口から食べられない時に:非経口栄養法とは?

看護技術

口から食べられない時に:非経口栄養法とは?

病院での用語を教えて

先生、「非経口栄養法」って、どういう意味ですか?

体の健康研究家

良い質問だね。「非経口」は口以外の経路を、「栄養」は体に必要な栄養を補給することを意味するよ。つまり、口から食べ物を食べられない時に、別の方法で栄養をとる方法のことなんだ。

病院での用語を教えて

口から食べられない時って、どんな時ですか?

体の健康研究家

例えば、病気や怪我で口から食べることができない場合や、消化器官に問題があって口から食べたものを消化吸収できない場合などが考えられるよ。

非経口栄養法とは。

「非経口栄養法」は、医学や健康の分野で使われる言葉です。これは、口から食べ物を食べずに栄養をとる方法のことです。言い換えれば、口以外の方法で栄養をとる方法で、栄養補給の方法の一つです。

非経口栄養法とは

非経口栄養法とは

– 非経口栄養法とは非経口栄養法は、口から十分な食事を摂ることが難しい患者さんに対して、静脈に栄養剤を直接投与することで栄養を補給する方法です。 病気や怪我、手術の影響などで、通常の食事が困難な場合に用いられます。この方法では、消化管を介さずに必要な栄養素を直接体内に送り込むことができます。 栄養剤には、ブドウ糖などの糖質、アミノ酸、脂質、電解質、ビタミン、ミネラルなど、生命維持に必要な成分がバランス良く含まれています。非経口栄養法は、患者の状態や栄養状態に合わせて、投与する栄養剤の種類や量、投与経路などが調整されます。 投与経路としては、主に中心静脈栄養法と末梢静脈栄養法の二つがあります。中心静脈栄養法は、太い静脈にカテーテルを留置する方法で、高カロリーの栄養剤を投与することができます。一方、末梢静脈栄養法は、腕などの細い静脈にカテーテルを挿入する方法で、比較的低カロリーの栄養剤を投与する場合に適しています。非経口栄養法は、栄養状態の改善、体重増加、免疫力の向上、創傷治癒の促進など、様々な効果が期待できます。 しかし、一方で、カテーテル感染症や血栓症、肝機能障害などの合併症のリスクも伴うため、医師や看護師による適切な管理と注意深い観察が必要となります。

項目 内容
定義 口から十分な食事を摂ることが難しい患者さんに対して、静脈に栄養剤を直接投与することで栄養を補給する方法
対象 病気、怪我、手術の影響などで、通常の食事が困難な場合
栄養剤の成分 ブドウ糖などの糖質、アミノ酸、脂質、電解質、ビタミン、ミネラルなど
投与方法 患者の状態や栄養状態に合わせて、投与する栄養剤の種類や量、投与経路などが調整される
投与経路
  • 中心静脈栄養法:太い静脈にカテーテルを留置する方法で、高カロリーの栄養剤を投与
  • 末梢静脈栄養法:腕などの細い静脈にカテーテルを挿入する方法で、比較的低カロリーの栄養剤を投与
効果 栄養状態の改善、体重増加、免疫力の向上、創傷治癒の促進など
合併症のリスク カテーテル感染症、血栓症、肝機能障害など。医師や看護師による適切な管理と注意深い観察が必要

どんな時に必要となるのか

どんな時に必要となるのか

口から食事をすることが困難な場合、必要な栄養を補給するために「非経口栄養法」という方法が用いられます。これは、点滴のように血管に栄養剤を直接投与する方法です。
では、具体的にどのような場合に非経口栄養法が必要となるのでしょうか。
代表的な例としては、消化管の手術後が挙げられます。手術後は、消化管の機能が十分に回復するまで、口からの食事摂取が難しい場合があります。また、消化管が正常に機能しない病気の場合も、非経口栄養法が必要となることがあります。例えば、炎症性腸疾患や腸閉塞などが挙げられます。さらに、意識障害などで口から食事をとることができない場合も、非経口栄養法が必要となります。
非経口栄養法が必要となる期間は、その方の状態によって異なり、短期間で済む場合もあれば、長期間にわたって必要な場合もあります。

非経口栄養法が必要となる場合 具体例
消化管の手術後 消化管の機能が回復するまで
消化管が正常に機能しない病気 炎症性腸疾患、腸閉塞など
意識障害 口から食事をとることができない場合

非経口栄養法の種類

非経口栄養法の種類

口から十分な栄養を摂ることが難しい患者さんに対して、血管に栄養剤を直接投与する方法を非経口栄養法といいます。大きく分けて二つの方法があり、それぞれの特徴を理解することが重要です。

一つ目は中心静脈栄養法と呼ばれる方法です。これは、首や鎖骨の下などにある太い静脈にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、そこから高カロリーの栄養剤を投与します。この方法は、長期にわたる栄養管理が必要な場合や、腸管の機能が低下している場合に適しています。高カロリーの栄養剤を安全に投与できる一方、カテーテル挿入部の感染リスクや血栓症などの合併症に注意が必要です。

二つ目は末梢静脈栄養法です。これは、腕などにある細い静脈に栄養剤を投与する方法です。中心静脈栄養法と比較して、カテーテル挿入が容易で、合併症のリスクも低いという利点があります。ただし、末梢静脈は中心静脈に比べて血管が細いため、低カロリーの栄養剤しか投与できず、短期間の栄養管理に適しています

このように、非経口栄養法にはそれぞれ利点と欠点があります。そのため、患者さんの状態や栄養状態、栄養管理の期間などを考慮し、最適な方法を選択する必要があります。

方法 特徴 利点 欠点 適応
中心静脈栄養法 首や鎖骨下の太い静脈から高カロリーの栄養剤を投与 高カロリーの栄養剤を安全に投与できる カテーテル挿入部の感染リスク、血栓症などの合併症 長期にわたる栄養管理が必要な場合、腸管の機能が低下している場合
末梢静脈栄養法 腕などの細い静脈から栄養剤を投与 カテーテル挿入が容易、合併症のリスクが低い 低カロリーの栄養剤しか投与できない 短期間の栄養管理

非経口栄養法のメリット

非経口栄養法のメリット

– 非経口栄養法のメリット

非経口栄養法は、口から食事を摂取することが難しい、あるいは不可能な患者さんにとって、必要な栄養を確実に供給できる大変重要な治療法です。

この治療法の最大のメリットは、消化管を経由せずに、血管に直接栄養素を送り込むことができる点にあります。そのため、様々な理由で口から食事を摂ることができない患者さんでも、十分な栄養を摂取することができます。

例えば、意識障害や摂食嚥下障害などにより、口から食事を摂ることが困難な患者さんの場合、必要な栄養を食事から摂取することができません。このような場合に非経口栄養法を用いることで、栄養不足による体重減少や体力低下、免疫力低下などを防ぎ、病気の回復を早める効果が期待できます。

また、消化管の手術後や炎症性腸疾患など、消化管に負担をかけずに栄養を補給する必要がある患者さんにとっても、非経口栄養法は有効な手段です。消化管を休ませながら栄養を補給することで、消化管の機能回復を促し、合併症のリスクを低減することができます。

このように、非経口栄養法は、様々な状況において患者さんの栄養状態を改善し、健康を支える上で大きな役割を果たしています。

メリット 説明 対象例
消化管を経由せずに栄養を供給できる 血管に直接栄養素を送り込むため、口から食事を摂れない場合でも栄養補給が可能 – 意識障害
– 摂食嚥下障害
栄養状態の改善 栄養不足による体重減少や体力低下、免疫力低下などを防ぎ、病気の回復を早める効果 – 意識障害
– 摂食嚥下障害
消化管の負担軽減 消化管を休ませながら栄養を補給することで、消化管の機能回復を促進 – 消化管の手術後
– 炎症性腸疾患
合併症のリスク低減 消化管の負担軽減により、合併症のリスクを低減 – 消化管の手術後
– 炎症性腸疾患

非経口栄養法のリスクと注意点

非経口栄養法のリスクと注意点

口から食事をとることが難しい患者さんにとって、点滴やカテーテルを通じて栄養を補給する非経口栄養法は、命をつなぐための重要な治療法です。しかし、その一方で、いくつかのリスクや注意すべき点が存在することも事実です。

非経口栄養法では、栄養剤を血管内に直接投与するため、細菌感染のリスクが常に付きまといます。また、カテーテル留置による血栓症のリスクも忘れてはなりません。さらに、栄養状態や肝機能によっては、高血糖や肝機能障害などの合併症を引き起こす可能性もあります。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、医師による厳格な管理と、患者さんの状態の注意深い観察が不可欠です。具体的には、栄養状態や合併症のリスクを評価し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な栄養管理計画を立てることが重要になります。そして、栄養状態や合併症の有無を定期的に検査し、必要に応じて栄養管理計画を見直すなど、きめ細やかな対応が求められます。

メリット リスク・注意点 対策
  • 口から食事をとることが難しい患者さんにとって、命をつなぐための重要な治療法
  • 細菌感染のリスク
  • カテーテル留置による血栓症のリスク
  • 高血糖や肝機能障害などの合併症のリスク
  • 医師による厳格な管理
  • 患者さんの状態の注意深い観察
  • 栄養状態や合併症のリスク評価
  • 患者さん一人ひとりに合わせた適切な栄養管理計画
  • 栄養状態や合併症の有無を定期的に検査
  • 必要に応じた栄養管理計画の見直し

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