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脳・神経

重症筋無力症:体の信号の異常が招く筋力低下の謎

- 重症筋無力症とは重症筋無力症は、体の筋肉が異常に疲れやすく、力が入りにくくなる病気です。その名の通り、重症化すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。 この病気は、筋肉を動かす指令を脳から伝える神経と筋肉の接合部である神経筋接合部において、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きが阻害されることで発症すると考えられています。通常、私達が体を動かそうとすると、脳から神経を通じて筋肉へ指令が送られます。この指令を筋肉に伝える役割を担っているのが、神経筋接合部から放出されるアセチルコリンという物質です。ところが、重症筋無力症の患者さんの場合、このアセチルコリンの働きを阻害する物質(抗アセチルコリン受容体抗体)が体内で作られてしまいます。その結果、神経からの指令が筋肉にうまく伝わらなくなり、筋力低下や疲労が生じると考えられています。具体的には、まぶたが垂れ下がる、ものが二重に見える、うまく話せなくなる、飲み込みにくくなる、首が支えられない、腕が上がらない、呼吸が苦しいなどの症状が現れます。これらの症状は、時間帯や体調によって変動することが多く、朝起きた時は症状が軽くても、夕方や疲れているときには悪化しやすい傾向があります。また、症状が現れる部位や程度は患者さん一人ひとり異なり、同じ症状が続くことは稀です。
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