エボラ出血熱:知っておくべきこと
病院での用語を教えて
先生、「エボラ出血熱」ってどんな病気ですか?
体の健康研究家
良い質問だね。「エボラ出血熱」は、エボラウイルスという、とても小さな生き物によって起こる病気なんだ。高い熱が出たり、体がとてもだるくなったりする病気だよ。
病院での用語を教えて
ウイルスが原因で起こる病気なんですね。他の病気と比べて、特に気を付けることはありますか?
体の健康研究家
そうだね。エボラ出血熱は人から人へとうつりやすい病気なので、感染した人との接触は特に気をつけないといけないんだ。もし、エボラ出血熱が疑われる症状が出たら、すぐに病院に行くことが大切だよ。
エボラ出血熱とは。
「えぼらしゅっけつねつ」は、昔は「エボラ出血熱」と呼ばれていましたが、エボラウイルスという病原体によって起こる病気です。 この病気は、法律で最も危険な感染症に分類されています。 ただし、病気にかかっても、すべての人が血が出る症状が出るわけではないため、最近は「エボラウイルス病」と呼ばれるようになっています。
エボラ出血熱とは
– エボラ出血熱とはエボラ出血熱は、エボラウイルスというウイルスが原因で発症する、重篤で命に関わる危険性の高い感染症です。1976年にスーダンとコンゴ民主共和国で初めて確認されました。それ以降、中央アフリカや西アフリカで断続的に流行が報告されています。この病気は、感染した人の血液や体液(唾液、汗、嘔吐物、糞便、尿、精液など)に直接触れることで感染します。 また、感染した動物(コウモリ、サル、シカ、ヤマアラシなど)の血液、体液、臓器、またはこれらの動物の体液で汚染された物に触れることによっても感染します。エボラ出血熱は、突然の高熱、激しい頭痛、筋肉痛、倦怠感などの症状で始まります。その後、嘔吐、下痢、発疹、腎臓や肝臓の機能障害、場合によっては内出血や外出血などの症状が現れます。この病気は非常に重篤で、致死率は25%から90%と高く、適切な治療を受けても命を落とす場合があります。 エボラ出血熱に対する特別な治療法はありませんが、早期発見と対症療法(脱水症状への対応、酸素供給、血圧の維持など)によって生存率を高めることができます。エボラ出血熱の予防には、感染者との接触を避けること、こまめな手洗いが重要です。 また、流行地域では、野生動物との接触を避け、生肉や加熱不十分な肉の摂取を控える必要があります。
項目 | 内容 |
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原因 | エボラウイルス |
感染経路 |
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症状 |
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致死率 | 25%~90% |
治療法 |
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予防策 |
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症状と合併症
エボラ出血熱は、感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)が2日から最長3週間程度とされています。
発症すると、最初は突然の高熱や強い疲労感、筋肉の痛み、頭痛、喉の痛みなど、風邪によく似た症状が現れます。まるで体が急に熱くなったように感じ、全身がだるく、動くのもつらい状態になります。
その後、病気が進行するにつれて、吐き気や嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、発疹などが現れることもあります。
さらに症状が悪化すると、肝臓や腎臓の機能が低下し、正常な働きができなくなります。
また、歯茎や鼻、目などから出血しやすくなる、出血傾向が現れることもあります。重症化すると、この出血傾向はより顕著になり、多臓器不全に陥り、死に至る危険性も高くなります。
ただし、エボラ出血熱に感染したすべての患者に出血症状が現れるわけではありません。重症化した場合に、出血が起こりやすくなることが知られています。
段階 | 症状 |
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潜伏期間 | 2日~3週間程度 |
発症初期 | ・突然の高熱 ・強い疲労感 ・筋肉の痛み ・頭痛 ・喉の痛み |
進行期 | ・吐き気 ・嘔吐 ・下痢 ・食欲不振 ・腹痛 ・発疹 ・肝臓、腎臓機能の低下 |
重症化 | ・歯茎、鼻、目などからの出血 ・多臓器不全 |
ウイルス感染経路
– ウイルス感染経路ウイルスは目に見えないほど小さく、私たちの身の回りの様々な場所に存在しています。ウイルスが体内に侵入し、増殖することで、私たちは発熱や咳などの症状を引き起こす、いわゆる「感染症」にかかります。ウイルスが人に感染する経路は、ウイルスによって異なりますが、大きく分けて「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つがあります。エボラウイルスは、主に「接触感染」によって人に感染します。 感染した動物、特にコウモリやサルは、エボラウイルスを保有しており、これらの動物の血液、体液、臓器に触れることで、ウイルスが体内へ侵入する可能性があります。 また、感染した人の血液や体液にもウイルスが含まれており、これらの体液、例えば、唾液、汗、嘔吐物、尿、糞便、精液、母乳などに直接触れることで、感染のリスクがあります。ただし、エボラウイルスは「空気感染」はしません。 つまり、空気中に漂っているウイルスを吸い込むことで感染することは稀です。しかし、葬儀の際に、感染した故人の遺体に直接触れたり、エボラウイルスに汚染された医療器具を使用したりする行為は、感染のリスクを高める可能性があります。エボラウイルス感染症は、適切な予防策を講じることで、感染のリスクを大幅に減らすことができます。 感染が疑われる場合は、速やかに医療機関に相談し、適切な検査や治療を受けるようにしてください。
感染経路 | 説明 | エボラウイルス |
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接触感染 | 感染した動物や人の血液、体液、臓器などに直接触れることによる感染 | 主な感染経路 感染動物:コウモリ、サルなど 感染者の体液:唾液、汗、嘔吐物、尿、糞便、精液、母乳など |
飛沫感染 | 感染者のくしゃみや咳、会話などによって飛び散る唾液や鼻水に含まれるウイルスを吸い込むことによる感染 | 記載なし |
空気感染 | 空気中に漂っているウイルスを吸い込むことによる感染 | しない |
治療と予防
エボラ出血熱は、致死率の高い恐ろしい病気ですが、残念ながら、この病気を完全に治す薬はまだありません。しかし、諦める必要はありません。適切な治療を行うことで、生存の可能性を高めることができます。
エボラ出血熱の治療で最も重要なのは、「対症療法」と呼ばれるものです。これは、病気そのものを攻撃するのではなく、病気によって引き起こされる症状を和らげる治療法です。例えば、エボラ出血熱になると、体の中の水分や塩分が失われてしまうため、点滴によって水分や塩分を補給します。また、出血がひどい場合には、輸血を行うこともあります。呼吸が苦しくなった場合には、酸素吸入なども行います。
一方、エボラ出血熱の予防も重要です。エボラウイルスは、主に野生動物から人に感染すると考えられています。そのため、感染の疑いがある動物には絶対に触れていけません。特に、死んでいる動物には注意が必要です。また、野生動物の肉を生で食べたり、加熱不十分な状態で食べたりすることも避けなければなりません。
エボラ出血熱は、人から人へとうつる病気でもあります。感染者との接触は避け、石けんと水を使った手洗いをこまめに行うことが大切です。アルコール消毒なども効果的です。
もし、エボラ出血熱に感染したかもしれないと思ったら、すぐに医療機関を受診してください。そして、医師に、エボラ出血熱の疑いがあること、そして、感染の可能性がある地域に滞在したことがあることなどを伝えてください。早期に適切な治療を受けることが、回復への鍵となります。
分類 | 内容 |
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治療法 |
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予防策 |
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感染疑いがある場合 |
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エボラウイルス病
エボラウイルス病は、エボラウイルスに感染することで引き起こされる、重篤な症状を引き起こす感染症です。かつてはエボラ出血熱と呼ばれていましたが、近年では「エボラウイルス病」という名称が一般的になっています。これは、必ずしも全ての患者に出血症状が見られるわけではないという事実を反映したものです。
エボラ出血熱という名称は、1975年に初めて確認されたこの病気の大発生時に、多くの患者で重度の出血症状が見られたことに由来します。しかし、その後の研究で、エボラウイルスに感染しても出血症状を示さない患者もいることが明らかになりました。
エボラウイルス病では、発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感といったインフルエンザに似た症状が最初に現れます。その後、嘔吐、下痢、腹痛、発疹などの症状が現れ、重症化すると、出血、ショック、多臓器不全を引き起こし、死に至る場合もあります。
エボラウイルス病は、感染した人の血液、体液、分泌物(汗、唾液、嘔吐物、糞便、尿、精液など)との直接接触によって感染します。適切な予防策を講じないと、医療従事者や患者の家族など、感染者と濃厚な接触を持つ人々に感染が広がる可能性があります。
エボラウイルス病は、効果的な治療法やワクチンが確立されていないため、非常に深刻な病気です。しかし、早期診断と適切な医療処置により、生存率を高めることができます。主な治療法は、患者の症状を和らげ、体液のバランスを維持するための対症療法です。
項目 | 内容 |
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疾患名 | エボラウイルス病(旧称:エボラ出血熱) |
原因 | エボラウイルスへの感染 |
初期症状 | 発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感(インフルエンザ様症状) |
重症化後の症状 | 嘔吐、下痢、腹痛、発疹、出血、ショック、多臓器不全 |
感染経路 | 感染者の血液、体液、分泌物(汗、唾液、嘔吐物、糞便、尿、精液など)との直接接触 |
治療法 | 有効な治療法やワクチンは確立されていない。対症療法が中心。 |