酸素を運ぶ赤い細胞:赤血球

血液

酸素を運ぶ赤い細胞:赤血球

病院での用語を教えて

先生、赤血球って、なんで核がないんですか? ほかの細胞にはあるのに、なんで赤血球だけないんですか?

体の健康研究家

いい質問ですね!赤血球に核がないのは、より多くの酸素を運ぶためなんですよ。核があると、その分だけ酸素を運ぶスペースが減ってしまいますよね?

病院での用語を教えて

なるほど!確かに、核があると邪魔ですね。でも、核がないと、細胞として生きていけないんじゃないですか?

体の健康研究家

その通り!実は、赤血球は核がない代わりに寿命が短く、約120日ほどで寿命を迎えます。寿命が来ると、脾臓などで分解されるんですよ。

赤血球とは。

からだの健康や病気について使われる言葉に「赤血球」というものがあります。赤血球は、血液の中にあって、体中に酸素を届ける役割を持つ細胞の一つです。赤血球は、血液の細胞の元になる「造血幹細胞」から成長した「赤芽球」から作られます。しかし、赤くなる過程で細胞の中心にある「核」と呼ばれる部分を失ってしまうため、「核」を持たない細胞となります。赤血球が赤く見えるのは、「ヘモグロビン」という鉄を含む赤い色素を持つタンパク質を持っているためです。形は特徴的で、中心部分がへこんだ円盤のような形をしています。この形は、細い血管でも、体をくねらせながら通り抜けるのに役立ちます。

赤血球とは

赤血球とは

– 赤血球とは人間の体内には、全身に栄養や酸素を運ぶ血液が流れています。その血液の中で、最も数が多く、赤い色をしているのが赤血球です。顕微鏡で観察すると、中央が少しへこんだ円盤状の形をしており、大きさは直径約7マイクロメートル、厚さは約2マイクロメートルしかありません。これは、1ミリメートルのわずか100分の1ほどの大きさです。

赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。私達が呼吸によって肺に取り込んだ酸素は、まず肺胞という小さな袋に入ります。そして、肺胞を取り囲む毛細血管の中にある赤血球に酸素が取り込まれます。赤血球の中には、ヘモグロビンという赤い色をした鉄を含むタンパク質が豊富に含まれており、このヘモグロビンが酸素と結びつくことで、効率よく酸素を全身に運ぶことができるのです。

酸素を届けた赤血球は、今度は体内を巡る中で、細胞から排出された二酸化炭素を受け取ります。そして、二酸化炭素を肺まで運び、私達は呼吸によって二酸化炭素を体外へ排出します。このように、赤血球は酸素と二酸化炭素を運ぶ、いわば「体の中の宅配便」のような役割を果たし、私達の生命活動に欠かせない存在なのです。

項目 内容
名前 赤血球
形状 中央がくぼんだ円盤状
大きさ 直径約7マイクロメートル、厚さ約2マイクロメートル
特徴 赤い色をしている
ヘモグロビンを多く含む
役割 肺で酸素と結合し、全身に酸素を運ぶ
体内で発生した二酸化炭素と結合し、肺へ運搬する

赤血球の誕生

赤血球の誕生

私たちの体中に酸素を届ける大切な役割を担う赤血球。その赤血球は、骨の中にある「骨髄」と呼ばれる場所で生まれます。生まれたばかりの赤血球はまだ未熟で、これから一人前の赤血球になるための重要なステップを踏んでいきます。

赤血球の元となるのは「造血幹細胞」と呼ばれる細胞です。この造血幹細胞は、様々な血液細胞を生み出すことができる特別な細胞です。造血幹細胞は、いくつかの段階を経て成熟し、最終的に赤血球へと分化していきます。

赤血球が成熟する過程で、非常に興味深い現象が起こります。それは、赤血球が自らの核を捨て去ってしまうということです。通常、細胞にとって核は、生命維持や増殖に欠かせない大切なものです。しかし、赤血球は酸素をより効率的に運ぶために、あえて核を手放す選択をしたのです。

核を失うことで、赤血球はより多くのヘモグロビンを細胞内に蓄えることができるようになります。ヘモグロビンは酸素と結合する性質を持つタンパク質で、赤血球が酸素を運ぶために必要不可欠なものです。つまり、赤血球は核を捨てることで、より多くの酸素を運ぶことができるようになり、私たちの体中に酸素を送り届けるという重要な役割を効率的に果たせるようになるのです。

赤血球の生成過程 説明
誕生 骨髄で生まれる
起源 造血幹細胞から分化する
成熟過程での変化 酸素運搬効率向上のために核を捨てる
核がないことによる利点 より多くのヘモグロビンを蓄え、酸素運搬能力を高める

赤い色の正体

赤い色の正体

私たちの体の中を流れる血液。その血液を赤く染めているのは、赤血球という細胞です。では、なぜ赤血球は赤い色をしているのでしょうか?

その答えは、赤血球の中に含まれるヘモグロビンというタンパク質にあります。ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶという大切な役割を担っています。

ヘモグロビンは、鉄分を含んでおり、この鉄分が酸素と結びつくことで、鮮やかな赤い色を示すようになります。まるで、錆びた鉄が赤くなるように、ヘモグロビンも酸素と結びつくことで赤い色になるのです。

ところで、秋の紅葉を思い浮かべてみてください。木々を美しく彩る紅葉も、実は赤い色素と関係があります。

秋になり、気温が下がると、植物の葉に含まれる緑色の色素であるクロロフィルが分解され始めます。すると、それまで隠れていた赤い色素であるアントシアニンが目立つようになり、葉が赤く色づいて見えるのです。

このように、私たちの体の中や自然界には、様々な赤い色が存在しています。そして、その色の裏には、ヘモグロビンやアントシアニンといった物質が関わっているのです。

場所 赤い色の原因 役割
血液(赤血球) ヘモグロビン(鉄分が酸素と結びつく) 体中に酸素を運ぶ
秋の紅葉 アントシアニン

独特な形

独特な形

私達の体内を流れる血液。その血液中に最も多く含まれる赤血球は、顕微鏡で覗くと、中央がくぼんだ円盤のような、少し変わった形をしています。ドーナツを想像してみてください。でも、真ん中の穴が空いているのではなく、薄くなっている状態です。なぜ、このような独特な形をしているのでしょうか?

それは、体の隅々まで酸素を運ぶためです。

私達の体は、血管という網の目のように張り巡らされた細い管によって、細胞の一つ一つと繋がっています。そして、赤血球は、この血管の中を通り、肺から取り込んだ酸素を体の各組織へ運び届けています。

もし、赤血球が硬い球形だったらどうなるでしょう。

血管の中でも特に細い毛細血管のような場所では、詰まってしまう可能性があります。しかし、赤血球は柔軟に変形できるため、細い血管もスムーズに通り抜けることができます。中央部分がへこんでいるのも、表面積を広げ、より多くの酸素を運ぶのに役立っていると考えられています。

このように、赤血球の独特な形は、私達の体が正常に機能するために、とても重要な役割を果たしているのです。

項目 説明
形状 中央がくぼんだ円盤状(ドーナツの真ん中が薄くなっているイメージ)
役割 体の隅々まで酸素を運ぶ
形のメリット1 柔軟に変形できるため、細い血管も詰まらずに通り抜けられる
形のメリット2 表面積が広いため、多くの酸素を運ぶことができる

赤血球の寿命

赤血球の寿命

私たちの体の中には、酸素を全身に届ける役割を持つ赤血球が流れています。この赤血球は、およそ120日という寿命を持っており、常に新しい細胞と入れ替わることでその機能を維持しています。
毎日、古くなった赤血球は脾臓などで分解され、体外へと排出されます。それと同時に、骨髄では新たな赤血球が次々と作られており、体内の赤血球の数は常に一定に保たれています。
この一連の流れを「赤血球のターンオーバー」と呼びます。このサイクルによって、常に新鮮な状態の赤血球が体内を循環し、体の隅々まで酸素を供給できるようになっているのです。
もしも、赤血球の寿命が極端に短くなってしまったり、骨髄での赤血球の産生が追いつかなくなったりすると、体に十分な酸素が行き渡らなくなり、貧血などの症状が現れることがあります。
このように、赤血球の寿命と、新しい赤血球が作られるサイクルは、私たちの健康を維持するために非常に重要な役割を担っているのです。

項目 内容
赤血球の役割 体中に酸素を届ける
寿命 約120日
古くなった赤血球の処理 脾臓などで分解され、体外に排出
新しい赤血球の生成 骨髄で生成
赤血球のターンオーバー 古い赤血球の分解と新しい赤血球の生成のサイクル
赤血球のターンオーバーの重要性 常に新鮮な赤血球を循環させ、体に酸素を供給するため
赤血球のターンオーバーが滞るとどうなるか 貧血などの症状が現れる可能性がある

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