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血液

巨赤芽球性貧血:原因と症状

- 巨赤芽球性貧血とは人間の体内を循環する血液には、赤い色をした細胞である赤血球が含まれています。この赤血球は、体の隅々まで酸素を運ぶという重要な役割を担っています。巨赤芽球性貧血とは、この赤血球が正常に成熟することができず、血液中で酸素を運ぶ役割を十分に果たせない状態になることで発症する貧血です。健康な状態では、骨髄と呼ばれる骨の中心部で、赤血球の元となる細胞が分裂と成熟を繰り返しながら、正常な赤血球へと成長していきます。しかし、巨赤芽球性貧血では、この成熟過程がうまくいかず、「巨赤芽球」と呼ばれる未熟な状態の赤血球が骨髄の中に異常に増加してしまいます。巨赤芽球は、正常な赤血球に比べてサイズが大きく、機能も未熟なため、効率的に酸素を運ぶことができません。その結果、巨赤芽球性貧血になると、体が酸素不足に陥り、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、顔面蒼白、息切れ、動悸、疲労感、めまいなどが挙げられます。また、舌の炎症や神経障害などが現れることもあります。巨赤芽球性貧血の原因として最も多いのは、ビタミンB12や葉酸の不足です。ビタミンB12と葉酸は、赤血球の成熟に欠かせない栄養素です。これらの栄養素が不足すると、赤血球が正常に成熟することができなくなり、巨赤芽球性貧血を引き起こします。
消化器

虚血性大腸炎:原因、症状、治療法

- 虚血性大腸炎とは虚血性大腸炎は、読んで字のごとく、大腸に血液が十分に行き渡らなくなることで起こる炎症性疾患です。 私たちの体は、心臓から送り出された血液によって、酸素や栄養を全身に届けています。 大腸も例外ではなく、常に新鮮な血液が供給されることで、正常な働きを保っています。しかし、何らかの原因で大腸への血流が悪くなると、大腸の粘膜が酸素不足に陥り、炎症を起こしてしまいます。これが、虚血性大腸炎と呼ばれる病気です。 主な症状としては、腹痛や下痢が挙げられます。 腹痛は、キリキリとした痛みや、締め付けられるような痛みなど、患者さんによって様々です。また、下痢には、血液が混じることもあり、これは、炎症を起こした大腸の粘膜から出血しているためです。 多くの場合、虚血性大腸炎は一時的なものであり、適切な治療を行えば、後遺症なく治癒します。 治療としては、絶食や点滴によって、腸に負担をかけないように安静を保ちながら、炎症を抑える薬を投与します。 ただし、重症化すると、大腸に穴が開いてしまうこともあり、手術が必要になるケースもあります。
消化器

急性虫垂炎の診断:キュンメル点とは

お腹の痛みは、誰もが経験するありふれた症状です。食べ過ぎや消化不良など、一時的なものから、虫垂炎や胆嚢炎といった緊急を要する病気まで、その原因は実に様々です。そのため、医療従事者は、患者さんからお腹の痛みの訴えがあった場合、その場所や痛みの性質、いつから痛むのかなどを詳しく聞き取り、身体診察を行います。 身体診察において重要な役割を果たすのが、圧痛点の確認です。圧痛点とは、お腹を押したときに、他の場所に比べて特に痛みを感じる場所のことです。この圧痛点は、病気の種類によって現れる場所が異なります。例えば、おへその右側が痛む場合は虫垂炎、みぞおちの右側が痛む場合は胆嚢炎などが疑われます。また、痛みの強さも重要な判断材料となります。軽く押しただけで強い痛みを感じる場合は、腹膜炎など、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。 このように、お腹の痛みと一口に言っても、その原因は様々であり、圧痛点は痛みの原因を探る上で重要な手がかりとなります。自己判断は危険ですので、お腹の痛みが続く場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
資格・職種

灸師の仕事内容と資格取得について

- 灸師とは灸師とは、日本の伝統的な医術である「灸」を用いて、人々の健康をサポートする専門家です。灸とは、よもぎの葉から作られた「もぐさ」と呼ばれるものを皮膚の上で燃やし、その熱と薬効成分によって体の不調を和らげる施術法です。灸師はこの灸を専門的に行い、肩こりや腰痛、冷え性、消化不良など、様々な症状に悩む人々を施術を通して支えています。灸師になるためには、国家資格である「灸師」の免許を取得する必要があります。この免許を取得するためには、厚生労働大臣が指定する専門学校で3年以上、解剖学や生理学、病理学などの基礎医学、そして経絡経穴学や東洋医学概論といった専門知識、さらに実技を含む灸に関する知識と技術を習得しなければなりません。そして、厳しい国家試験に合格することで、初めて灸師として施術を行うことができるのです。灸師は、あん摩マッサージ指圧師や鍼師と同様に、日本の伝統医療を担う重要な役割を担っています。現代社会においても、灸は副作用の少ない自然療法として、多くの人々に選ばれている治療法です。灸師は、体の仕組みや経穴に関する深い知識に基づき、一人ひとりの症状や体質に合わせた最適な施術を提供しています。そして、人々の健康維持や増進に貢献しています。
皮膚科

牛痘:人にも感染する動物由来の感染症

- 牛痘とは牛痘は、牛痘ウイルスによって感染する病気です。主に牛などの動物がかかりますが、人間にも感染することがあります。このウイルスは、オルソポックスウイルスというグループに属しており、かつて猛威を振るった天然痘ウイルスと同じ仲間です。しかし、人間にとって命に関わることもある天然痘とは異なり、牛痘は比較的症状が軽く、ほとんどの場合、重症化することはありません。牛痘の症状として、まず、感染した場所にかゆみのある赤い発疹が現れます。これは通常、手にできることが多いですが、顔や体など、体の他の部分に現れることもあります。その後、発疹は水ぶくれになり、かさぶたとなって治っていきます。発熱や倦怠感などの全身症状が現れることもありますが、多くは軽度です。牛痘は、感染した動物との接触によって感染します。具体的には、感染した牛の乳を搾ったり、傷口に触れたりすることで感染する可能性があります。また、ウイルスが付着した物に触れることによっても間感染することがあります。かつて、牛痘は人間にとって身近な病気でしたが、現在では、世界中で牛の予防接種が進み、人間への感染は非常にまれになっています。ただし、牛などの動物を扱う職業の人や、動物園や牧場などで動物と触れ合う機会が多い人は、感染のリスクに注意する必要があります。牛痘は通常、特別な治療を必要とせず、自然に治癒します。症状を和らげるために、かゆみ止めや解熱鎮痛剤を使用することもできます。ただし、症状が重い場合や、心配な症状がある場合は、医療機関を受診してください。
血液

輸血を支える「供血者」の役割

- 供血者とは供血者とは、事故や病気、手術などで血液が必要となった人のために、自らの血液を提供してくれる人のことです。輸血は、不足した血液を補い、命をつなぐための大切な医療行為です。そして、その輸血を陰ながら支えているのが「供血者」と呼ばれる人々です。誰しも、病気や事故で予期せず輸血が必要となる可能性があります。しかし、血液は人工的に作ることはできず、私たちが健康な生活を送るためには、十分な量の血液を医療現場に確保しておくことが不可欠です。供血は、健康な人が行えば、身体への負担は少なく、安全な行為です。そして、わずか400ml程度の血液を提供することで、誰かの命を救い、健康を取り戻すための大きな力となります。近年、少子高齢化の影響もあり、輸血を必要とする人は増加傾向にある一方で、供血者は減少しています。将来にわたって、安全な血液製剤を安定的に供給していくためには、より多くの人の理解と協力が不可欠です。一人でも多くの人が供血について考え、行動を起こすことが、未来の医療を支えることにつながります。
血液

献血:命をつなぐ尊い行為

- 供血者の定義供血者とは、医療現場において必要とされる輸血のために、自らの血液を無償で提供してくれる人のことを指します。輸血は、手術中や事故による大量出血、または病気の治療など、様々な状況において人の命を救うために欠かせない医療行為です。輸血に必要となる血液は、健康な人々からの献血によって賄われています。献血された血液は、安全性を確保するために厳密な検査が行われた後、輸血を必要とする患者さんのもとへ届けられます。 つまり、供血者とは、自らの血液を提供するという尊い行為を通して、医療を支え、他の人の命を救うことに貢献していると言えるでしょう。
アレルギー

季節性アレルギーと通年性アレルギーの違い

- 季節性アレルギーとは?季節性アレルギーとは、特定の季節にのみ症状が現れるアレルギー反応のことです。 一年を通してほぼ一定の気温・湿度が保たれた室内よりも、 外で活動する機会が増える春や秋に症状が現れやすい傾向があります。代表的なものとして、春先に多く飛散するスギやヒノキなどの花粉が原因となる花粉症が挙げられます。 その他にも、イネ科の植物やブタクサの花粉が原因で、夏から秋にかけて症状が現れることもあります。 これらのアレルギーを引き起こす物質はアレルゲンと呼ばれ、空気中に多く飛散する時期に、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、涙などのアレルギー症状を引き起こします。 これらの症状は、アレルゲンが体内に入ると、体内の免疫システムが過剰に反応することで起こります。 具体的には、体内に入ったアレルゲンに対して、免疫細胞がヒスタミンやロイコトリエンといった化学物質を放出します。 これらの化学物質が、鼻や目の粘膜に作用することで、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状が現れるのです。季節性アレルギーは、適切な治療を行うことで症状を和らげることができます。 症状が重い場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
消化器

肝臓と臍をつなぐ遺構:肝円索

- 胎児期の名残肝円索 私たちのお腹には、「肝円索」と呼ばれる、胎児期の名残があります。これは、母親のお腹の中にいた頃に重要な役割を果たしていた血管の跡です。 胎児は、母親の胎盤から酸素や栄養を受け取って成長します。 この時、胎盤と胎児の肝臓を繋いでいたのが「臍静脈」と呼ばれる血管で、肝円索はこの臍静脈の名残です。 臍静脈は、胎児にとってまさに生命線とも言える重要な血管でした。 胎盤から運ばれてくる、酸素と栄養を豊富に含んだ血液を、ダイレクトに肝臓へと送り届けていたのです。 しかし、私たちが母親の胎外に出て、肺呼吸を始めるようになると状況は一変します。 肺が酸素を取り込む役割を担うようになるため、臍静脈の役割は必要なくなり、閉鎖してしまうのです。 そして、かつて血管であった部分は線維化し、細い紐のような組織へと変化します。これが、肝円索です。 肝円索は、私たちが母親のお腹の中で過ごした時間の、確かな証と言えるでしょう。
消化器

命に関わることも!急性胆管炎とは?

急性胆管炎は、肝臓で作られた消化液である胆汁の通り道である胆管に細菌が感染し、急激な炎症を引き起こす病気です。胆管は、胆汁を肝臓から十二指腸へと送り届ける重要な役割を担っています。この胆管で炎症が起こると、胆汁の流れが滞ってしまい、体に様々な症状が現れます。 急性胆管炎は、主に胆石が原因で起こることが多く、胆石が胆管に詰まることで胆汁の流れが妨げられ、細菌が繁殖しやすくなることで発症すると考えられています。また、胆管の腫瘍や狭窄、寄生虫感染などが原因となることもあります。 急性胆管炎になると、発熱、腹痛、黄疸といった症状が現れます。特に、右上腹部に見られる激しい痛みは特徴的で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。重症化すると、意識障害やショック状態に陥ることもあり、命に関わる危険性も高まります。 急性胆管炎の治療では、まず抗生物質を投与して炎症を抑え、細菌の増殖を抑えることが重要です。さらに、胆管ドレナージと呼ばれる処置を行い、胆管内に溜まった膿や胆汁を排出します。これは、内視鏡を用いて胆管にチューブを挿入する方法や、体外から針を刺して胆汁を排出する方法などがあります。 急性胆管炎を予防するためには、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、胆石のリスクを減らすことが大切です。また、早期発見、早期治療が重要となるため、腹痛や発熱、黄疸などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
消化器

偽膜性大腸炎とは:抗菌薬と腸の意外な関係

- 偽膜性大腸炎とは偽膜性大腸炎は、腸内に存在する特定の細菌が過剰に増殖することで発症する病気です。この細菌は、クロストリディオイデス・ディフィシルと呼ばれ、健康な人の腸内にも少数ながら生息しています。通常の状態では、特に害を及ぼすことはありません。しかし、抗生物質の使用などによって腸内環境のバランスが崩れると、このクロストリディオイデス・ディフィシルが爆発的に増殖し始めます。クロストリディオイデス・ディフィシルは増殖する際に、腸の粘膜に炎症を引き起こす毒素を産生します。この毒素によって、大腸の粘膜に炎症や潰瘍が形成され、その表面は白い膜状のものに覆われます。これが、偽膜性大腸炎と呼ばれる所以です。偽膜性大腸炎の主な症状としては、腹痛や下痢、発熱などが挙げられます。特に、水のような下痢が特徴的で、重症化すると脱水症状や血便、腸閉塞などを引き起こすこともあります。偽膜性大腸炎の治療には、原因となるクロストリディオイデス・ディフィシルの増殖を抑えるための抗菌薬が用いられます。また、脱水症状が見られる場合には、水分や電解質を補給する治療も行われます。偽膜性大腸炎は、抗生物質の使用と関連性が深く、特に高齢者や免疫力が低下している人は注意が必要です。抗生物質の使用中に下痢などの症状が現れた場合は、自己判断せずに速やかに医師に相談することが大切です。
皮膚科

摩擦で起こる蕁麻疹、機械性蕁麻疹とは?

- 機械性蕁麻疹とは 機械性蕁麻疹は、皮膚に加わった摩擦や圧迫といった物理的な刺激がきっかけで、じんましんの症状が現れる病気です。じんましんは、皮膚の一部分が赤く盛り上がり、強いかゆみを生じるアレルギー反応の一つです。この赤く腫れ上がった部分を膨疹(ぼうしん)と呼びます。 機械性蕁麻疹の場合、この膨疹は、皮膚を掻いたり、衣服でこすれたり、長時間座ったりするなど、物理的な刺激を受けた場所にのみ現れるのが特徴です。 例えば、ベルトや下着の締め付けによってお腹や腰に膨疹が現れたり、長時間椅子に座っていたために太ももやお尻に膨疹が現れたりします。症状の現れ方には個人差があり、数分から数時間程度で症状が治まる人もいれば、数日間症状が続く人もいます。 機械性蕁麻疹の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、皮膚への刺激によって皮膚内の肥満細胞という細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されることが関係していると考えられています。 日常生活で生じる些細な刺激によって症状が出るため、生活の質を低下させてしまう病気ですが、適切な治療を行うことで症状を抑えることが可能です。
消化器

緊急事態!急性胃粘膜病変について

- 急性胃粘膜病変とは?急性胃粘膜病変とは、その名の通り、胃や十二指腸の表面を覆う粘膜に急激に炎症や傷が生じる病気です。一般的には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃炎などを含めた、幅広い病気を表す言葉として使われています。この病気の特徴は、突然の激しい腹痛です。胃や十二指腸の粘膜が傷つくことで、強い痛みを感じます。また、吐き気や嘔吐を伴うことも多く、症状が重い場合には、吐物に血が混じったり、便が黒く変色したりすることもあります。これは、胃や十二指腸の粘膜の傷から出血しているためです。急性胃粘膜病変の原因は様々ですが、ストレスや暴飲暴食、喫煙、解熱鎮痛剤の常用などが挙げられます。また、ピロリ菌感染も、胃粘膜に炎症を引き起こし、急性胃粘膜病変のリスクを高める要因の一つです。急性胃粘膜病変は、適切な治療を行えば、多くは短期間で治癒します。しかし、放置すると、胃穿孔や大量出血などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。そのため、激しい腹痛や吐血などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
消化器

隠れた危険信号?肝脾腫について解説

- 肝臓と脾臓の腫れ肝脾腫とは肝脾腫とは、体の右側上腹部にある肝臓と、左側上腹部にある脾臓の両方が腫れている状態を指します。それぞれの臓器の役割と、腫れが生じる原因について詳しく見ていきましょう。-# 重要な役割を担う肝臓肝臓は、体の右側上腹部、肋骨の下に位置する、人体の中で最大の臓器です。その働きは多岐にわたり、栄養分の分解と合成、胆汁の生成、アルコールや薬物などの解毒、血液の貯蔵など、生命維持に欠かせない役割を担っています。-# 免疫と血液に関わる脾臓脾臓は、体の左側上腹部、肋骨の下、胃の近くに位置する臓器です。血液中の老廃物や古くなった赤血球をろ過して破壊する役割や、免疫機能において重要な役割を担っています。具体的には、リンパ球という免疫細胞を生成し、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る働きをしています。-# 肝脾腫の原因肝臓と脾臓は、それぞれ異なる役割を担っていますが、共通して、様々な病気によって腫れが生じることがあります。肝臓の病気では、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝などが挙げられます。脾臓の病気では、感染症、血液疾患、自己免疫疾患などが挙げられます。肝脾腫は、これらの病気の症状の一つとして現れることが多く、腫れの程度や原因によって、自覚症状や治療法が異なります。そのため、肝臓や脾臓の腫れを感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
食生活

健康に良い魚油の秘密

- 魚油とは魚油とは、イワシやサバといった背の青い魚を煮て、その脂肪分から取り出した油のことです。魚独特のにおいを持つものが一般的ですが、においを抑えた精製されたものも販売されています。近年では健康食品として注目され、カプセルや液体、粉末など様々な形状で販売されており、手軽に摂取できることから人気を集めています。魚油に多く含まれている成分として、DHAやEPAといった多価不飽和脂肪酸が挙げられます。DHAは脳の働きを活性化させ、記憶力や学習能力の向上に効果が期待できると言われています。また、EPAには血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果も期待できます。魚油は、これらの健康効果から、生活習慣病の予防や改善、脳の健康維持など様々な目的で利用されています。しかし、魚油は医薬品ではありません。あくまで健康食品であるため、その効果や効能には個人差があり、過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性もあることを理解しておく必要があります。摂取量については、商品に記載されている用法・用量を守るか、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
救急

地域の砦!救命救急センターとは?

救命救急センターは、地域の住民にとって、生命に関わる深刻な病気や怪我に対応する最後の砦と言えるでしょう。交通事故や心臓の血管が詰まる病気、脳の血管が詰まったり破れたりする病気など、一刻を争う事態が発生した場合、高度な医療技術と設備を駆使して、患者さんの命を守る役割を担っています。 救命救急センターでは、24時間体制で、緊急性の高い患者さんを受け入れています。夜間や休日でも、専門の医師や看護師が常駐し、いつでも適切な処置を行えるよう備えています。また、ドクターヘリや救急車などと連携し、一刻も早く病院へ搬送する体制を整えています。 救命救急センターは、地域の医療機関との連携も重要な役割を担っています。重症患者さんの受け入れや、高度な医療技術の提供を行うだけでなく、地域の医療機関に対する医師や看護師の教育、医療情報の提供などを通じて、地域全体の医療の質向上にも貢献しているのです。
消化器

緊急疾患!急性胃粘膜病変とは?

- 急性胃粘膜病変とは急性胃粘膜病変は、胃や十二指腸の粘膜に急激に炎症や損傷が生じる病気です。文字通り、胃の粘膜に急性の病変が生じることを意味し、具体的な病態としては、急性胃炎、急性びらん、急性潰瘍などが含まれます。胃は、食べ物を消化するために重要な役割を担う臓器です。胃の内部には、胃粘膜と呼ばれる粘膜で覆われており、胃酸や消化酵素から胃自身を守っています。しかし、様々な要因によってこの胃粘膜に急激な炎症や損傷が生じることがあります。これが急性胃粘膜病変です。急性胃粘膜病変は、その名の通り突然発生し、激しい症状を引き起こすことが特徴です。主な症状としては、みぞおちの痛み、吐き気、嘔吐などがあります。また、炎症や損傷の程度によっては、吐血や下血などの症状が現れることもあります。急性胃粘膜病変の原因は様々ですが、主なものとしては、薬剤、アルコール、ストレス、細菌感染などが挙げられます。例えば、痛み止めとして広く使用されている非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、胃粘膜への攻撃性を有しており、服用により急性胃粘膜病変を引き起こすことがあります。また、アルコールやストレスも胃酸の分泌を増加させたり、胃粘膜の防御機能を低下させたりすることで、急性胃粘膜病変の原因となることがあります。急性胃粘膜病変は、適切な治療を行えば多くの場合、比較的短期間で治癒する病気です。しかし、放置すると慢性化したり、重症化したりする可能性もあるため注意が必要です。症状を感じたら、自己判断せずに速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
循環器

巨細胞性動脈炎:知っておきたい血管の病気

- 巨細胞性動脈炎とは巨細胞性動脈炎は、体の比較的大きな動脈に炎症が起こる病気です。炎症によって動脈の壁が厚く硬くなるため、血液の流れが悪くなったり、血管が狭くなったりすることがあります。この病気は、特に頭部や首の動脈に発生しやすく、こめかみ付近を通る側頭動脈や、目に血液を送る眼動脈が影響を受けやすいとされています。そのため、放置すると失明の危険性もある病気です。 巨細胞性動脈炎の主な症状としては、激しい頭痛、こめかみの痛み、視力障害などがあります。また、発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少などの全身症状が現れることもあります。 原因は明らかになっていませんが、免疫の異常が関わっていると考えられています。高齢者に多くみられ、特に50歳以上の女性に多い病気です。早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。治療は通常、ステロイド薬を用いて炎症を抑えます。早期に治療を開始することで、症状の改善や重症化の予防が期待できます。
消化器

緊急事態!急性胃粘膜病変とは?

- 急性胃粘膜病変とは私たちの胃は、食べたものを消化するために、強い酸性の胃液や様々な消化酵素を分泌しています。通常、胃の粘膜はこれらの攻撃から自身を守るための巧妙な仕組みを備えています。しかし、様々な要因によってこの防御システムがうまく働かなくなると、胃や十二指腸の粘膜に急激に炎症や損傷が起こることがあります。これが急性胃粘膜病変です。急性胃粘膜病変は、その名の通り、急激に発症するのが特徴です。症状としては、みぞおちの痛み、吐き気、嘔吐、食欲不振などが挙げられます。多くの場合、炎症やびらんが軽度であれば、数日間の安静や食事療法で症状は改善します。急性胃粘膜病変の原因は多岐に渡り、ストレス、暴飲暴食、香辛料の多い食事、アルコールの過剰摂取、喫煙などが挙げられます。また、解熱鎮痛剤や抗血小板剤などの薬剤が原因となることもあります。さらに、ピロリ菌感染も急性胃粘膜病変の発生と深く関わっていることが知られています。急性胃粘膜病変は決して珍しい病気ではありません。日頃から、バランスの取れた食生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜め込まないようにすることが大切です。また、症状を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
食生活

生命の維持に必要なエネルギー: 基礎代謝

- 基礎代謝とは 人間は生きていく上で、常にエネルギーを消費しています。息をするのも、心臓を動かすのも、体温を保つのも、すべてエネルギーが必要です。 この、生命を維持するために最低限必要なエネルギー消費量のことを、基礎代謝と呼びます。 たとえ眠っている間でも、私たちの身体の中では、心臓が拍動し、肺が呼吸を続け、体温が一定に保たれています。 安静状態であっても、生命を維持するためだけに消費されるエネルギー量は、想像以上に大きいのです。 基礎代謝量は、個人差があり、年齢、性別、体格、筋肉量、ホルモンバランスなどの様々な要因によって影響を受けます。 一般的に、男性は女性よりも筋肉量が多いため、基礎代謝量が高くなる傾向があります。また、年齢を重ねるにつれて、筋肉量が減少し、基礎代謝量は低下していきます。 基礎代謝は、健康的な生活を送る上で非常に重要な役割を果たしています。 基礎代謝量が多いほど、多くのエネルギーを消費することができるため、太りにくく、健康的な身体を維持しやすくなります。 逆に、基礎代謝量が低い場合は、エネルギー消費量が少なくなるため、太りやすく、健康上の問題が生じる可能性が高まります。
消化器

造血幹細胞移植と肝中心静脈閉塞症

- 肝中心静脈閉塞症とは肝中心静脈閉塞症(SOS)は、生命維持に欠かせない臓器である肝臓に起こる深刻な病気です。肝臓は、無数の小さな血管が網の目のように張り巡らされた構造をしています。その中でも特に、肝小葉の中心に位置し、そこから血液を送り出す役割を担うのが「中心静脈」です。肝中心静脈閉塞症では、この中心静脈、あるいはそこから枝分かれしたさらに細い血管である「類洞」と呼ばれる部分に血の塊(血栓)ができてしまいます。血液は、酸素や栄養を体の隅々まで運ぶ役割を担っています。しかし、肝臓内の血管に血栓ができてしまうと、血液の流れが滞り、肝臓の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなってしまいます。その結果、肝細胞が徐々にダメージを受け、壊死してしまうのです。以前は「肝類洞閉塞症候群(VOD)」とも呼ばれていたこの病気は、造血幹細胞移植後に起こる合併症の一つとして知られています。造血幹細胞移植は、血液のがんなどで正常な血液細胞を作れなくなった患者さんに対して行われる治療法ですが、移植後、一定の確率でこの肝中心静脈閉塞症を発症することがあります。移植を受けた患者さんにとって、肝中心静脈閉塞症は、治療の成功を左右する重大な合併症となり得るのです。
その他

共鳴:振動が織りなす驚異の世界

- 共鳴とは共鳴現象は、私達の身の回りで見られる興味深い現象です。簡単に言うと、ある物体がある特定の周波数で揺れやすい性質を持つ時、それと全く同じ周波数を持つ外部からの振動や波動がその物体に伝わると、その振動が著しく増強される現象を指します。例えとして、静かな水面に小石を投げ込むと、その一点から波が広がっていく様子を思い浮かべてみましょう。この時、水面は小石という外部からの力によって振動しています。もしも、水面に外部から特定の周波数で力が加わり続けるとどうなるでしょうか? 水面の波はどんどん大きくなり、最終的には非常に高い波になる可能性もあります。これが共鳴現象です。この現象は、物体自身が持つ固有の振動数と、外部から加わる振動数の関係によって起こります。ブランコを漕ぐ際、タイミング良く力を加えると、ブランコは大きく揺れるようになります。これも共鳴の一種です。ブランコが持つ固有の振動数と、人が力を加えるタイミングが一致することで、ブランコの揺れは増幅されていきます。共鳴は、楽器の音色を生み出す、ラジオの周波数を合わせるなど、私達の生活の様々な場面で応用されています。一方で、橋が強風によって共振し、崩壊してしまうといった事故も起こりえます。共鳴現象を理解することは、私達の生活を豊かにするだけでなく、安全を守る上でも重要です。
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