アレルギーを引き起こすIgE

アレルギー

アレルギーを引き起こすIgE

病院での用語を教えて

先生、『IgE』ってよく聞くんですけど、なんですか?

体の健康研究家

そうだね。『IgE』は免疫グロブリンっていう、体を守るタンパク質の一種なんだ。アレルギーに関わっているんだよ。

病院での用語を教えて

アレルギーと関係があるんですか?

体の健康研究家

そうなんだ。『IgE』は、花粉やダニなど、アレルギーの原因になるものをキャッチすると、体の中でアレルギー反応を起こすよう指示を出す役割があるんだ。

IgEとは。

体の防御システムで働く「免疫グロブリン」という物質には、大きく分けて五つの種類があります。その中の一つである「IgE」は、主に「マスト細胞」や「好塩基球」といった細胞の表面に見られます。 IgEは、花粉や食べ物などのアレルギーの原因となる物質と結びつくことで、くしゃみやじんましんなどのアレルギー反応を引き起こします。

免疫グロブリンEとは

免疫グロブリンEとは

– 免疫グロブリンEとは免疫グロブリンE(IgE)は、私たちの体を守るために働いている免疫システムにおいて、重要な役割を果たすたんぱく質の一つです。 免疫グロブリンは、体内に入ってきた細菌やウイルスなどの異物から体を守るために作られます。その中でもIgEは、血液中にわずかしか存在しませんが、アレルギー反応において中心的な役割を担っていることで知られています。アレルギー反応とは、本来無害な花粉や食べ物などが体内に入ってきた際に、体が過剰に防御反応を起こしてしまうことを指します。この過剰な反応を引き起こす原因となる物質をアレルゲンと呼びます。体内に入ってきたアレルゲンは、まず免疫細胞によって認識されます。すると、免疫細胞はIgE抗体を産生し、肥満細胞や好塩基球といった特定の細胞の表面に結合します。一度アレルゲンに反応したIgE抗体が、再び同じアレルゲンと出会うと、肥満細胞や好塩基球の表面で結合が起こります。 この結合をきっかけに、肥満細胞や好塩基球はヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出します。これらの化学物質が、くしゃみや鼻水、皮膚の炎症といったアレルギー症状を引き起こす原因となります。このように、IgEはアレルギー反応において重要な役割を果たしており、IgEの量を測定することは、アレルギー疾患の診断や治療方針の決定に役立ちます。

免疫グロブリンE(IgE) 役割
概要 免疫システムの一部であるタンパク質であり、アレルギー反応において中心的な役割を果たす。
アレルゲンとの反応 1. 体内に侵入したアレルゲンを免疫細胞が認識する。
2. 免疫細胞がIgE抗体を産生し、肥満細胞や好塩基球の表面に結合する。
3. 再び同じアレルゲンが入ってくると、IgE抗体がアレルゲンと結合。
4. 肥満細胞や好塩基球からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出される。
5. アレルギー症状(くしゃみ、鼻水、皮膚の炎症など)が発症する。
臨床的意義 IgEの量を測定することは、アレルギー疾患の診断や治療方針の決定に役立つ。

IgEとアレルギーの関係

IgEとアレルギーの関係

私たちの身の回りには、花粉やダニ、ハウスダストなど、アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が数多く存在します。これらのアレルゲンに対して、私たちの体は免疫という防御システムで対抗しています。免疫システムにおいて、IgEと呼ばれるタンパク質は重要な役割を担っており、特にアレルギー反応において中心的な役割を果たしています。

IgEは、体内に侵入してきたアレルゲンを最初に認識した際に、B細胞によって作られます。 一度作られたIgEは、マスト細胞や好塩基球といった、アレルギー反応を引き起こす細胞の表面に結合します。この状態は、まるで体内に仕掛けられた爆弾のようなもので、次に同じアレルゲンが侵入してきた際に、 IgEと結合し、マスト細胞や好塩基球を活性化させます。

活性化されたマスト細胞や好塩基球は、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出します。これらの化学物質は、血管を拡張させたり、粘液分泌を増加させたりすることで、くしゃみ、鼻水、涙、皮膚のかゆみ、炎症といった、私たちがアレルギー症状として認識する様々な反応を引き起こします。

このように、IgEはアレルギー反応の発生に深く関わっており、IgEの量を測定することは、アレルギーの原因を特定し、適切な治療法を選択する上で非常に重要となります。

項目 詳細
アレルゲン 花粉、ダニ、ハウスダストなど、アレルギー反応を引き起こす物質
免疫 アレルゲンから体を守る防御システム
IgE アレルギー反応において中心的な役割を果たすタンパク質
IgEの産生 体内に侵入したアレルゲンを認識したB細胞によって作られる
IgEの働き マスト細胞や好塩基球の表面に結合し、アレルゲンと結合するとこれらの細胞を活性化させる
マスト細胞・好塩基球の活性化 ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出
アレルギー症状 くしゃみ、鼻水、涙、皮膚のかゆみ、炎症など
IgEの測定 アレルギーの原因特定や適切な治療法の選択に重要

IgEの測定

IgEの測定

– IgEの測定アレルギー反応において中心的な役割を担う免疫グロブリンE(IgE)は、血液検査によってその量を調べることができます。 IgEは、人体に侵入してきたアレルゲン(アレルギーの原因物質)を認識し、排除するために働くタンパク質の一種です。通常、血液中のIgE濃度は非常に低いのですが、アレルギー疾患を持つ人の場合は、特定のアレルゲンに対して過剰にIgEが作られる傾向があります。血液検査でIgE値が高い場合は、何らかのアレルギーを持っている可能性が高いことを示唆しています。 ただし、IgE値が高いからといって必ずしもアレルギー症状が出ているとは限りません。アレルギー症状の有無や程度は、アレルゲンの種類や量、個人の体質などによって大きく異なるからです。アレルギーの原因を特定するためには、アレルゲン特異的IgE抗体検査が有効です。これは、特定のアレルゲンに対するIgE抗体を測定する検査です。例えば、スギ花粉症が疑われる場合は、スギ花粉に対するIgE抗体を測定します。この検査によって、どの物質にアレルギー反応を起こしやすいのかを調べることができます。IgEの測定は、アレルギー疾患の診断や治療方針の決定に非常に役立ちます。アレルギーが疑われる場合は、医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。

項目 説明
IgEの役割 アレルゲンを認識し、排除するタンパク質
IgEとアレルギー疾患 アレルギー疾患を持つ人は、特定のアレルゲンに対して過剰にIgEが作られる
IgE検査 血液検査でIgE値を測定
IgE検査の結果 – IgE値が高い場合、アレルギーを持っている可能性が高い
– ただし、IgE値が高くてもアレルギー症状が出るとは限らない
アレルゲン特異的IgE抗体検査 特定のアレルゲンに対するIgE抗体を測定する検査

アレルギー治療におけるIgE

アレルギー治療におけるIgE

私たちの体には、外部から侵入してきた異物を攻撃する免疫というシステムが備わっています。アレルギーとは、この免疫システムが特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応してしまうことで引き起こされる症状です。アレルギー反応には、IgEと呼ばれるタンパク質が深く関わっています。

アレルギー治療法の一つに、アレルゲン免疫療法があります。これは、ごく少量のアレルゲンを定期的に注射したり、舌の下に投与したりすることで、体を徐々にアレルゲンに慣れさせていく治療法です。アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因となる物質に対する体の反応を根本から変えていくことを目指しています。

この治療法の効果発揮には、IgEが重要な役割を担っています。アレルゲン免疫療法を行うと、IgEがアレルゲンに結合することを阻害する抗体が作られたり、IgEそのものの産生量が減少したりすることが分かっています。その結果、くしゃみや鼻水、皮膚の炎症など、アレルギーによって引き起こされる様々な症状を和らげたり、完全に抑えたりすることが期待できます。

項目 説明
アレルギー 免疫システムが特定の物質(アレルゲン)に過剰反応することによって引き起こされる症状
アレルギー反応に関与するタンパク質 IgE
アレルゲン免疫療法
  • ごく少量のアレルゲンを定期的に注射または舌下投与
  • 体を徐々にアレルゲンに慣れさせる
  • アレルギーの原因となる物質に対する体の反応を根本から変えていく
アレルゲン免疫療法の効果発揮におけるIgEの役割
  • IgEがアレルゲンに結合することを阻害する抗体の産生
  • IgEそのものの産生量の減少
アレルゲン免疫療法の効果 くしゃみ、鼻水、皮膚の炎症など、アレルギー症状の緩和または抑制

まとめ

まとめ

– まとめ

私たちの体には、外部から侵入してきた異物(抗原)から体を守るための免疫システムが備わっています。免疫グロブリンE(IgE)は、この免疫システムにおいて重要な役割を担う抗体の一種です。IgEは、主にアレルギー反応に関与しています。

通常、免疫システムは、細菌やウイルスなどの有害な異物に対してのみ反応し、無害な物質には反応しません。しかし、アレルギー体質を持つ人の場合、特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応し、IgE抗体を大量に産生します。代表的なアレルゲンには、花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、食物などが挙げられます。

産生されたIgE抗体は、肥満細胞や好塩基球といった免疫細胞の表面に結合します。そして、再び同じアレルゲンが体内に入ると、アレルゲンは細胞表面に結合したIgE抗体と結合し、肥満細胞や好塩基球を活性化させます。すると、これらの細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出され、くしゃみ、鼻水、涙、かゆみ、湿疹、咳、呼吸困難などのアレルギー症状を引き起こします。

このように、IgEはアレルギー反応において中心的な役割を果たすため、その働きを理解することは、アレルギーの予防や治療法の開発に役立つ可能性があります。アレルギー症状が気になる場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。

免疫グロブリンE(IgE) 役割 プロセス
抗体の一種 アレルギー反応への関与 アレルギー体質を持つ人の場合、特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応し、IgE抗体を大量に産生する。
肥満細胞や好塩基球といった免疫細胞の表面に結合 アレルゲンと結合し、肥満細胞や好塩基球を活性化させる 活性化された細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出され、アレルギー症状を引き起こす。

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