現代医療の壁:難病とは何か
現代の医療をもってしても、根治が困難な病気を難病と呼びます。難病は、患者さんにとって大きな負担となるだけでなく、医療経済全体にも大きな影響を与えます。
厚生労働省は、難病を「発症の原因が解明されていない、あるいは治療法が確立していないために、長期間にわたる療養が必要となる病気」と定義しています。これは、現在の医学では完治が難しい、あるいは治療法がまだ見つかっていない病気を意味します。
難病には、がんや心臓病などのように、多くの患者さんがいる病気もあれば、ごく少数の人にしか発症しない希少疾患もあります。いずれの場合も、患者さんは、身体的な苦痛に加えて、精神的な不安や経済的な負担を抱えることになります。
難病の克服には、医学研究の進歩が不可欠です。国は、難病の治療法や予防法の開発、患者さんの生活の質の向上を目指した研究を推進しています。同時に、患者さんやその家族に対する経済的・精神的な支援も重要な課題となっています。