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炎症を引き起こすロイコトリエン

- ロイコトリエンとはロイコトリエンは、体内で作られる生理活性物質で、細胞間の情報伝達を担っています。エイコサノイドと呼ばれる物質群に属し、アラキドン酸という脂肪酸から作られます。ロイコトリエンは、様々な細胞から産生され、ごくわずかな量で体に様々な作用を及ぼします。その作用は多岐に渡りますが、特に炎症反応において重要な役割を果たすことが知られています。炎症は、体を守るための重要な反応ですが、過剰になると様々な病気を引き起こす可能性があります。ロイコトリエンは、炎症反応において、血管を拡張させて炎症部位への血液量を増やしたり、血管の透過性を高めて白血球などの炎症細胞を組織へ呼び寄せたりする働きがあります。また、気管支を収縮させる作用も持ち、喘息発作などのアレルギー反応にも深く関わっています。ロイコトリエンは、炎症反応以外にも、免疫反応や神経伝達など、様々な生理機能に関与していると考えられています。しかし、その詳細なメカニズムについては、まだ解明されていない部分が多く残されています。ロイコトリエンの研究が進むことで、炎症やアレルギー反応を抑える新しい薬の開発など、様々な疾患の治療法開発に繋がることが期待されています。

皮膚の救世主!ローション剤の効果と種類

- ローション剤とは?ローション剤は、皮膚に直接塗ることで効果を発揮する外用薬の一種です。水のようにさらさらとした液状で、皮膚に塗布しやすい点が特徴です。塗った後は、成分が皮膚から体内に吸収されたり、皮膚の表面に留まって効果を発揮したりします。ローション剤には、様々な種類が存在します。薬効成分が水に完全に溶け込んでいるものもあれば、細かい粒子の状態で水に分散しているものもあります。また、水と油が混ざり合った状態のものもあり、その形態は多岐に渡ります。ローション剤は、その特性から、広範囲の皮膚症状に用いられます。例えば、湿疹や皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど、炎症やかゆみを伴う症状に効果を発揮します。また、乾燥肌に対して、皮膚に潤いを与える保湿剤としても使用されます。ローション剤は、一般的に安全性が高いとされていますが、薬効成分の種類や濃度によっては、皮膚への刺激やアレルギー反応が出る可能性もあります。そのため、使用する前に、医師や薬剤師に相談し、自分の肌質や症状に合ったものを選ぶことが大切です。
救急

救命現場におけるロードアンドゴー:迅速な搬送で命をつなぐ

- ロードアンドゴーとはロードアンドゴーとは、交通事故や自然災害などで重傷を負った人を助けるための、一刻を争う医療の考え方です。 一刻も早く病院で治療を受けることが生死を分けるため、現場での処置にかける時間を最小限にして、可能な限り早く病院に搬送することを目指します。ロードアンドゴーが重要となるのは、主に心臓や呼吸が止まりかけているなど、命に関わる重症な状態の場合です。このような場合、現場での処置も大切ですが、一刻も早く病院で専門的な治療を開始することが救命率向上に繋がります。そのため、救急隊員は現場で患者の状態を素早く判断し、必要な処置を施したら、すぐに病院へ向けて出発します。従来の考え方では、現場である程度の処置を完了させてから病院に搬送するケースもありました。しかし、重症な患者に対しては、現場での処置時間よりも、病院到着までの時間短縮の方が救命率向上に大きく貢献することが分かってきました。ロードアンドゴーは、限られた時間の中での適切な判断と迅速な行動が求められる、救急医療において非常に重要な考え方です。

鎮痛剤の定番:ロキソプロフェンを解説

ロキソプロフェンは、病院や診療所でよく処方される痛み止めの一種です。 この薬は、体内で痛みや炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジンという物質を抑えることで効果を発揮します。 プロスタグランジンは、体の一部が傷ついたり炎症を起こしたりすると、体内で作られ、痛みや熱、腫れなどの症状を引き起こします。 ロキソプロフェンは、このプロスタグランジンの生成を抑えることで、痛みや炎症を和らげる働きをします。 ロキソプロフェンは、その優れた効果から、様々な痛みに対して処方されます。 例えば、ズキズキと痛む頭痛や、女性に多い生理痛、我慢できない歯痛、重い物を持ち上げたときに起こる腰痛、デスクワークでつらい肩こり、スポーツなどでの捻挫など、幅広い痛みに効果があります。 ロキソプロフェンは市販薬としても販売されており、薬局で購入することができます。 しかし、自己判断で服用する前に、医師や薬剤師に相談し、自分の症状に合った薬を選ぶことが大切です。

解熱鎮痛薬「ロキソニン®」について

- ロキソニン®とはロキソニン®は、第一三共株式会社が製造・販売する解熱鎮痛薬です。つまり、熱を下げたり、痛みを抑えたりする効果を持つ薬です。 有効成分はロキソプロフェンナトリウム水和物といい、プロスタグランジンと呼ばれる体内の物質が作られるのを抑えることで効果を発揮します。 プロスタグランジンは、炎症や痛みを引き起こす原因となる物質です。ロキソニン®は、このプロスタグランジンの産生を抑えることで、痛みや熱を抑えます。 医療現場では、医師の診断のもと、有効成分である「ロキソプロフェン」として処方されることがあります。 一方、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬としては「ロキソニン®」という商品名で販売されています。 ロキソニン®は、頭痛、生理痛、歯痛、腰痛、筋肉痛、関節痛、肩こり痛、ねんざ痛、骨折痛、外傷後の腫れや痛みの緩和などに効果があります。 ただし、ロキソニン®は、胃腸障害などの副作用が現れる可能性もあります。自己判断で服用するのではなく、医師や薬剤師に相談の上、用法・用量を守って正しく服用することが大切です。

炎症反応の主役、ロイコトリエン

- ロイコトリエンとは私たちの体には、外部からの侵入者(細菌やウイルスなど)や傷から体を守るための、「炎症反応」という防御システムが備わっています。この炎症反応は、発熱、痛み、腫れ、赤みなどの症状を引き起こすことで、体が危険な状態から回復しようとする自然な反応です。しかし、炎症反応が過剰に起こったり、長く続いたりすると、逆に体に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎などの病気は、この炎症反応が過剰に起こることが原因の一つと考えられています。ロイコトリエンは、この炎症反応を引き起こす物質の一つで、白血球などから産生されます。ロイコトリエンにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる役割を担っていますが、いずれも炎症反応において重要な役割を果たしています。例えば、気管支喘息では、ロイコトリエンが気道の筋肉を収縮させ、気道内の粘液分泌を増加させることで、呼吸困難を引き起こします。また、アレルギー性鼻炎では、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こす原因となります。このように、ロイコトリエンは炎症反応をコントロールする上で重要な物質であり、その働きを調整することで、様々な炎症性疾患の治療に役立つと考えられています。
脳・神経

肋間神経痛:その痛みは心臓病?

- 肋間神経痛とは肋間神経痛とは、その名の通り、肋骨の間を通っている神経に痛みが生じる病気です。 主に片側の胸に、電気が走るような鋭い痛みを感じます。 この痛みは、咳やくしゃみ、深呼吸、体をひねるといった動作によって悪化することがあります。肋間神経痛は、その痛みが心臓の周辺に現れることから、心臓病と誤解されるケースも少なくありません。 しかし、肋間神経痛と心臓病は全く異なる病気です。心臓病の場合、痛みが胸全体に広がったり、締め付けられるような感覚を伴うことが多いです。 また、息切れや冷や汗、吐き気といった症状が現れることもあります。 一方、肋間神経痛の痛みは、肋骨に沿って帯状に現れることが特徴で、息切れや冷や汗といった症状は通常見られません。ただし、自己判断は危険ですので、胸に痛みを感じたら、まずは医療機関を受診して、医師の診断を受けることが重要です。
小児科

ロタウイルス感染症:乳幼児に多い胃腸炎

- ロタウイルスとはロタウイルスは、乳幼児によく見られる胃腸炎を引き起こすウイルスです。特に、生後6か月から2歳頃までのお子さんは注意が必要です。感染すると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れ、脱水症状に陥りやすいため、注意深いケアが欠かせません。ロタウイルスは、感染した人の便の中に存在し、その便に直接触れたり、便で汚染された物に触れることで感染します。例えば、オムツ交換の際に手にウイルスが付着したり、おもちゃやドアノブなどを介して口に入ったりすることで感染が広がります。また、十分に洗浄されていない食品を食べることでも感染する可能性があります。ロタウイルスの感染力は非常に強く、ごくわずかな量のウイルスでも感染を引き起こす可能性があります。そのため、感染予防には、手洗いの徹底が何よりも重要です。石鹸を使って丁寧に手を洗い、流水で十分にすすぎましょう。また、おもちゃや身の周りの物の消毒もこまめに行うことが大切です。ロタウイルス胃腸炎はワクチンで予防できる病気です。ワクチンを接種することで、重症化を防ぐ効果が期待できます。かかりつけ医に相談し、ワクチンの接種を検討しましょう。

炎症の立役者:ロイコトリエン

- ロイコトリエンとは?私たちの体の中では、常に健康を維持するために様々な物質が働いています。その中でも、ロイコトリエンは炎症反応という体の防御システムにおいて重要な役割を担う物質の一つです。炎症反応とは、体に侵入した細菌やウイルス、また怪我などに対して、私たちの体が起こす防御反応のことです。この炎症反応が起こると、患部が赤くなったり、熱を持ったり、腫れたり、痛みを感じたりします。ロイコトリエンは、この炎症反応を引き起こす強力なメディエーター(情報伝達物質)として働きます。では、ロイコトリエンはどのようにして作られるのでしょうか?ロイコトリエンは、アラキドン酸という脂質から、酵素の働きによって合成されます。アラキドン酸は、細胞膜を構成する成分の一つであり、体内で様々な刺激に応じて細胞から遊離されます。そして、遊離されたアラキドン酸は、酵素の働きによってロイコトリエンへと変換されるのです。生成されたロイコトリエンは、細胞表面にあるロイコトリエン受容体と呼ばれる場所に結合することで、その効果を発揮します。ロイコトリエンが受容体に結合すると、細胞内に情報が伝達され、炎症反応を引き起こす様々な物質が産生されたり、血管の透過性が亢進したり、気管支が収縮したりします。このように、ロイコトリエンは炎症反応において中心的な役割を果たしており、その過剰な産生は、喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、さらには動脈硬化や炎症性腸疾患などの様々な疾患の発症に関与していると考えられています。
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