ブルンベルグ徴候:お腹の痛みのサイン
病院での用語を教えて
先生、「ブルンベルグ徴候」ってどんな時に出るんですか?
体の健康研究家
いい質問だね。「ブルンベルグ徴候」は、お腹の中にある『腹膜』という部分が炎症を起こしている時に出る症状なんだよ。
病院での用語を教えて
お腹を押した時におこるんですよね? どうして炎症があると痛くなるんですか?
体の健康研究家
そう、お腹を押した時に強い痛みが出ることが特徴だね。炎症が起きていると、その部分が腫れて神経が過敏になっているんだ。だから、軽く押しただけでも強い痛みを感じるんだよ。
ブルンベルグ徴候とは。
「ブルンベルグ徴候」は、お医者さんが使う体の具合を見る言葉の一つです。おなかが痛む患者さんを診るときに使います。おなかを手でまっすぐに押して、ぱっと手を離したときに、鋭い痛みが出たら、この「ブルンベルグ徴候」が出ていると言います。これは、おなかの中にある腹膜という部分が炎症を起こしているときに現れるサインの一つで、「反跳痛」とも呼ばれます。
ブルンベルグ徴候とは
– ブルンベルグ徴候とはお腹の診察において、医師が特定の方法で圧力をかけることで、隠れた病気を発見することがあります。その一つに、ブルンベルグ徴候と呼ばれるものがあります。これは、腹膜炎の可能性を示唆する重要なサインです。腹膜炎とは、お腹の中にある臓器を包む薄い膜である腹膜に炎症が起こる病気です。様々な原因で起こりますが、いずれも緊急性の高い状態であることが多いです。ブルンベルグ徴候は、次のような手順で確認します。1. 医師は、まず患者さんに仰向けに寝てもらいます。2. 次に、お腹の痛みを感じている場所から少し離れた部分を、ゆっくりと指で押していきます。3. しばらく押した後に、急に手を離します。この時、手を離した瞬間に、押していた場所よりも強い痛みを感じた場合、ブルンベルグ徴候が陽性と判断されます。なぜこのような現象が起こるのでしょうか?健康な状態であれば、お腹をゆっくり押されても、手を離した時に強い痛みは感じません。しかし、腹膜に炎症が起こると、わずかな刺激でも痛みとして感じやすくなります。そのため、押している間は腹膜への刺激が抑えられていますが、手を離した瞬間に刺激が強くなり、鋭い痛みとして感じると考えられます。ブルンベルグ徴候は、あくまで腹膜炎の可能性を示唆するサインの一つであり、この徴候だけで診断が確定するわけではありません。しかし、この徴候が見られる場合は、緊急性の高い病気が隠れている可能性も考えられるため、速やかに医師の診察を受けるようにしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | ブルンベルグ徴候 |
定義 | お腹を押した後に急に手を離した時に、押していた場所よりも強い痛みを感じる現象。 |
目的 | 腹膜炎の可能性を評価する。 |
方法 | 1. 患者を仰臥位にする。 2. 痛む部位から少し離れた場所をゆっくり押す。 3. 急に手を離す。 |
判定 | 手を離した瞬間に強い痛みがあれば陽性。 |
注意点 | ブルンベルグ徴候陽性でも腹膜炎と確定診断するものではない。 |
腹膜炎と反跳痛
– 腹膜炎と反跳痛お腹の痛みは、誰しもが経験するありふれた症状ですが、その中には命に関わる危険な病気が潜んでいることもあります。その一つが腹膜炎です。腹膜とは、お腹の中の臓器を包んでいる薄い膜のことですが、細菌感染や胃潰瘍の穿孔、虫垂炎の破裂などが原因で腹膜に炎症が起こることがあります。これが腹膜炎です。腹膜炎になると、激しい腹痛や吐き気、発熱などの症状が現れます。その中でも特徴的なのが、「反跳痛」と呼ばれる痛み方です。これは、お腹をゆっくりと押さえた後、急に手を離すと、押さえていた時よりも強い痛みを感じる現象です。まるで、押さえつけられていた痛みが、手を離した瞬間に跳ね返ってくるように感じることから、「反跳痛」と呼ばれています。なぜ、このような痛みが生じるのでしょうか? これは、腹膜炎によって腹膜が非常に敏感になっているためです。お腹を押さえることで、炎症を起こした腹膜が刺激されます。そして、手を離した瞬間に、その刺激が解放されるため、強い痛みが生じると考えられています。反跳痛は、腹膜炎を疑う上で非常に重要なサインです。もし、ご自身やご家族が、激しい腹痛とともにお腹を押さえた後、手を離すと強い痛みを感じる場合には、すぐに医療機関を受診してください。早期に適切な治療を受けることが、腹膜炎の重症化を防ぐために重要です。
項目 | 説明 |
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腹膜炎の原因 | 細菌感染、胃潰瘍の穿孔、虫垂炎の破裂など |
腹膜炎の症状 | 激しい腹痛、吐き気、発熱、反跳痛 |
反跳痛とは | お腹をゆっくり押した後、急に手を離すと強い痛みを感じる現象 |
反跳痛が起こる理由 | 腹膜炎によって腹膜が非常に敏感になっているため |
注意点 | 激しい腹痛と反跳痛がある場合はすぐに医療機関を受診 |
他の腹膜刺激症状
腹部を指で押して離した際に感じる痛みが特徴的なブルンベルグ徴候以外にも、腹膜炎の可能性を示唆する身体所見はいくつか存在します。
例えば、お腹を軽く叩く、いわゆる「打診」を行うだけでも、患者は痛みを感じることがあります。これは「叩打痛」と呼ばれる症状です。また、咳やくしゃみをすると、腹腔内圧が上昇し、腹膜に刺激が加わるため、痛みが強くなることがあります。この症状は「咳嗽痛」と呼ばれます。
さらに、歩行や身体を動かすといった動作でも、腹膜への刺激が増強され、痛みが悪化することがあります。これらの症状は、腹膜の炎症が腹部全体に広がっている場合や、炎症の程度が強い場合に現れやすい傾向があります。
腹膜炎は、放置すると命に関わる危険性もあるため、これらの症状に注意し、早期に医療機関を受診することが重要です。
症状 | 説明 |
---|---|
ブルンベルグ徴候 | 腹部を指で押して離した際に感じる痛み |
叩打痛 | お腹を軽く叩くと痛みを感じる |
咳嗽痛 | 咳やくしゃみをすると痛みが強くなる |
動作時の痛みの悪化 | 歩行や身体を動かすといった動作で痛みが悪化する |
ブルンベルグ徴候が現れたら
お腹を押したときに痛みを感じ、その手を離したときにさらに強い痛みを感じる場合、ブルンベルグ徴候の可能性があります。これは、お腹の中の臓器に何らかの異常が起きているサインであり、決して軽視すべきではありません。
ブルンベルグ徴候が現れたら、自己判断はせずに、できるだけ早く医療機関を受診してください。 これは命に関わる深刻な病気が隠れている可能性があるためです。 医療機関では、医師が症状や病状について詳しく聞き取り、身体診察を行います。お腹を触診して痛みの部位や強さを確認するだけでなく、体温や血圧、脈拍などのチェックも行います。
さらに、血液検査や尿検査などを行い、炎症の有無や臓器の状態を調べます。 必要に応じて、お腹の中の状態を詳しく調べるために、腹部エコーやCT検査などの画像検査も行います。
これらの検査結果に基づいて、医師は適切な診断を行い、病気の原因に応じた治療法を選択します。 ブルンベルグ徴候が現れる病気の中には、早期発見、早期治療によって予後が大きく変わるものも多いため、少しでも異変を感じたら、躊躇せずに医療機関に相談しましょう。
症状 | 診断 | 重要性 |
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お腹を押したときに痛みを感じ、手を離したときにさらに強い痛み (ブルンベルグ徴候) | 医師による診察、触診、血液検査、尿検査、腹部エコー、CT検査など | 自己判断は危険。命に関わる深刻な病気が隠れている可能性も。早期発見・早期治療で予後が大きく変わる場合も。 |