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外科

骨折のサイン? 意外な場所に感じる痛み「介達痛」

- 介達痛とは介達痛は、怪我をした場所を直接触れた時に感じる痛みとは異なる、少し変わった痛みのことを指します。骨折を例に考えてみましょう。例えば、足の指の骨が折れたとすると、当然ながら骨折した指を触れば鋭い痛みが走ります。これは誰もが経験する自然な反応です。しかし、介達痛の場合、骨折した指を直接触れなくても、踵や足の甲など、離れた場所を軽く押しただけで骨折部に痛みが生じることがあります。まるで、本来の痛みが別の場所に転移したかのようです。では、なぜこのような不思議な現象が起こるのでしょうか?これは、骨が折れた際に周囲の神経や組織も同時に傷ついてしまうためだと考えられています。骨折という衝撃は、骨だけに留まらず、その周辺にも広がり、神経や血管、筋肉などにダメージを与えます。その結果、本来は痛みを感じないはずの場所でも、神経を介して骨折部分の痛み信号が脳に伝わり、あたかもその場所で痛みが発生しているかのように感じてしまうのです。介達痛の発生メカニズムにはまだ不明な点も多いですが、怪我の程度や個人差など、様々な要因が影響すると考えられています。
産婦人科

子宮頸がん予防のススメ:スメア検査のススメ

- スメア検査とはスメア検査は、子宮の入り口付近にある子宮頸部という部分を綿棒で軽くこすり、細胞を採取する検査です。採取した細胞を顕微鏡で観察することで、がん細胞や、将来がん化する可能性のある細胞の変化がないかを調べます。子宮頸がんは、初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため、自覚症状がない段階でがんを発見するために、スメア検査が重要な役割を果たします。早期発見であれば、子宮の温存手術など、体に負担の少ない治療法を選択できる可能性が高まります。20歳以上の女性は、2年に1度、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。子宮頸がんは、若い世代でも発症する可能性があるがんです。定期的な受診を心がけ、早期発見・早期治療に努めましょう。ただし、スメア検査は子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染をすべて検出できるわけではありません。また、検査結果が陰性であっても、必ずしも子宮頸がんではないとは言い切れません。そのため、気になる症状がある場合は、検査結果にかかわらず、医療機関を受診することが大切です。
脳・神経

錐体外路症状:無意識の運動を司る神経の障害

私たちが思い通りに体を動かせるのは、脳から筋肉へ神経を通して指令が伝わるからです。この指令を伝える経路は大きく二つに分けられ、その一つが「錐体路」と呼ばれる経路です。そして、錐体路以外のすべての経路は「錐体外路」と呼ばれています。 錐体外路は、脳幹と呼ばれる部位にある神経核から脊髄を通って筋肉へとつながっています。この経路は、歩く、物を取るといった動作をスムーズに行うために、姿勢を保ったり、筋肉の緊張を調整したりするなど、私たちが意識しなくてもできる運動をコントロールするという重要な役割を担っています。 例えば、私たちは立っているときに倒れないように、無意識のうちに体のバランスを保っています。また、字を書くときにも、鉛筆を持つ手に適切な力が加えられています。これらはすべて錐体外路のはたらきによるものです。 錐体外路は、運動の開始や停止、力の強弱、動作の滑らかさなどを調節することで、錐体路による運動をより精密なものにするという役割も持っています。錐体路と錐体外路は別々の経路として説明されますが、実際には互いに協調し合いながら、複雑な運動を可能にしています。
脳・神経

髄膜炎:脳と脊髄を守る膜の炎症

- 髄膜炎とは私たちの脳と脊髄は、髄膜と呼ばれる薄い膜で覆われています。この髄膜は、外部からの衝撃をや病原菌から脳や脊髄を守る、いわば鎧のような役割を担っています。 髄膜炎は、この重要な髄膜に炎症が起こる病気です。髄膜炎の原因として最も多いのは、細菌やウイルスなどの病原体による感染です。その他、真菌や寄生虫、特定の薬剤や病気によって引き起こされることもあります。髄膜炎は、初期症状として発熱、頭痛、吐き気など、風邪に似た症状が現れることが多く、注意が必要です。症状が進むにつれて、首の硬直、意識障害、けいれん、光過敏など、より重い症状が現れることもあります。乳幼児の場合は、これらの典型的な症状が現れにくく、機嫌が悪い、ミルクの飲みが悪いといった症状が見られることもあります。髄膜炎は、重症化すると命に関わる可能性もある病気です。特に細菌性髄膜炎は、早期に適切な治療を行わないと、後遺症が残ったり、最悪の場合死に至ることもあります。そのため、髄膜炎の疑いがある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。早期に診断し、適切な治療を開始することで、重症化を防ぐことができます。
脳・神経

髄膜刺激症状:その定義と重要性

- 髄膜刺激症状とは脳と脊髄は、髄膜と呼ばれる薄い膜で覆われています。この髄膜に何らかの原因で炎症や刺激が起きると、特徴的な症状が現れます。これが髄膜刺激症状です。髄膜刺激症状が現れる原因は様々です。代表的なものとしては、細菌やウイルスによる髄膜炎が挙げられます。その他にも、くも膜下出血や脳腫瘍、頭部外傷など、脳や脊髄、そして髄膜に影響を及ぼす可能性のある病気や怪我が原因となることがあります。髄膜刺激症状で代表的なものとしては、首の痛みや硬直、激しい頭痛、発熱などがあります。首の痛みや硬直は、炎症によって髄膜が硬くなることで起こります。また、炎症によって神経が刺激されることで、激しい頭痛が起こります。発熱は、体内に侵入した細菌やウイルスと戦うために体が起こす反応です。これらの症状は、他の病気でも見られることがあります。そのため、髄膜刺激症状があるからといって、必ずしも髄膜炎や他の重篤な病気を発症しているとは限りません。しかし、髄膜炎は命に関わる病気であるため、髄膜刺激症状が見られる場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診することが重要です。
小児科

よくある子どもの病気、水痘について

水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスが原因で起こる感染症です。このウイルスは人から人へとうつりやすく、空気感染、接触感染、飛沫感染など、さまざまな感染経路があります。 空気感染は、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散る、ウイルスを含む小さな水滴を吸い込むことで起こります。この水滴は空気中を漂うため、感染者から離れた場所でも感染する可能性があります。 接触感染は、感染者の発疹や水ぶくれに触れることで起こります。水ぶくれの中にはウイルスが多く含まれており、触れることでウイルスが手に付着し、その手で目や口、鼻などを触ると感染する可能性があります。 飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散る、ウイルスを含む比較的大きな水滴が目や鼻、口の粘膜に付着することで起こります。空気感染と比べると、飛沫は重いため遠くまで到達せず、感染者の比較的近くにいる人に感染する可能性が高いです。 水痘は、一度感染すると、体の中に免疫ができますが、ウイルスは神経節に潜伏し続けます。そして、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、再びウイルスが活性化し、帯状疱疹を発症することがあります。
脳・神経

筋肉の急な収縮:スパスムとは?

- スパスムの定義スパスムとは、自分の意思とは関係なく、筋肉が急に縮んでしまう現象のことです。よく「足がつる」「こむら返り」といった言葉が使われますが、これらはスパスムの一種です。また、「痙攣」も医学用語ではスパスムと同じ意味で使われます。この筋肉の急な収縮は、ほんの一瞬で終わる場合もあれば、数分以上続く場合もあります。多くの場合、自然と治まりますが、中には激しい痛みを伴うこともあり、日常生活に影響がでることもあります。スパスムは、激しい運動や筋肉の疲労、脱水症状、ミネラル不足などが原因で起こることがあります。また、特定の病気や神経の異常が原因で起こることもあります。例えば、脳卒中や脊髄損傷、パーキンソン病などの神経系の病気では、筋肉の動きをコントロールすることが難しくなり、スパスムが起こりやすくなります。スパスムが頻繁に起こる場合や、痛みが強い場合には、医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。治療法としては、筋肉をリラックスさせる薬物療法や、リハビリテーションなどが挙げられます。また、原因となる病気がある場合には、その病気に対する治療が必要となることもあります。
脳・神経

運動を支える裏方:錐体外路系

私たちは体を思い通りに動かすことができますが、この運動の指令を脳から筋肉へと伝える経路には、大きく分けて錐体路と錐体外路の二つの経路が存在します。 錐体路は、主に意識的な運動をコントロールする経路です。例えば、ピアノを弾く時の指の動きや、文字を書く時のペンの動きなど、繊細で複雑な運動を正確に行うためには、錐体路が重要な役割を果たします。この経路は、例えるならば、オーケストラの指揮者が演奏全体を統率するように、体の各部位の筋肉に的確な指示を出して、滑らかで正確な運動を実現する、司令塔のような役割を担っています。 一方、錐体外路は、主に無意識下で行われる運動を調節する経路です。私たちが意識しなくても、姿勢を保ったり、歩行時に腕を振ったり、表情を作ったりすることができるのは、錐体外路が働いているおかげです。錐体外路は、様々な筋肉の動きを協調させ、円滑な運動を支える、いわば縁の下の力持ちといえるでしょう。 これらの二つの経路は、それぞれ独立して機能しているように見えますが、実際には密接に連携し合いながら、私たちの複雑な運動を可能にしています。
脳・神経

運動の影の立役者:錐体外路系

- 錐体外路系とは 私たちは、歩いたり、物を掴んだり、言葉を話したりと、日々、何気なく体を動かしています。こうした動作は、脳からの指令によって筋肉が正確に動くことで成り立っています。 脳から筋肉へ指令を伝える経路は大きく二つに分けられます。一つは、私たちの意識的な運動をコントロールする錐体路系です。もう一つは、今回解説する錐体外路系です。 錐体外路系は、運動の司令塔である大脳皮質から始まり、脳幹にある神経核を経由して、脊髄へと信号を伝えます。この経路は、私たちの意志とは無関係に働く、いわば運動の「自動操縦装置」のような役割を担っています。 例えば、歩く際に、私たちは一つ一つの足の運び方を意識していません。また、姿勢を維持するために、絶えず体のバランスを微調整していることにも気づきません。こうした無意識下の運動は、錐体外路系がコントロールしています。 錐体外路系は、運動の開始や停止、滑らかさ、力の入れ具合などを調整し、錐体路系と協調しながら、スムーズで協調性の取れた運動を可能にしています。 錐体外路系が正常に機能しなくなると、パーキンソン病のように体が硬直したり、動作が遅くなったり、逆に、舞踏病のように意図しない動きが出てしまったりといった運動障害が現れます。
産婦人科

母から子への贈り物?~垂直感染を知ろう~

- 垂直感染とは妊娠中の母親からお腹の赤ちゃんへ、病原体が伝わることを垂直感染といいます。これは、妊娠中だけでなく、出産時や授乳期など、赤ちゃんが母親のお腹にいる間や生まれて間もない時期にも起こり得るため、注意が必要です。垂直感染を引き起こす病原体には、ウイルスや細菌、寄生虫など様々なものがあります。これらの病原体の中には、大人が感染しても風邪のような軽い症状で済むものもありますが、胎児や新生児にとっては命に関わる重い病気につながる可能性もあるため、注意が必要です。妊娠中に母親が感染すると、胎盤を通して、あるいは出産時に産道で赤ちゃんに病原体が感染することがあります。また、母乳を通して感染することもあります。垂直感染によって赤ちゃんに現れる症状は、感染した病原体や感染時期によって異なります。中には、生まれた時に症状が現れない場合もあります。しかし、成長とともに発達障害や知的障害などの後遺症が現れる可能性もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。妊娠を希望する場合は、過去の感染症や予防接種の有無などについて医師に相談しましょう。また、妊娠中は、感染症の予防に努め、定期的な妊婦健診を受けることが大切です。何か気になる症状がある場合は、すぐに医師に相談してください。
検査

検査に欠かせないスピッツ:種類と用途

- スピッツとは病院で血液検査や尿検査を受けるとき、採血や採尿の後に、看護師さんが薄いガラス管に血液や尿を入れているのを見たことはありませんか?あのガラス管こそが「スピッツ」です。スピッツは、検査のために採取した血液や尿を一時的に保管しておくための小さな容器です。検査を行うまでの間、血液や尿を清潔な状態で保ち、検査に適した状態に保つ役割があります。多くのスピッツは、片方の先端が細くなっている円錐形をしています。この独特な形が、ドイツ語で「尖ったもの」を意味する「スピッツ」の由来となっています。先端が細い形状をしているため、採取した血液や尿をスムーズに入れることができます。また、検査機器にセットしやすいという利点もあります。スピッツには、血液検査用と尿検査用があります。さらに、検査項目に応じて、中に添加されている試薬が異なる場合もあります。例えば、血液を固まらせないようにするための凝固防止剤が入っているものや、特定の成分を分離しやすくするための分離剤が入っているものなどがあります。このように、スピッツは、一見シンプルながらも、検査を正確に行うために欠かせない重要な役割を担っているのです。
検査

検査に欠かせないスピッツ

- スピッツとは病院や検査機関で行われる血液検査や尿検査。これらの検査には、採取した血液や尿を検査機器にかけるまで、衛生的に保管する必要があります。そのために用いられるのが「スピッツ」と呼ばれる試験管です。注射器を使って採取された血液や尿は、まずこのスピッツに移し替えられます。スピッツには、検査内容や目的に応じて様々な種類があります。例えば、血液検査では、血液を固まらせないようにするための凝固防止剤が入ったスピッツや、特定の成分を分離するための分離剤が入ったスピッツなどが使用されます。スピッツの材質は、主にガラスやプラスチックが用いられています。ガラス製のスピッツは、透明度が高く、内容物を確認しやすいという利点があります。一方、プラスチック製のスピッツは、軽量で割れにくいという特徴があり、近年では主流になりつつあります。スピッツは、検査対象となる血液や尿を清潔な状態で保ち、正確な検査結果を得るために必要不可欠な器具と言えるでしょう。
循環器

静脈瘤治療の「硬化療法」とは?

- 硬化療法とは硬化療法は、一般的に「スクレロセラピー」と呼ばれる治療法で、静脈瘤の治療に用いられます。 静脈瘤は、血液を心臓に送り返す血管である静脈の弁がうまく機能せず、血液が逆流してしまうことで起こります。その結果、血液が血管内に滞り、血管が太く浮き出てしまうのです。 代表的なものとしては、足の静脈にできる下肢静脈瘤や、食道にできる食道静脈瘤などが挙げられます。 硬化療法では、細い針を用いて、静脈瘤の原因となっている血管内に薬剤を注入します。すると、注入された薬剤が血管の内側に炎症を起こし、血管を閉塞させることで血液の流れを遮断します。 閉塞した血管は、時間の経過とともに体内に吸収され、見えなくなっていきます。 硬化療法は、手術と比較して体への負担が少なく、日帰りで治療を受けることが可能なため、近年注目を集めている治療法です。

ステロイド治療:効果と副作用

- ステロイドとは私たちの体の中には、様々な調整を行うホルモンが存在します。その中でも、副腎という臓器で作られるホルモンの中に、副腎皮質ホルモンと呼ばれるものがあります。 このホルモンは、体内で炎症が起きた際にそれを抑えたり、免疫の働きを調整したり、その他にも体の様々な機能を正常に保つために重要な役割を担っています。 ステロイドとは、この副腎皮質ホルモンと似た構造を持つ薬のことを指します。 ステロイドは、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持つため、様々な病気の治療に用いられています。例えば、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患、そして臓器移植後の拒絶反応を抑えるためなど、その用途は多岐に渡ります。 しかし、ステロイドは強力な効果を持つ反面、副作用も少なくありません。長期的に使用すると、感染症にかかりやすくなったり、骨粗鬆症のリスクが高まったり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が悪化する可能性もあります。 そのため、ステロイドは医師の指示のもと、適切な量と期間で使用することが非常に重要です。
循環器

静脈瘤治療の要:硬化療法

- スクレロって何? 「スクレロ」とは、「硬化療法」を短くした言葉です。 硬化療法は、血管が太くなって皮膚の表面に浮き出てしまう「静脈瘤」を治療する際に用いられる方法です。 静脈瘤には、足の血管にできる「下肢静脈瘤」や、食道にできる「食道静脈瘤」など、体の様々な場所に発生する可能性があります。 硬化療法は、静脈瘤の原因となっている血管内に薬を注入することで、血管を閉塞させる治療法です。 血管が閉塞すると、血液の流れは正常な血管へと促され、静脈瘤は徐々に縮小し、目立たなくなっていきます。 硬化療法は、手術と比べて体への負担が少ない治療法として知られており、日帰りでの治療も可能です。 しかし、静脈瘤の種類や大きさ、患者の状態によっては、硬化療法が適さない場合もあるため、事前に医師による診察と適切な検査を受けることが重要です。
消化器

消化とホルモン分泌の要:膵臓

私たちの体の中心、胃の後ろ側、背骨の前に静かに佇む長さ約15cmほどの臓器、膵臓。みぞおちの少し上に位置していますが、体の奥深くに隠れているため、その存在を意識することはほとんどありません。触診で確認することも難しい、まさに“秘めたる臓器”と言えるでしょう。しかし、普段は意識することのないこの臓器こそ、私たちの生命維持に欠かせない、二つの重要な役割を担う“縁の下の力持ち”なのです。 一つは、食べ物を消化する上で欠かせない膵液を作り出す働きです。私たちが口にした食べ物は、胃で消化された後、小腸へと送られます。膵臓は、この小腸で食べ物を効率よく消化するために、様々な消化酵素を含む膵液を分泌し、胃から送られてきた食べ物がスムーズに消化されるよう、陰ながらサポートしています。 もう一つの重要な役割は、血糖値の調節です。食事をすると、血液中のブドウ糖の濃度である血糖値が上昇します。膵臓は、血糖値の上昇を抑えるホルモンであるインスリンを分泌することで、血液中のブドウ糖が適切な値に保たれるよう調節しています。インスリンは、ブドウ糖をエネルギーとして利用したり、貯蔵したりするのを助ける役割を担っており、私たちの体が正常に活動するために欠かせないホルモンの一つです。このように、膵臓は、消化と血糖値の調節という二つの大きな役割を担い、私たちの健康を支える上で非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
消化器

膵炎:その原因と症状について

- 膵炎とは膵炎は、食べ物の消化を助ける上で重要な役割を担う膵臓に炎症が起こる病気です。膵臓は胃の後ろ、背骨の前に位置する臓器で、消化酵素とホルモンを作り出す働きをしています。消化酵素は通常、膵臓内では不活性な状態で作られ、十二指腸という器官に分泌された後に活性化し、食べ物を分解する役割を担います。ホルモンには、血糖値を調整するインスリンなどが含まれます。 膵炎になると、本来は十二指腸で活性化するはずの消化酵素が、膵臓内で活性化してしまう異常事態が発生します。その結果、膵臓自身の組織が消化酵素によって攻撃され、炎症を引き起こしてしまうのです。これが、膵炎の主な原因です。膵炎には、症状が一時的に現れる急性膵炎と、症状が長期間にわたって続く慢性膵炎の二つがあります。急性膵炎は、適切な治療を行えば多くは回復しますが、重症化すると命に関わることもあります。慢性膵炎は、長期間にわたる炎症によって膵臓の組織が破壊され、消化吸収機能が低下したり、糖尿病を発症したりする可能性があります。 膵炎の原因は様々ですが、主なものとしては、胆石、アルコールの過剰摂取、高脂血症などが挙げられます。また、特定の薬剤や遺伝などが原因となることもあります。膵炎の治療は、その原因や症状の程度によって異なりますが、基本的には絶食による膵臓の安静、点滴による栄養補給、痛み止めなどの投与が行われます。場合によっては、内視鏡を用いた治療や手術が必要となることもあります。
看護技術

医療現場を守る!スタンダードプリコーションとは?

- スタンダードプリコーションの基本 医療現場では、病気の治療だけでなく、患者さんと医療従事者を感染から守ることも非常に重要です。そこで、すべての医療現場で共通して実施されるべき感染対策の基本として、スタンダードプリコーションがあります。これは、アメリカ合衆国にある疾病管理予防センター(CDC)によって提唱され、現在では世界中で広く取り入れられています。 スタンダードプリコーションは、あらゆる患者さんの血液、体液、分泌物、排泄物、粘膜、傷のある皮膚には、感染性微生物が存在する可能性があるという考え方に基づいています。つまり、患者さんの状態や感染症の有無に関わらず、あらゆる場面で感染対策を徹底することが重要なのです。 具体的な対策としては、まず基本となるのが手指衛生です。これは、石けんと流水による手洗いと、アルコール消毒薬による手指消毒の二つがあります。場面に応じて使い分けることで、効果的に微生物を減らすことができます。 また、患者さんに接触する際には、手袋やガウン、マスク、保護眼鏡などを適切に使用します。使用する場面や状況に応じて、これらの防護具を正しく選択することが重要です。そして、使用後は決められた方法で適切に廃棄することで、感染拡大を防ぎます。 さらに、医療器具は患者さんごとに交換するのが理想ですが、難しい場合は洗浄、消毒、滅菌を徹底します。それぞれの処理方法を正しく理解し、使い分けることが重要です。 スタンダードプリコーションは、医療現場における感染対策の基礎となるものです。これらの対策を徹底することで、患者さんや医療従事者を感染から守り、安全な医療を提供することができます。
消化器

お腹の防御反応: 筋性防御とは?

お腹の診察では、医師は患者さんの腹部に優しく手を当て、丁寧に触診することで、内臓の状態や痛みの有無などを調べます。健康な状態であれば、お腹は柔らかく、軽く押すと少しへこみます。しかし、炎症などによって腹腔内に異常が生じている場合、お腹はまるで板のように硬く緊張し、触れると強い抵抗を感じることがあります。この状態を「筋性防御」と呼びます。 筋性防御は、お腹の中の臓器やその周辺組織に何らかの問題が生じていることを示す重要なサインです。例えば、虫垂炎や胆嚢炎、腹膜炎などの病気でよく見られます。これらの病気では、炎症によって腹膜が刺激され、その結果として周囲の筋肉が反射的に収縮することでお腹が硬くなります。 筋性防御は、痛みや発熱などの症状と合わせて現れることが多く、緊急を要する病気の可能性もあるため、決して軽視できません。お腹に強い痛みを感じたり、触ると硬くなっていることに気付いたりした場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
消化器

お腹の防御反応:筋性防御とは?

病院で医師の診察を受ける際、お腹を触って診察されることがありますね。これは触診と呼ばれる診察方法で、お腹の中にある臓器の状態を調べる上で、とても大切な診察です。 触診では、医師は指先を巧みに使い、お腹の表面を優しく押したり、撫でたりしながら、臓器の大きさや形、硬さなどを確認していきます。また、押した時の痛みや違和感がないかどうかも重要な判断材料になります。 ところが、触診中に、お腹の筋肉が緊張して硬くなってしまうことがあります。これを筋性防御と呼びます。筋性防御は、お腹の中の臓器に炎症や異常が起きているサインの一つとして、医師は特に注意深く観察します。 例えば、虫垂炎になると、右下腹部を押した時に強い痛みを感じ、筋肉が硬くなります。その他にも、胃潰瘍や胆嚢炎、腸閉塞など、様々な病気が原因で筋性防御が起こることがあります。 ただし、緊張や不安を感じているだけでも、お腹の筋肉が硬くなってしまうことがありますので、必ずしも筋性防御がある=病気というわけではありません。診察の結果、気になる点があれば、医師に遠慮なく相談するようにしましょう。
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