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血液

骨髄非破壊的移植:新たな希望

- はじめに近年、血液のがんや免疫不全症などの難病に対する治療法として、造血幹細胞移植が広く行われています。造血幹細胞移植とは、血液を作り出すもととなる細胞を、健康なドナーから患者に移植する治療法です。この治療法は、従来の治療法では治癒が難しいとされてきた多くの患者さんに、再び健康な生活を送るチャンスをもたらしてきました。従来の造血幹細胞移植では、患者の骨髄を、放射線や抗がん剤を用いて完全に破壊する必要がありました。これは、移植するドナーの細胞を、患者の体内で確実に生着させるために必要な処置でした。しかし、この骨髄破壊は、患者にとって大きな負担となるものでした。強い吐き気や脱毛、感染症のリスク増加など、様々な副作用が生じる可能性があったからです。そこで近年注目されているのが、骨髄非破壊的移植と呼ばれる新しい移植法です。骨髄非破壊的移植では、従来のような骨髄破壊を行わず、より身体への負担が少ない方法でドナーの細胞を移植します。この方法により、高齢の患者さんや合併症を持つ患者さんでも、移植治療を受けられる可能性が広がることが期待されています。この資料では、骨髄非破壊的移植について、その種類やメリット、デメリットなどを詳しく解説していきます。
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