診察の基本、指で診る「ジギタール」

診察の基本、指で診る「ジギタール」

指で感じる体の異常

病院では、医師は患者さんの体の状態を知るために、さまざまな方法を用います。聴診器で音を聴いたり、お腹を軽く叩いて反応を見たりと、五感をフル活用していると言っても良いでしょう。その中でも、直接指で触れて異常がないかを調べる診察方法を「ジギタール」と言います。これは英語の “digital examination” を省略した言葉で、日本語では指診という意味です。聴診や打診といった他の診察方法と異なり、ジギタールは医師の指先の感覚だけが頼りです。しかし、長年の経験と鍛錬を重ねた医師の指は、ごくわずかな体の変化も見逃しません。ジギタールを行うことで、腫瘍があるかどうかはもちろん、その腫瘍の硬さや炎症の広がりなどを直接感じ取ることができるのです。例えば、お腹を押さえてみて硬い部分があれば、腫瘍が疑われますし、押した時に痛みがあれば炎症を起こしている可能性があります。また、皮膚の温度や湿り気なども、指先で感じ取ることで重要な情報を得ることができます。このように、ジギタールは医師の経験と感覚によって、患者さんの体の状態を詳しく知ることができる、重要な診察方法と言えるでしょう。

ジギタールと直腸診

「ジギタール」と聞いて、一体どんな検査を想像するでしょうか？ 多くの方が、「ジギタール」と聞くと、肛門に指を挿入して直腸の状態を調べる「直腸診」を思い浮かべるのではないでしょうか？ 実は、その認識は全くの間違いではありません。直腸診もジギタール検査の一種であり、正式には「直腸指診」と呼ばれています。

直腸指診は、肛門や直腸の病気を診断する上で欠かせない検査方法です。肛門周囲に指を当てることで、腫れや痛み、出血などの有無を直接確認することができます。また、直腸内に指を入れることで、腸壁の硬さや腫瘍の有無、便の状態などを調べることが可能です。さらに、直腸指診は、男性では前立腺の状態を把握するためにも重要な検査となっています。前立腺肥大症や前立腺がんの早期発見に繋がると期待されています。

直腸指診と聞くと、痛みや羞恥心から抵抗を感じる方も少なくないかもしれません。しかし、検査を行う医師は、患者さんの負担を最小限に抑えるよう、最善の注意を払っています。不安な気持ちや疑問があれば、遠慮なく医師に伝えるようにしましょう。

大切なのは早期発見

近年、医療の現場で「ジギタル」という言葉がよく聞かれるようになりました。これは、画像診断技術や検査機器の進歩により、これまで以上に体の状態を詳しく調べることができるようになったことを意味します。 体の不調を早期に発見し、適切な治療を開始するためには、このジギタル技術を活用した検査が大変重要なのです。

しかし、どんなに優れた医療技術も、それを使うのは私たち自身です。体のどこかに違和感や不調を感じたら、恥ずかしがらずに、ためらわずに、医師に相談することが大切です。

「もしかしたらたいしたことないかもしれない」「忙しいから」「病院に行くのは怖い」そう思う気持ちも分かります。しかし、その小さなサインを見逃してしまうことで、病気が進行し、治療が困難になってしまう可能性もあるのです。

健康は、私たちにとって何よりも大切な宝物です。その宝物を守るためには、定期的な健康診断を受け、自分の体の状態を把握しておくことが重要です。そして、日頃から自分の体と向き合い、少しでも変化があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。早期発見、早期治療こそが、健康な毎日を送るための第一歩です。

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