心電図の基礎:V5誘導の位置と役割
- 心電図と誘導について心電図は、心臓の電気的な活動を波形として記録することで、心臓の健康状態を評価する検査です。心臓は、全身に血液を送るために絶えず rhythmically に収縮と拡張を繰り返しています。この収縮と拡張は、心臓内部の特殊な細胞から発生する電気信号によって制御されています。心電図検査では、この微弱な電気信号を体の表面に置いた電極と呼ばれるセンサーで捉え、波形として記録します。この検査で重要な役割を果たすのが「誘導」です。誘導とは、電極を体の特定の位置に配置する方法を指します。電極の位置関係を変えることで、心臓の電気的な活動を様々な角度から捉えることができます。これは、家の周りに複数のカメラを設置して、家の中を様々な角度から見ることと似ています。心電図検査では、通常、10個の電極を使用します。この10個の電極を組み合わせることで、12種類の誘導を得ることができます。それぞれの誘導は、心臓の特定の部分の電気的な活動を反映しており、医師はこれらの波形パターンを総合的に分析することで、心臓の異常の有無や種類、場所などを診断します。例えば、ある誘導では心臓の右心房の活動が、別の誘導では左心室の活動が、また別の誘導では心臓の下壁の活動が、それぞれ強調されて記録されます。このように、複数の誘導を組み合わせることで、心臓全体の状態を立体的に把握することができるのです。心電図検査は、不整脈、心筋梗塞、狭心症など、様々な心臓病の診断に欠かせない検査です。