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貧血治療に用いる鉄剤

- 鉄剤とは鉄剤とは、不足しがちな鉄分を補うための薬です。鉄は私たちの体内ではごくわずかな量しか存在しませんが、生命活動に欠かせない役割を担っています。 体内の鉄分の多くは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンというタンパク質に存在しています。ヘモグロビンは、肺から体内の各組織へ酸素を運搬するという重要な役割を担っています。 もし、体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンの合成がうまくいかなくなり、酸素を十分に運ぶことができなくなります。この状態が貧血です。 貧血になると、疲れやすくなったり、息切れしやすくなったり、顔色が悪くなったりと、様々な症状が現れます。 鉄剤は、食事からだけでは十分な鉄分を摂取できない場合に、不足した鉄分を補い、貧血を改善するために用いられます。 鉄剤には、錠剤やカプセル剤、シロップ剤など、様々な種類があります。医師の指示に従って、適切な種類と量を服用することが大切です。
血液

低カリウム血症が招く筋力低下:低カリウム性ミオパチー

- 低カリウム性ミオパチーとは低カリウム性ミオパチーは、血液中のカリウムの値が過度に低下することによって、全身の筋肉に力が入らなくなる病気です。カリウムは、体内の水分量を調整したり、神経伝達をスムーズに行ったりする役割を担う重要な電解質の一つです。特に、筋肉が正常に収縮するためには欠かせない役割を担っています。 このカリウムが不足すると、筋肉は本来の働きができなくなり、様々な症状が現れます。初期症状としては、手足の脱力感や倦怠感などが挙げられます。これらの症状は、最初は一時的なものとして見過ごされがちですが、放置すると徐々に悪化していきます。進行すると、立つ、歩くといった動作が困難になるだけでなく、重症化すると呼吸に必要な筋肉も弱り、呼吸困難に陥ることもあります。さらに、心臓の筋肉も影響を受け、不整脈を引き起こす可能性もあります。最悪の場合、生命の危険も伴うため、早期の発見と適切な治療が非常に重要となります。
皮膚科

皮膚の専門医、皮膚科について

- デルマとは「デルマ」とは、皮膚科のことを指す言葉で、ドイツ語の「Dermatologie(デルマトロジー)」を語源としています。これは、皮膚の病気やその治療を専門とする医学の一分野です。皮膚は人体で最大の器官であり、体の最も外側を覆うことで、私たちを外界の様々な刺激から守ってくれる大切な役割を担っています。強い日差しや紫外線、乾燥、細菌やウイルスなどの侵入を防ぐだけでなく、体温調節や感覚器官としての役割も果たしています。このように重要な役割を持つ皮膚ですが、様々な要因によってトラブルを起こすことがあります。その原因は、細菌やウイルス、アレルギー、生活習慣、遺伝など多岐にわたります。湿疹、アトピー性皮膚炎、ニキビ、水虫、じんましん、とびひ、円形脱毛症など、その症状も実に様々です。デルマは、このような皮膚のトラブルに対して、専門的な知識と技術を用いて診断、治療を行う診療科です。皮膚科医は、皮膚の状態を観察したり、問診を行ったり、必要に応じて皮膚の一部を採取して検査するなどして、適切な診断を行います。そして、塗り薬や飲み薬、光線療法、手術など、症状や原因に応じた治療法を選択し、患者さんのQOL向上を目指します。
血液

生命の鎖を繋ぐ: 鉄分の役割

- 鉄分とは何か鉄は、地球の地殻や中心部にも多く存在するありふれた元素ですが、私達人間を含めた生物にとっても、生きていく上で欠かせない重要な役割を担っています。鉄は栄養学の分野では「ミネラル」に分類され、ごくわずかな量でも生命活動に大きく関わるため、「微量ミネラル」とも呼ばれます。 鉄分の最も重要な役割は、血液中で酸素を全身に運ぶ「ヘモグロビン」というタンパク質の構成成分となることです。ヘモグロビンは、肺で取り込まれた酸素と結びつき、血液の流れに乗って体の隅々まで酸素を届けます。そして、体の各細胞でエネルギーが作られる過程で発生した二酸化炭素と入れ替わりに、再び肺へと戻り、体外へ排出されます。 もし、体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンの合成が滞り、血液中のヘモグロビン濃度が低下します。すると、全身の細胞に十分な酸素を供給することができなくなり、酸欠状態に陥ってしまいます。これが「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態で、動悸や息切れ、めまい、顔面蒼白、倦怠感といった様々な症状が現れます。 鉄は、ヘモグロビン以外にも、筋肉に酸素を貯蔵する「ミオグロビン」や、様々な酵素の構成成分としても重要な役割を担っています。
血液

低血糖とその危険性

- 低血糖とは私たちの体は、活動するためのエネルギー源としてブドウ糖を必要としています。このブドウ糖は、主に食事から摂取し、血液によって全身の細胞に届けられます。そして、細胞はこのブドウ糖を取り込み、エネルギーとして活用することで、私たちは日々生活を送ることが出来るのです。 血液中のブドウ糖の濃度を示すのが血糖値ですが、この血糖値は常に一定に保たれているわけではありません。食事をすると上昇し、空腹時や運動時には低下します。しかし、通常はホルモンの働きによって、この血糖値は一定の範囲内に保たれています。 ところが、何らかの原因で血糖値が正常範囲よりも低下してしまうことがあります。これが低血糖と呼ばれる状態です。低血糖は、糖尿病の治療を受けている方によく見られますが、糖尿病以外の方でも、食事の内容やタイミング、激しい運動、 certain な病気などが原因で起こることがあります。 低血糖になると、だるさやめまい、冷や汗、動悸、手の震え、意識障害などの症状が現れます。重症化すると、意識を失ったり、けいれんを起こしたりすることもあります。そのため、低血糖は適切な対応が必要な状態と言えるでしょう。
泌尿器

男性ホルモン「テストステロン」の役割とは?

- テストステロンとはテストステロンは、男性ホルモンと呼ばれるホルモンの一種で、主に男性の睾丸で作られます。 女性の場合には、卵巣や副腎からも分泌されますが、その量はごくわずかです。 思春期を迎えると、男性の場合、テストステロンの分泌量が急激に増加します。このホルモンの増加によって、男性らしい体つき、例えば筋肉や骨格が成長し、ひげが生えてくるなどの変化が現れます。 また、声変わりもテストステロンの作用によるものです。テストステロンは、男性の生殖機能においても重要な役割を担っています。具体的には、精巣での精子の生成を促し、健康な精子を維持するために働きます。さらに、性欲の維持にも関与しており、男性が性的な成熟を迎えるために欠かせないホルモンと言えるでしょう。
心の問題

デブリーフィング:心のケアにおける現状と課題

- デブリーフィングとは何かデブリーフィングは、大きな衝撃を伴う出来事を経験した人に対して、精神的なケアを行うための取り組みです。 例えば、自然災害、事故、事件など、私たちの心を大きく揺さぶるような出来事を経験すると、不安や恐怖、混乱といった感情に襲われ、心のバランスを崩してしまうことがあります。デブリーフィングは、そのような状態にある人々が、心の傷を癒し、一日も早く心の安定を取り戻せるよう、寄り添いながら支援していくプロセスと言えます。元々は、戦場から帰還した兵士が、戦場で経験した過酷な出来事を整理し、心の安定を取り戻すための軍事用語として使われていました。その後、医療現場や災害支援の現場においても、心のケアの重要性が認識されるようになり、現在では幅広い分野で活用されています。具体的な方法としては、経験した出来事について、ありのままを言葉にしてもらうことが挙げられます。気持ちを話すことで、頭の中で整理され、心の負担を軽減することにつながると考えられています。 また、自身の感情を率直に表現することも推奨されます。 恐怖や不安、怒りなど、心の内に秘めている感情を吐露することで、心の安定へと導きます。 さらに、デブリーフィングは、専門家のサポートのもと、安全な環境で行われることが重要です。 被災者や患者自身のペースに合わせて、丁寧に話を聞き、共感しながら寄り添うことで、安心感を与え、心の回復を促します。
食生活

低残渣食:消化管に優しい食事療法

- 低残渣食とは私たちの体は、食事から栄養を吸収して健康を維持しています。口にした食べ物は、胃や腸などの消化管を通る間に消化・吸収されますが、食べ物には消化しやすいものと消化しにくいものがあります。消化しにくい成分が多い食事を続けると、消化管に負担がかかり、場合によっては体調不良を引き起こす可能性もあります。低残渣食とは、消化管に負担をかけにくいように工夫された食事のことです。残渣とは、消化吸収されずに体外に排出される食物のかすのこと。つまり、低残渣食とは、この残渣を少なくすることで消化管の負担を軽減することを目的とした食事といえます。では、どのようなものが消化しにくいのでしょうか? 代表的なものとして、食物繊維があります。食物繊維は健康に欠かせない栄養素ですが、消化されにくく腸に残りやすい性質があります。そのため、低残渣食では、野菜や果物、きのこ、海藻などに多く含まれる食物繊維を制限します。しかし、食物繊維を控えるということは、他の栄養素が不足するリスクも伴います。そのため、低残渣食を行う場合は、医師や管理栄養士の指導のもと、個人の状況に合わせて適切な食事内容を決めることが重要です。
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