狭心症:胸の痛みと心臓の関係
病院での用語を教えて
先生、『狭心症』って、どんな病気ですか?
体の健康研究家
いい質問ですね。『狭心症』は、心臓に栄養を送る血管である『冠動脈』が狭くなってしまう病気です。 簡単に言うと、心臓が酸欠状態になってしまうんです。
病院での用語を教えて
心臓が酸欠…苦しそうですね。どんな時に起こるんですか?
体の健康研究家
そうですね。運動したり、興奮したり、心臓に負担がかかると、胸が痛くなったり、締め付けられるような感じがします。ただし、症状が出ない場合もあるんですよ。
狭心症とは。
心臓の筋肉に栄養を送るための血管である冠動脈に異常が起こると、心臓の筋肉は一時的に酸素不足になります。この状態を狭心症といい、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。冠動脈がひどく狭くなったり詰まったりして、心臓の筋肉が壊死してしまう病気を心筋梗塞といいますが、狭心症では心臓の筋肉の壊死は見られません。また、心臓の筋肉が酸素不足でも、胸の症状が出ない場合もあり、これは無症候性心筋虚血と呼ばれ、糖尿病や高齢者、過去に心筋梗塞になったことがある人に多く見られます。
狭心症とは
– 狭心症とは心臓は、体中に血液を送り出すポンプのような役割を担っています。休むことなく働き続け、私たちの生命を維持するために欠かせない臓器ですが、心臓自身もまた、その活動のために多くの酸素を必要とします。心臓に酸素を届けるための重要な役割を担っているのが、冠動脈と呼ばれる血管です。しかし、この冠動脈に問題が生じると、心臓に必要な酸素が十分に行き渡らなくなり、様々な症状が現れます。このような状態を狭心症と呼びます。狭心症の主な原因は、動脈硬化によって冠動脈の内側が狭くなってしまうことです。血管の内側にコレステロールなどが溜まり、血管が硬く狭くなることで、血液の流れが悪くなってしまいます。また、冠動脈が一時的にけいれんを起こし、血液の流れが滞ってしまうことも狭心症の原因となります。心臓に酸素が不足すると、胸の痛みや圧迫感を感じることが多く、特に運動時やストレスを感じた時に症状が現れやすいのが特徴です。安静にすると症状が落ち着くことが多いですが、放置すると心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性もあるため、早期の診断と治療が重要となります。
項目 | 詳細 |
---|---|
狭心症とは | 心臓の筋肉に十分な血液が供給されないために起こる病気 |
心臓の役割 | 体中に血液を送り出すポンプ |
冠動脈の役割 | 心臓に酸素を届ける血管 |
狭心症の原因 | – 動脈硬化による冠動脈の狭窄 – 冠動脈のけいれん |
狭心症の症状 | – 胸の痛みや圧迫感 – 運動時やストレス時に症状が現れやすい – 安静にすると症状が落ち着くことが多い |
狭心症の合併症 | 心筋梗塞 |
狭心症の症状:胸の痛みや圧迫感
狭心症は、心臓の筋肉に十分な血液が供給されなくなることで起こる病気です。心臓は、血液を全身に送り出すポンプのような役割を担っており、そのために常に酸素を必要としています。しかし、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が動脈硬化などで狭くなると、心臓が必要とするだけの血液が供給されにくくなってしまいます。これが狭心症の原因です。
狭心症の代表的な症状は、胸の痛みや圧迫感です。心臓は、酸素不足になるとそのサインとして痛みを発します。痛みの感じ方は人それぞれで、締め付けられるような感じ、焼けるような感じ、圧迫感など様々です。また、痛みの現れ方も個人差があり、常に痛む場合もあれば、運動時や階段を上る時など、心臓に負担がかかった際にだけ症状が現れる場合もあります。これは、安静時には心臓に必要な酸素量が少なく、狭くなった血管でも供給できる一方で、運動時など心臓が多くの酸素を必要とする場合には、十分な血液が供給できなくなるためです。
胸の痛み以外にも、痛みが左肩や腕、背中、顎などに広がることもあります。これは、心臓とこれらの部位の神経が繋がっているため、心臓の痛みがこれらの部位に伝わると考えられています。また、胸の痛みを感じない場合でも、息切れや動悸、強い疲労感などの症状が現れることもあります。これらの症状は、狭心症以外の病気でも起こる可能性があるため、自己判断はせずに、医療機関を受診することが大切です。
項目 | 詳細 |
---|---|
病気 | 狭心症 |
原因 | 心臓の筋肉に血液が十分に行き渡らないため。 ・心臓の血管(冠動脈)が動脈硬化などで狭くなることが原因。 |
症状 | ・代表的な症状:胸の痛みや圧迫感 ・痛みの感じ方:締め付けられる、焼ける、圧迫感など様々 ・痛みの現れ方:常に痛む、運動時や階段を上る時など心臓に負担がかかった際にだけ症状が現れるなど個人差あり ・その他の症状:痛みは左肩や腕、背中、顎などに広がることもある、息切れ、動悸、強い疲労感など ※ 胸の痛みを感じない場合でも、狭心症の可能性があります。 |
注意事項 | 上記の症状は他の病気でも起こる可能性があるため、自己判断はせずに医療機関を受診することが大切です。 |
狭心症と心筋梗塞の違い
胸の痛みや圧迫感といった症状が現れる病気として、狭心症と心筋梗塞があります。どちらも心臓に血液を送るための血管である冠動脈の異常が原因で起こりますが、その状態は大きく異なります。
狭心症は、動脈硬化によって冠動脈が狭くなっているために、心臓が必要とするだけの血液を十分に送り届けられないことで起こります。激しい運動後や、ストレスを感じている時など、心臓に多くの血液が必要となる状況下で、一時的に心臓の筋肉(心筋)に酸素が不足し、痛みや圧迫感などの症状が現れます。ただし、狭心症は一過性の心筋の虚血状態であり、安静にすることで症状は改善し、通常は心筋に損傷は残りません。
一方、心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまい、心筋への血液供給が完全に途絶えてしまうことで起こります。血流が途絶えた心筋は、時間の経過とともに壊死していきます。心筋梗塞は、心筋が壊死している状態であるため、狭心症よりも重症で、命に関わることもあります。
狭心症の場合でも、症状が長く続いたり、安静時にも症状が現れる場合は、心筋梗塞に移行している可能性があります。そのため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
項目 | 狭心症 | 心筋梗塞 |
---|---|---|
原因 | 動脈硬化による冠動脈の狭窄 | 冠動脈の完全閉塞 |
状態 | 一過性の心筋の虚血状態 | 心筋が壊死している状態 |
症状発生のタイミング | 運動時、ストレス時など、心臓に負荷がかかった時 | 時間帯は関係ない |
症状の持続時間 | 一時的(数分程度) | 持続的(30分以上続くことも) |
予後 | 通常は心筋に損傷は残らない | 命に関わることもある |
無症候性心筋虚血:自覚症状がないことも
心臓は、休むことなく私たちの体中に血液を送り続けている重要な臓器です。そして、心臓自身も血液によって酸素や栄養を供給されています。ところが、動脈硬化などが原因で心臓に血液を供給する血管(冠動脈)が狭くなると、心臓に十分な血液が行き渡らなくなり、酸素不足に陥ってしまいます。これが心筋虚血です。心筋虚血は、多くの場合、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。これが狭心症と呼ばれる病気です。
しかし、注意が必要なのは、狭心症であっても、必ずしもこのようなはっきりとした症状が現れるわけではないということです。自覚症状がないまま心筋虚血が起きている状態を、無症候性心筋虚血と呼びます。自覚症状がないため、心臓に負担がかかっていることに気づかず、放置してしまうケースも少なくありません。特に、糖尿病や高齢者、過去に心筋梗塞などを経験したことがある方は、無症候性心筋虚血のリスクが高いと言われています。
自覚症状の有無に関わらず、心筋虚血は心臓に負担をかけている状態であることには変わりありません。放置すると、心筋梗塞など、より重篤な心臓病に進行するリスクも高まります。そのため、定期的な健康診断などを活用し、早期発見に努めることが重要です。また、健康的な生活習慣を心がけることも、心筋虚血の予防に繋がります。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、心臓に負担をかけすぎない生活を送りましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
心筋虚血 | 動脈硬化などで心臓に血液が十分に行き渡らなくなる状態 |
狭心症 | 心筋虚血により、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れる病気 |
無症候性心筋虚血 | 自覚症状がないまま心筋虚血が起きている状態 |
リスク因子 | 糖尿病、高齢者、心筋梗塞の既往など |
予防策 | 定期的な健康診断、健康的な生活習慣(バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など) |
まとめ
– まとめ
狭心症は、心臓の筋肉に十分な血液が行き届かなくなることで、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れる病気です。心臓は、休むことなく全身に血液を送り出す働きをしています。そのために心臓自身も多くの酸素を必要とする臓器ですが、動脈硬化などによって心臓に血液を送る冠動脈が狭くなると、心臓が必要とするだけの血液が供給されず、酸素不足に陥ります。これが狭心症の主な原因です。
狭心症は、命に関わる病気である心筋梗塞と比較すると軽症というイメージを持たれがちですが、決して油断できる病気ではありません。狭心症を放置すると、冠動脈が完全に詰まり、心筋が壊死してしまう心筋梗塞を引き起こす可能性があります。心筋梗塞は命に関わるだけでなく、後遺症が残る可能性もある危険な病気です。
狭心症の予防と治療には、生活習慣の改善が非常に重要です。禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動などを心掛けるようにしましょう。また、医師の指示に従って薬物療法を行うことも大切です。
狭心症は、適切な治療と生活習慣の改善によって症状をコントロールし、心臓を守ることは可能です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
病気 | 狭心症 |
症状 | 胸の痛み、圧迫感 |
原因 | 動脈硬化などによる冠動脈の狭窄による心筋への酸素不足 |
危険性 | 放置すると心筋梗塞(心筋の壊死)を引き起こす可能性あり、命に関わる場合も |
予防と治療 | 禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動、医師の指示による薬物療法 |