知っておきたい橋本病:その症状と治療法

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知っておきたい橋本病:その症状と治療法

病院での用語を教えて

先生、「橋本病」ってよく聞くんですけど、どんな病気なんですか?

体の健康研究家

良い質問ですね。「橋本病」は、簡単に言うと、自分の免疫が自分の甲状腺を攻撃してしまう病気です。

病院での用語を教えて

免疫が自分の体を攻撃するんですか? なんでそんなことをしてしまうんですか?

体の健康研究家

詳しい原因はまだ解明されていませんが、遺伝や環境などが影響していると考えられています。この攻撃によって甲状腺の働きが弱くなってしまうと、色々な症状が出てくるんです。

橋本病とは。

「橋本病」とは、自分の体を守るはずの免疫が誤って甲状腺を攻撃してしまう病気です。このため、甲状腺が徐々に壊れていき、やがて甲状腺ホルモンの分泌が減ってしまいます。橋本病は、甲状腺ホルモンが不足する病気である「甲状腺機能低下症」の主な原因とされ、「慢性甲状腺炎」とも呼ばれています。

橋本病とは

橋本病とは

– 橋本病とは橋本病は、本来体を守るはずの免疫の働きが誤って自分の甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。この攻撃によって甲状腺に慢性的な炎症が起こり、甲状腺ホルモンの分泌量が低下します。この状態を慢性甲状腺炎とも呼びます。甲状腺ホルモンは体の代謝を調整する重要な役割を担っているため、分泌量が低下すると、全身に様々な影響が現れます。

橋本病は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気である甲状腺機能低下症の主な原因の一つとして知られています。日本では、比較的患者数の多い病気であり、特に女性に多く見られます。年齢層としては、30代から50代にかけて発症するケースが多い傾向にあります。

橋本病は初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため、健康診断などで甲状腺ホルモンの値に異常が見つかり、初めて橋本病と診断されるケースも少なくありません。病状が進行すると、疲労感や倦怠感、体重増加、むくみ、寒がり、便秘、皮膚の乾燥、髪質の変化、月経不順などの症状が現れるようになります。

橋本病は完治が難しい病気ですが、適切な治療を行うことで症状を抑え、日常生活に支障が出ないようにコントロールすることができます。

項目 詳細
病気の名前 橋本病(慢性甲状腺炎)
種類 自己免疫疾患
原因 免疫の異常による甲状腺への攻撃
症状
  • 初期段階では自覚症状が少ない
  • 疲労感、倦怠感
  • 体重増加
  • むくみ、寒がり
  • 便秘、皮膚の乾燥、髪質の変化
  • 月経不順
特徴
  • 甲状腺機能低下症の主な原因
  • 日本では患者数が多い
  • 30~50代の女性に多い
治療法 症状を抑え、日常生活をコントロールする治療

症状と進行

症状と進行

– 症状と進行橋本病は、初期段階では自覚できるような症状がほとんど見られないことが特徴です。そのため、知らず知らずのうちに病気が進行しているケースも少なくありません。病状が進むにつれて、全身の新陳代謝機能が低下し始め、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、慢性的な疲労感や倦怠感、冷え性、体重増加、便秘、むくみなどが挙げられます。また、皮膚の乾燥や抜け毛といった症状が現れることもあります。さらに、女性ホルモンのバランスが乱れることで、月経不順や不妊の原因となる可能性も示唆されています。橋本病の進行は緩やかであるため、自覚症状が乏しいまま病気が進行することも少なくありません。そのため、自覚症状がない場合でも、定期的な健康診断や血液検査を受けることが早期発見の鍵となります。特に、家族に甲状腺疾患の既往歴がある方は、注意が必要です。早期発見・早期治療によって、症状の悪化を防ぎ、健康な生活を送るように心がけましょう。

橋本病の症状 詳細
初期症状 自覚症状がほとんどない
進行に伴う症状
  • 慢性的な疲労感や倦怠感
  • 冷え性
  • 体重増加
  • 便秘
  • むくみ
  • 皮膚の乾燥
  • 抜け毛
  • 月経不順
  • 不妊
進行の程度 緩やか
早期発見の重要性
  • 定期的な健康診断
  • 血液検査
特に注意が必要な人 家族に甲状腺疾患の既往歴がある方

原因とメカニズム

原因とメカニズム

– 原因とメカニズム橋本病は、私たちの体を病気から守るはずの免疫システムが、誤って自分の体の組織を攻撃してしまうことで起こる自己免疫疾患です。この病気では、免疫細胞が甲状腺を攻撃対象と誤認してしまいます。その結果、甲状腺には慢性的な炎症が起こり、甲状腺ホルモンを作り出す細胞が破壊されていきます。甲状腺ホルモンは、私たちの体の代謝、つまりエネルギーを作り出し、利用する働きを調節する重要なホルモンです。このホルモンが不足すると、全身の倦怠感や体重増加、寒がり、便秘などの症状が現れます。橋本病の明確な原因は、現在のところ完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が複雑に関係していると考えられています。一つは遺伝的な要因です。橋本病の患者さんでは、特定の遺伝子に変異が見られる場合があり、この遺伝子の変異が免疫システムの異常を引き起こす可能性が示唆されています。もう一つは環境要因です。例えば、過剰なヨウ素の摂取や、ウイルス感染などが、橋本病の発症に関与している可能性が指摘されています。橋本病は、現在の医学では完治させることが難しい病気ですが、適切な治療によって甲状腺ホルモンの不足を補い、症状をコントロールすることは可能です。

項目 説明
病気の原因 免疫システムが甲状腺を誤って攻撃する自己免疫疾患
メカニズム 免疫細胞が甲状腺を攻撃 -> 慢性炎症 -> 甲状腺ホルモン産生細胞の破壊 -> 甲状腺ホルモン不足
症状 全身の倦怠感、体重増加、寒がり、便秘など
原因 明確な原因は不明、遺伝的要因と環境要因が関与すると推測されている。

  • 遺伝的要因:特定の遺伝子の変異
  • 環境要因:過剰なヨウ素摂取、ウイルス感染など
治療法 完治は難しいが、甲状腺ホルモン補充療法で症状のコントロールは可能

診断

診断

– 診断橋本病と診断するためには、血液検査が重要な役割を果たします。血液検査では、二つの主要な要素に注目します。まず、甲状腺ホルモンの量が測定されます。甲状腺ホルモンは、体の代謝を調節する重要なホルモンですが、橋本病ではこのホルモンの分泌量が低下します。そのため、血液中の甲状腺ホルモン濃度を調べることで、橋本病の可能性を探ることができます。次に、甲状腺に対する自己抗体の有無を調べます。自己抗体とは、本来体を守るはずの免疫システムが、自分自身の組織を攻撃してしまう際に作られる抗体のことを指します。橋本病の場合、甲状腺を攻撃する自己抗体が作られ、甲状腺の機能を低下させてしまいます。血液検査では、これらの自己抗体の有無を検出することで、橋本病の診断を確定づけることができます。血液検査に加えて、触診超音波検査が行われることもあります。触診では、医師が直接首のあたりを触診することで、甲状腺の腫れや硬さの有無を調べます。超音波検査では、超音波を使って甲状腺の形状や大きさを確認し、腫瘤や炎症の有無を詳しく調べます。これらの検査は、橋本病の進行度合いや、他の甲状腺疾患との鑑別のために役立ちます。橋本病は、血液検査を基軸とした診断が重要であり、自己抗体や甲状腺ホルモンの状態を把握することが、適切な治療方針を決定する上で欠かせません。

診断方法 目的 詳細
血液検査 甲状腺機能の確認と自己抗体の検出 – 甲状腺ホルモン(橋本病では低下)の量を測定
– 甲状腺に対する自己抗体の有無を調べる
触診 甲状腺の状態の確認 – 医師が首を触診して、甲状腺の腫れや硬さを確認
超音波検査 甲状腺の状態の詳細確認 – 超音波で甲状腺の形状、大きさ、腫瘤、炎症の有無を確認

治療

治療

– 治療橋本病は、人の体が持つ免疫の働きが誤って自分の甲状腺を攻撃してしまうことで、甲状腺ホルモンが十分に作られなくなる病気です。そのため、治療の中心となるのは、不足している甲状腺ホルモンを薬で補うことです。この薬は、不足しているホルモンを補うことで、低下した体の働きを正常に戻す役割を担います。服用する薬は、甲状腺ホルモン剤と呼ばれるもので、毎日決められた量を飲むことで効果が現れます。効果や副作用の程度には個人差があるため、医師は血液検査を行いながら、その人に最適な量を慎重に決めていきます。甲状腺ホルモン剤の服用は、多くの場合、長期にわたります。これは、橋本病が完治する病気ではなく、継続的にホルモンを補う必要があるためです。自己判断で服用を中止してしまうと、再び症状が現れたり、体がだるく感じたりすることがあります。治療の目的は、単に検査の数値を正常化するだけではなく、患者さんが自覚する症状を改善し、日常生活に支障なく過ごせるようにすることです。そのためにも、医師の指示を守り、定期的な検査を受けることが非常に大切です。患者さん自身が病気と治療についてよく理解し、医師と積極的にコミュニケーションをとることで、より良い治療効果を得ることが期待できます。

項目 内容
病気 橋本病 (自己免疫疾患)
原因 免疫の異常により甲状腺が攻撃され、甲状腺ホルモンが不足する
治療の中心 不足する甲状腺ホルモンを薬で補う
薬剤 甲状腺ホルモン剤
服用方法 毎日、医師が決定した量を服用
服用期間 多くの場合、長期服用が必要
治療の目的
  • 検査数値の正常化
  • 自覚症状の改善
  • 日常生活に支障なく過ごせるようにする
重要なポイント
  • 医師の指示に従い、自己判断で服用を中止しない
  • 定期的な検査を受ける
  • 病気と治療について理解し、医師と積極的にコミュニケーションを取る

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