顕微鏡的多発血管炎:小さな血管の大きな炎症
- 顕微鏡的多発血管炎とは顕微鏡的多発血管炎という病名は、あまり聞き馴染みがないかもしれません。この病気は、体中に張り巡らされた細い血管に炎症が起こることで、様々な症状が現れます。「多発血管炎」という名前が示すように、炎症は体の複数の血管に生じます。しかし、肉眼では確認できないほど小さな血管で炎症が起こるため、「顕微鏡的」という言葉が付け加えられています。顕微鏡的多発血管炎は、免疫システムの異常が原因と考えられていますが、はっきりとした原因はまだ解明されていません。本来、免疫システムは細菌やウイルスなどの外敵から体を守る働きをしています。しかし、顕微鏡的多発血管炎を発症すると、この免疫システムが誤って自分の体の血管を攻撃してしまうのです。その結果、血管の壁が炎症を起こし、血液の流れが悪くなったり、血管が破れて出血したりすることがあります。顕微鏡的多発血管炎は、放置すると重症化することもあるため、早期発見・早期治療が重要です。症状としては、発熱、体重減少、倦怠感、筋肉痛、関節痛など、風邪に似た症状が現れることがあります。また、血管の炎症が起こる場所によっては、皮膚の紫斑、咳や息切れ、腹痛、腎機能障害などの症状が現れることもあります。もし、これらの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。