に重要な役割を果たすと同時に、言葉を発する上でも欠かせない器官です。この舌の付け根の部分を舌根と呼びますが、この舌根が重力によって喉の奥にある咽頭に沈み込んでしまうことを舌根沈下と呼びます。舌根沈下が起こると、空気の通り道である気道が狭くなったり、場合によっては完全に塞がってしまったりします。特に睡眠中は、筋肉が弛緩して舌が喉の方に落ち込みやすくなるため、舌根沈下は睡眠中に起こりやすいという特徴があります。この舌根沈下は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主要な原因の一つとして知られています。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まってしまう病気で、日中の強い眠気や集中力の低下などを引き起こすだけでなく、高血圧や心臓病、脳血管障害などのリスクを高める危険性も孕んでいます。舌根沈下の原因は、舌を支えている筋肉の緊張が低下することにあります。加齢に伴い筋肉量が減少していくことは自然な流れですが、肥満も舌周りの筋肉量低下や脂肪蓄積に繋がり、舌根沈下のリスクを高めます。また、生まれつき顎の骨格が小さい方は、舌が収まるスペースが狭いため、舌根沈下を起こしやすくなる傾向があります。
耳鼻科

犬吠様咳嗽:その特徴と注意点

- 特徴的な咳 「犬吠様咳嗽」と呼ばれる咳は、その名の通り、まるで犬が吠えているかのようなガラガラとした乾いた咳が特徴です。これは、気道の炎症によって空気の通り道が狭くなっているために生じます。 咳込むと呼吸が苦しくなることもあり、呼吸をするたびにゼーゼーと音がする場合もあります。これは、狭くなった気道を空気が無理やり通ろうとする際に発生する音です。 多くの場合、夜から朝にかけて症状が強くなる傾向が見られます。これは、夜間は気温が下がり、空気が乾燥しやすくなるため、気道が刺激されやすくなるためと考えられます。 犬吠様咳嗽は、特に小さなお子さんによく見られる症状です。もし、お子様からこのような咳が聞こえた場合は、早めに医療機関を受診するようにしてください。
耳鼻科

中咽頭癌とは:症状、原因、治療法について

- 中咽頭がんとは中咽頭がんは、鼻の奥から喉の上部にかけて位置する中咽頭と呼ばれる場所にできるがんです。この中咽頭は、食べ物を飲み込む時や呼吸をする時など、私達が生きていく上で欠かせない大切な役割を担っています。中咽頭がんは、中咽頭の粘膜にある細胞から発生します。そして、がん細胞は周囲の組織に浸潤していく可能性があります。さらに進行すると、リンパ節や血管を通じて、体の他の部位、例えば肺や肝臓などに転移することもあります。中咽頭がんの主な原因の一つとして、喫煙が挙げられます。タバコの煙に含まれる有害物質は、中咽頭の細胞を傷つけ、がん化を促進する可能性があります。また、過度な飲酒も、中咽頭がんのリスクを高める要因の一つです。飲酒と喫煙の両方の習慣がある人は、より一層注意が必要です。さらに、近年ではヒトパピローマウイルス(HPV)への感染も、中咽頭がんの原因の一つとして注目されています。HPVは性交渉を通じて感染するウイルスで、子宮頸がんとの関連が知られていますが、中咽頭がんの一部にも関与していることが分かってきました。中咽頭がんは、早期発見・早期治療が非常に重要です。声のかすれや喉の痛み、食べ物が飲み込みにくいなどの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
耳鼻科

音声治療の最先端:ラリンゴマイクロサージェリー

- 声帯病変に光明を人は誰でも呼吸をし、話すことで日々を過ごしています。これらに欠かせない器官である「声帯」ですが、酷使や加齢、喫煙などの影響により、様々な病気を患ってしまうことがあります。声帯に生じる病気には、声帯結節や声帯ポリープなどがあり、これらを総称して「声帯病変」と呼びます。声帯病変になると、声のかすれや喉の違和感、声の出しにくさなどの症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。このような声帯病変の治療法として注目されているのが、「ラリンゴマイクロサージェリー」と呼ばれる喉頭顕微鏡下手術です。これは、耳鼻咽喉科領域における最先端の治療法の一つであり、顕微鏡を用いて声帯を拡大することで、より精密な手術が可能となります。従来の手術では、病変だけでなく周囲の健康な組織も大きく切除する必要がありましたが、ラリンゴマイクロサージェリーでは、病変のみをピンポイントで切除することができるため、術後の声や発声機能への影響を抑え、患者さんの負担を軽減することが期待できます。ラリンゴマイクロサージェリーは、声帯結節や声帯ポリープ以外にも、声帯腫瘍や声帯麻痺など、様々な声帯病変の治療に用いられます。また、手術は全身麻酔下で行われることが多く、患者さんは痛みを感じることなく治療を受けることができます。もし、声のかすれや喉の違和感など、声帯病変が疑われる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、専門医に相談することをお勧めします。
耳鼻科

風邪症候群:ありふれた疾患の真相

皆様、こんにちは。今回は、私たちにとって非常に身近な病気である「風邪」についてお話しします。医学の世界では、「感冒」や「急性鼻咽頭炎」とも呼ばれるこの病気は、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。 風邪は、くしゃみや鼻水、喉の痛み、咳、発熱などの症状を引き起こし、私たちの日常生活に支障をきたすことがあります。これらの症状は、体内に侵入してきたウイルスを撃退しようと、私たちの体が懸命に戦っている証拠なのです。 風邪の原因となるウイルスは200種類以上も存在し、周囲の気温や湿度などの環境要因も影響するため、風邪を完全に予防することは難しいのが現状です。しかし、手洗いやうがいをこまめに行う、十分な睡眠をとる、栄養バランスのとれた食事を心がけるなど、日頃から予防対策をしておくことが重要です。 また、風邪の症状には個人差があり、軽い症状ですむ場合もあれば、高熱が続いたり、肺炎などの合併症を引き起こす場合もあります。そのため、自分の体の状態をよく観察し、必要であれば医療機関を受診するようにしましょう。 今回は、風邪の基本的な情報についてお伝えしました。次回以降は、風邪の症状を和らげる方法や、重症化を防ぐためのポイントなど、より具体的な内容について詳しく解説していきます。どうぞお楽しみに。
耳鼻科

平衡感覚の鍵、内耳の迷路

私たちは、無意識のうちに体のバランスを取って生活しています。たとえば、電車の中で急ブレーキがかかっても、すぐに体勢を立て直すことができます。また、目をつぶっていても、体がどちらに傾いているのかを感じ取ることができます。 この体の傾きを感じる感覚を「平衡感覚」と呼びますが、この感覚を司っているのが、耳の奥深くに存在する「迷路」と呼ばれる器官です。迷路は、複雑な形をした小さな器官で、その中には「三半規管」と「耳石器」と呼ばれる感覚器官が存在します。 三半規管は、体の回転を感知する器官です。三半規管は、それぞれが異なる方向にループ状に配置されており、体の回転する方向や速度を感知します。 一方、耳石器は、体の傾きや直線運動を感知する器官です。耳石器は、炭酸カルシウムでできた小さな石「耳石」を持っています。体が傾いたり、動きが変化したりすると、この耳石が重力によって移動し、その刺激が神経を通じて脳に伝えられます。 このように、迷路は体の傾きや回転、直線運動といった情報を感知し、脳に伝えています。脳は、これらの情報に基づいて体のバランスを保つために必要な指令を筋肉に送り、私たちがスムーズに動くことができるように調節しているのです。
耳鼻科

医療現場の略語:オトって何科?

病院に行くと、受付で「何科に行かれますか?」と聞かれた経験はありませんか? 私たちは普段、「内科」「外科」といった言葉をよく耳にしますが、医療現場では、これらの診療科をさらに細かく分けて、それぞれを略して呼ぶことがあります。 例えば、「今日は、オトの先生に診てもらったよ」という会話が聞こえてきたら、皆さんは「オト」と聞いて、一体何科を思い浮かべるでしょうか? 「オト」とは、「耳鼻咽喉科」を省略した言葉です。 耳鼻咽喉科は、耳、鼻、喉の病気や症状を専門的に治療する診療科です。 めまいや難聴、耳鳴り、中耳炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、扁桃炎、いびき、声嗄れなど、幅広い症状に対応しています。 このように、医療現場では、診療科の正式名称ではなく、略語が使われていることが少なくありません。 これらの略語は、医療従事者にとっては日常的に使う言葉ですが、患者さんにとっては分かりにくいと感じることもあるかもしれません。 もし、病院で聞き慣れない言葉に出会ったら、遠慮なく医療スタッフに尋ねてみましょう。
耳鼻科

溶連菌感染症とは?

- 溶連菌感染症の概要溶連菌感染症は、溶血性連鎖球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。この細菌は、人の喉や皮膚に普通に存在していることがあり、感染している人が咳やくしゃみをすると、空気中に含まれる小さな水滴(飛沫)を介して周りの人に感染します。また、感染者の皮膚や粘膜に直接触れることによっても感染します。溶連菌感染症の代表的な症状は、突然始まる喉の痛みと高い熱です。喉の奥を見ると、扁桃腺が赤く腫れ上がり、白い膿が付着していることもあります。その他、頭痛、倦怠感、吐き気、腹痛などを伴う場合もあります。 通常、咳はみられません。多くは軽症で、適切な治療を行えば数日で改善します。しかし、まれに重症化し、猩紅熱やリウマチ熱、急性糸球体腎炎などの合併症を引き起こすことがあります。特に、猩紅熱は、発疹と高熱を特徴とする病気で、合併すると治療が長引く場合があります。溶連菌感染症は、子ども、特に幼児や小学校低学年によくみられますが、大人でも感染することがあります。適切な予防と早期治療が重要です。
耳鼻科

アレルギー性鼻炎:鼻の不快感の原因と対策

- アレルギー性鼻炎とは?アレルギー性鼻炎は、特定の物質(アレルゲン)に対する体の過剰な反応が原因で鼻に炎症が起こる病気です。 例えば、花粉、ハウスダスト、ダニなどがアレルゲンとして挙げられます。これらのアレルゲンを吸い込むと、体内に侵入したと体が認識し、排除しようとして様々な反応を起こします。その結果として、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりといった不快な症状が現れます。これらの症状は、日常生活に支障をきたすこともあります。集中力の低下や睡眠不足、倦怠感など、日常生活に様々な影響を与える可能性があります。 また、アレルギー性鼻炎は、適切な治療を行わないと、喘息などの他のアレルギー疾患を引き起こすリスクもあるため、注意が必要です。よく知られている花粉症も、実はアレルギー性鼻炎の一種です。スギやヒノキなどの花粉が原因で、毎年決まった時期に症状が現れるのが特徴です。花粉症のように季節性のあるものだけでなく、一年中症状が出る通年性のアレルギー性鼻炎もあります。アレルギー性鼻炎は、症状を和らげる薬物療法や、アレルゲンを体内に入れないようにする環境整備、アレルゲンに対する体の反応を抑える免疫療法など、様々な治療法があります。ご自身の症状や生活スタイルに合った治療法を選択することが大切です。症状が気になる場合は、医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
PAGE TOP