総合健康ガイド

循環器

乱れる心臓のリズム:不整脈とは?

私たちの体の中心で、休むことなく働き続ける心臓は、全身に血液を送るために重要な役割を担っています。まるで正確な時計のように、一定のリズムを刻んで血液を送り出す心臓の動きは、電気信号によって制御されています。しかし、様々な原因によって、この電気信号の伝達が乱れてしまうことがあります。 心臓のリズムが乱れることを、私たちは「不整脈」と呼んでいます。不整脈は、心臓が本来のリズムで鼓動できなくなる状態であり、脈が異常に速くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)、不規則になったりします。 心臓の鼓動が速くなりすぎる頻脈は、動悸や息切れ、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。また、徐脈は、疲労感や息切れ、めまい、失神などの症状が現れることがあります。さらに、心臓の鼓動がバラバラになるタイプの不整脈は、動悸やめまい、息切れに加えて、胸の痛みや意識消失などの深刻な症状を引き起こす可能性もあります。 不整脈は、加齢や高血圧、糖尿病、心臓病などの病気、ストレス、睡眠不足、喫煙、過剰な飲酒やカフェイン摂取など、様々な要因によって引き起こされる可能性があります。 もし、動悸や息切れ、めまいなどの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。心臓のリズムの異常は、放置すると重篤な病気を引き起こす可能性もあるため、早期発見と適切な治療が大切です。

お腹の痛みに効くブスコパン®

- ブスコパン®とはブスコパン®は、胃痛や腹痛、下痢などの、お腹の不快な症状を改善する効果を持つお薬です。 お腹が痛む、お腹がぎゅーっと締め付けられるように感じる、便意を頻繁に感じるといった、さまざまなお腹のトラブルに広く用いられています。このお薬の主成分は、ブチルスコポラミン臭化物という成分です。 ブチルスコポラミン臭化物は、腸の動きをコントロールしている副交感神経に作用し、過剰に活発になっている腸の動きを抑える働きがあります。 その結果、腹痛や下痢などの症状を改善する効果が期待できます。ブスコパン®は、錠剤や坐薬など、さまざまな剤形で提供されています。 症状や年齢、体質に合わせて、医師の指示に従って適切な方法で使用してください。 また、使用上の注意点や副作用についても、医師や薬剤師の説明をよく聞き、正しく理解しておくことが大切です。
産婦人科

乳輪:乳首の周りの色のひみつ

- 乳輪ってどんなところ?乳輪は、乳首の周りを囲むように存在する円形の色のついた部分のことを指します。ちょうど、果物でいうと、いちごの赤い部分と、その周りの緑色のヘタの部分の関係に似ていると言えるでしょう。この乳輪部分の色は、一人ひとり異なり、薄いピンク色、茶色、濃い茶色など、実に様々です。肌の色と同じように、生まれ持った肌の色素の量によって、色の濃さが違ってきます。また、同じ人でも、年齢を重ねたり、ホルモンバランスの変化によって色が変化することもあります。 さらに、乳輪の大きさや形も人それぞれです。 小さな丸い形をしている人もいれば、少し大きめの楕円形をしている人もいます。まるで指紋のように、その人だけの個性と言えるでしょう。 普段何気なく過ごしていると、あまり意識することがないかもしれませんが、鏡でじっくりと観察してみると、その人それぞれの個性に気づかされるはずです。
その他

ホスピスという選択:人生の最終章を支える場所

- ホスピスとは何かホスピスとは、病気の治療が困難で、残された時間が限られていると診断された患者さんとそのご家族が、穏やかで人間らしい最期の時を過ごせるよう、様々な形で支える場所です。 従来の病院とは異なり、ホスピスでは病気を治すための積極的な治療は行いません。患者さんの身体の苦痛を和らげ、心身の安らぎを保つことを目的とした「緩和ケア」を中心とした医療・ケアを提供します。 具体的には、痛みや苦しみを和らげるための薬物療法や、心地よく過ごせるようにするための環境調整などを行います。 また、患者さんだけでなく、ご家族の精神的な負担を軽減するためのサポートも行います。 ホスピスは、患者さんやご家族が人生の残された時間を大切に、自分らしく過ごせるように寄り添う場所なのです。
耳鼻科

小児に多い滲出性中耳炎:原因と治療

- 滲出性中耳炎とは鼓膜の奥には、中耳腔と呼ばれる小さな空洞があります。通常、この空間は空気で満たされていますが、何らかの原因で中耳腔に液体(滲出液)が溜まってしまう病気を、滲出性中耳炎と呼びます。この滲出液は、鼻の奥と中耳腔をつなぐ耳管という管の働きが悪くなることで生じます。特に、免疫力が発達段階にある3歳から6歳くらいのお子さんは、耳管の機能が未熟なため滲出性中耳炎になりやすく、頻繁にみられる病気です。滲出性中耳炎の特徴として、痛みなどの自覚症状が現れにくいことが挙げられます。そのため、周囲の大人が異変に気づきにくく、発見が遅れる場合も少なくありません。しかし、そのまま放置してしまうと、難聴を引き起こしたり、言葉の発達に影響を及ぼす可能性があります。早期発見・治療が重要となるため、保護者は、普段からお子さんの様子をよく観察し、少しでも気になることがあれば、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
循環器

心臓からのSOS?知っておきたい心不全

私たちの体は、心臓がまるで休むことなく動き続けるポンプのように、血液を全身に送り届けることで、生命を維持しています。この血液は、体にとって欠かせない酸素や栄養分を体の隅々まで運び、老廃物を運び出すという重要な役割を担っています。 心臓は、私たちの体にとって、まさに生命の源泉といえるでしょう。 しかし、様々な要因によって、この重要な心臓のポンプ機能が低下してしまうことがあります。これが「心不全」と呼ばれる状態です。 心不全は、心臓の筋肉そのものが弱ってしまう場合、心臓の弁が正常に開閉しなくなる場合、あるいは心臓を包む袋に水が溜まってしまう場合など、さまざまな原因によって引き起こされます。いずれの場合も、心臓は十分な量の血液を送り出すことができなくなり、息切れやむくみ、疲労感といった症状が現れます。 心不全は、決して軽視できる病気ではありません。放置すると命に関わることもあります。 症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
産婦人科

静かなる脅威:卵巣がんについて

- 卵巣がんとは卵巣がんは、女性の体の中で卵子を作り出す臓器である卵巣にできるがんです。卵巣は子宮の左右に一つずつ、全部で二つあり、妊娠に深く関わる女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を分泌するなど、重要な役割を担っています。 卵巣がんは、卵巣の表面を覆う組織や、卵子のもとになる細胞など、卵巣の中の様々な組織から発生する可能性があります。そして、がん細胞が増殖すると、周囲の臓器である子宮、膀胱、直腸などに広がっていくことがあります。さらに進行すると、リンパ節や血液の流れに乗って、肺や肝臓などの離れた臓器に転移することもあります。 卵巣がんは初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があり、早期発見が難しいがんです。そのため、定期的な婦人科検診などを通じて、早期発見・早期治療に努めることが重要です。
泌尿器

尿管結石:その原因と症状、治療法について

- 尿管結石とは尿管結石とは、腎臓で作られた尿が膀胱に運ばれる通路である尿管に、結石(石のように固い塊)ができてしまう病気です。 腎臓でつくられた尿は、尿管を通って膀胱に流れ、最終的に体外へと排出されます。この尿の通り道である細い管状の尿管に結石が詰まってしまうことで、激しい痛みやさまざまな排尿トラブルを引き起こします。結石は、尿の中に含まれるカルシウム、シュウ酸、尿酸などの成分が結晶化し、小さな結晶がくっつき合って成長することで形成されます。 結石の大きさは数ミリ程度の小さなものから、数センチと比較的大きなものまで様々です。尿管結石は、20~40代の比較的若い世代に多くみられ、男性は女性の約2倍の頻度で発症すると言われています。 また、食習慣の変化などにより、近年患者数は増加傾向にあります。尿管結石は、自然に排出されることもありますが、結石の大きさや位置によっては、痛みを和らげる薬物治療や、結石を体外に排出するための手術が必要となる場合もあります。
看護技術

無菌室:感染から患者を守るための砦

- 無菌室とは無菌室とは、空気中に漂う目に見えない微生物の量を可能な限り減らし、清潔な状態を保つように設計された特別な部屋のことです。空気の清浄度は国際的な基準に基づいて厳密に定められており、別名「バイオクリーンルーム」とも呼ばれます。では、なぜこのような部屋が必要なのでしょうか?私たちの身の回りには、目には見えないたくさんの細菌やウイルスなどの微生物が存在しています。通常、健康な人であれば、多少の微生物に接触しても、自身の免疫機能が働き、病気から身を守ってくれます。しかし、手術後や免疫力が低下している患者さんの場合、これらの微生物が体内に入ると、深刻な感染症を引き起こす可能性があります。無菌室は、このような感染リスクを最小限に抑えるために、様々な工夫が凝らされています。例えば、空気中の微生物をフィルターで除去する装置や、室内の気圧を外部より高くすることで、外部の空気の侵入を防ぐシステムなどが挙げられます。また、無菌室に入る際には、専用の衣服を着用し、手洗いと消毒を徹底するなど、人の出入りによる微生物の持ち込みにも注意が必要です。このように、無菌室は、患者さんの安全を守るための重要な役割を担っています。 手術室や治療室、免疫力が低下した患者さんのための病室など、医療現場において幅広く利用されています。
耳鼻科

耳垢の役割:知られざる耳の守護者

- 耳垢の正体耳垢と聞くと、多くの人が茶色くてべたべたした、あまり気持ちの良いものではないという印象を持つかもしれません。しかし、耳垢は私達の耳の健康を守るために、なくてはならない大切な役割を担っているのです。耳垢は、耳の穴の入り口付近にある外耳道と呼ばれる部分に存在します。この外耳道には、耳垢腺と呼ばれる小さな器官が無数に並んでおり、常にサラサラとした液体を分泌しています。耳垢はこの液体と、皮膚の一番外側の層である垢、そして空気中を漂っている塵や埃などが混ざり合って作られています。では、一体なぜ耳垢は必要なのでしょうか?それは、耳垢が細菌やウイルス、カビなどの外敵から耳の中を守る、いわば門番のような役割を果たしているからです。耳垢には、これらの外敵を撃退する働きや、増殖を抑える働きがあります。また、耳垢は、耳の穴の中を適度に保湿することで、乾燥や傷から守る役割も担っています。もし耳垢がなかったら、耳の穴の中は乾燥してしまい、かゆみが出たり、傷がつきやすくなったりしてしまいます。その結果、細菌などに感染しやすくなり、外耳炎などの病気を引き起こす可能性も高くなってしまうのです。このように、耳垢は決して汚いものではありません。私達の耳の健康を守るために、日々活躍している大切な存在なのです。
循環器

生命の維持に欠かせない心拍出量

心臓は、体中に酸素や栄養を送り届けるために、昼も夜も休むことなく働き続けています。この血液の循環において、重要な役割を担っているのが心拍出量です。心拍出量とは、1分間に心臓から送り出される血液の量のことを指します。心臓が一回に送り出す血液の量である一回拍出量と、1分間の心臓の拍動数を表す心拍数を掛け合わせることで算出されます。 安静時でも5リットル前後という、想像をはるかに超える量の血液が体内を循環していることに驚かされます。これは、全身の細胞に十分な酸素と栄養を供給し、老廃物を回収するために、心臓が効率的に血液を送り出していることを示しています。 心拍出量は、運動やストレス、年齢、体の状態など様々な要因によって変化します。例えば、運動時には筋肉が多くの酸素を必要とするため、心拍数が増加するとともに一回拍出量も増加し、結果として心拍出量は増加します。逆に、睡眠中は体の代謝が低下するため、心拍出量は減少します。 このように、心拍出量は心臓のポンプとしての能力を評価する重要な指標となります。健康な状態を維持するためには、バランスの取れた食事や適度な運動など、生活習慣に気を配りながら、心臓に負担をかけすぎないようにすることが大切です。
産婦人科

乳房:母乳栄養を支える器官

- 乳房の定義医学的には、乳房は哺乳類のメスだけが持つ、子供に母乳を与えるための器官と定義されています。日常会話では、「お乳」や「ちぶさ」といった言葉が使われることも一般的です。人間の場合、女性は思春期を迎えると、女性ホルモンの影響で乳房が大きくなり始めます。これは、女性が将来母親になるために、身体が赤ちゃんに母乳を与える準備を始めるためです。この時期の乳房の発達は、女性らしい体のラインを作り出すと同時に、女性自身が母親となる準備段階に入ったことを自覚する、重要な意味を持つ変化と言えます。乳房は、母乳を作るための組織である乳腺と、母乳を乳首まで運ぶ乳管、そして脂肪組織、血管、神経などで構成されています。乳腺は、ブドウの房のような形をしており、妊娠するとホルモンの影響でさらに発達し、母乳を作り出す準備が整います。乳首は乳房の先端に位置し、赤ちゃんが母乳を吸いやすいように少し突出しています。乳輪と呼ばれる色の濃い部分が乳首の周りを囲んでおり、ここには皮脂腺や汗腺が多く分布し、母乳を与える際に乳首を保護する役割を担っています。このように、乳房は単なる体の部位ではなく、新しい命を育む上で欠かせない役割を担っています。
泌尿器

腎盂腎炎:腎臓の感染症

- 腎盂腎炎とは 腎盂腎炎は、尿を作り出す重要な臓器である腎臓に、細菌による感染症が起きた状態を指します。 通常、体内に侵入した細菌は、尿道を通って膀胱に到達する前に、尿によって洗い流される仕組みになっています。しかし、様々な要因で細菌が膀胱内に留まり、増殖してしまうことがあります。この状態を膀胱炎と呼びます。 膀胱炎が悪化すると、細菌が尿管を逆流して腎臓に到達し、腎盂腎炎を引き起こすことがあります。腎盂は、腎臓で作られた尿を膀胱に送るための腎臓内にある重要な器官です。腎盂腎炎になると、腎盂と腎臓の実質部分である腎実質の両方に炎症が及びます。 腎臓は、血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に排出する役割を担っています。腎盂腎炎によって腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、様々な症状が現れます。 腎盂腎炎は、適切な治療を行わないと重症化する可能性もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
呼吸器

鼻カニューレ:呼吸を楽にする医療器具

- 鼻カニューレとは鼻カニューレは、呼吸に問題を抱えている患者さんに酸素を供給するための医療器具です。細いチューブの先端に、鼻の穴に優しくフィットする柔らかい素材で作られた二股に分かれた部分があり、これを鼻腔に挿入して使用します。鼻カニューレは、その形状から「メガネ型カニューラ」とも呼ばれ、マスクタイプに比べて患者さんの負担が少ないという利点があります。そのため、呼吸困難、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎など、様々な疾患の患者さんに使用されています。鼻カニューレを通して供給される酸素は、血液中の酸素濃度を上昇させます。これにより、呼吸が楽になるだけでなく、臓器の機能維持にも役立ちます。また、息苦しさから解放されることで、患者さんの不安軽減にもつながります。鼻カニューレは、医師の指示のもと、適切な流量で酸素を供給することが重要です。流量が少なすぎると効果が得られず、多すぎると副作用が現れる可能性があります。酸素を使用する際は、火気に近づかないなど、安全にも十分注意する必要があります。
耳鼻科

意外と知らない耳垢栓塞の危険性

-# 耳垢栓塞とは? 耳垢は、外部からの異物や細菌から耳の穴を守るために、耳の中で自然に作られる分泌物です。通常、耳垢は自然に外耳道から排出されますが、過剰に分泌されたり、耳掃除の方法が不適切だったりすると、排出されずに耳の奥に詰まってしまうことがあります。これが耳垢栓塞と呼ばれる状態です。 耳垢栓塞は、耳の穴が詰まったような閉塞感を伴うのが特徴です。また、難聴、耳鳴り、耳の痛み、耳の中のかゆみといった症状が現れることもあります。さらに、耳垢栓塞によって耳の中に炎症が起こると、耳だれや発熱を伴うこともあります。 耳垢栓塞は、自己流の耳掃除によって悪化することがあります。綿棒などで耳掃除を行うと、耳垢を奥に押し込んでしまい、耳垢栓塞をさらに悪化させる可能性があります。耳の中に違和感を感じたら、自己判断で耳掃除をするのではなく、耳鼻咽喉科を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。
小児科

ダウン症:理解を深める

ダウン症は、21番目の染色体が通常より1本多く存在することで起こる先天的な症候群です。この染色体の異常は「トリソミー21」と呼ばれています。 染色体とは、私たちの体の設計図のようなもので、通常は2本ずつ対になって存在します。この設計図には、私たちの体の特徴や機能に関する情報が細かく書かれています。しかし、ダウン症の人は21番目の染色体が3本あるため、設計図の一部に重複が生じます。その結果、身体的特徴や発達に影響が現れます。 ダウン症の人の特徴としては、顔つきが特徴的であること、筋肉の緊張がゆるいこと、知的発達の遅れなどが挙げられます。しかし、これらの特徴は個人差が大きく、一概に全ての人に当てはまるわけではありません。 ダウン症は、出生前に羊水検査や母体血清マーカー検査などである程度予測することができます。出生後も、早期に適切な療育を受けることで、その子の持っている力を最大限に伸ばすことが可能です。
循環器

命の鼓動:心臓の役割と重要性

人間の心臓は、その人の握りこぶしほどの大きさで、胸の中央よりやや左寄りに位置しています。心臓は、まるでポンプのように休むことなく働き続け、全身に血液を送るという重要な役割を担っています。 心臓は、四つの部屋に分かれています。上の二つの部屋は「心房」と呼ばれ、右側が「右心房」、左側が「左心房」です。下の二つの部屋は「心室」と呼ばれ、右側が「右心室」、左側が「左心室」です。 右心房には、全身を巡って戻ってきた血液が集まります。この血液は、酸素が少ないため、暗赤色をしています。右心房から右心室へ血液が送られ、さらに肺に送られます。肺で血液は酸素を取り込み、鮮やかな赤色になります。そして、肺から左心房に送られます。左心房から左心室に送られた血液は、全身に送り出されます。 それぞれの部屋の間には、血液が逆流するのを防ぐための弁があります。心臓が規則正しく収縮と拡張を繰り返すことで、この弁が開閉し、血液は一定方向に流れるようになっています。
泌尿器

生命を支える透析:その役割と重要性

- 透析とは何か腎臓は、私たちの体にとって重要な臓器の一つです。血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として体外に排出する働きをしています。しかし、様々な原因で腎臓の働きが悪くなると、体の中に老廃物や余分な水分が溜まってしまい、健康に悪影響を及ぼします。これが腎不全という状態です。腎不全になると、本来腎臓が担っていた働きを人工的に補う必要が出てきます。その方法の一つが、「透析」と呼ばれる治療法です。透析治療では、専用の機械を使って血液を体外に取り出し、人工的に老廃物や余分な水分、塩分などを除去します。その後、きれいになった血液を体内に戻します。透析には、「血液透析」と「腹膜透析」の二つの方法があります。血液透析は、週に数回、病院やクリニックに通って治療を受ける方法です。一方、腹膜透析は、自宅で毎日行う透析方法です。それぞれの患者さんの生活スタイルや体の状態に合わせて、医師が適切な透析方法を検討します。透析治療を受けることで、腎臓の働きを完全に補うことはできません。しかし、健康状態を維持し、日常生活を送ることができるようになります。透析治療は、患者さんにとって生活の一部となりますが、医師や看護師、栄養士などの医療スタッフが、患者さんをサポートしていきます。
耳鼻科

身近な耳の病気:外耳炎とは?

- 外耳炎とはどんな病気?外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの外耳道と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。 この病気になると、耳の中がかゆくなったり、痛みを感じたり、耳だれが出たりといった症状が現れます。 多くの場合、細菌やカビなどの微生物が外耳道に侵入することで炎症が引き起こされます。外耳炎は、プールで泳いだ後などに発症することが多いため、水泳耳と呼ばれることもあります。また、耳掃除などで外耳道を傷つけてしまうことで、細菌感染しやすくなり、外耳炎を引き起こす場合もあります。外耳炎の症状は、炎症の程度や原因によって異なります。 軽度の場合は、かゆみのみの場合もありますが、重症化すると、激しい痛みや耳の聞こえづらさ、発熱などを伴うこともあります。外耳炎は、適切な治療を行えば、多くの場合、比較的短期間で治癒します。 自己判断で治療を行うのではなく、耳鼻咽喉科を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。 医師は、耳の中を診察し、炎症の原因や程度に応じて、適切な治療法を選択します。 一般的には、抗生物質を含む点耳薬や飲み薬が処方されます。 また、炎症を抑えるために、ステロイド剤を含む点耳薬が処方されることもあります。外耳炎を予防するためには、耳掃除の際に、耳の奥まで触らないようにすることが大切です。 また、プールから上がった後は、耳の中の水気をしっかりと拭き取るようにしましょう。
看護技術

ガーグルベースン: ベッドサイドの必需品

- ガーグルベースンとはガーグルベースンは、寝たままの状態でも楽にうがいができるように設計された、湾曲した形状をした洗面器のような道具です。ベッドの上や横に置いても安定するため、患者さんの負担を軽減することができます。主に、医療機関や介護施設で、口内を清潔に保つ必要がある方や、嘔吐しやすい方のために使用されます。口をすすいだ水や嘔吐物を安全に受け止めることができるため、周囲を汚さずに済み、衛生的です。また、患者さん自身も、周りを気にすることなく落ち着いてうがいをすることができます。近年では、在宅介護の現場でもガーグルベースンの利用が広がっています。自宅で介護を行う際にも、患者さんの負担を軽減し、衛生的な環境を保つために役立つアイテムとして注目されています。ガーグルベースンは、素材や大きさ、形状もさまざまです。患者さんの状況や用途に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。
救急

緊急室開胸手術:最後の砦

一刻を争う状況下での選択、それはまさに緊急事態における究極の決断と言えるでしょう。緊急室開胸手術とは、文字通り、救急医療の最前線である緊急室などで実施される開胸手術のことを指します。通常、外科手術は清潔な環境と万全の体制が整った手術室という場所で、時間をかけて慎重に行われます。しかし、緊急室開胸手術は、心臓が止まってしまいそうな状態や、大量出血により一刻の猶予もない、まさに命の瀬戸際にいる患者さんのために、一秒でも早く救命処置を行うために選択される、非常にリスクの高い手術なのです。 緊急室という、専門的な手術室とは異なる環境下で、限られた人員と設備で手術を行うことは、医師や医療スタッフにとって極めて困難な挑戦です。それでもなお、緊急室開胸手術が選択されるのは、その決断が患者さんの生死を分ける可能性があるからです。医師は、緊急室での迅速な診断と、手術の必要性、そして手術に伴うリスクと、手術を行わない場合のリスクを比較検討し、患者さんの命を救うために最善の選択を行います。 緊急室開胸手術は、まさに命の現場における究極の選択と言えます。それは、医師や医療スタッフの高度な技術と冷静な判断、そして何よりも患者さんの命を救いたいという強い意志によって支えられています。
産婦人科

更年期障害:知っておきたい体の変化と心のケア

更年期とは、一般的に45歳から55歳頃の、閉経の前後10年間を指します。閉経とは、女性の体が妊娠できる状態からそうでなくなる状態へと移行する過程を意味し、卵巣の機能が衰えて女性ホルモンの分泌が急激に減少することが特徴です。 この時期には、ホルモンバランスが乱れることで、体と心に様々な変化が現れます。代表的な症状としては、ほてりやのぼせ、発汗、不眠、イライラなどの症状が挙げられます。その他にも、肩こり、頭痛、疲労感、めまい、動悸など、多岐にわたる症状が現れる可能性があります。 更年期症状は個人差が大きく、症状が現れない人もいれば、日常生活に支障が出るほど辛い症状に悩まされる人もいます。また、症状の種類や程度、期間も人それぞれです。更年期は病気ではありませんが、体の大きな変化であることは間違いありません。この時期を健やかに過ごすためには、自分の体と心の変化に気を配り、セルフケアを心がけたり、必要に応じて医療機関を受診するなど、適切な対応をすることが重要です。
泌尿器

加齢とともに増加?知っておきたい前立腺肥大症

- 前立腺肥大症とは前立腺肥大症は、中高年の男性によくみられる病気の一つです。年齢を重ねるにつれて、男性の体では尿を体外に排出する際に重要な役割を担う前立腺と呼ばれる臓器が徐々に大きくなっていくことがあります。この現象を前立腺肥大症と呼びます。前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。このため、前立腺が肥大すると、ちょうどみかんの皮を圧迫するように、尿道が圧迫されてしまいます。その結果、尿の通り道が狭くなり、様々な排尿トラブルを引き起こす可能性があります。具体的には、尿の勢いが弱くなる、排尿後も尿が残っている感じがする、夜間に何度もトイレに行きたくなるなどの症状が現れます。これらの症状は日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると膀胱結石や腎機能障害などの合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。前立腺肥大症は、加齢以外にも、遺伝や食生活、生活習慣などが関係していると考えられています。日頃からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、生活習慣の改善に努めることが大切です。また、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
耳鼻科

急性副鼻腔炎とは?

- 急性副鼻腔炎の概要急性副鼻腔炎は、顔面の中心部、鼻の奥にある空洞である副鼻腔に炎症が生じる病気です。健康な状態では、副鼻腔は空気で満たされていますが、細菌やウイルスなどの病原体が侵入すると、炎症を起こして粘液が過剰に分泌されるようになります。急性副鼻腔炎の最も一般的な原因は、ウイルス感染症です。風邪をひいた後に、鼻の粘膜に炎症が波及し、副鼻腔にまで広がることがよくあります。その他にも、アレルギー性鼻炎や、鼻の構造的な問題、免疫力の低下なども、急性副鼻腔炎のリスクを高める要因となります。急性副鼻腔炎の症状は、鼻詰まり、鼻水、顔面の痛みや圧迫感などが挙げられます。鼻水は、初期は透明ですが、炎症が進むにつれて黄色や緑色になることがあります。また、嗅覚の低下や、頭痛、発熱、歯痛、咳などの症状が現れることもあります。多くの場合、急性副鼻腔炎は自然に治癒するため、安静にして十分な水分を摂ることが重要です。市販の鎮痛剤を使用して痛みを和らげたり、鼻洗浄で鼻の通りをよくしたりするのも有効です。症状が重い場合や長引く場合には、医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。医師の指示に従って、抗生物質や鼻腔噴霧剤などの薬物療法を受けることで、症状を改善し、合併症のリスクを減らすことができます。
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