生命を支える呼吸の補助装置: レスピレーター
- レスピレーターとは呼吸が困難な患者さんにとって、自力で呼吸をすることは非常に負担が大きくなります。このような場合に、肺の働きを補助し、患者さんの呼吸をサポートするのがレスピレーターです。人工呼吸器とも呼ばれ、医療現場では「ベンチレーター」と呼ばれることの方が多いです。レスピレーターは、空気中の酸素濃度を高めた空気を、患者さんの肺に送り込む役割を担います。この際、患者さんの肺の状況に合わせて、空気の圧力や供給するタイミングを調整します。これにより、患者さんは楽に呼吸ができるようになり、体力の回復を促すことが期待できます。レスピレーターは、肺炎や肺気腫などの呼吸器疾患、心不全、手術後の呼吸管理など、様々な場面で使用されます。特に、新型コロナウイルス感染症による重症肺炎の治療においては、必要不可欠な医療機器となっています。しかし、レスピレーターの使用には、人工呼吸器関連肺炎などの合併症のリスクも伴います。そのため、医師や看護師は、患者さんの状態を注意深く観察しながら、適切な管理を行う必要があります。