総合健康ガイド

循環器

心房性期外収縮とは?

私たちの心臓は、まるで体の中に組み込まれた時計のように、一定のリズムを刻んで血液を全身に送り届けています。この規則正しいリズムは、心臓の一部である洞結節という場所から発生する電気信号によって作り出されています。しかし、この精巧なシステムも、様々な要因によって乱れてしまうことがあります。このような心臓のリズム異常は、不整脈と呼ばれ、その中には期外収縮も含まれます。 期外収縮は、本来心臓が収縮するタイミングとは異なる時に、心臓が prematurely beatしてしまう現象を指します。多くの人は、期外収縮が起こっても、胸がドキドキする、脈が飛ぶといった軽度の自覚症状を感じる程度で、深刻な問題を引き起こすことは稀です。しかし、期外収縮が頻繁に起こる場合や、他の心臓病を患っている場合には、注意が必要です。期外収縮の原因を探り、適切な治療を行うことが重要になります。
その他

人と人をつなぐコミュニケーション

私たちは日々、様々な人と関わり合いながら生活しています。職場での同僚とのやり取り、家族との団欒、友人との会話など、人と人との間には常に「コミュニケーション」が存在しています。では、コミュニケーションとは一体何なのでしょうか? コミュニケーションとは、単に情報を伝えることだけではありません。自分の気持ちや考えを相手に伝え、相手の気持ちや考えを受け取ること、それがコミュニケーションの本 essence です。私たちは、言葉という手段だけでなく、表情、しぐさ、声のトーンなど、様々な要素を使って自分の気持ちを表現します。時には、沈黙さえも重要なメッセージを伝えます。同時に、相手が発する言葉以外のサインにも注意深く耳を傾け、その真意を理解しようと努めます。 このように、コミュニケーションは一方的な情報伝達ではなく、相互理解を深めるための双方向的なプロセスと言えます。円滑なコミュニケーションは、良好な人間関係を築き、互いに協力し合える環境を生み出します。そして、それは社会全体をより良いものへと導く、大きな力となるのです。
心の問題

愛着障害:幼少期の愛情不足がもたらす影

- 愛着障害とは幼少期、特に乳幼児期は、周囲の人との信頼関係を育み、心の安定を築くための重要な時期です。この期間に、主な養育者である保護者との間で、愛情に満ちた安定した関係を築くことが、その後の健やかな成長に大きく影響します。しかし、様々な事情により、保護者と子が安定した愛着関係を築けない場合があります。虐待やネグレクトといった過酷な養育環境だけでなく、保護者の病気や長期的な不在、あるいは十分に子どもの気持ちに応えられないといった場合でも、子どもは保護者との間に安心できる関係を築くことができず、愛着障害を引き起こす可能性があります。愛着障害は、特定の病気の名前ではなく、愛着形成における問題が、その後の対人関係や心の安定に影響を及ぼす状態を指します。具体的な症状としては、他人と親密な関係を築きにくくなる、感情のコントロールが難しくなる、不安や恐怖を感じやすくなる、などがあります。また、場合によっては、反社会的な行動や自傷行為といった問題行動に繋がることもあります。愛着障害は、早期に発見し、適切な対応をとることで改善が見込めると言われています。周囲の大人が、子どもの様子に注意を払い、愛情深く接することで、子どもが安心できる環境を作り出すことが重要です。
小児科

子どもの血管に起こる炎症:川崎病について

川崎病は、1967年に日本で初めて報告された、全身の血管に炎症が起こる病気です。年間約1万5千人もの子供が発症しており、乳幼児、特に1歳前後の赤ちゃんに多くみられます。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、細菌やウイルス感染などの後、免疫の異常が関わって発症すると考えられています。 川崎病は、全身の血管に炎症が起こるため、様々な症状が現れます。主な症状としては、高熱が5日以上続くこと、目の充血、唇や口の中の変化、発疹、首のリンパ節の腫れなどがあります。これらの症状は、全ての子に当てはまるわけではなく、症状の出方も様々です。 川崎病は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。早期に治療すれば、ほとんどの場合、後遺症を残さずに治癒します。しかし、治療が遅れると、心臓の冠動脈に瘤(こぶ)ができるなど、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、お子さんに川崎病が疑われる症状がみられる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
循環器

心房頻拍:原因、症状、診断、治療法

- 心房頻拍とは心臓は全身に血液を送るための重要な臓器であり、規則正しいリズムを刻んで拍動しています。このリズムは、心臓の上部にある心房という部屋にある洞結節という特別な場所で発生する電気信号によってコントロールされています。心房頻拍は、この洞結節以外の心房内の異常な場所から電気信号が発生し、心臓が異常に速く拍動してしまう病気です。 通常の脈拍は1分間に60~100回程度ですが、心房頻拍になると1分間に100~250回もの速さで心臓が拍動してしまいます。心房頻拍は、動悸や息切れ、めまいなどを引き起こす可能性があります。 また、放置すると心不全などの重篤な病気を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。 適切な治療法を選択するために、循環器内科の医師による診察と検査が必要です。
心の問題

ストレスコーピング:上手なストレス対処法

- ストレスコーピングとは 現代社会を生きる私たちは、日々様々なストレスにさらされています。仕事での責任やプレッシャー、複雑な人間関係、将来に対する不安など、ストレスの原因は尽きません。これらのストレスにうまく対処できなければ、心身に悪影響を及ぼし、健康的な生活を送ることが困難になってしまう可能性もあります。 このようなストレスに上手に対処し、心の健康を維持するために有効なのが「ストレスコーピング」です。ストレスコーピングとは、日常生活で経験する様々なストレスに効果的に対処するための行動や思考の戦略のことを指します。 ストレスコーピングには、大きく分けて二つの種類があります。一つは、ストレスの原因そのものを取り除いたり、変えたりする「問題焦点型コーピング」です。例えば、仕事で抱えている課題を解決するために同僚に相談したり、資格取得の勉強をしてスキルアップを目指したりすることが挙げられます。もう一つは、ストレスに対する考え方や受け止め方を変えることで、ストレスを軽減する「情動焦点型コーピング」です。例えば、趣味に没頭することでストレスを一時的に忘れたり、信頼できる人に話を聞いてもらって気持ちを楽にしたりすることが挙げられます。 ストレスコーピングの方法は、その時の状況や個人の性格によって最適なものが異なるため、自分に合った方法を見つけ出すことが大切です。ストレスを溜め込みすぎず、様々なストレスコーピングを試しながら、心身の健康を保つように心がけましょう。
小児科

GCU:小さな命を育む成長の場

- GCUとは GCUは、Growing Care Unitの頭文字をとった略語で、日本語では「継続保育室」「回復治療室」「発育支援室」など、様々な呼ばれ方をします。 GCUは、NICU(新生児集中治療室)で集中的な治療を受け、状態が安定し、生命の危機を脱したものの、まだ専門的なケアや観察が必要な赤ちゃんが、安心して成長できるようサポートする場です。 具体的には、呼吸や循環器系の機能が未熟であったり、体重増加が順調でない、母乳やミルクの飲み込みがうまくできない、発達に遅れがみられるなど、様々な理由でGCUに入室となります。 GCUでは、常時モニター監視は必要ないものの、赤ちゃんの状態に合わせて、呼吸や心拍数のチェック、体温調節、授乳のサポート、発達を促すケアなどが行われます。 また、GCUでは、赤ちゃんが安心して過ごせる環境づくりにも力を入れており、保育器ではなく、できるだけコットで過ごせるようにしたり、照明を調整したり、抱っこやおむつ交換の際に優しく声をかけたりするなど、きめ細やかなケアが提供されます。 GCUは、赤ちゃんが自宅に帰るための準備段階として、重要な役割を担っています。
心の問題

子どもの心の発達:愛着の重要性

- 愛着とは人は誰しも、特定の人に対して特別な感情を抱き、その人と共にいたい、近くにいたいと感じる経験をすることがあります。この心の結びつきのことを、心理学では「愛着」と呼びます。特に、生まれたばかりの赤ちゃんが、自分を世話してくれる保護者に対して抱く特別な感情が愛着の始まりです。赤ちゃんは、まだ言葉を発することができません。しかし、泣いたり、笑ったり、抱っこをせがんだりすることで、保護者に自分の気持ちを伝えようとします。保護者は、そんな赤ちゃんのサインに気づき、優しく抱きしめたり、語りかけたりすることで、赤ちゃんの要求に応えようとします。このような相互のやり取りを通して、赤ちゃんは保護者との間に深い信頼関係を築いていくのです。そして、この保護者との特別な関係が、赤ちゃんの「愛着」となっていきます。愛着は、単なる感情的な結びつきではありません。愛着は、乳幼児期における心の成長にとって、非常に重要な役割を担っています。保護者との安定した愛着関係の中で育った子どもは、安心感や信頼感を抱き、情緒が安定していきます。その結果、周囲の環境にも積極的に関わり、様々なことを吸収し、健やかに成長していくことができるのです。反対に、幼少期に十分な愛着を形成できなかった場合は、情緒が不安定になりやすく、対人関係に問題が生じやすくなる可能性も指摘されています。愛着は、その後の人格形成や対人関係、社会性の発達に大きな影響を与えると言えるでしょう。
循環器

高血圧のリスクと予防:健康な毎日を送るために

- 高血圧とは?私たちが健康な生活を送るためには、体内をくまなく巡る血液が欠かせません。血液は、心臓のポンプ作用によって全身に送り出され、酸素や栄養を体の隅々まで届けると同時に、老廃物を回収する役割を担っています。この血液が血管の中を流れる際の圧力を血圧と呼びます。高血圧とは、この血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態を指します。私たちの心臓は、常に血液を全身に送り出すために休むことなく働き続けています。高血圧の状態が続くと、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならず、やがて心臓に大きな負担がかかることになります。高血圧は、初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため、健康診断などで指摘されるまで、自分が高血圧であることに気づかないケースも少なくありません。しかし、高血圧を放置すると、動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気を引き起こすリスクが高まります。こうした背景から、高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、注意が必要です。
検査

健康のバロメーター!尿比重を解説

- 尿比重とは尿比重は、採取した尿の重さを同じ量の水の重さと比較して、尿の中にどれくらい物質が溶けているかを表す数値です。尿は、健康状態や体の水分バランスによって成分が変化するため、尿比重も変動します。健康な人の尿は、薄い黄色で、ほぼ水に近いですが、様々な物質が溶け込んでいるため、水よりもわずかに重くなります。そのため、尿比重は1.000より少しだけ高くなります。 尿比重が高くなるということは、尿の中に溶けている物質の量が多い、つまり尿が濃い状態であることを示します。これは、脱水症状や、腎臓の機能が低下しているなどの原因が考えられます。一方、尿比重が低い場合は、尿が薄い状態であり、水をたくさん飲んだ後や、尿崩症などの病気が疑われます。尿比重は、尿検査の基本的な項目の一つであり、健康状態を把握するための重要な指標となります。尿比重の結果は、他の検査項目と合わせて総合的に判断する必要があります。医師は、尿比重の値だけでなく、患者の症状や他の検査結果も踏まえて、診断を行います。
小児科

早産児を守る保育器:クベース

クベースとは、妊娠期間が満期に満たずに生まれてきた赤ちゃん、いわゆる早産児や未熟児の命を守るための医療機器で、保育器の一種です。赤ちゃんは母親のお腹の中で約10ヶ月もの間、大切に育てられます。その間、お母さんから栄養や酸素をもらいながら、成長に必要な様々な機能を身につけていきます。しかし、何らかの理由で予定よりも早く生まれてきた赤ちゃんは、体温を一定に保つ、呼吸をする、細菌やウイルスから体を守るといった、生きていくために必要な機能が未熟な状態です。そのため、外の世界でそのまま生活することは非常に困難です。 クベースは、そのような小さく生まれた赤ちゃんのために、まるで母親のお腹の中のように、温かく、そして安全な環境を提供します。具体的には、クベースの内部は、赤ちゃんの成長に最適な温度と湿度に保たれています。さらに、外部の空気はフィルターを通して清潔な状態に保たれ、赤ちゃんを細菌やウイルスから守ります。また、必要に応じて酸素濃度を調整することも可能です。クベースは、これらの機能によって、赤ちゃんが安心して成長し、外界で生きていけるようになるまで、しっかりとサポートしてくれるのです。
泌尿器

バルーンカテーテル:膀胱への安全なアクセス

- バルーンカテーテルとはバルーンカテーテルとは、体内の管状の器官や血管などに挿入して使用する、先端に風船状の部分が付いた医療用の細い管のことです。この風船部分は「バルーン」と呼ばれ、カテーテルを目的の場所に固定したり、管を広げたりするために使用されます。バルーンカテーテルは、心臓、血管、尿道、胆管など、体の様々な部位で使用されます。例えば、心臓カテーテル検査では、心臓の冠動脈にバルーンカテーテルを挿入し、バルーンを膨らませて狭くなった血管を広げます。泌尿器科領域では、バルーンカテーテルは主に尿道から膀胱に挿入し、尿を体外に排出する目的で使用されます。この場合、カテーテルは「尿道カテーテル」と呼ばれ、膀胱内に挿入された後、バルーンに水または生理食塩水を注入して膨らませることで、カテーテルが抜け落ちないように固定します。バルーンカテーテルは、医療現場において様々な疾患の診断や治療に欠かせない医療機器の一つとなっています。
心の問題

摂食障害:心と体の複雑な関係

- 摂食障害とは摂食障害は、毎日の食事という行為に異常が生じる精神疾患です。 多くの人がダイエットや健康的な食生活に関心を持ちますが、摂食障害は、単に「痩せたい」という願望や、一時的な食べ過ぎとは大きく異なります。この病気の特徴は、自分の意志で食行動をコントロールすることが難しくなる点にあります。 食べても食べても満たされない、逆に、食べることが怖くて仕方がないなど、摂食に関連した苦痛や不安が強くなり、日常生活に支障をきたすようになります。 その結果、体重の増減だけでなく、身体的な健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。 例えば、栄養不足による貧血や低体温、ホルモンバランスの乱れなどが起こりやすくなります。 また、精神面でも、うつ病や不安障害などを併発するケースも見られます。摂食障害は決して特別なものではなく、年齢や性別を問わず、誰にでも発症する可能性があります。 もし、自分自身や周りの人が摂食障害かもしれないと感じたら、早めに専門医に相談することが大切です。
循環器

動悸:感じる鼓動のサイン

- 動悸とは動悸とは、普段は意識することのない心臓の鼓動を、自分自身で強く感じる状態を指します。この時、心臓の鼓動は、実際よりも速く、強く、あるいは不規則に感じられ、それが不快感や不安、恐怖感につながることがあります。健康な人であっても、激しい運動の後や、緊張する場面に遭遇した時、興奮状態にある時などには、動悸を感じることは珍しくありません。このような場合は、一時的なものであり、特に心配する必要はありません。しかし、安静にしている時や、明確な原因がないにも関わらず、頻繁に動悸が起こる場合は注意が必要です。その背景には、心臓の病気や甲状腺の病気、貧血、不整脈、更年期障害、ストレス、睡眠不足、過労、カフェインの過剰摂取など、様々な原因が考えられます。動悸を感じた際は、いつ、どのような状況で起こったのか、どのような症状を伴っていたのかなどを詳しく記録しておきましょう。医療機関を受診する際には、これらの情報が診断の助けとなります。自己判断せずに、医師に相談し適切な検査を受けるようにしてください。

フロセミド:強力な利尿作用を持つ薬

- フロセミドとはフロセミドは、体内の余分な水分や塩分を尿として排出を促すことで、むくみを解消する薬です。 この薬はループ利尿薬と呼ばれる種類の薬に分類され、腎臓の働きに直接作用することで効果を発揮します。 腎臓は、血液をろ過して体内の水分や塩分のバランスを調整する重要な臓器です。 フロセミドは、腎臓のHenle係蹄の上行脚に存在するNa-K-2Cl共輸送体という部分を阻害することで、ナトリウムの再吸収を抑え、結果として水分も一緒に尿として排出されます。 フロセミドは、心臓病、腎臓病、肝臓病など、様々な病気によって引き起こされるむくみの治療に用いられます。 また、高血圧の治療にも効果があります。 即効性があり、服用後数時間以内に利尿作用が現れるのが特徴です。 効果は服用量や個人差によって異なり、通常は1日1~2回の服用で効果が持続します。 むくみは様々な原因で起こる症状の一つに過ぎず、 フロセミドはあくまで対症療法薬であることを理解しておく必要があります。 むくみの根本的な原因を突き止め、適切な治療を行うことが重要です。
小児科

子どもの成長を促す玩具

- 玩具とは子どもが遊びに使う道具を、私たちは「玩具」と呼びます。その種類は実に様々で、ボールのように単純な形のものから、積み木のように組み合わせを楽しむもの、人形のようにごっこ遊びに使われるものまで、多岐に渡ります。子どもにとって玩具は、単なる遊び道具ではありません。玩具と触れ合い、遊びに熱中する中で、子どもたちは自然と想像力を働かせます。ボール一つとっても、単に投げたり蹴ったりするだけでなく、空想の世界では魔法の玉になったり、動物の友達になったりします。積み木は、高く積み上げてお城になったり、並べて線路になったり、子どもの自由な発想によって無限の可能性を秘めた存在に変わります。また、玩具は創造性を育む上でも重要な役割を担います。人形を使って物語を作ったり、積み木で自分だけの街を作ったりする過程で、子どもたちは創意工夫を重ね、自分の世界を形作っていく喜びを体験します。このように、玩具は子どもの成長に欠かせないものです。子どもたちが玩具を通して豊かな感性を育み、想像力と創造性を開花させていく様子を見守ることは、私たち大人にとっても大きな喜びと言えるでしょう。
心の問題

心理的デブリーフィング:トラウマケアの落とし穴?

人生には、交通事故、自然災害、犯罪被害といった、予期せぬ出来事が起こることがあります。このような出来事は、私たちの心に大きな衝撃を与え、深い傷を残してしまうことがあります。こうした経験は「トラウマ体験」と呼ばれ、心の傷跡はその後の人生にも影響を及ぼす可能性があります。 トラウマ体験後、心身の安定を取り戻し、日常生活に再び適応するためには、適切なケアを受けることが非常に重要です。 トラウマ体験による心の傷は、目には見えませんが、まるで骨が折れたときと同じように、適切な処置と時間が必要です。 焦って傷ついた心を無理に癒そうとするのではなく、心の傷を理解し、寄り添い、支えることが重要です。 心理的なサポートは、心の傷を癒すだけでなく、トラウマ体験と向き合い、乗り越える力を与えてくれます。 具体的なサポートとしては、専門家との面談やカウンセリング、同じような経験を持つ人たちとの交流などが考えられます。 トラウマ体験後のケアは、決して恥ずべきものではありません。 一人で抱え込まず、専門機関や相談窓口に連絡し、必要なサポートを受けるようにしましょう。
看護技術

ハイケアユニット:高度な医療を提供する場

- ハイケアユニットとはハイケアユニット(HCU)は、入院患者さんのうち、病状が重く、一般的な病棟での看護や治療では対応が難しい患者さんを受け入れる、専門性の高い病棟です。HCUは、一般病棟と集中治療室(ICU)の中間に位置付けられ、ICUほどは病状が不安定ではないものの、より手厚い看護や治療が必要な患者さんが入院しています。HCUでは、患者さん一人ひとりの病状に合わせた、きめ細やかな医療が提供されます。医師や看護師だけでなく、薬剤師、理学療法士、栄養士など、多職種の医療スタッフが連携し、患者さんの状態回復をサポートします。また、HCUでは、医療機器や設備も充実しており、患者さんの状態を常に監視し、必要があれば迅速な対応ができる体制が整っています。HCUに入院される患者さんは、例えば、手術後や、脳卒中、心筋梗塞など、重篤な病気の急性期を脱した方などです。HCUでの治療や看護を通して、患者さんの病状が安定し、自立した生活を送れるようになることを目指します。そして、状態が改善すれば、一般病棟へ転棟となります。HCUは、患者さんが一日も早く回復し、自宅へ退院できるよう、集中的な治療と看護を提供する役割を担っています。

高血圧治療薬ARB:その作用機序と効果

- ARBとはARBは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の略称です。高血圧の治療薬として広く使われている薬の一種です。 私たちの体内では、血圧を上げる物質が常に作られており、その一つにアンジオテンシンIIというものがあります。ARBは、このアンジオテンシンIIが血管を収縮させるのを阻害することで、血管を拡張させて血圧を下げる効果があります。 ARBは、単独で処方されることもあれば、他の種類の降圧剤と組み合わせて処方されることもあります。高血圧のタイプや重症度、他の病気の有無などによって、医師が最適な薬を選択し、処方します。 ARBは、比較的副作用が少ない薬とされていますが、人によっては、空咳や胃腸の不調、低血圧などの副作用が現れることがあります。服用中に何か異常を感じた場合は、自己判断せずに、すぐに医師や薬剤師に相談することが大切です。
泌尿器

糸球体濾過量:腎臓の健康を知る指標

- 糸球体濾過量とは 腎臓は、血液中にある老廃物や余分な水分を濾過し、尿として体外に排出する役割を担っています。体にとって重要な働きをする腎臓の機能を評価する上で、「糸球体濾過量(GFR)」は重要な指標となります。 糸球体濾過量(GFR)とは、一定の時間内に腎臓の糸球体で濾過される血液の量を指します。単位はmL/min/1.73m²で、体表面積1.73平方メートルあたりの1分間における糸球体濾過量を意味します。 糸球体濾過量が低下すると、腎臓の濾過機能が低下していることを示唆し、体内に老廃物が蓄積されやすくなる状態を示しています。 糸球体濾過量の値は、血液検査や尿検査の結果から推算することができます。糸球体濾過量は、加齢や糖尿病、高血圧などの生活習慣病によって低下することが知られています。 健康な状態を維持するためにも、日頃からバランスの取れた食事や適度な運動を心掛け、腎臓に負担をかけない生活習慣を送りましょう。また、定期的な健康診断を受けることで、早期に腎臓の異常を発見することも重要です。
小児科

子どもの成長を阻害するネグレクト

- ネグレクトとは ネグレクトとは、子どもが必要とする適切な世話や保護を、親や保護者が行わないことを指します。これは、子どもに対する虐待の一形態であり、身体的虐待や性的虐待と同様に深刻な問題です。親は、子どもにとって最も身近で大切な存在であり、衣食住の提供や安全の確保、愛情表現などを通じて、子どもの健やかな成長を支える責任があります。 ネグレクトには、大きく分けて「身体的ネグレクト」「心理的ネグレクト」「教育的ネグレクト」の3つの種類があります。 * -身体的ネグレクト-は、食事を与えない、不衛生な環境で生活させる、病気や怪我をしても病院に連れて行かないなど、子どもの身体的な安全や健康を脅かす行為を指します。 * -心理的ネグレクト-は、子どもに関心を示さない、言葉による暴力や無視を繰り返す、愛情を示さないなど、子どもの心を傷つけ、健全な情緒の発達を阻害する行為を指します。 * -教育的ネグレクト-は、就学させない、学校に行かせない、学習に必要なものを与えないなど、子どもの学習の機会を奪い、将来の可能性を狭める行為を指します。 ネグレクトは、子どもの心身に深刻な影響を与え、その後の成長や発達に大きな影を落とす可能性があります。子どもは、親から愛され、大切にされているという実感を持つことで、自己肯定感や自尊心を育み、他人との信頼関係を築く力を養っていきます。ネグレクトを受けた子どもは、これらの大切な経験を奪われ、自己肯定感の低さや対人関係の困難さ、情緒不安定、発達障害、非行など、様々な問題を抱えるリスクが高まります。また、大人になってからも、うつ病や不安障害、人間関係の問題などに悩まされる可能性があります。ネグレクトは、決して他人事ではありません。子どものSOSのサインを見逃さず、早期に発見し、適切な支援につなげることが重要です。
救急

病院の最前線!初療室の役割と重要性

皆さんは「初療室」と聞いて、どのような場所を想像するでしょうか?テレビドラマなどで目にする機会も多いかもしれません。緊迫した雰囲気の中で、医師や看護師が慌ただしく動き回り、患者さんの命を救おうと全力を尽くしている、そんなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか? 初療室とは、病院に搬送されてきた一刻を争う患者さんを最初に受け入れる、まさに命の入り口ともいえる場所です。 交通事故や心筋梗塞、脳卒中など、予期せぬ出来事によって重篤な状態に陥った患者さんが、救急車で次々と運び込まれてきます。一刻を争う状況の中、医師や看護師は、患者さんの状態を迅速かつ的確に把握し、必要な処置を施さなければなりません。 初療室では、患者さんの意識レベル、呼吸、脈拍、血圧などを確認し、重症度に応じて、気道確保、人工呼吸、心臓マッサージなどの救命処置を優先的に行います。 また、必要があれば、輸血や緊急手術などの処置も行われます。 初療室は、患者さんにとって、まさに生死を分ける重要な場所であると同時に、医師や看護師にとっても、その知識、経験、判断力が試される場でもあります。日々の訓練と研鑽を積み重ね、冷静かつ迅速な対応で、一人でも多くの命を救うために、彼らは今日も初療室で闘っています。
心の問題

心療内科とは:心と身体のつながりを診る医療

心療内科は、身体の不調を抱えて医療機関を訪れる患者さんにとって、その症状の奥に潜む心の問題にも目を向ける、非常に重要な役割を担っています。 たとえば、胃の痛みや頭痛、動悸やめまい、なかなか寝付けないといった不眠など、一見すると体の病気としか思えない症状でも、実は心のストレスが原因で引き起こされているケースは少なくありません。 従来の内科的な診察では、このような症状に対して検査を行っても異常が見つからず、患者さんは不安な気持ちを抱えたまま、適切な治療を受けられないままになってしまう可能性があります。 しかし、心療内科では、患者さんの訴えにじっくりと耳を傾け、身体症状の背景にある心理的な要因を丁寧に探っていきます。 そして、患者さんの抱えている不安やストレス、悩みなどを明らかにした上で、薬物療法や精神療法などを用いて、症状の改善を目指します。 つまり心療内科は、身体と心を総合的に診ることで、患者さんが抱える様々な問題を根本から解決へと導く、医療における重要な役割を担っていると言えるでしょう。
循環器

命を脅かす心筋梗塞とは?

私たちの心臓は、全身に血液を送るポンプの役割をしています。心臓自身も筋肉でできており、他の筋肉と同じように、動くためには酸素と栄養が必要です。心臓が必要とする酸素と栄養は、冠動脈という血管を通して運ばれてきます。 しかし、生活習慣の乱れや加齢などが原因で、血管の内側に脂肪などが溜まってしまう動脈硬化が起こることがあります。動脈硬化が進むと血管の内側は狭くなり、血液の流れが悪くなってしまいます。さらに、血管の内側が傷ついてしまうと、そこに血の塊(血栓)ができてしまうことがあります。 もし冠動脈で血栓ができてしまうと、心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなってしまいます。心臓の筋肉は、血液によって運ばれてくる酸素と栄養が得られないと、正常に働くことができず、最悪の場合は心臓が停止してしまいます。これが心筋梗塞です。 心筋梗塞は命に関わる危険な病気です。普段からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血管を健康な状態に保つことが大切です。
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