超音波検査:体の中を音で診る技術
病院での用語を教えて
先生、「超音波検査」ってよく聞くけど、どんな検査かよくわからないんです。
体の健康研究家
そうだね。「超音波検査」は、音を使って体の内側を見る検査だよ。
病院での用語を教えて
音で体の内側が見えるんですか?レントゲンみたいに骨を写すのですか?
体の健康研究家
レントゲンとは違うんだ。超音波検査では、人間の耳には聞こえない高い音の波を体に当てて、その波が臓器などで反射して戻ってくるのを映像化するんだ。赤ちゃんがお腹にいるかどうかも、この超音波検査で見ることができるんだよ。
超音波検査とは。
『超音波検査』っていう医療や健康の言葉は、体の中を見る検査方法の一つで、高い音の波を体にあてて、その音が跳ね返ってくるのを集めて、画像にする検査のことだよ。
超音波検査とは
– 超音波検査とは超音波検査は、人間の耳では聞こえない高い周波数の音の波である「超音波」を用いて、体内の様子を画像化する検査方法です。検査の際には、ゼリー状のものを体に塗布し、その上からプローブと呼ばれる装置を当てていきます。このプローブから超音波を発信し、体内組織や臓器で反射して戻ってきた超音波を画像に変換します。 超音波検査は、レントゲン検査のように放射線を使用しないため、人体への負担が非常に少なく、妊婦さんや子供でも安心して受けることができます。超音波検査は、心臓、腹部、血管、乳腺、甲状腺など、様々な部位の検査に用いられます。 例えば、心臓の検査では、心臓の動きや弁の状態、心筋の厚さなどを確認することができます。また、腹部の検査では、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器の大きさや形、内部の状態を調べることが可能です。さらに、血管の検査では、血管の詰まりや狭窄、動脈硬化などを診断することができます。超音波検査は、痛みや苦痛を伴わないため、体に負担をかけずに検査を受けることができます。 また、検査時間も比較的短く、リアルタイムで体の状態を確認できるという利点もあります。そのため、健康診断などでも広く利用されている検査方法です。
項目 | 内容 |
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定義 | 超音波を用いて体内を画像化する検査方法 |
安全性 | 放射線を使用しないため、人体への負担が非常に少なく、妊婦や子供も安全 |
検査部位 | 心臓、腹部、血管、乳腺、甲状腺など |
検査内容例 |
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その他 | 痛みや苦痛を伴わず、検査時間も比較的短い。リアルタイムで体の状態を確認できる |
超音波のしくみ
– 超音波のしくみ超音波検査は、人間の耳では聞き取ることのできない高い周波数の音波を利用して、体内の様子を画像化する技術です。検査には、「プローブ」と呼ばれる装置が用いられます。このプローブを体に当てると、そこから超音波が発信され、体内へと進んでいきます。超音波は空気中よりも体内の組織の中を伝わりやすく、臓器や血管、骨などの異なる組織の境界に到達すると、その一部が反射します。プローブは、発信した超音波が反射して戻ってくるまでの時間を計測し、そのデータを基にコンピュータが画像を構築します。反射してくるまでの時間が短い場合はプローブに近い位置に、長い場合は遠い位置に物体があることを示しており、反射の強さによって組織の硬さや密度を推定することができます。こうして、臓器の形や大きさ、内部構造、血流の様子などが、まるで白黒写真のようにモニターに映し出されるのです。超音波検査は、放射線被曝の心配がなく、リアルタイムで体内を観察できることから、妊児の検査や心臓病の診断など、幅広い分野で活用されています。
項目 | 詳細 |
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原理 | 人間の耳では聞こえない高い周波数の音波(超音波)を利用して、体内の様子を画像化 |
方法 | プローブと呼ばれる装置を体に当て、超音波を発信し、その反射を捉える |
画像化 |
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特徴 |
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用途 | 妊児の検査、心臓病の診断など幅広い分野 |
超音波検査で見ることができるもの
超音波検査は、体の中を音の波を用いて観察する検査です。ゼリーを体に塗って、プローブと呼ばれる機械を当てると、そこから音波が体内に発信されます。音波は臓器や組織にあたって反射し、その反射波をプローブが受信して画像化します。
超音波検査は、様々な臓器や組織の状態を調べることができ、腹部では、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などを観察するのに用いられます。これらの臓器の形や大きさ、内部に腫瘍や結石がないかなどを調べることができます。
また、超音波検査は腹部以外にも、様々な部位の検査に用いられます。心臓の動きや弁の構造、筋肉の損傷、甲状腺の腫瘍などを調べることができます。 心臓の検査を心臓超音波検査、血管の状態を調べる検査を血管超音波検査と呼びます。
産婦人科では、胎児の成長や状態を観察するために超音波検査が広く利用されています。胎児の大きさや位置、心臓の動きなどを確認することで、順調に発育しているかを調べることができます。
このように、超音波検査は体の様々な部位の状態を調べることができる、安全で簡便な検査です。
検査項目 | 詳細 |
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腹部超音波検査 | 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器の形や大きさ、腫瘍や結石の有無などを観察します。 |
心臓超音波検査 | 心臓の動きや弁の構造などを観察します。 |
血管超音波検査 | 血管の状態を観察します。 |
産婦人科領域における超音波検査 | 胎児の成長や状態(大きさ、位置、心臓の動きなど)を観察します。 |
超音波検査のメリット
超音波検査は、身体に負担の少ない検査として幅広く利用されています。その最大のメリットは、放射線を使用しないという点にあります。レントゲンやCT検査とは異なり、放射線被ばくの心配がないため、妊婦さんや成長段階にあるお子さんでも安心して検査を受けることができます。また、超音波検査は、リアルタイムで臓器の動きや血流を映像として確認できるという利点もあります。心臓の動きを詳しく調べる心臓超音波検査や、血管の状態を評価する血管超音波検査など、様々な検査に活用されています。さらに、腫瘍の大きさや形、内部構造などを詳しく観察することも可能です。このように、超音波検査は、患者さんの身体への負担が少なく、様々な情報をリアルタイムで得ることができるという点で、非常に優れた検査方法と言えます。さらに、他の画像検査と比較して、比較的費用が安く、検査時間も短いという利点も挙げられます。そのため、健康診断などでも広く利用されており、病気の早期発見や予防にも役立っています。
メリット | 詳細 |
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放射線被ばくがない | 妊婦や子供でも安全 |
リアルタイム性 | 臓器の動きや血流を確認可能、心臓や血管の状態評価、腫瘍の観察 |
低負担 | 身体への負担が少ない |
低コスト・短時間 | 他の画像検査と比較して安価、検査時間が短い |
超音波検査のデメリット
超音波検査は、人体に負担の少ない検査として広く普及していますが、万能な検査方法ではありません。いくつかのデメリットも存在します。
まず、超音波は、空気や骨を透過しにくいという性質があります。空気は超音波を反射してしまうため、肺や腸など、ガスを含む臓器の検査には不向きです。また、骨も超音波を反射しやすいため、骨に囲まれた脳や脊髄の検査は困難です。これらの部位を詳しく調べるには、X線検査やMRI検査など、他の検査方法を検討する必要があります。
さらに、超音波検査は、検査を行う医師の技術や経験によって、画像の質や診断の精度が影響を受ける可能性があります。具体的には、プローブと呼ばれる装置を当てる角度や圧力、観察する方向などを微妙に調整することで、より鮮明な画像を得ることができます。そのため、経験豊富な医師による検査を受けることが重要です。検査を受ける際は、医師の経験年数や専門分野などを確認しておくとよいでしょう。
項目 | 内容 |
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原理 | 超音波の反射を利用 |
メリット | 人体への負担が少ない |
デメリット | – 空気や骨を透過しにくい – 検査を行う医師の技術や経験によって、画像の質や診断の精度が影響を受ける可能性がある |
不向きな検査部位 | – 肺や腸など、ガスを含む臓器 – 骨に囲まれた脳や脊髄 |
その他 | 経験豊富な医師による検査が望ましい |
まとめ
– まとめ
超音波検査は、放射線を使わないため人体への負担が少なく、安全性が高い検査として幅広い医療分野で活用されています。妊婦さんの胎児の様子を観察する際にも用いられることから、その安全性が伺えます。
しかし、超音波検査は万能ではありません。体の表面に近い臓器や、液体で満たされた臓器の検査には適していますが、骨や空気によって遮られやすい臓器の検査は不得意とします。例えば、肺や腸などの臓器は、超音波が通りにくいため、鮮明な画像を得ることが難しい場合があります。
そのため、超音波検査を受ける際には、自身の症状や状態に最適な検査方法を選択することが重要です。検査前に医師に相談し、検査の目的や内容、得意・不得意な点などを理解した上で検査を受けるようにしましょう。
長所 | 短所 |
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– 放射線を使わないため人体への負担が少ない – 安全性が高い – 妊婦や胎児への影響が少ない |
– 骨や空気によって遮られやすい臓器の検査は不得意 – 肺や腸など、超音波が通りにくい臓器の検査は鮮明な画像を得ることが難しい |