アニサキス症:食中毒にご用心
病院での用語を教えて
先生、アニサキスって最近よく聞くんですけど、どんなものなんですか?
体の健康研究家
そうだね、アニサキスは寄生虫の一種なんだ。魚介類に寄生していて、私たちがそれを生で食べるとお腹の中で暴れて、アニサキス症っていう食中毒を起こすことがあるんだよ。
病院での用語を教えて
ええ!寄生虫ですか!生で食べちゃいけない魚の種類とかあるんですか?
体の健康研究家
特にサバやイカ、アジなどに寄生していることが多いね。でも、種類に関係なくしっかり加熱すれば死滅するから、心配しすぎないでね。
アニサキスとは。
「アニサキス」は、人の体に寄生する虫の一種です。細長い形をしており、アニサキス症というお腹の病気の原因となります。
アニサキスとは
– アニサキスとはアニサキスは、海に住む生き物に寄生する寄生虫の一種です。細長い糸のような形をしていて、色は白っぽいのが特徴です。大きさは2~3cmほどで、肉眼でも確認することができます。アニサキスは、サバ、イカ、サケ、サンマなど、私たちが普段食べている魚介類に寄生していることが多く、その魚の内臓に多く存在します。私たちがアニサキスに寄生された魚介類を生で、もしくは十分に加熱処理せずに食べてしまうと、アニサキスが体内に入ってきてしまうことがあります。アニサキスは私たち人間の体の中では生きていくことができません。そのため、体内に入っても長く留まることはなく、通常数日以内に自然に排出されます。しかし、アニサキスが胃や腸の壁に刺さってしまうことがあります。これがアニサキス症と呼ばれる食中毒の原因です。アニサキス症は、激しい腹痛や吐き気を引き起こし、場合によっては手術が必要になることもあります。アニサキスは熱に弱いため、魚を十分に加熱するか、マイナス20度で24時間以上冷凍することで、死滅させることができます。また、新鮮な魚を選ぶ、内臓を生で食べないことも予防に繋がります。アニサキスによる食中毒は、正しい知識と予防法を実践することで防ぐことができます。
項目 | 内容 |
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アニサキスとは | 海に住む生き物に寄生する、白っぽくて細長い糸状の寄生虫。大きさは2~3cmほど。 |
寄生しやすい魚 | サバ、イカ、サケ、サンマなど |
寄生場所 | 魚の内臓 |
感染経路 | アニサキスに寄生された魚介類を生で、もしくは十分に加熱処理せずに食べること |
人体への影響 |
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予防法 |
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アニサキス症の症状
アニサキス症は、アニサキスという寄生虫が寄生する魚介類を生の状態で食べることで発症します。アニサキスは本来、魚介類の腸に寄生する生き物ですが、私たち人間がその魚介類を生で食べてしまうことで、アニサキスが人間の胃や腸の壁に侵入してしまうのです。
アニサキスが人体に侵入すると、早ければ数時間後、遅くとも一日以内には、激しい腹痛や吐き気に見舞われます。これは、異物とみなされたアニサキスに対して、私たちの体が排除しようと過剰に反応する、いわゆるアレルギー反応によるものです。食べたものが胃に到達するまでには、個人差はあれど、一般的には食後数時間とされています。アニサキス症の症状が出るタイミングと重なるため、比較的、原因となる食材を特定しやすいのも特徴です。
アニサキスが胃にとどまっている間は、主に吐き気や嘔吐といった症状が中心となります。しかし、アニサキスが胃から腸へと移動を始めると、今度は下腹部を中心とした痛みや、便に血が混じるといった症状が現れるようになります。場合によっては、腸閉塞を引き起こすこともあり、注意が必要です。
項目 | 詳細 | |||||||
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原因 | アニサキス寄生虫がいる魚介類を生で食べること | |||||||
症状発症時間 | 食後数時間後から一日以内 | |||||||
症状と部位 |
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その他 | 原因食材が特定しやすい |
アニサキス症の予防法
– アニサキス症の予防法アニサキス症は、アニサキスという寄生虫が寄生する魚介類を食べてしまうことで発症する食中毒です。激しい腹痛や嘔吐を引き起こすことがあり、場合によっては手術が必要になることもあります。アニサキス症を防ぐためには、アニサキスを体内に取り込まないことが何よりも大切です。アニサキスは、サバ、イカ、サンマ、アジなど、私たちが普段食べている多くの魚介類に寄生しています。これらの魚介類を生で食べる場合は、特に注意が必要です。アニサキスは熱に弱いため、しっかりと加熱すれば死滅します。具体的には、70度で1分以上、もしくは60度で10分以上加熱すれば、アニサキスは死滅します。刺身や寿司などの生食を避けて、加熱調理された魚料理を選ぶようにしましょう。自分で魚を捌く場合は、内臓にアニサキスがいる可能性があることを意識して、内臓を傷つけないように注意深く処理する必要があります。内臓を取り除いた後は、調理器具や手をしっかりと洗って、アニサキスが付着したままにならないようにしましょう。もし、新鮮な魚介類を生で食べたい場合は、信頼できるお店を選ぶことが重要です。また、醤油やわさびではアニサキスは死滅しないため、過信は禁物です。アニサキス症は、少しの注意で予防できる病気です。魚介類を生で食べる場合は、上記の点に注意して、安全に食事を楽しみましょう。
予防法 | 詳細 |
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加熱 | – 70℃で1分以上 – 60℃で10分以上 |
生食を避ける | – 刺身や寿司など – 特にサバ、イカ、サンマ、アジなどは注意 |
内臓の処理 | – 内臓にアニサキスがいる可能性がある – 内臓を傷つけないように処理 – 調理器具や手をしっかりと洗う |
信頼できるお店を選ぶ | – 新鮮な魚介類を提供してくれるお店を選ぶ |
醤油やわさびに過信しない | – 醤油やわさびではアニサキスは死滅しない |
アニサキス症の治療法
– アニサキス症の治療法アニサキス症は、アニサキスの幼虫が寄生することで引き起こされる食中毒です。激しい腹痛や吐き気などを伴い、適切な処置が必要となります。アニサキス症の治療の基本は、原因となっているアニサキスを体から取り除くことです。アニサキスを取り除く方法としては、主に内視鏡による摘出が挙げられます。口から内視鏡と呼ばれる細い管を入れていき、その先端に付いたカメラで胃の中を観察し、アニサキスを見つけます。そして、内視鏡に付属している鉗子という小さな器具を用いて、アニサキスを直接つかんで取り除きます。ただし、症状が軽く、アニサキスが自然に排出されるのを待てる場合もあります。アニサキスは人間の体内では長く生きることができないため、数日経つと症状が治まることもあります。この場合、吐き気や腹痛を抑える薬を使って、安静に様子を見ます。しかし、自己判断は大変危険です。アニサキス症は放置すると、症状が悪化したり、腸閉塞などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の指示に従うことが大切です。アニサキス症は、予防が可能な病気でもあります。魚を生で食べる際は、新鮮なものを選び、しっかりと加熱することが重要です。また、魚の内臓にアニサキスが多く寄生しているため、自分で魚を捌く場合は、内臓を生で食べないように注意しましょう。万が一、アニサキス症を発症した場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。
治療法 | 説明 |
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内視鏡による摘出 |
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経過観察 |
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まとめ
アニサキス症は、魚介類に寄生するアニサキスという寄生虫によって引き起こされる食中毒です。適切な予防と対応を心掛けることで、この食中毒を防ぐことが可能です。
アニサキス症の予防には、魚介類を生で食べないことが重要です。特に、サバ、イカ、サンマ、アジなどの魚はアニサキスが寄生している可能性が高いため、注意が必要です。新鮮な魚介類を選ぶことはもちろんのこと、加熱処理をしっかり行うことで、アニサキスを死滅させることができます。70度で1分間、もしくは60度で5分間加熱すれば、アニサキスは死滅します。また、冷凍保存も有効な手段です。マイナス20度で24時間以上冷凍することで、アニサキスを死滅させることができます。
万が一、食後数時間から数日後に、激しい腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れた場合は、アニサキス症の可能性があります。自己判断せずに、速やかに医療機関を受診してください。アニサキス症は、内視鏡を用いてアニサキスを取り除くことで治療が可能です。
アニサキス症は、少しの注意と適切な対応で予防できる食中毒です。魚介類を生で食べる際には、これらの点に注意して、安全に食事を楽しみましょう。
項目 | 詳細 |
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原因 | アニサキスという寄生虫 |
症状 | 食後数時間から数日後に、激しい腹痛、吐き気、嘔吐など |
予防 | – 魚介類を生で食べない – 特に、サバ、イカ、サンマ、アジなどは注意 – 新鮮な魚介類を選び、加熱処理(70度で1分間、もしくは60度で5分間) – 冷凍保存(マイナス20度で24時間以上) |
治療 | 内視鏡を用いてアニサキスを取り除く |