副腎皮質:小さな器官の大きな役割

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副腎皮質:小さな器官の大きな役割

病院での用語を教えて

先生、「副腎皮質」って、どんなものですか?

体の健康研究家

そうだね。「副腎」って聞いたことあるかな?腎臓にくっついた小さな臓器なんだけど、その表面部分を「副腎皮質」と呼ぶんだ。体の調子を整えるために、大切なホルモンを作っているんだよ。

病院での用語を教えて

ホルモンを作るんですか?どんなホルモンですか?

体の健康研究家

「副腎皮質ホルモン」って呼ばれるホルモンで、体のいろいろな働きを調整しているんだ。例えば、塩分や糖分の調節、免疫の調整、ストレスへの対応など、たくさんの役割があるんだよ。

副腎皮質とは。

体の調子を整える役割をする「ふくじん」という臓器の一部に「ふくじんひしつ」というものがあります。「ふくじんひしつ」は、ふくじんの外側部分を占めていて、ふくじん全体の八割から九割を占める、黄土色をした部分です。ここでは、体にとって大切な様々なホルモンが作られます。「ふくじんひしつ」は、球の形をした層、束のように集まった層、網の目のように入り組んだ層の三つの層に分かれていて、それぞれの層で異なるホルモンが作られます。このようにして作られたホルモンをまとめて「ふくじんひしつホルモン」と呼びます。

副腎皮質ってどこにあるの?

副腎皮質ってどこにあるの?

– 副腎皮質ってどこにあるの?

副腎皮質は、名前の通り「副腎」という臓器の一部です。では、副腎はどこにあるのでしょうか?副腎は、私たちの体の中に左右一対ずつ、合計二つあります。そして、その名の通り腎臓にくっつくように存在しています。もう少し詳しく見ていくと、左右の腎臓の上部、ちょうど帽子をかぶせるようにちょこんと乗っているのが副腎です。

副腎は非常に小さく、その大きさは縦が約3cm、横が約5cmほどしかありません。形は三角形に似ています。この小さな臓器の中に、生命維持に欠かせないホルモンを分泌する重要な器官である副腎皮質は存在しています。

副腎は、外側部分を占める「副腎皮質」と、内側部分を占める「副腎髄質」の二つで構成されています。副腎皮質は、副腎全体の約8~9割を占めており、体の電解質バランスや糖質、脂質の代謝などを調整するホルモンなどを分泌しています。

副腎は小さく目立たない臓器ですが、生きていく上で非常に重要な役割を担っています。

項目 詳細
場所 腎臓の上部(左右に1つずつ)
大きさ 縦約3cm、横約5cm
三角形
構造 外側:副腎皮質、内側:副腎髄質
副腎皮質の役割 体の電解質バランスや糖質、脂質の代謝などを調整するホルモンを分泌

副腎皮質の構造:3つの層

副腎皮質の構造:3つの層

腎臓の上に乗るように位置する副腎は、生命維持に不可欠なホルモンを分泌する重要な器官です。副腎は大きく分けて、外側の副腎皮質と内側の副腎髄質の二つから構成されています。顕微鏡で観察すると、副腎皮質はさらに三つの層に区別できます。最も外側に位置するのが球状層、その内側に束状層、そして最も内側に網状層が存在します。それぞれの層は異なる構造を持ち、異なるホルモンを産生しています。

まず、球状層は電解質のバランス調節に重要な役割を担っています。球状層からはミネラルコルチコイドというホルモンが分泌され、その代表的なものがアルドステロンです。アルドステロンは腎臓の尿細管に作用し、ナトリウムの再吸収を促進することで、体内の電解質バランスを維持しています。

次に、束状層は糖質コルチコイドと呼ばれるホルモンを産生します。糖質コルチコイドの代表的なホルモンであるコルチゾールは、ストレスへの反応や免疫、炎症の調整など、体にとって重要な役割を担います。コルチゾールは肝臓での糖新生を促進し、血糖値を上昇させる作用も持ち合わせています。

最後に、網状層からは男性ホルモンであるアンドロゲンが分泌されます。アンドロゲンは男性の性徴発現や性欲に関与するホルモンです。副腎皮質から分泌されるアンドロゲンの量は少量ですが、女性にとっては重要なアンドロゲン源となっています。このように、副腎皮質のそれぞれの層は異なるホルモンを分泌することで体の状態を調節し、生命活動を維持するために重要な役割を果たしているのです。

副腎皮質の層 ホルモン 主な作用
球状層 ミネラルコルチコイド(アルドステロン) 腎臓でのナトリウム再吸収促進による電解質バランスの維持
束状層 糖質コルチコイド(コルチゾール) ストレス反応、免疫、炎症の調整、血糖値の上昇
網状層 アンドロゲン 男性の性徴発現、性欲に関与

副腎皮質ホルモンの働き

副腎皮質ホルモンの働き

– 副腎皮質ホルモンの働き人間の体には、体内環境を一定の状態に保つために、様々な器官が複雑に連携しあう精巧なシステムが備わっています。その中でも、副腎は腎臓の上部に位置する小さな臓器ですが、生命維持に欠かせないホルモンを分泌する重要な役割を担っています。副腎は、大きく分けて副腎皮質と副腎髄質という2つの部分から構成されており、それぞれ異なるホルモンを分泌しています。

副腎皮質からは、コルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンという3つの主要なホルモンが分泌されます。これらのホルモンはまとめて副腎皮質ホルモンと呼ばれ、体内の様々な機能を調節しています。

コルチゾールはストレスに対処するホルモンとして知られており、血糖値や血圧を上昇させ、エネルギー産生を促進することで、身体をストレスから守る働きがあります。また、免疫機能の調節にも関与しており、過剰な炎症反応を抑える働きもあります。

アルドステロンは、体内の塩分と水分のバランスを調節するホルモンです。腎臓でのナトリウムの再吸収を促進し、カリウムの排泄を促すことで、体内の電解質バランスを維持しています。この働きによって、血圧の調整にも関与しています。

アンドロゲンは、男性ホルモンの一種で、男性では骨や筋肉の成長、性欲の維持などに、女性では性欲や心身の安定などに作用しています。

このように、副腎皮質ホルモンは、生命維持、ストレスへの対応、体の恒常性維持など、多岐にわたる重要な役割を担っています。これらのホルモンの分泌量が乱れると、様々な病気を引き起こす可能性があります。

ホルモン名 働き
コルチゾール – ストレスに対処するホルモン
– 血糖値・血圧上昇、エネルギー産生促進
– 免疫機能の調節、過剰な炎症反応抑制
アルドステロン – 体内の塩分と水分のバランスを調節するホルモン
– 腎臓でのナトリウム再吸収促進、カリウム排泄促進
– 血圧調整
アンドロゲン – 男性ホルモンの一種
– 男性:骨・筋肉の成長、性欲の維持
– 女性:性欲や心身の安定

球状層の働き:ミネラルコルチコイド

球状層の働き:ミネラルコルチコイド

副腎という臓器は、腎臓のすぐ上にある小さな臓器ですが、生命維持に欠かせないホルモンを作り出す重要な役割を担っています。副腎は大きく分けて、外側の層と内側の層に分かれており、それぞれ異なるホルモンを分泌しています。外側の層は副腎皮質と呼ばれ、さらに球状層、束状層、網状層の三層構造に分かれています。
球状層からは、ミネラルコルチコイドと呼ばれるホルモンが分泌されます。このホルモンは、体内のミネラルバランス、特にナトリウムとカリウムのバランスを調整する、いわば「体の水分量と塩分量の調節役」です。ミネラルコルチコイドの代表的なものがアルドステロンです。アルドステロンは、腎臓の尿細管という部分に作用し、ナトリウムを血液中に再吸収する働きを促進します。ナトリウムは体内の水分を引き寄せる性質があるため、ナトリウムが再吸収されることで、水分も一緒に血液中に戻ります。その結果、体内の水分量が増加し、血圧が上昇します。一方、アルドステロンはカリウムを尿中に排泄する働きも促進します。このように、アルドステロンはナトリウムとカリウムのバランスを調整することで、体内の電解質バランスと血圧の調整を行っているのです。このアルドステロンの働きが乱れると、低ナトリウム血症や高カリウム血症といった電解質異常、低血圧や高血圧などの症状が現れることがあります。

副腎の層 ホルモン 作用 役割
副腎皮質
(球状層)
ミネラルコルチコイド
(アルドステロン)
・ナトリウムの再吸収促進
・カリウムの尿中排泄促進
・体内水分量と塩分量の調節
・電解質バランスと血圧の調整

束状層と網状層の働き:グルココルチコイドと性ホルモン

束状層と網状層の働き:グルココルチコイドと性ホルモン

副腎皮質は、体の様々な機能を調整するホルモンを分泌する重要な器官です。その中でも、束状層と網状層は、それぞれ特徴的なホルモンを分泌し、私たちの健康に大きく関わっています。

束状層からは、グルココルチコイドと呼ばれるホルモンが分泌されます。グルココルチコイドは、ストレスに対する体の反応、糖質の代謝、免疫反応など、多岐にわたる生理作用を担っています。代表的なグルココルチコイドであるコルチゾールは、ストレスを感じた時に分泌量が増加し、エネルギー産生を促進したり、炎症を抑えたりすることで、体がストレスに対処できるようにサポートします。また、血糖値を上昇させる作用も持ち合わせています。

一方、網状層からは、男性ホルモンであるアンドロゲンと、女性ホルモンであるエストロゲンが少量ですが分泌されます。これらのホルモンは、思春期における性成熟や性欲、生殖機能の維持などに深く関わっています。

このように、束状層と網状層から分泌されるホルモンは、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っています。これらのホルモンのバランスが崩れると、様々な体調不良を引き起こす可能性があります。ストレスをためすぎず、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、健康的な生活習慣を送りましょう。

副腎皮質の層 分泌ホルモン 主な作用
束状層 グルココルチコイド
(例: コルチゾール)
– ストレス反応
– 糖質代謝
– 免疫反応
– エネルギー産生促進
– 炎症抑制
– 血糖値上昇
網状層 アンドロゲン(男性ホルモン)
エストロゲン(女性ホルモン)
– 思春期における性成熟
– 性欲、生殖機能の維持

副腎皮質の病気

副腎皮質の病気

– 副腎皮質の病気

私たちの体にある副腎という臓器は、腎臓の上に位置し、生命維持に欠かせないホルモンを分泌しています。副腎は、中心部の髄質とそれを取り囲む皮質からなり、特に皮質からは、コルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンといった重要なホルモンが分泌されています。

副腎皮質ホルモンは、体のエネルギー産生、塩分と水分のバランス調整、ストレスへの対応、性ホルモンの働きなど、多岐にわたる役割を担っています。そのため、副腎皮質に異常が生じると、ホルモンの分泌量に乱れが生じ、健康に様々な影響を及ぼします。

副腎皮質の病気には、ホルモンの分泌量が低下する副腎皮質機能低下症と、逆に分泌量が過剰になる副腎皮質機能亢進症があります。

副腎皮質機能低下症は、倦怠感や疲労感、体重減少、食欲不振、低血圧、皮膚の色素沈着などを引き起こします。原因としては、自己免疫疾患や感染症、腫瘍などが考えられます。

一方、副腎皮質機能亢進症は、高血圧、筋肉の衰えや易疲労性、骨粗鬆症、満月様顔貌、中心性肥満などの症状が現れます。原因としては、副腎皮質の腫瘍や、脳下垂体からのホルモン分泌異常などが挙げられます。

副腎皮質の病気は、放置すると重篤な症状を引き起こす可能性があります。早期発見・早期治療が重要となるため、上記のような症状が現れた場合には、医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしてください。

分類 症状 原因
副腎皮質機能低下症 倦怠感、疲労感、体重減少、食欲不振、低血圧、皮膚の色素沈着など 自己免疫疾患、感染症、腫瘍など
副腎皮質機能亢進症 高血圧、筋肉の衰えや易疲労性、骨粗鬆症、満月様顔貌、中心性肥満など 副腎皮質の腫瘍、脳下垂体からのホルモン分泌異常など

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