知っておきたい血液型の話:Rh血液型とは?
病院での用語を教えて
先生、「Rh血液型」ってなんですか?
体の健康研究家
良い質問だね!血液型には、A型、B型、O型、AB型以外にも種類があるんだ。その一つが「Rh血液型」だよ。血液の中に、「Rh因子」というものが含まれているかどうかで決まるんだ。
病院での用語を教えて
「Rh因子」が含まれているとどうなるんですか?
体の健康研究家
「Rh因子」が含まれている人は「Rhプラス」、含まれていない人は「Rhマイナス」って呼ばれるんだ。輸血のときなどに、この違いが重要になってくるんだよ。
Rh血液型とは。
「Rh血液型」っていう言葉は、医学や健康の分野で使われる用語で、血液型の種類の一つです。この血液型は、Rh抗原っていうものに対する抗体が関係しています。この抗体は、いつもあるわけじゃなくて、たまにしかできない抗体の一つなんだけど、とっても重要な抗体なんです。
血液型の種類
私達が普段「血液型」と呼んで、A型、B型、AB型、O型と分類しているものは、正式には「ABO式血液型」と言います。これは、血液中の赤血球の表面にある抗原の違いによって分類されるものです。A型の人はA抗原を、B型の人はB抗原を、AB型の人はA抗原とB抗原の両方を、そしてO型の人はどちらの抗原も持っていません。
しかし、血液型はABO式血液型だけではありません。他にも様々な分類方法が存在し、その一つが「Rh式血液型」です。Rh式血液型は、血液中にRh因子と呼ばれる抗原を持っているかどうかにより、Rh陽性とRh陰性に分けられます。Rh因子は、ABO式血液型のA抗原やB抗原とは全く異なる種類の抗原です。Rh陽性の人はRh因子を持っており、Rh陰性の人はRh因子を持っていません。
日本では、約99%の人がRh陽性で、Rh陰性の人は約1%と非常に少数です。そのため、輸血が必要な場合、Rh陰性の人はRh陰性の血液を探すのが難しい場合があります。
このように、血液型には様々な種類が存在し、それぞれが重要な意味を持っています。輸血など、医療現場においては、血液型を正しく把握することが非常に重要になります。
血液型分類 | 抗原 | 説明 |
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ABO式血液型 | A抗原 B抗原 |
赤血球表面の抗原により分類 ・A型:A抗原を持つ ・B型:B抗原を持つ ・AB型:A抗原とB抗原の両方を持つ ・O型:どちらの抗原も持たない |
Rh式血液型 | Rh因子 | 血液中にRh因子を持つかどうかで分類 ・Rh陽性:Rh因子を持つ(日本人では約99%) ・Rh陰性:Rh因子を持たない(日本人では約1%) |
Rh陽性とRh陰性
血液型には、A型、B型、AB型、O型といったABO式血液型以外にも、Rh式血液型という分類が存在します。これは、赤血球の表面にD抗原というタンパク質を持っているかどうかによります。D抗原を持っている人をRh陽性、持っていない人をRh陰性と呼びます。
日本人では、約99.5%の人がRh陽性であり、Rh陰性の人はわずか0.5%しかいません。そのため、Rh陰性は「RHマイナスの血液型」とも呼ばれ、稀な血液型として知られています。
Rh陰性の人が、家族などから輸血を受ける場合、血液型の組み合わせによっては注意が必要です。Rh陰性の人は、Rh陽性の血液を受けると、血液中の赤血球が破壊されてしまうことがあります。これは、Rh陰性の人が持つ免疫システムが、Rh陽性の血液に含まれるRh因子を、自分の体にはない異物だと認識し、攻撃してしまうためです。これを避けるため、Rh陰性の人には、原則としてRh陰性の血液を輸血します。
このように、Rh式血液型は、輸血の際に特に重要な血液型の分類です。血液型がわからない場合は、医療機関で検査を受けるようにしましょう。
項目 | 説明 |
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Rh式血液型 | 赤血球の表面にD抗原というタンパク質を持っているかどうかにより分類される。 |
Rh陽性 | D抗原を持っている。日本人の約99.5%が該当。 |
Rh陰性 | D抗原を持っていない。日本人の約0.5%と稀。
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Rh血液型不適合妊娠
血液型は、大きくA、B、O、ABの4種類に分けられますが、その他にもRh式血液型と呼ばれる分類が存在します。これは、血液中にD抗原と呼ばれるものを持つか持たないかで陽性・陰性の2種類に分けられます。
妊娠においても、このRh式血液型は重要な役割を果たします。特に、母親がRh陰性、父親がRh陽性の場合、生まれてくる赤ちゃんはRh陽性になる可能性があります。
通常、母体と胎児の血液は直接混ざり合うことはありません。しかし、出産時などに胎児の血液が母体の体内に入ってしまうことがあります。このとき、Rh陰性の母親の体内にはRh因子に対する抗体が存在しないため、Rh陽性の胎児の血液は異物とみなされ、母親の体内でRh因子に対する抗体が作られてしまいます。
最初の妊娠では、出産までに抗体が作られる量が少なく、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。しかし、一度Rh因子に対する抗体が作られてしまうと、その抗体は母親の体内に残ります。そのため、二人目以降の妊娠で再びRh陽性の赤ちゃんを妊娠した場合、母親の体内に残っている抗体が胎児の赤血球を攻撃してしまう可能性があります。
これが「Rh血液型不適合妊娠」と呼ばれるもので、胎児に貧血や黄疸、重症化すると心不全や脳障害などの深刻な影響を与える可能性があります。
項目 | 内容 |
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血液型の分類 |
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Rh式血液型不適合妊娠 |
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Rh血液型不適合妊娠への対策
– Rh血液型不適合妊娠への対策妊娠中の母親と胎児の間で、血液型が異なる場合があります。特に、母親がRh陰性、胎児がRh陽性の血液型を持つ場合、「Rh血液型不適合妊娠」と呼ばれる状態になることがあります。この場合、母親の体内で胎児の血液中のRh因子に対する抗体が作られ、これが胎児の赤血球を破壊してしまうことがあります。これが「胎児赤芽球症」です。胎児赤芽球症は、重症化すると胎児に貧血、黄疸、心不全などを引き起こし、最悪の場合、死産や流産に至る可能性もあります。しかし、適切な対策を講じることで、胎児への影響を最小限に抑えることができます。Rh血液型不適合妊娠に対する最も一般的な対策は、「Rh免疫グロブリン製剤」の注射です。これは、Rh因子に対する抗体を含む薬剤で、妊娠中にRh陰性の母親に注射することで、母親の体内でRh因子に対する抗体が作られるのを防ぎます。具体的には、妊娠28週頃に1回、そして出産後72時間以内に追加で1回注射します。また、流産や人工中絶後にも注射が必要です。Rh免疫グロブリン製剤の注射は、非常に効果が高く、胎児赤芽球症の発症を予防することができます。そのため、Rh陰性の妊婦さんは、必ず医師に相談し、Rh免疫グロブリン製剤の注射を受けるようにしましょう。Rh血液型不適合妊娠は、適切な対策を講じることで、胎児への影響を最小限に抑えることができる病気です。不安なことがあれば、ためらわずに医師に相談するようにしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
状態名 | Rh血液型不適合妊娠 |
条件 | 母親: Rh陰性、胎児: Rh陽性 |
リスク | 胎児赤芽球症 ・貧血 ・黄疸 ・心不全 ・死産/流産 |
対策 | Rh免疫グロブリン製剤の注射 ・妊娠28週目 ・出産後72時間以内 ・流産/人工中絶後 |
まとめ
血液型は、大きく分けてA型、B型、O型、AB型の4種類に分類されますが、その他にも様々な血液型が存在します。その中でも、輸血や妊娠において特に重要な役割を果たすものの一つに、Rh血液型があります。Rh血液型は、赤血球の表面にD抗原というタンパク質を持っているか否かで陽性と陰性に分類されます。D抗原を持っている人はRh陽性、持っていない人はRh陰性と呼ばれます。
日本人では、約99.5%の人がRh陽性であり、Rh陰性の人は約0.5%と非常に少数です。そのため、Rh陰性の人は日常生活で自身の血液型について意識する機会は少ないかもしれません。しかし、輸血や妊娠の際には、Rh血液型は非常に重要となります。例えば、Rh陰性の人がRh陽性の血液を輸血されると、体内でD抗原に対する抗体が作られます。この抗体が、次にRh陽性の血液が入ってきた際に攻撃してしまうことで、血液の破壊などの重い症状を引き起こす可能性があります。これを「Rh不適合」と言います。
また、妊娠においても、Rh陰性の母親がRh陽性の胎児を妊娠した場合、胎児の赤血球が母親の血液中に移行することで、母親の体内で抗体が作られることがあります。この抗体が、胎盤を通じて胎児の体内に入り込むと、胎児の赤血球を破壊し、胎児に貧血や黄疸などの症状を引き起こすことがあります。これが「胎児赤芽球症」です。
このように、Rh血液型は、輸血や妊娠において、場合によっては命に関わる重大な問題を引き起こす可能性があります。特に、Rh陰性の人は、血液型不適合による健康被害を防ぐためにも、自身の血液型について正しく理解し、医療機関を受診する際には必ず伝えるようにしましょう。
血液型 | 説明 | 日本人における割合 |
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Rh陽性 | 赤血球の表面にD抗原というタンパク質を持っている | 約99.5% |
Rh陰性 | 赤血球の表面にD抗原というタンパク質を持っていない | 約0.5% |