「P」

資格・職種

理学療法士ってどんな仕事?

- 理学療法士とは理学療法士、普段は略してPTと呼ばれていますが、病気や怪我、あるいは生まれつきの障害などによって、日常生活での体の動きが不自由になってしまった方々を対象に治療を行う医療の専門職です。理学療法士は、患者さん一人ひとりの症状に合わせて、体を動かす訓練や、電気や光、熱などを用いた治療など、様々な専門的な技術を用いて治療にあたります。具体的には、歩く、立つ、座るといった基本的な動作の改善から、スポーツへの復帰、日常生活での痛みの軽減、そして障害を負った後の生活を支援するなど、幅広い役割を担っています。理学療法士の活躍の場は、病院や診療所といった医療機関だけにとどまりません。介護施設や訪問リハビリテーション、スポーツクラブ、学校、そして企業など、様々な場所で活躍しています。理学療法士は、患者さんの「自分らしく歩きたい」「痛みなく生活したい」という思いを実現するために、寄り添いながら、共に歩む医療専門職と言えるでしょう。
心の問題

極限体験がもたらす心の傷:PTSDとは

「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」という言葉を耳にしたことはありますか? これは、英語の「Post Traumatic Stress Disorder」の略称で、文字通り、心の傷跡を抱えてしまう病気のことを指します。 では、どのような時にこの心の傷はついてしまうのでしょうか? 大きな事故や災害に巻き込まれた時、あるいは戦争や犯罪に巻き込まれた時など、私達の身の安全が脅かされるような出来事を経験すると、心には大きな衝撃を受けます。 このような経験を「トラウマ」と呼びますが、PTSDは、このトラウマとなった経験が頭から離れず、様々な精神的な症状に悩まされる状態を指します。 例えば、トラウマとなった出来事が、まるでフラッシュバックのように、突然、鮮明に思い出されたり、悪夢にうなされたりする、といった症状が現れます。 また、不安や恐怖を感じやすくなったり、イライラしやすくなったり、集中力の低下や不眠に悩まされることもあります。 PTSDは、決して特別な人がかかる病気ではありません。 誰にでも起こりうる心の病気であることを理解し、適切なケアを受けることが大切です。
呼吸器

PaCO2: 換気の指標

- PaCO2とは PaCO2とは、動脈血中の二酸化炭素の圧力を示す数値のことです。「動脈血二酸化炭素分圧」の略称であり、単位はTorr(トル)またはmmHg(ミリメートル水銀柱)で表されます。日本では、一般的に生体内の圧力の表記にはTorrが、血圧の表記にはmmHgが用いられます。PaCO2は、動脈血液ガス分析装置を用いて測定されます。 そもそも「分圧」とは、複数の種類の気体が混ざっている場合に、特定の気体がどれだけの圧力を持っているかを示すものです。気体の圧力の比率は、そのまま濃度に置き換えることができます。例として、1気圧の空気中の酸素を考えてみましょう。1気圧は760 Torrに相当しますが、このうち酸素分圧は約160 Torrです。計算式は「160 ÷ 760 ≒ 0.21」となり、空気中の酸素濃度が約21%であることを表しています。一方、二酸化炭素は空気中にほとんど含まれていないため、分圧は0 Torrとなります。 PaCO2は、肺のガス交換機能を評価する上で重要な指標です。肺で適切にガス交換が行われている場合、血液中の二酸化炭素は肺胞内で排出され、代わりに酸素が取り込まれます。しかし、肺の機能が低下すると、血液中の二酸化炭素が十分に排出されずにPaCO2が上昇します。また、呼吸の調節や酸塩基平衡にも深く関わっています。
小児科

意外と知らない?「PED」の意味

病院で働いている人や医療ドラマをよく見る人なら、「PED」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんね。この「PED」は一体何を意味するのでしょうか? 「PED」は、「Pediatric Emergency Department」の略称で、日本語では「小児救急外来」という意味になります。 総合病院の中には、この小児救急外来が設置されている場合があります。ここは、15歳以下のお子さんを対象とした救急医療を行うための専門の診療科です。 小児科医や看護師など、子供の診療に精通した医療従事者が常駐し、子供特有の病気や怪我に迅速かつ適切に対応できる体制が整えられています。 夜間や休日も診察を行なっていることが多く、急な発熱や嘔吐、怪我など、お子さんの体調が急変した際に、安心して受診できる場所として、重要な役割を担っています。
呼吸器

PAO2とA-aDO2:低酸素血症の評価

- 肺胞気酸素分圧(PAO2)とは私たちの身体は、呼吸によって酸素を取り込み、二酸化炭素を排出することで生命を維持しています。このガス交換の重要な舞台となるのが、肺胞と呼ばれる小さな袋状の器官です。 肺胞気酸素分圧(PAO2)とは、この肺胞内における酸素の圧力を示す指標であり、呼吸機能の評価において重要な役割を担います。空気は窒素、酸素、二酸化炭素など様々な気体の混合物であり、それぞれの気体は固有の圧力を持っています。これを分圧と呼び、PAO2は肺胞内の酸素がどれだけの圧力を持っているかを表しています。単位としては、トル(Torr)や水銀柱ミリメートル(mmHg)、国際的にはパスカル(Pa)が用いられます。PAO2は、直接測定することが困難なため、吸入酸素濃度や動脈血二酸化炭素分圧などの数値を用いて計算によって求められます。例えば、私たちは呼吸によって大気中の酸素を取り込んでいますが、大気圧(約760Torr)における酸素の分圧は約160Torrです。しかし、実際には肺胞内には常に二酸化炭素や水蒸気が存在するため、PAO2は大気中の酸素分圧よりも低くなります。PAO2の値は、肺のガス交換機能を反映しており、呼吸器疾患の診断や治療効果の判定に広く活用されています。肺気腫や肺炎など、肺胞の機能が低下する病気では、PAO2の値が低下する傾向が見られます。
呼吸器

PAO2:肺のガス交換を知る指標

- 肺胞気酸素分圧(PAO2)について肺胞気酸素分圧(PAO2)は、肺胞と呼ばれる肺の中の小さな空気の袋における酸素の圧力を表す指標です。単位はトル(Torr)またはミリメートル水銀柱(mmHg)を用います。この数値は、私たちの呼吸機能を考える上で非常に重要です。私たちは呼吸によって酸素を体内に取り込んでいます。 吸い込んだ空気は、気管を通って肺胞へと送られます。そして、この肺胞と毛細血管の間でガス交換が行われ、酸素が血液中に取り込まれるのです。PAO2は、肺胞内にある酸素の圧力を示すことで、肺がどれくらい効率的に酸素を取り込んでいるかを評価するために用いられます。PAO2の値は、年齢や健康状態、標高など様々な要因に影響を受けます。例えば、標高が高い場所では、空気中の酸素濃度が低いため、PAO2の値も低くなります。また、肺炎などの呼吸器疾患があると、肺胞でのガス交換がうまくいかなくなり、PAO2の値が低下することがあります。健康な人の場合、PAO2は通常80〜100mmHg程度です。しかし、60mmHg以下になると、血液中の酸素濃度が低下し、息切れや動悸などの症状が現れることがあります。さらにPAO2が低下すると、意識障害や呼吸不全に陥る可能性もあり、大変危険です。PAO2は、血液ガス分析という検査で測定することができます。血液ガス分析では、動脈から採血し、血液中の酸素や二酸化炭素の分圧などを測定します。この検査は、呼吸器疾患の診断や治療効果の判定に非常に役立ちます。
呼吸器

PaCO2: 体内の酸素供給を測る重要な指標

- 動脈血二酸化炭素分圧 (PaCO2) についてPaCO2は、「ピーエーシーオーツー」と読み、動脈血二酸化炭素分圧の略称です。これは、私たちの血液中の動脈血に、どれだけの二酸化炭素が含まれているかを示す指標です。私たちは、生きていくために常に呼吸をしています。呼吸によって体内に取り込まれた酸素は、細胞の中で栄養素を燃焼させるために使われます。この時、エネルギーとともに二酸化炭素が作られます。この二酸化炭素は、血液によって肺まで運ばれて、再び呼吸によって体外へ排出されます。 PaCO2は、動脈を流れる血液中の二酸化炭素の圧力を測定します。この数値が高ければ、血液中に二酸化炭素が多く溜まっている状態、つまり、肺が十分に機能せず、体外へ二酸化炭素を排出できていない状態を示します。反対に、数値が低ければ、血液中の二酸化炭素が少ない状態、つまり、呼吸が過剰である可能性を示します。PaCO2は、肺の機能や体内の酸素供給の状態を知るための重要な指標であり、呼吸器疾患の診断や治療効果の判定に用いられます。
その他

患者中心の医療記録:POMRとは?

- 問題志向型診療録POMRとはPOMR(ピーオーエムアール)は、Problem Oriented Medical Recordの略称で、日本語では「問題志向型診療録」と呼ばれています。これは、従来の診療録のように診察日時や診療科ごとに時系列で記録するのではなく、患者さんが抱える医学的な問題点を軸にして記録するという、全く異なる方法です。従来型の診療録では、膨大な記録の中から必要な情報を探し出すことに時間がかかり、情報が断片的になりがちでした。一方で、POMRでは、問題点ごとに診療経過や検査結果、治療計画などが整理されて記録されるため、医療従事者間で情報を共有しやすく、患者さん一人ひとりに合わせた適切な医療を提供することに役立ちます。POMRは、大きく分けて以下の4つの構成要素から成り立っています。1. -問題点一覧表(Problem List)- 患者さんの抱える医学的な問題点をリスト化したもの2. -経過記録(Progress Note)- SOAP形式と呼ばれる一定の様式を用いて、診療経過を記録したもの。SOAPは、主観的情報(Subjective)、客観的情報(Objective)、評価(Assessment)、計画(Plan)の頭文字をとったもの3. -初期情報データベース(Database)- 患者さんの既往歴や身体診察の結果、検査データなど、診療に必要な基礎情報をまとめたもの4. -治療計画表(Treatment Plan)- 各問題点に対する具体的な治療方針や、今後の診療計画をまとめたものPOMRは、医療の質向上や患者さん中心の医療の実現に向けて、重要な役割を果たすと期待されています。
検査

PET検査:がん診断の強力な武器

- PET検査とはPET検査とは、陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography)の略称で、身体の中の細胞がどれだけ活発に活動しているかを画像化する検査です。 この検査では、細胞が活動する際に必要なエネルギー源であるブドウ糖に着目します。 がん細胞は、正常な細胞よりも活発に増殖するため、多くのエネルギーを必要とします。そのため、がん細胞は正常な細胞よりも多くのブドウ糖を取り込みます。PET検査では、このがん細胞の特徴を利用します。検査では、ごくわずかな放射線を出したブドウ糖を体内に注射します。すると、ブドウ糖は血液に乗って全身に運ばれ、活発に活動している細胞に多く取り込まれていきます。 PET検査装置を用いることで、体内に取り込まれたブドウ糖から出る微量の放射線を捉え、画像化することができます。 画像では、ブドウ糖が多く集まった部分が明るく映し出されます。PET検査によって、がん細胞の存在場所や大きさ、そしてその広がり方を把握することができます。 さらに、がんの進行度合いを判断したり、治療の効果を評価したりするためにも用いられます。 また、がん以外にも、脳神経疾患や心臓疾患の診断にも役立ちます。
外科

手術後を意味するPOとは?

手術は病気の治療において重要な役割を担っていますが、手術後も患者の状態を注意深く観察し、適切な処置を行うことが非常に重要です。 医療現場では、患者の状態や治療の経過を正確かつ簡潔に記録するために、様々な略語が使われています。特に手術後の記録には、これらの略語が数多く登場します。 これらの略語は、医療従事者間での情報共有を円滑にするための共通言語として機能しており、患者の状態を素早く把握するために不可欠です。例えば、手術後の患者の意識状態を表す「JCS」や、バイタルサインを示す「BT」など、多くの略語が使われています。 しかし、これらの略語を理解していなければ、患者の状態や治療の経過を正しく把握することができません。そのため、医療従事者は、日頃からこれらの略語の意味を正しく理解し、記録内容を正確に解釈できるようにしておく必要があります。また、患者やその家族に対しては、分かりやすい言葉で説明することが大切です。
その他

がん抑制の守護神:p53遺伝子

私たちの体は、常に新しく生まれ変わっています。古くなった細胞が新しく作り替えられることで、健康な状態を保つことができるのです。細胞が新しく生まれることを細胞分裂といいますが、細胞分裂は私たちの体の中で毎日、休むことなく繰り返されています。 この細胞分裂は、傷ついた組織を修復したり、体が成長していくためには欠かせないものです。しかし、細胞分裂は 正常な状態を保つために厳密に制御されている 必要があります。もしも細胞分裂が制御を失い、無秩序に進んでしまうと、がん細胞のように、際限なく増え続ける異常な細胞が出現する可能性があるからです。 p53遺伝子 は、細胞分裂の制御に深く関わる、重要な遺伝子です。p53遺伝子は、細胞のDNAに損傷が生じたことを感知すると、異常な細胞分裂が起きないようにブレーキをかける役割を担っています。もしもp53遺伝子に変異が生じ、その機能が失われてしまうと、細胞分裂の制御がうまくいかなくなり、がんの発症リスクが高まってしまうのです。
検査

PCR検査でわかること

- PCR検査とは近年、ニュースや新聞で「PCR検査」という言葉を耳にする機会が増えましたね。では、PCR検査とは一体どのような検査なのでしょうか。PCR検査は、「ポリメラーゼ連鎖反応」の略称で、検体の中に特定のウイルスや細菌の遺伝子があるかどうかを調べる検査です。例えば、新型コロナウイルスかどうかを調べる場合には、鼻の奥や唾液などから採取した検体に、新型コロナウイルスの遺伝子が含まれているかどうかを調べます。PCR検査の最大の特徴は、その感度の高さにあります。従来の検査方法では、検体中にウイルスや細菌がある程度の量まで増えないと検出できませんでしたが、PCR検査ではごくわずかな量の遺伝子でも検出することが可能です。これは、PCR検査が遺伝子を増幅させるという仕組みを持っているからです。少ない遺伝子量でも増幅することで、高い精度で検出できるのです。また、PCR検査は、従来の検査方法と比較して、短時間で結果が得られることも大きなメリットです。そのため、感染症の早期発見・早期治療に大きく貢献しています。近年では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために広く活用され、その名が知られるようになりました。
検査

健康の鍵!体のpHバランス

- pHとは?私たちの身の回りには、レモンや梅干しのように酸っぱいものと、石鹸のようにぬるぬるするアルカリ性のものが存在します。この酸性・アルカリ性の度合いを示す指標がpHです。pHは0から14までの数値で表され、ちょうど真ん中の7が中性となります。7より数値が小さいと酸性を示し、数値が小さくなるほど酸性が強くなります。逆に、7より数値が大きいとアルカリ性を示し、数値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。例えば、酸っぱいレモン汁はpH2ほどの強い酸性を示し、梅干しはpH3程度の酸性です。一方、石鹸はpH9~10、重曹はpH8程度の弱いアルカリ性を示します。私たちの体内にも、胃液や血液など様々な液体があり、それぞれ異なるpHを持っています。胃液は食べ物を消化するために強い酸性(pH1~2)を示しますが、血液はほぼ中性(pH7.4前後)に保たれています。これは、私たちの体が健康を維持するために、それぞれの器官や組織に適したpHを保つように精巧に調整されているからです。体のpHバランスが崩れると、様々な体調不良を引き起こす可能性があります。このように、pHは私たちの身の回りや体の中で重要な役割を担っています。
資格・職種

理学療法士ってどんな仕事?

- 理学療法士ってどんな資格?理学療法士と聞いても、具体的にどんな仕事をしているのか想像しにくい方もいるかもしれません。理学療法士は、怪我や病気、高齢などによって身体に障害を持つ方や障害を持つ可能性のある方に対して、その人らしい生活を送れるようにサポートする専門職です。具体的には、まず患者さんの身体の状態を丁寧に評価することから始めます。関節の動きはどうなのか、筋肉の力強さやバランスはどうなのか、痛みはどの程度なのかなどを把握します。そして、その評価に基づいて、一人ひとりの状態や目標に合わせた治療プログラムを作成します。治療プログラムでは、歩く練習などの運動療法、マッサージや電気刺激などの物理療法、温熱や冷却などの治療を行います。これらの治療を通して、痛みの軽減、関節の動きの改善、筋力や体力の向上、日常生活動作の改善などを目指します。理学療法士の活躍の場は、病院やクリニック、介護施設、スポーツ施設など多岐に渡ります。患者さんが住み慣れた地域で安心して生活を送れるよう、医療機関だけでなく、福祉や教育の分野とも連携しながら仕事を進めていきます。
救急

PICUって? 2つの異なる顔を持つ医療現場

PICUという言葉を耳にしたとき、多くの人は同じ場所を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、PICUは全く異なる二つの医療現場を表す略語として使われています。一つは「精神病集中治療室」のことで、英語ではPsychiatry Intensive Care Unitと表記するため、それぞれの単語の頭文字をとってPICUと呼ばれます。もう一つは「小児集中治療室」のことで、こちらはPediatric Intensive Care Unitの略称です。 どちらも、重症化した患者さんの容態を24時間体制で観察し、高度な医療機器を用いた集中的な治療や看護を提供する場であるという点では共通しています。しかし、対象となる患者さんや治療内容は大きく異なります。「精神病集中治療室」では、主に統合失調症やうつ病などの精神疾患が悪化し、自傷や他害のおそれがあるなど、入院治療が必要と判断された患者さんが入院しています。一方、「小児集中治療室」では、重い病気やケガをした15歳未満の子どもたちが、その年齢特有の体の仕組みや病気の特徴に合わせた専門的な治療を受けています。 このように、PICUは一見同じように見えても、実際には全く異なる医療現場を指す言葉なのです。それぞれの現場では、専門的な知識や技術を持った医療従事者が、患者さんの一日も早い回復に向けて日々尽力しています。
その他

医療現場で使われる「pus」ってなに?

傷口を見たときに、黄色や緑っぽいどろっとした液体が出ているのを見たことはありませんか?これは「膿(うみ)」と呼ばれるもので、医学用語では「pus(パス)」と表現します。 医療現場では、日本語よりも英語表記の「pus」の方が頻繁に使われます。これは、カルテなどに記載する際にもそのまま「pus」と記されることが一般的です。 では、この「膿」は一体何なのでしょうか? 膿は、体内に侵入した細菌やウイルスと戦うために集まった白血球や、その戦いで死んでしまった細胞、そして組織の残骸などが混ざり合ってできたものです。つまり、膿は体が細菌と戦っている証拠とも言えます。 膿が出ること自体は、必ずしも悪いことではありません。しかし、大量の膿が溜まったり、体の深い部分に膿が溜まってしまうと、周囲の組織を圧迫したり、炎症が広がってしまう可能性があります。そのため、膿が出た場合は、自己判断せずに医療機関を受診するようにしましょう。
その他

医療現場で使われる「pus」ってなに?

「pus」って、日本語では「膿(うみ)」のことです。 怪我をした後などに、傷口から白や黄色っぽい、どろっとしたものが出てきた経験はありませんか?それが膿です。 膿は、傷口に細菌などが感染することで起こる炎症反応の一つです。 体の中に侵入してきた細菌やウイルスと戦ってくれた白血球の死骸や、細菌と戦ったときに生じた老廃物などが混ざり合って、あの独特の色や粘り気を生み出しています。 医学の世界では、カルテなどに記録をつけるときに、専門用語として「pus」が使われることがあります。 しかし、患者さんに説明する際は、より分かりやすいように「膿」という言葉を使うことが多いです。
検査

PCR検査:ウイルスの検出

近年、ニュースや新聞などで「PCR検査」という言葉を耳にする機会が増えましたね。では、PCR検査とは一体どのような検査なのでしょうか? PCR検査とは、「ポリメラーゼ連鎖反応」の略称で、特定のウイルスや細菌の遺伝物質を人工的に増幅させて、その有無を調べる検査方法です。 私たちの体の中には、細胞の中に遺伝情報をつかさどるDNAが存在しています。ウイルスも同様に、遺伝情報を持つDNAやRNAを持っています。PCR検査では、このウイルス特有のDNAやRNAを検出することで、感染の有無を判断します。 検査では、まず、鼻の奥や喉の粘膜を綿棒でこすり、検体を採取します。この検体には、もし感染していれば、ごくわずかな量のウイルスが含まれています。PCR検査では、このわずかな量のウイルス遺伝子を、試験管の中で増幅させることで、検出を容易にします。 PCR検査は、従来の検査方法と比べて、感度が高く、微量のウイルスでも検出することができるという特徴があります。そのため、感染初期の段階でもウイルスの有無を調べることができ、早期発見・早期治療に繋がると期待されています。
その他

医療現場で使われる「pus」って何?

病院で働く医療従事者同士が専門用語を用いてコミュニケーションを取ることは、患者さんの情報を正確かつ迅速に共有する上で非常に重要です。その専門用語の一つに、「pus(ぱす)」という言葉があります。これは、日本語では「膿」という意味を持つ医学用語です。「膿」は、細菌やウイルス感染によって引き起こされる炎症反応によって生じる、白っぽい黄色や緑色の粘り気のある液体のことを指します。 医療現場では、この「pus」は頻繁に登場する言葉です。なぜなら、「膿」の有無や色、量などは、患者さんの体の状態や病気の進行度合いを把握するための重要な指標となるからです。例えば、傷口に「膿」が溜まっている場合は、感染症が疑われますし、「膿」の色が緑色っぽい場合には、特定の種類の細菌感染の可能性も考えられます。 このように、「pus」は医療従事者にとって、患者さんの状態を正確に把握し、適切な治療方針を決定するために欠かせない医学用語の一つなのです。患者さん自身も、もし医療従事者から「pus」という言葉を使った説明を受けた際には、ためらわずに質問するようにしましょう。
検査

pH:体の酸アルカリバランスの鍵

水溶液の性質を語る上で欠かせない指標である「pH(ピーエッチ)」。これは、ある水溶液が酸性寄りなのか、アルカリ性寄りなのかを示すものです。0から14までの数値で表され、ちょうど真ん中の7が中性を表します。7より数値が小さくなるほど酸性が強く、逆に大きくなるほどアルカリ性が強くなります。 身近なもので例えると、レモンや梅干しのような酸っぱいものはpHが低く、石鹸のようにぬるぬるしたものはpHが高いと言えます。私たちの身の回りには、様々なpHを持つ物質が存在しています。 人間の体にとっても、このpHのバランスは非常に重要です。私たちの体は、弱アルカリ性の状態が最も安定するとされています。体内のpHが酸性に傾くと、疲労や倦怠感を引き起こしやすくなったり、骨がもろくなったりすると言われています。逆に、アルカリ性に傾きすぎると、イライラしやすくなったり、筋肉が痙攣しやすくなるなどの症状が現れることがあります。 このように、pHは私たちの健康状態にも大きく関わっているのです。
資格・職種

理学療法士ってどんな仕事?

- 理学療法士ってどんな資格? 理学療法士、略してPTと呼ばれる職業をご存知でしょうか? PTは、病気や怪我、加齢などが原因で身体に不自由を抱える人に対して、再び身体を動かせるようにサポートする専門職です。 具体的には、身体を動かす訓練や、電気、光、温熱などを用いた治療によって、痛みを和らげたり、関節の動きを滑らかにしたり、筋力を強化したりします。 例えば、骨折後のリハビリテーションや、脳卒中後の麻痺の回復、高齢者の歩行訓練などが挙げられます。 理学療法士は、患者さん一人ひとりの状態や目標に合わせて治療計画を立て、日常生活の動作がスムーズに行えるように寄り添います。 患者さんの笑顔や「ありがとう」の言葉が直接聞ける、とてもやりがいのある仕事です。
救急

PICUってなに? 2つの意味を解説

病院内で「PICU」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは一体どのような場所を指すのでしょうか? 実は、PICUには『精神病集中治療室』と『小児集中治療室』という、全く異なる二つの意味が存在します。 まず、『精神病集中治療室』は、精神疾患を抱え、症状が重篤化している患者さんのための集中治療室です。ここでは、自傷他害のリスクが高い患者さんや、精神症状の悪化により日常生活を送ることが困難な患者さんに対して、24時間体制で集中的な治療やケアが行われます。 一方、『小児集中治療室』は、主に15歳以下の子供たちを対象とした集中治療室です。重い病気や怪我、手術後などで集中的な治療や看護が必要な子供たちが、専門の医療スタッフによって24時間体制で見守られています。 このように、同じPICUという言葉でも、文脈によって全く異なる意味を持つため、注意が必要です。特に、医療従事者間では、誤解を防ぐため、会話の中でどちらのPICUを指しているのかを明確にすることが重要です。
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