わかりやすく解説!腫瘤とは?
病院での用語を教えて
先生、『腫瘤(しゅりゅう)』って、炎症とか腫瘍とか、どっちにしても使える言葉って書いてあるけど、どんな時に使うんですか? 例えば、怪我をして腫れた時にも『腫瘤』って言っていいんですか?
体の健康研究家
いい質問ですね。確かに腫瘤は『炎症性か腫瘍性かはっきりしない場合に使う』と書いてありますね。しかし、怪我で腫れた場合は普通『腫瘤』とは言いません。
病院での用語を教えて
えー!そうなんですか?じゃあ、どんな時に使うんですか?
体の健康研究家
例えば、健康診断で体に原因不明のしこりが見つかった時などに使います。つまり、原因がまだはっきりわからないけど、とりあえず『体の中にできた異常な塊』のことを指す時に『腫瘤』という言葉を使うことが多いですね。
腫瘤とは。
「腫瘍(しゅよう)」という言葉は、医学や健康の分野で使われる言葉で、「できもの」や「こぶ」、「はれもの」など、体の一部がふつうよりも大きくなっている状態をまとめて表す言葉です。「しこり」と呼ばれることもあります。これは、炎症が原因で大きくなっているのか、それとも腫瘍(しゅよう)という細胞の異常な増殖が原因で大きくなっているのか、はっきりしない場合に使われます。原因が何であっても、体の表面や内側に見られるかたまりやできものは、すべて「腫瘍」と呼びます。
「腫瘍」には、血液が固まってできた「血腫(けっしゅ)」や、皮膚の奥にある「真皮(しんぴ)」という部分にできる良性の腫瘍である「粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)」や「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」などが含まれます。
腫瘤とは何か
「腫瘤」という言葉を耳にしたことがありますか? これは、私たちの体に現れる「できもの」「こぶ」「はれもの」などを、まとめて表す言葉です。
普段、何気なく「しこり」と呼んでいるものも、医学的には腫瘤に含まれます。
重要なのは、「腫瘤」という言葉自体には、それがどのような性質のものなのか、詳しい情報が含まれていないということです。
例えば、炎症が原因でできたものなのか、腫瘍が原因でできたものなのか、また、体に害のない良性のものなのか、放置すると悪化する悪性のものなのか、といった情報は含まれていません。
つまり、原因がはっきりしない体の表面や内部の塊は、とりあえず腫瘤と呼ぶことができるのです。
腫瘤と診断された場合は、それが何によるものなのか、精密検査などを通して詳しく調べる必要があります。
用語 | 説明 |
---|---|
腫瘤 | 体の表面または内部に見られる、原因がはっきりしない塊 「できもの」「こぶ」「はれもの」「しこり」などを含む |
腫瘤の種類
体にできるふくらみ、腫瘤には様々な種類があります。腫瘍と混同されがちですが、腫瘍は腫瘤の一部です。腫瘤は原因や性質によって分類され、大きく分けると、炎症や出血によって組織が腫れあがったものと、細胞の異常増殖によってできた腫瘍の二つに分けられます。
例えば、打撲などが原因で皮下組織に血液が溜まった状態である「血腫」は、炎症によって組織が腫れあがった腫瘤の一種です。これは、スポーツや転倒などで身体を強く打った際に多く見られます。また、皮膚にできる良性腫瘍である「粉瘤腫」や「表皮嚢腫」なども腫瘤に含まれます。これらは一見、「できもの」や「しこり」と区別がつきにくいですが、それぞれ内部構造や発生原因が異なります。粉瘤腫は皮膚の垢が溜まって袋状になったもの、表皮嚢腫は皮膚の一部が袋状になって、その中に皮脂などが溜まったものです。
このように一口に腫瘤といっても、その種類は多岐にわたります。自己判断は危険ですので、体に異常を感じたら、自己判断せず、医療機関を受診し、適切な診断を受けるようにしましょう。
腫瘤の種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
炎症性腫瘤 | 炎症や出血によって組織が腫れあがったもの | 血腫など |
腫瘍 | 細胞の異常増殖によってできたもの | 粉瘤腫、表皮嚢腫など |
腫瘤と診断されたら
健康診断や病院での検査を受けた際、「腫瘤が見られます」と告げられることがあるかもしれません。この「腫瘤」という言葉は、医学的には体内にできた異常な塊を指し、その大きさや形状は様々です。腫瘤と診断された時、多くの人は不安な気持ちを抱くことでしょう。しかし、腫瘤=がんとは限りません。 腫瘤には大きく分けて「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」の二つがあります。良性腫瘍は、一般的に増殖速度が遅く、周囲の組織に広がっていくことはありません。一方、悪性腫瘍は、一般的に増殖速度が速く、周囲の組織に広がったり(浸潤)、他の臓器に転移したりすることがあります。 また、炎症によって腫瘤が形成されることもあります。例えば、虫刺されや細菌感染などが原因で、皮膚の下に膿が溜まり、腫れ上がることがあります。 このように、腫瘤には様々な種類があり、その性質によって治療法も異なります。自己判断で放置したり、民間療法に頼ったりすることは大変危険です。 腫瘤と診断された場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。医師は、画像検査や血液検査、細胞診や組織診などを行い、腫瘤の種類や性質を正確に診断します。そして、その結果に基づいて、適切な治療法を提案してくれるでしょう。
腫瘤の種類 | 特徴 |
---|---|
良性腫瘍 | 増殖速度が遅く、周囲の組織に広がらない |
悪性腫瘍 | 増殖速度が速く、周囲の組織に広がったり、他の臓器に転移したりする可能性がある |
炎症による腫瘤 | 虫刺されや細菌感染などによって、皮膚の下に膿が溜まり、腫れ上がる |
腫瘤の検査方法
体の表面近くにできるしこりのことを腫瘤と呼びますが、この腫瘤の原因を調べ、それが良性なのか悪性なのかを判断するには、様々な検査が必要です。
まず、医師による診察が行われます。これは、目で見て確認する診察と、実際に手で触れて確認する診察に分けられます。目で見て確認する診察では、腫瘤のある部分の色や形、大きさなどを観察します。また、手で触れて確認する診察では、腫瘤の硬さや表面の状態、周りの組織への癒着の有無などを確認します。これらの診察は、腫瘤の状態を直接把握する上で非常に重要です。診察の結果、腫瘤が疑われる場合には、さらに詳しい検査が必要となります。
詳しい検査には、体の外から超音波などを用いて腫瘤の状態を調べる検査や、体の内部の様子を詳しく調べる検査、血液を採取して調べる検査など、様々なものがあります。体の外から腫瘤の状態を調べる検査には、超音波を用いる検査や、X線を用いる検査などがあります。これらの検査は、腫瘤の位置や大きさ、形などを詳しく知るのに役立ちます。体の内部の様子を詳しく調べる検査には、断層写真を得るための検査や、磁気と電波を用いて体の断面を撮影する検査などがあります。これらの検査は、腫瘤の内部構造や、周りの組織への浸潤の有無などを調べるのに役立ちます。血液を採取して調べる検査では、腫瘍マーカーと呼ばれる、腫瘍の有無と関連性の高い物質を調べます。これらの検査は、腫瘍の存在や種類を推測する手がかりとなります。
どの検査が必要かは、腫瘤の位置や大きさ、症状、診察 findingsなどによって異なります。そのため、医師の指示に従って検査を受けることが重要です。
検査の種類 | 具体的な検査方法 | 検査の目的 |
---|---|---|
医師による診察 | – 目視: 色、形、大きさなどを観察 – 触診: 硬さ、表面の状態、周囲組織への癒着などを確認 |
腫瘤の状態を直接把握する |
体の外から腫瘤の状態を調べる検査 | – 超音波検査 – X線検査 |
腫瘤の位置、大きさ、形などを詳しく知る |
体の内部の様子を詳しく調べる検査 | – 断層写真を得るための検査 – 磁気と電波を用いて体の断面を撮影する検査(MRIなど) |
腫瘍の内部構造や、周囲組織への浸潤の有無などを調べる |
血液を採取して調べる検査 | – 腫瘍マーカー検査 | 腫瘍の存在や種類を推測する |
日常生活での注意点
体に異常を感じたら、まず医療機関を受診することが大切です。特に、体に腫れやしこり(腫瘤)を見つけた場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診しましょう。腫瘤は、良性のものと悪性のものがありますが、早期発見・早期治療が重要となる場合があります。医療機関では、腫瘤の大きさや形状、部位などを確認し、必要に応じて画像検査や細胞診などの検査を行います。その結果に基づいて、適切な治療方針が決定されます。
体に異常を感じてから医療機関を受診するだけでなく、健康診断を定期的に受けることも大切です。健康診断では、自覚症状がない段階で病気のリスクを発見できる場合があります。また、健康診断の結果を踏まえて、生活習慣の見直しなどの相談をすることもできます。
普段から自分の体の変化に気を配ることも重要です。体重の変化、食欲の変化、体のだるさ、発熱、リンパ節の腫れなど、いつもと違うと感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスをためない生活を心がけ、免疫力を高めることも大切です。免疫力は、体内に侵入した細菌やウイルス、腫瘍細胞などから体を守る力であり、免疫力を高めることで、様々な病気の予防につながると考えられています。
ポイント | 詳細 |
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医療機関受診の重要性 | 体の異常、特に腫れやしこりを見つけた場合は、自己判断せず速やかに医療機関を受診する。早期発見・早期治療が重要となる場合がある。 |
健康診断の重要性 | 定期的な健康診断で、自覚症状がない段階での病気のリスク発見や、生活習慣の見直しなどの相談が可能。 |
体の変化への意識 | 体重の変化、食欲の変化、体のだるさ、発熱、リンパ節の腫れなど、普段と違うと感じたら早めに医療機関を受診する。 |
健康的な生活習慣 | バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスをためない生活を心がけ、免疫力を高める。 |