血液のがん、白血病とは
病院での用語を教えて
先生、「白血病」ってどんな病気ですか?
体の健康研究家
「白血病」は血液の病気なんだ。血液は、赤血球、白血球、血小板など様々な種類の細胞からできているんだけど、そのうち白血球がガンになってしまう病気なんだよ。
病院での用語を教えて
白血球がガンになるって、どういうことですか?
体の健康研究家
通常、細胞はきちんと成長して、古くなったら死んでいくんだけど、ガン細胞は際限なく増え続けるんだ。白血病になると、このガン化した白血球が増えて、正常な血液細胞が減ってしまうことで、様々な症状が出てしまうんだよ。
白血病とは。
「白血病」は、血液の細胞が悪く変化して増え続ける病気のことです。この病気の進行の速さによって、「急性白血病」と「慢性白血病」の二つに分けられます。
白血病の概要
– 白血病の概要白血病は、血液細胞ががん化する病気です。私たちの体内では、骨の中心部にある骨髄という組織で、血液細胞が作られています。健康な状態では、骨髄で作られた血液細胞は、それぞれ赤血球、白血球、血小板へと成長し、身体の様々な機能を担っています。 赤血球は全身に酸素を運び、白血球は細菌やウイルスから身体を守り、血小板は出血を止める役割を担っています。しかし、白血病になると、骨髄において白血病細胞と呼ばれる異常な細胞が過剰に増殖してしまいます。これらの異常な細胞は、正常に機能しません。そして、骨髄において正常な血液細胞の産生を妨げてしまうのです。その結果、健康な赤血球、白血球、血小板が減少し、様々な症状が現れます。 例えば、赤血球が減少すると、貧血になり、動悸や息切れが起きやすくなります。白血球が減少すると、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。血小板が減少すると、出血しやすくなったり、血が止まりにくくなったりします。白血病は、原因はまだはっきりとは解明されていませんが、遺伝的な要因やウイルス感染、放射線などが関係していると考えられています。
血液細胞の種類 | 通常の機能 | 白血病による影響 |
---|---|---|
赤血球 | 全身に酸素を運ぶ | 減少すると貧血になり、動悸や息切れが起こる |
白血球 | 細菌やウイルスから体を守る | 減少すると免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる |
血小板 | 出血を止める | 減少すると出血しやすくなったり、血が止まりにくくなる |
白血病の種類
白血病は血液のがんのことを指し、大きく分けて急性白血病と慢性白血病の二つに分類されます。
急性白血病は、文字通り症状が急に現れ、急速に病状が進行していく恐ろしい病気です。自覚症状としては、発熱やだるさ、貧血、出血しやすくなるなどがあります。進行も速いため、早期の発見と治療が非常に重要となります。
一方、慢性白血病は初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため、健康診断などで偶然発見されることが多く、診断を受けた時には病気がかなり進行している場合も見られます。慢性白血病は急性白血病に比べて進行が遅く、長期間にわたって治療を続けることになります。
さらに、白血病は、がん化した細胞の種類によっても分類されます。その代表的なものが、骨髄性白血病とリンパ性白血病です。
骨髄性白血病は、骨髄において赤血球、白血球、血小板に成長する前の細胞である骨髄芽球が、がん化することによって引き起こされます。
リンパ性白血病は、免疫機能において重要な役割を担う白血球の一種であるリンパ球が、がん化したものです。
このように、白血病は様々な種類に分けられ、それぞれ症状や進行度、治療法が異なります。自分自身に合った適切な治療を受けるためには、それぞれの種類について正しく理解することが重要です。
分類 | 急性白血病 | 慢性白血病 |
---|---|---|
症状出現 | 急 | 緩やか |
進行度 | 速い | 遅い |
自覚症状 | 発熱、だるさ、貧血、出血しやすくなるなど | 初期はほぼなし |
治療 | 早期発見・治療が重要 | 長期間にわたる治療が必要 |
分類 | 骨髄性白血病 | リンパ性白血病 |
---|---|---|
がん化する細胞 | 骨髄芽球 | リンパ球 |
白血病の症状
– 白血病の症状白血病は、血液のがんのひとつであり、その症状は多岐にわたります。白血病の種類、病気の進行具合、そして患者さん一人ひとりの状態によって、現れる症状は実にさまざまです。白血病でよく見られる症状としては、慢性的な疲労感や息切れ、顔色が青白くなる、発熱、繰り返し起こる感染症などが挙げられます。 また、出血しやすくなる、あざができやすい、リンパ節が腫れるといった症状が現れることもあります。これらの症状は、白血病細胞が骨髄で異常に増殖し、正常な血液細胞が減少してしまうことで引き起こされます。 血液は大きく分けて、赤血球、白血球、血小板の3つの細胞から成り立っており、それぞれ重要な役割を担っています。例えば、体中に酸素を運ぶ役割を担う赤血球が減少すると、貧血という状態になり、疲労感や息切れが現れます。また、細菌やウイルスから体を守る免疫機能の中心を担う白血球が減少すると、免疫力が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、重症化しやすくなったりします。さらに、出血を止める役割を担う血小板が減少すると、出血しやすくなるため、あざができやすくなったり、鼻血が止まりにくくなったりします。白血病の症状は、風邪などのありふれた病気の症状と似ていることが多く、早期発見が非常に重要です。 少しでも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
症状 | 原因 |
---|---|
慢性的な疲労感、息切れ、顔面蒼白 | 赤血球の減少による貧血 |
発熱、繰り返し起こる感染症 | 白血球の減少による免疫力低下 |
出血傾向(あざ、鼻血など) | 血小板の減少による血液凝固障害 |
白血病の治療
白血病の治療は、患者さん一人ひとりの病状や状態に合わせて、最適な方法を選択することが非常に重要です。白血病には様々な種類があり、進行の程度や年齢、体力によっても治療法は異なってきます。
白血病の治療の中心となるのが、抗がん剤を用いて白血病細胞を攻撃する「化学療法」です。これは、服用したり点滴で投与したりすることで、体内に広がった白血病細胞を攻撃します。
また、高いエネルギーを持つ放射線を用いて、白血病細胞を破壊する「放射線療法」も有効な治療法の一つです。これは、体外から病巣部に照射する方法と、体内に放射性物質を埋め込む方法があります。
さらに、健康な人から提供された造血幹細胞を移植する「造血幹細胞移植」は、白血病細胞を根治させる可能性のある治療法です。これは、骨髄移植とも呼ばれ、移植前に強い抗がん剤や放射線治療を行って、白血病細胞を減らすことが必要となります。
これらの治療法は、単独で行われることもあれば、組み合わせて行われることもあります。しかし、治療に伴って、吐き気や脱毛、免疫力の低下といった副作用が現れることもあります。そのため、治療前に医師から十分な説明を受け、納得した上で治療を開始することが重要です。治療中は、医師や看護師と積極的にコミュニケーションをとり、不安な点や疑問点を解消していくようにしましょう。
治療法 | 内容 | 備考 |
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化学療法 | 抗がん剤を用いて白血病細胞を攻撃する | 服用または点滴で投与 |
放射線療法 | 高いエネルギーを持つ放射線を用いて、白血病細胞を破壊する | 体外照射と体内照射の2種類 |
造血幹細胞移植 | 健康な人から提供された造血幹細胞を移植する | 骨髄移植とも呼ばれる。移植前に強い抗がん剤や放射線治療が必要 |
白血病の予防
– 白血病の予防残念ながら、白血病を完全に防ぐ方法はありません。白血病は、血液細胞の遺伝子が何らかの原因で傷つくことで起こると考えられていますが、その原因はまだ解明されていません。しかし、発症のリスクを高める可能性のある要因を避けることで、白血病になる確率を下げられる可能性はあります。例えば、喫煙は白血病のリスクを高めることが知られています。タバコの煙には、遺伝子を傷つけ、細胞をがん化させる可能性のある化学物質が多数含まれています。禁煙は、白血病だけでなく、その他のがんや心臓病、呼吸器疾患などの多くの病気のリスクを減らす効果も期待できます。また、特定の化学物質への曝露も、白血病のリスクを高める可能性があります。例えば、ベンゼンなどの有機溶剤や、農薬などに含まれる化学物質などです。これらの物質を扱う際には、適切な防護具を着用するなど、職場の安全基準に従うことが重要です。さらに、健康的な生活習慣を維持することも、白血病予防に役立つ可能性があります。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、免疫力を高め、細胞の遺伝子を健康に保つために重要です。免疫力の向上は、白血病を含む様々な病気に対する抵抗力を高めることに繋がります。白血病は、誰にでも起こりうる病気ですが、日々の生活の中でできることから予防に取り組むことが大切です。
予防策 | 詳細 |
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喫煙を避ける | タバコの煙には、遺伝子を傷つけ、細胞をがん化させる可能性のある化学物質が含まれています。 |
特定の化学物質への曝露を避ける | ベンゼンなどの有機溶剤や、農薬などに含まれる化学物質への曝露は、白血病のリスクを高める可能性があります。 |
健康的な生活習慣を維持する | バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、免疫力を高め、細胞の遺伝子を健康に保つために重要です。 |